2013年6月26日水曜日

原発・放射能ニュース 2013.6.26~30

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6.30

原発事故 賠償訴訟へ参加呼びかけ 那須塩原で説明会 (東京新聞)
 東京電力福島第一原発事故による放射能汚染を受け、国や東電に損害賠償を求める訴訟についての説明会が二十九日、那須塩原市で開かれた。主催した「福島原発被害首都圏弁護団」共同代表の中川素充弁護士は「国の賠償指針から、この地域(栃木県北部)は外れているが、救済されるべきだ」と指摘し、原告への参加を呼びかけた。

1万5000人超参加へ 浪江の賠償集団申し立て (福島民友ニュース)
 浪江町の裁判外紛争解決手続き(ADR)による原子力損害賠償紛争解決センターへの集団申し立てで、町と支援弁護団は、7月2日に第2次分として1116世帯2809人分の追加申し立てをする。二本松市で区長や自治会長らが参加して開かれた説明会で29日、町が明らかにした。
  町は5月29日に第1次申し立てをした。今回参加する町民を加えると5880世帯1万4059人分になる。委任状の最終締め切りは今月28日で、最終的な申し立ては1万5000人を超える見通し。人口約2万1500人の町民の約70%が参加する。
  説明会後の記者懇談会で馬場有町長は「町民は既に疲れ果てている。膨大な資料を送ってくる東京電力に対して請求する権利を放棄してしまう人も増えてきている」と危機感を口にし、「3年の時効撤廃についてもしっかり働き掛けていきたい」とした。

食材半分で測定可能に 県民向け食品放射性物質検査 (福島民報)
 県は、県民向けの食品放射性物質検査で、使用する食材の量が従来の半分で検査可能なシステムを開発、7月から本格的に導入する。これまで1回の検査で食材1キロ(1リットル)が必要だったが、半分の0・5キロで済み、利用者の利便性が向上する。7月末までに県内全市町村に配置している520台の測定器全てを新技術に更新する。 
 

6.29

港湾近くで高濃度汚染水=ストロンチウムなど-福島第1原発井戸から・東電 (時事通信)
 東京電力福島第1原発敷地内の観測用井戸から高い濃度の放射性物質を含む地下水が検出された問題で、東電は29日、新たに港湾近くに掘った井戸の地下水からも、ストロンチウムなどのベータ線を出す放射性物質を1リットル当たり3000ベクレル検出したと発表した。
 同原発の港湾内ではトリチウム(三重水素)濃度が一時上昇しており、放射性物質の海への流出が疑われている。東電によると、この井戸は港湾から約6メートル西にあり、現在四つある井戸のうち最も海に近いが、放射性物質濃度の値は最高だった。
 東電は「地下水が海に近い場所で汚染されているのは事実だが、流出しているかどうかは分からない」としている。
 
「中間貯蔵施設」周辺の追加被ばく年間1ミリシーベルト (福島民友ニュース)
 除染で生じた汚染土壌などを保管する中間貯蔵施設をめぐり、環境省は28日、施設の安全対策や環境保全について協議する専門家による検討会を都内で初めて開き、施設周辺や運搬経路周辺の年間追加被ばく線量を平常時で1ミリシーベルト、施設が地震や津波に遭うなどした事故時に5ミリシーベルトとする案を示した。
  会議は秋までに貯蔵施設の安全、環境の両面で指針をまとめる。
  同省は指針を基に、貯蔵施設整備に向け調査が行われている大熊、楢葉、双葉の3町などと施設の具体化に向けた協議に入りたい意向だ。
  検討会は、安全対策分野の検討会と、環境保全検討部会に分けて開いた。
  安全対策の検討会で環境省側が安全評価の基本条件として示した年間追加被ばく線量のうち、事故時の5ミリシーベルトは、旧原子力安全委員会が示した放射性物質の埋設作業の安全審査基準を参考にした。

福島第1原発事故 農地賠償請求、8月受け付け開始 (河北新報)
 福島第1原発事故で、東京電力は28日、避難区域などの農地の賠償請求受け付けを8月に始めると発表した。山林は9月開始を目指す。東電福島本社の石崎芳行代表が記者会見し明らかにした。
 石崎代表は「(財物賠償が)遅れてご迷惑をお掛けしている。県不動産鑑定士協会に参加してもらって農地、山林の賠償基準をまとめ、受け付けを始める」と語った。
 避難区域の宅地と建物、家財については3月に賠償の受け付けを始め、今月21日までに1万8400件計950億円が支払われた。

「海水放射性物質」県が検査に着手 独自の監視強化 (福島民友ニュース)
 東京電力福島第1原発事故で汚染水漏れが続発している問題を受け、県は第1原発港湾内の海水を採取して放射性物質検査に着手した。月1回、海水に含まれる放射性物質濃度を調べ、汚染水の海への影響の有無について県独自の監視を強化する。28日の県議会企画環境委員会で報告した。
  県によると、1~4号機と5、6号機の海岸部付近から27日、それぞれ海水をくみ取り検査に入った。原発事故前は年4回、海水の検査を行っていたが、事故後は中断していた。
  海水の検査では、これまで調べていた放射性セシウムやヨウ素に加え、ベータ線を出すトリチウムやストロンチウムの核種分析も新たに実施する。県は分析が終わり次第、結果を公表する。

6.28

廃炉へ課題未解決 工程表改定、技術開発が前提 (福島民友ニュース)

 政府や東京電力などでつくる廃炉対策推進会議は27日、東京電力福島第1原発1~4号機の廃炉に向けた工程表の改定版を決定した。溶け落ちた燃料の取り出し時期前倒しや、原子炉建屋への地下水流入を抑えるため建屋周辺の土を凍らせる「凍土遮水壁」の設置などを原案通り盛り込んだ。しかし、これらの廃炉作業は前例や実績がほとんどなく、工程表通りに作業が進むかどうかは不透明なままで、実効性が問われる。

  政府は改定工程表で、溶け落ちた燃料の取り出しについて号機ごとにさまざまなケースを想定して複数のスケジュールを示した。ただし、ほとんどが2018(平成30)年ごろまでの技術開発が前提で、開発が進まない場合は全てが実現しない恐れもはらむ。改定工程表は溶け落ちた燃料の取り出し準備として16年度から原子炉格納容器の燃料の状況調査を開始、18年度までに取り出し装置を開発するとした。

住宅除染12・4% 40市町村の実施状況 (福島民報)
 東京電力福島第一原発事故に伴い国の財政支援で除染する「汚染状況重点調査地域」に指定された40市町村のうち、平成25年度末までの住宅除染計画は5月末現在、23万1906戸で、前月よりも4万2527戸増えた。計画に対する実施率は12・4%だった。県が27日、発表した。 
 住宅除染の計画は新たに玉川村が立てたほか、前月に比べいわき市で4万3033戸、福島市で734戸増えた。伊達市は数量を精査した結果、1348戸減った。 
 住宅除染を終えたのは2万8751戸で、前月よりも5624戸増えている。 
 この他の除染実施率は公共施設が59・7%、道路が20・0%、水田が79・7%、畑が53・2%だった。

6.27

市民グループの放射性物質調査 「流入防止へ対策を」 (東京新聞)
 東京電力福島第一原発事故後に霞ケ浦や流入河川で放射性物質の汚染状況を調べている市民グループ「いのちの水・霞ケ浦を守る市民ネットワーク」は、土浦市の県霞ケ浦環境科学センターで報告会を開いた。
 調査は昨年春から半年ごとに、霞ケ浦と北浦に流入する河川五十六本の河岸など計約百二十カ所で泥を採取し、一キログラム当たりの放射性セシウム濃度を測定している。
 今年三月の最新調査では、土浦市内を流れる備前川の下流にある新開橋で一万四〇〇ベクレル、岩田橋で一万二〇〇ベクレルが検出された。どちらも前回とあまり変わらなかった。
 しかし、過去二回の調査に比べて濃度が大きく減少している地点もあり、同ネットワークの飯島博共同代表は「放射性物質が河川から湖内に流れ込んでいる。流入防止策を講じる必要がある」との見方を示した。(松尾博史)

富岡町の除染計画公表 環境省 (福島民報)
 環境省は26日、除染特別地域の富岡町での直轄除染実施計画を公表した。平成25年度は年間積算放射線量50ミリシーベルト以下の地域で実施する。 
 対象区域は町全体6900ヘクタールのうち、放射線量が高い北東部を除いた約6000ヘクタール。このうち、富岡川以南は9月下旬にも除染を始める。住宅建物など約4500棟、舗装道路・未舗装道路約76ヘクタール、農地約600ヘクタール、森林約515ヘクタールで実施し、除染に伴う汚染土壌などは町内2カ所に設置予定の仮置き場に運ぶ。搬入量は約200万立方メートルを見込んでいる。 http://www.minpo.jp/news/detail/201306279280 
 

福島第1事故翌月、放射性ヨウ素広範囲拡散 原子力機構解析  (河北新報)
 日本原子力研究開発機構(原子力機構)は26日、福島第1原発事故で放出された放射性ヨウ素131の地表への沈着量の分布図=グラフ=を公開した。ヨウ素131は半減期が8日と短く、事故後間もない時期の分布状況はこれまで分からなかった。
 沈着量は2011年4月3日時点の値。SPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)で明らかにされた放射性物質の拡散予測と同様、原発から北西部へ飛散した傾向がみられる。  http://www.kahoku.co.jp/news/2013/06/20130627t63023.htm   

6.26

福島原発トリチウム濃度上昇続く 採取した海水 (東京新聞)
 福島第1原発港湾内で放射性物質のトリチウム濃度が上昇傾向にある問題で、東京電力は26日、新たに採取した海水から、海水中のトリチウムとしてはこれまでで最高値の1リットル当たり1500ベクレルが検出されたと発表した。
 上昇傾向を示しているのは1号機北東側の地点の海水で、今回は24日に採取した。前回21日に採取した海水からは1100ベクレルを検出し、同じ水を再測定した結果も最大1300ベクレルだった。2号機東側の海水は前回の910ベクレルから420ベクレルに下がった。
 東電は上昇傾向について「測定を開始したばかりで判断は難しい。引き続き計測を続けたい」としている。(共同)

東電 「被ばくの不安」認めた方針拒否 (NHK NEWS WEB ) 

原発事故に関連して、国の紛争解決センターが、福島県飯舘村の住民に対する「被ばくの不安」への賠償を初めて認める方針を示したことに対し、東京電力が「科学的な知見に合わない」と方針に従わない考えを示したことが分かりました。

東電 「被ばくの不安」認めた方針拒否 (NHK NEWS WEB ) 

原発事故に関連して、国の紛争解決センターが、福島県飯舘村の住民に対する「被ばくの不安」への賠償を初めて認める方針を示したことに対し、東京電力が「科学的な知見に合わない」と方針に従わない考えを示したことが分かりました。

福島第1原発:海水モニタリング再考促す 規制委 (毎日新聞

 原子力規制委員会は26日、東京電力福島第1原発2号機と海の間に設置した観測用井戸から高濃度のトリチウム(三重水素)とストロンチウム90が検出された問題について、放射性物質の海洋流出が「強く疑われる」との立場で対処することを原子力規制庁に求めた。規制庁は、海水のモニタリング方法が適正かなど検討する。

 放射性物質汚染 草木、市外埋め立て (東京新聞 
 我孫子市の星野順一郎市長は二十五日、放射性セシウムを含む草木の保管が限界に近づいたとして、市外の民間最終処分場で埋め立てる方針を明らかにした。同市は焼却灰の放射性セシウム濃度が高まるのを避けるため、草木の大量の焼却を控え、保管量が増え続けていた。
 同市には自前の最終処分場がなく、担当者は「草木のセシウム濃度は一キログラム当たり最高一〇〇〇ベクレル程度。焼いて灰の濃度が高まれば引き受けてもらえなくなる。低い濃度の草木のまま処分したい」と説明した。
 
指定廃棄物 最終処分場 議論打ち切り国が選定も (東京新聞)
 放射性セシウム濃度が一キログラム当たり八〇〇〇ベクレルを超える「指定廃棄物」の最終処分場について、福田富一知事は二十五日の定例会見で、候補地選定をめぐる市町村長会議がこのまま進展しない場合、議論を打ち切り、国の責任で選定することも検討すべきだとの考えを示した。
 最終処分場をめぐっては、関係各県に一カ所ずつ設置する国の方針に対し、県内の市町長には福島県での処理を求める声が強く、議論が難航している。
 
浪江、双葉で9月開始 帰還困難区域初のモデル除染 (福島民報)
 環境省は25日、東京電力福島第一原発事故に伴う帰還困難区域内で初となるモデル除染を浪江、双葉両町で9月にも開始すると発表した。除染工程表で平成24、25年度で実施するとしていた帰還困難区域のモデル除染がようやく動きだす。除染の効果や手法、作業員の安全管理方法などを年内に取りまとめ、高線量地域での今後の除染の在り方を検討する。ただ、どれだけ低減できるかは不透明で、新技術の開発などが課題となる。