2013年9月11日水曜日

原発・放射能ニュース 2013.9.11~15

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9.15

トリチウム15万ベクレル 汚染水、地中で拡散か (福島民友ニュース)
 東京電力福島第1原発の地上タンクから高濃度汚染水約300トンが漏れた問題で、東電は14日、漏れたタンク北側の観測用井戸で13日に採取した地下水から、放射性トリチウム(三重水素)が1リットル当たり15万ベクレル(法定基準は1リットル当たり6万ベクレル)検出されたと発表した。地下水のトリチウム濃度は日を追うごとに上昇しており、タンクから漏れた汚染水が地中で拡散している可能性がある。
 井戸は、漏えいタンクから約20メートル北側のコンクリート堰(せき)の外側に掘られた。8日に1リットル当たり4200ベクレルを検出。10日には法定基準を超える6万4000ベクレル、11日は9万7000ベクレル、12日は13万ベクレルと上昇し続けている。東電は「原因は引き続き究明する」とし、重点的に監視する方針。

9.14

福島汚染水:排水溝から水、濃度が上昇 (毎日新聞)
 東京電力福島第1原発の地上タンクから汚染水約300トンが漏れた問題で、東電は14日、漏れがあったタンクに近く、海につながっている排水溝から13日に採取した水から、ストロンチウムなどベータ線を出す放射性物質が1リットル当たり3000ベクレル検出されたと発表した。
 東電によると、漏れた300トンは土壌に染み込んで拡散したと見られている。12日に同じ排水溝で採取した水からは、同2400ベクレルを検出していたが、これより上昇していた。
 また、この採取地点よりもタンクに近い排水溝から13日に採取した水は、同940〜860ベクレルだった。これまでは同500〜40ベクレルだった。東電は「溝の中の土砂の除去作業を進めている影響」とした。海への流出については「否定できない」としている。【鳥井真平】

内部被ばくを独自検査 小学生~18歳対象 丸森町方針 (河北新報)
 宮城県丸森町は13日、町議会の東日本大震災および福島第1原発事故に関する調査特別委員会で、放射線被ばくによる健康不安の解消のため、小学生から満18歳までの町民の内部被ばく検査などを行う町独自の健康調査を実施する方針を示した。
 健康調査の対象者は約1700人で、町が検査費用を全額負担する。検査に関しては10月中にも相馬市と協定を結び、内部被ばく線量を測定するホールボディーカウンターを設置した同市内の2病院で、11月ごろから開始する。健康調査は来年度までの2年間で行う予定で、本年度は小学生300人が対象になる。
 特別委ではこのほか、現在進んでいる町全域の一般住宅約4000戸を対象とした除染作業について、来年8月の作業完了を目指す方針が示された。

東電 海のセシウム濃度を2年近く低く公表 (NHK)
東京電力は、福島第一原子力発電所の近くの海で、2年近くにわたって放射性セシウムの濃度を誤った方法で測定し、実際より低く公表していたことが分かりました。
これは、福島第一原発の汚染水による海の汚染を監視するため、13日に初めて開かれた原子力規制委員会の専門家チームの会合で明らかにされました。
東京電力は、原発南側の放水口の近くの海で測定した、海水1リットルに含まれる放射性セシウム137の濃度について、おととしの5月から2年近くにわたって、1から10ベクレル程度と公表していました。
ところが、原子力規制庁の職員に指摘され正しく測り直した結果、公表していた値は、1リットル当たり実際より数ベクレル程度低かったことが分かりました。
東京電力は「測定時に周辺の放射線の影響を誤って見積もったために正しく測れていなかった」と説明していて、ことし6月以降は改善して公表しているということです。
会合に参加した専門家からは「初歩的なミスだ」「東京電力に任せず規制委員会も測定すべきだ」といった批判や意見が相次ぎました。

汚染水制御 東電幹部が首相発言否定 政府、沈静化に躍起 (東京新聞)
 菅義偉(すがよしひで)官房長官は十三日午後の記者会見で、東京電力幹部が福島第一原発の汚染水問題を「コントロールできていない」と発言したことに関し、「貯水タンクからの汚染水漏れなど個々の事象は発生しているという認識を示したものだ」と説明した。同時に「放射性物質の影響は発電所の港湾内にとどまっている」と、状況は制御されているとの考えを強調した。
 菅氏が、東電幹部の発言の釈明に努めたのは、安倍晋三首相が二〇二〇年東京五輪招致演説で「状況はコントロールされている」としたことと食い違うため、事態がさらに深刻になりかねないと判断したためだ。
 東電も十三日午後、菅氏の会見内容と同様のコメントを発表。「影響が外洋に及ばないようしっかりと対策を講じる」とした。
 
タンク周辺の地下水、13万ベクレルのトリチウム検出 (TBS)
 福島第一原発でタンクから高濃度の汚染水が漏れた問題で東京電力は、タンクの周辺で採取した地下水からこれまでで一番高い1リットルあたり13万ベクレルのトリチウムが検出されたと発表しました。
 汚染水が漏れたタンクの周辺の地下水からこれまでに1リットルあたり9万7000ベクレルのトリチウムが検出されていましたが、東京電力は13日、さらに高い1リットルあたり13万ベクレルのトリチウムが検出されたと発表しました。濃度の上昇は、連日続いていて、トリチウムの濃度はこの4日間で30倍以上に上昇しています。
 漏れた汚染水が地下水に達した可能性が一段と高まっていて、今後の汚染水対策にも影響が出る可能性があります。

9.13

別タンク群外側から高線量 福島第1原発・汚染水問題 (福島民友ニュース)
 東京電力福島第1原発の地上タンクから汚染水約300トンが漏れた問題で、東電は12日、漏えいタンクから北西にある別のタンク群を囲むコンクリート堰(せき)の外側で、最大毎時0.5ミリシーベルト(500マイクロシーベルト)の高い放射線量が計測されたことを明らかにした。堰の外側で高い線量が判明したのは、漏えいタンクのあるエリア以外では初めて。
 この堰内のタンク底部では、これまで毎時2200ミリシーベルトの高線量箇所が確認されている。汚染水が堰に設けられた排水弁を通じ、堰の外側に漏れた可能性がある。
 東電は一連の問題発覚後に堰を閉めており、それ以前に堰外に汚染水が漏れ出て地中に染み込んだ恐れが高い。東電は8月27日に測定しており、情報公開の姿勢も問われる状況だ。

東電幹部、安倍首相発言を否定 汚染水「制御できてない」 (東京新聞)
 東京電力の山下和彦フェローは13日の民主党会合で、福島第1原発の汚染水漏れ問題について「今の状態はコントロールできているとは思わない」との認識を示した。7日にアルゼンチンで開かれた国際オリンピック委員会(IOC)総会で「状況はコントロールされている」と断言した安倍晋三首相を真っ向から否定した格好だ。
 民主党は13日午前、原発事故に関する対策本部(本部長・大畠章宏幹事長)会合を福島県郡山市で開催。資源エネルギー庁の中西宏典審議官は、山下フェローの発言を受け「今後はしっかりとコントロールできるようにする」と述べ、対策を急ぐ姿勢を強調した。(共同)

タンク周辺の地下水から9万7千ベクレルのトリチウム  (TBS)
 福島第一原発でタンクから高濃度の汚染水が漏れた問題で、東京電力は、タンク周辺の地下水からこれまでで最も高濃度の1リットルあたり9万7000ベクレルのトリチウムが検出されたと発表しました。
 福島第一原発では、先月、地上のタンクから高濃度の汚染水300トン以上が漏れたため、東京電力は井戸を掘って地下水への影響を調べています。
 タンク周辺の地下水からは、これまでに国の基準値を超える1リットルあたり6万4000ベクレルのトリチウムが検出されていますが、東京電力は12日、同じ井戸の地下水から、さらに高い1リットルあたり9万7000ベクレルのトリチウムが検出されたと発表しました。

9.12

がれき撤去で放射性物質が付着 作業員ら汚染、福島第1原発 (東京新聞)
 福島第1原発で8月、作業員らが相次いで放射性物質に汚染された問題で、東京電力は12日、3号機の原子炉建屋からがれきを撤去する作業で放射性物質が飛散し、作業員らに付着した可能性が高いと発表した。
 第1原発では、8月12日に社員10人、同19日に協力企業の作業員2人の頭部などから放射性物質を検出。免震重要棟付近の放射性物質濃度上昇を示す警報も鳴っていた。
 東電によると、両日とも、3号機の原子炉建屋でがれきの撤去作業を実施。22日に作業を休止して以降、警報は鳴っていないため、原因と判断したという。 (共同)

「被害者放置の国に異議」 原発事故 南相馬から避難の村田さん (東京新聞)
 (13日「なぜ国は原発被災者を放置するのか」本文記事参照)

「元の暮らし返して」 国と東電 提訴 福島から避難、訴え切実 (東京新聞)
 「元の暮らしを少しでも返してほしい」。東京電力福島第一原発事故の影響で、福島県から群馬県に避難している被災者らが十一日、国や東電に慰謝料を求め、前橋地裁に起こした集団訴訟。前橋市内で記者会見した原告二人は、厳しい避難生活を切々と訴えた。
 「避難した選択が間違っていたとは思いたくないが、友達もいなくて寂しい、苦しい二年間だった」。こう訴えたのは、事故後、風評被害で仕事が立ち行かなくなり、福島県いわき市から二〇一一年七月、夫(59)と前橋市に避難した主婦丹治杉江さん(56)だ。提訴については、「お金が欲しいのか、と言われるのが本当につらい。元の暮らしを返してほしいという思いが一番強い」と話した。
 この日、提訴したのは丹治さんら計三十一世帯九十四人。多くは群馬県内への避難者で、東京都、埼玉県に避難中の二世帯五人も訴訟に加わった。福島県南相馬市や双葉町など事故直後に避難指示が出た地域からの避難は十三世帯三十八人で、それ以外の地域が十八世帯五十六人。
 
曖昧基準「納得できぬ」 子ども・被災者支援法説明会 (福島民友ニュース)
 復興庁は11日、原発事故被災者の支援策をまとめた「子ども・被災者支援法」基本方針案の説明会を初めて福島市で開いた。この日は震災、原発事故からちょうど2年6カ月。避難が長期化する中で開かれた説明会では、支援対象地域を決めた曖昧な基準をめぐり「基本方針案の撤回」を求める声も上がり紛糾した。「幅広い県民の意見を聞く場」(復興庁)としながらも、開催日を平日に設定した影響もあるのか参加者の姿はまばら。一貫して強調してきた「県民に寄り添う現場主義」とは懸け離れた同庁の姿勢に避難者の不信感は増大した。
  地元の郡山市を離れ、2011(平成23)年8月から静岡県で避難生活を続ける自営業長谷川克己さん(46)は「このままでは県民が分断される」と支援対象地域を決めた理由を明確に回答するよう迫った。「自主避難者の人数が多いこともメルクマール(基準)の一つとした」と説明する復興庁の担当者に対し、会場からは「経済的な理由で自主避難できない人もいる」と怒号が矢継ぎ早に飛んだ。

楢葉で「住民投票条例案」提出へ 中間貯蔵の是非問う (福島民友ニュース)
 17日に開会予定の楢葉町の9月議会で、除染で出た汚染土壌などを保管する中間貯蔵施設の設置の是非について住民の意見を問う住民投票条例案が議員発議で提出される見通しとなったことが11日、分かった。同施設の設置をめぐる住民投票の動きは初めて。
 発議案の名称は「楢葉町における中間貯蔵施設(保管庫)の建設計画についての是非を問う住民投票条例の制定について」で、提出者は結城政重町議。採決は24日の見込み。議案の内容は、有権者を対象に住民投票を行い、中間貯蔵施設の建設に賛成・反対のいずれかに丸を付けて問う形。条例案が可決された場合、施行から2~3カ月以内に住民投票を行うとしている。

地下水到達認める 汚染水漏れ 東電高濃度トリチウム検出 (福島民報)
 東京電力福島第一原発の地上タンクから高濃度の放射能汚染水が大量に漏れた問題で、東電は11日、漏れたタンクの北側の観測用井戸で10日に採取した地下水からトリチウムを1リットル当たり6万4000ベクレル検出したと発表した。同日、楢葉町の東電福島復興本社で会見した相沢善吾副社長は高濃度のトリチウムが地下水から検出されたことを受け、タンクからの汚染水が地下水に到達していることを認めた。
 同地点から8日採取した地下水からはトリチウムが同4200ベクレル検出されているが、今回の値は約15倍に当たる濃度。9日に採取した地下水からも同2万9000ベクレルが検出されたという。相沢副社長は「汚染水が浸透した可能性がある。地下水にトリチウムが流れているのは間違いない」との見解を示した。
 東電は、今回測定した場所の下流側でもサンプリングを実施するほか、地下水バイパス用井戸近くでもボーリング調査をする考え。
 相沢副社長は「(地下水バイパス計画に)影響が出るようであれば、迅速に対策する」とした上で、「地下水バイパスは汚染水増加を防止するための第一歩。何とかやらせていただきたい」と漁業関係者らへの理解を引き続き求めていく考えを示した。

9.11

帰還不能前提に一括払い 原子力賠償審が検討 福島民友ニュース)
 東京電力福島第1原発事故の損害賠償指針の見直しを進める原子力損害賠償紛争審査会(会長・能見善久学習院大教授)は10日、都内で会議を開き、帰還困難区域の避難住民に対する事故後6年目以降の精神的損害賠償について、住民が自宅に帰還できないことを前提に、賠償金の一括払いを検討する方針を確認した。今後、指針策定の具体化に入り、賠償額をどう算定するかが焦点となる。
  審査会が事故後6年目以降の賠償について考え方を示したのは初めて。避難指示の長期化に伴う賠償に関する同日の議論で、能見会長は「(帰還困難区域に)住んでいた人はもう戻れないという前提で賠償を考えるべきだ」と述べ、一括賠償を提案、各委員も同意した。

原発関連死 さらに121人 計910人、不認定も増 福島、3月以降 (東京新聞)
 東日本大震災から十一日で二年半。東京電力福島第一原発事故に伴う避難で体調が悪化し死亡したケースなどを本紙が独自に「原発関連死」と定義し、福島県内の市町村に該当者数を取材したところ、この半年で少なくとも百二十一人に上ることが分かった。三月の調査では七百八十九人で、震災以降の総計は九百十人となる。事故収束のめども付かぬ中、「隠れた犠牲者」の数も増え続ける。 (宮畑譲)=関連<31>面
 市町村は、災害の直接の犠牲者だけでなく、避難中の死亡などについても「震災関連死」と認定した場合、災害弔慰金(最高五百万円)の支給対象にしている。福島県内では二十二市町村が支給。このうち十三市町村は原発事故に伴う避難者がいて人数を把握しており、本紙で「原発関連死」として集計した。
 震災関連死者が四百三十一人と県内で最も多い南相馬市や、いわき市は避難者数を把握していないため、集計に含まれていない。ただ南相馬市の担当者は「大半が原発避難者」と話しており、これを加えれば原発関連死者は千三百人を超える。

税投入検討 廃炉 国関与でも難題 福島第一 技術確立や巨額費用 (東京新聞)
 菅義偉(すがよしひで)官房長官は十日の記者会見で、東京電力福島第一原発の原子炉の廃炉作業について、政府が前面に立って対応する考えを示した。国費投入を検討する意向も明らかにした。安倍晋三首相が国際オリンピック委員会(IOC)総会で表明した汚染水対策と廃炉作業を同時に進める必要があるためだが、技術の確立など課題は山積し、解決への道筋は見えない。 (城島建治)
 菅氏は廃炉作業に関し「国民の不安は極めて大きい。政府が前面に立って対応する」と強調。国費を投入するのか問われると「そうしたことも含めて対応策を考えていく。根本を解決するため、政府が表に出て取り組む」と明言した。
 
原発事故訴訟、新たに1159人提訴 (読売新聞)
 東京電力福島第一原発事故の集団訴訟のうち、福島県などの800人が東電と国に損害賠償や原状回復などを求めた訴訟で、新たに1159人が10日、2次訴訟として約45億3000万円の慰謝料支払いなどを求めて福島地裁に提訴した。弁護団によると、福島地裁提訴分の賠償請求額は計約73億円。原告数は計1959人で、原発事故を巡る集団訴訟で全国最多となる。
 原告側の「『生業を返せ、地域を返せ!』福島原発事故被害弁護団」は、今後も追加提訴を予定している。2次提訴を前に開いた記者会見で、「原発事故は収束しておらず、2次提訴は憤りの表れだ」とした。
 この日は、1次訴訟の第2回口頭弁論も開かれた。原告側が、東電などの過失で事故が起きたとして、慰謝料の支払いと事故前の放射線量に戻す原状回復を求めているのに対し、東電側は過失を争点とせず、「原子力損害賠償法での賠償が適用される」と主張した。

福島第一原発の汚染水対策 関係閣僚会議が初会合 (朝日新聞)
 東京電力福島第一原発の汚染水問題で、安倍政権は10日午前、廃炉・汚染水対策関係閣僚会議(議長・菅義偉官房長官)の初会合を開いた。五輪招致の演説で、安倍晋三首相は汚染水漏れは制御できているとの考えを示した。その裏付けとなる対策づくりを急ぐ。 
 菅長官は会合の冒頭、「総理の発言どおり、状況を確実にコントロールして解決につなげていくことが必要」と述べ、対策を東電任せにせず、政府が前面に出る考えを強調した。 
 閣僚会議の下に、茂木敏充経済産業相をチーム長とする「廃炉・汚染水対策チーム」をもうけることを決めた。技術的に難しい課題について国内外から解決策を募り、2カ月後をメドに対応をとりまとめる。