2020年12月31日木曜日

今伝えたいありがとう 震災・原発事故10年 福島民報がメッセージを募集

 21年3月で、東日本大震災、福島第一原発事故から丸十年を迎えるます。

 福島民報社は「今伝えたい ありがとう」のテーマで、混乱が続いた日々の中で、当時は伝えることができなかった感謝の気持ちを募り、主なメッセージを福島民報の紙面を通じて紹介するということで、原稿を募集しています
 震災後に支援してもらった内容や、今あらためて感じている感謝の思い、支援をきっかけにはぐくまれた絆など伝えたいことを四百字以内にまとめます
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今伝えたいありがとう 震災・原発事故10年 県民メッセージ募集
                           福島民報 2020/12/27
 二〇一一(平成二十三)年三月十一日に発生した東日本大震災、東京電力福島第一原発事故から来年三月、丸十年を迎える。
 震災直後から多くの県民が温かい支援、激励を受けた。人命救助や復旧、原発事故の収束に尽力した自衛隊、警察、消防をはじめ、世界各国、県内外から寄せられた支援物資や励ましのメッセージに県民は支えられた。
 福島民報社は「今伝えたい ありがとう」のテーマで、混乱が続いた日々の中で、当時は伝えることができなかった感謝の気持ちを募り、主なメッセージを福島民報の紙面を通じて紹介する
 震災後に支援してもらった内容や、今あらためて感じている感謝の思い、支援をきっかけにはぐくまれた絆など伝えたいことを四百字以内にまとめる。
 住所、氏名、年齢(生年月日)、電話番号など連絡先を明記し、郵便番号960-8602 福島市太田町一三ノ一七、福島民報社編集局「今伝えたい ありがとう」係へ。ファクスは024(533)4128へ。Eメール(houdou@fukushima-minpo.co.jp)でも受け付ける。
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太陽光発電事業を計画 福島カントリークラブ跡地

 1912月に施設の老朽化や入場者数の減少を理由に営業を終了した福島市のゴルフ場「福島カントリークラブ」の跡地で太陽光発電事業が展開されます。ゴルフ場の地形を生かし、造成工事は行わずに太陽光パネルを設置する方針で、最大出力は35千キロワットとなる見通しです

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太陽光発電事業を計画 福島カントリークラブ跡地
                            福島民報 2020/12/30
 二〇一九年十二月に営業を終了した福島市のゴルフ場「福島カントリークラブ」の跡地で太陽光発電事業が展開される。ゴルフ場の地形を生かし、造成工事は行わずに太陽光パネルを設置する方針で、最大出力は三万五千キロワットとなる見通し
 「(仮称)NW福島CC太陽光発電所設置事業」として、ゴルフ場事業や再生可能エネルギー関連事業などを展開するノザワワールド(茨城県ひたちなか市)が計画している。
 事業面積は約六十ヘクタールの予定。同社は早ければ二〇二四(令和六)年の運転開始を目指している。
 福島カントリークラブは一九七三(昭和四十八)年にオープン。施設の老朽化や入場者数の減少を理由に営業を終了した。

福島・大熊町、大川原地区に診療所 2月2日開所

 福島県大熊町は28日、避難指示が解除された大川原地区に整備する町立診療所が、来年2月2日に開所すると明らかにしました。

 福島県が南相馬市立総合病院に派遣する男性医師(総合診療)が週1回、大熊町の診療所で勤務する。町採用の看護師は来年4月から2人勤務する予定です
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福島・大熊町、避難指示解除の大川原地区に診療所 2月2日開所
                        河北新報 2020年12月29日
 福島県大熊町は28日、東京電力福島第1原発事故に伴う避難指示が解除された大川原地区に整備する町立診療所が、来年2月2日に開所すると明らかにした。
 診療所は、今年4月に完成した認知症高齢者グループホームなどの福祉施設内に開設。県が南相馬市立総合病院に派遣する男性医師(総合診療)が週1回、大熊町の診療所で勤務する。町採用の看護師は来年4月から2人勤務する予定。
 避難解除後、医療機関が町内にない状態が続き、住民は隣の富岡町にあるふたば医療センター病院や南相馬市、いわき市の病院に通うしかなかった。
 町はかつての町中心部にあり、休止中の県立大野病院の再開を求めているが、県は慎重姿勢を崩していない。大川原地区の居住者が860人を超え、町は独自の診療所開設に踏み切った。診察は毎週火曜午前8時45分~11時半。

31- 福島原発トリチウム水の海洋放出表明は21年に持ち越し

 福島第1原発のトリチウムを含む処理水を巡り、政府は海洋放出の表明を21年に持ち越しました。これには内閣支持率の低下など背景にあります。

 政府は当初早期決着を狙いましたが、政権幹部の発言からは「できるだけ早く」が消え、最近はもっぱら「適切な時期に」が使われます
 自民党内からも「海洋放出以外の当面の処理方法を検討すべきだ」との声が出始めました。
 先送りの判断には、タンクの設置が可能な空き地が見込まれる上、汚染水発生量が想定より少なく、また放出の準備に「2年程度」要するというのももっと短縮できるなどの要素が反映しています。
 河北新報は、政府は増え続ける汚染水と政治日程をにらみつつ、年明け以降も慎重な判断を迫られるとしています。
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福島第1原発処理水の海洋放出表明は21年に持ち越し 政権、早期決着果たせず
                        河北新報 2020年12月29日
 東京電力福島第1原発の放射性物質トリチウムを含む処理水を巡り、政府は既に方針を固めている海洋放出の表明を2021年に持ち越した。内閣支持率の低下などを背景に当初狙った早期決着は果たせず、焦りを募らせる官僚との温度差もうかがえる。これまで先送りされ続けてきた政府の難題が、最終局面で長期化含みの様相を見せている
 19日に就任後初めて第1原発周辺自治体を視察した加藤勝信官房長官は、報道各社の取材に「政府として適切なタイミングで責任を持って方法や時期を決めたい」と述べた。
 菅義偉政権の誕生から3カ月余り。処理水に対する政権のスタンスは定まらなかった。
 「できるだけ早く、政府として責任を持って処分方針を決めたい」。菅首相は9月26日に福島入りした際に早期決着への意欲を鮮明にしていた。
 しかし確実視された「10月決定」が世論の強い反発で見送られると一転。風評被害対策の議論を深める向きを強調した。政権幹部の発言からは「できるだけ早く」が消え、最近はもっぱら「適切な時期に」が使われる

 政権は処理水を喫緊の課題と位置付けてきた。日々発生する処理水のタンクが敷地を圧迫し、対応が遅れれば廃炉全体に重大な支障を来しかねない。関係省庁にはごく最近まで「越年は避けたい。(決断は)年内だ」との「目標」があった。
 だが新型コロナウイルス対応や政治とカネを巡る問題で内閣支持率は急落。解散総選挙への影響を避けようと、自民党内からも「海洋放出以外の当面の処理方法を検討すべきだ」との声が出始めた。17日に勉強会を設置した閣僚経験者ら国会議員有志は「慌てて選挙前に捨てる理由はない」と政府をけん制した。
 先送りの判断には、まだ時間的余裕があることを示す複数の事実が作用しているとみられる。タンクの設置が可能な空き地が見込まれる上、汚染水は発生量が想定より少なく推移。東電が「2年程度」と説明する放出準備期間も実際は短縮の余地が大きい

 通常国会は来年1月18日に召集され、6月の閉会後は東京五輪が目前に迫る。経済産業省幹部は「国会日程はあまり気にしていない」と言うが、野党の追及は極力避けるのが霞が関の慣例だ。ある政府関係者は、国会召集までに決まらない場合は「方針決定できるタイミングがない」と漏らした。
 当初、今夏ごろが決定期限とみられた政府方針は表明されないまま、原発事故から10年の節目が近づく。
 第1原発の周辺自治体は保管の長期化による復興への影響を懸念し、政府に早期決断を促す。政府は増え続ける汚染水と政治日程をにらみつつ、年明け以降も慎重な判断を迫られる。

2020年12月30日水曜日

原発事故後の記録一冊に 民間団体有志

 福島原発事故後の暮らしの不安を、市民が中心となり払拭していった日々の記録集「3・11みんなのきろく みやぎのきろく」A4判、160ページが発刊されました。

 県内外の34団体の活動やデータを大河原町の「みんなの放射線測定室てとてと」など民間団体の有志6人が編集しました。
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原発事故後の記録一冊に 民間団体有志、事実を共有し教訓次世代へ
                         河北新報 2020年12月27日
 東京電力福島第1原発事故後の暮らしの不安を、市民が中心となり払拭(ふっしょく)していった日々の記録集が発刊された。県内外の34団体の活動やデータをまとめた。母親や生産者の貴重な経験を後世につなぎ、教訓を生かしてもらう。
 タイトルは「3・11みんなのきろく みやぎのきろく」。A4判、160ページ。食品や土壌の放射性物質を調べる大河原町の「みんなの放射線測定室てとてと」など民間団体の有志6人が編集した。
 団体ごとの活動を写真を交えて紹介。子どもや食品の安全を守ろうと情報収集や行政への請願に奔走し、学校の放射線量を測定して除染につなげるなど、市民レベルの動きが広がりをみせたことがうかがえる。
 原発事故子ども・被災者支援法で県内が支援対象地域とならず、失望感が広がる中、4団体が県内延べ6910人に甲状腺検査を自主的に実施したことにも触れている。
 原発事故では、県の有識者会議が2012年2月に「健康調査の必要性はない」との見解を示した。記録集に携わった大河原町の大石朋絵さん(46)は「国も県も動かない。市民自らが手探りで地域の安全を積み上げていった」と振り返る。
 活動を記録として残そうと、東北大大学院の学術研究員鴫原敦子さん(49)=岩沼市=が中心となり、高木仁三郎市民科学基金を活用して500部を作った。
 鴫原さんは「原発事故の対応は長い目で検証されなければならない。市民や行政がどう動いたのか、事実を多くの人たちと共有したい」と話す。
 1部800円。連絡先はてとてと 0224(86)3135。

原発「三つの検証」まとめ方で対立 新潟県知事と検証総括委員長

 新潟日報が21日付で「原発『三つの検証』まとめ方で対立 新潟県知事と検証総括委員長 不信感も」とする記事を出していました。

 有料記事のため冒頭の一部だけしか公開されていませんが、新潟県知事と検証総括委員会の池内了委員長との対立が窺えます。
 検証委員会が意思を表明してはならないというのはおかしな考え方です。
    関係記事
       (12月16日)原発「検証」幕引き急ぐ新潟県?
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原発「三つの検証」まとめ方で対立 新潟県知事と検証総括委員長 不信感も
                            新潟日報 2020/12/21
 原発の安全性に関する新潟県独自の「三つの検証」を総括する検証総括委員会の池内了委員長の発言が波紋を広げている。総括委が将来まとめる報告書に「東京電力柏崎刈羽原発7号機の再稼働に関し、是か非かも書き込む」とした発言だ。...
              (以下は有料記事のため非公開)



30- 福島第1タービン建屋の汚染水処理完了

 東京電力は、福島第1原発1~4号機のタービン建屋などに滞留していた汚染水処理し、床面を露出させるところまで減少させたと発表しました。 注水を継続している1~3号機原子炉建屋には4400トンの滞留水が残っており、計画では2224年度に半分程度に減らすということです

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福島第1タービン建屋の汚染水処理完了 東電が年内目標達成
                         河北新報 2020年12月27日
 東京電力は、福島第1原発1~4号機のタービン建屋などに滞留していた汚染水の処理を完了したと発表した。廃炉への中長期ロードマップ(工程表)で掲げた2020年内完了の目標を達成した。
 滞留水処理は汚染水対策の柱の一つで、外への漏出を防ぐのが狙い。1~4号機のタービン建屋と廃棄物処理建屋、4号機原子炉建屋で処理を終えた。その他の建屋を含む滞留水の総量は19年3月時点の3万7700トンから現在、1万1400トンまで減少した。
 注水を継続している1~3号機原子炉建屋には4400トンの滞留水が残る。計画では22~24年度に半分程度に減らすという。


福島第一原発 汚染水の水抜き 目標を今月達成と発表
                   NHK NEWS WEB 2020年12月30日 
福島第一原子力発電所では建物の地下に高濃度の汚染水がたまっていて、その量を減らす取り組みが進められていますが、東京電力はタービン建屋と呼ばれる建物などで水抜きを終え、目標としていた年内に床面の露出を完了したと発表しました。
福島第一原発の原子炉建屋やタービン建屋と呼ばれる建物などの地下には、事故で溶け落ちた核燃料、いわゆる「燃料デブリ」を冷やすため、原子炉に入れ続けている水が汚染水となってたまっています。
東京電力はリスクの高いこの高濃度の汚染水を減らすためタービン建屋などで水抜きを行っていて、年内に床面を露出させるとしてきた目標を、今月達成したと発表しました。
また、汚染水を処理したあとの水に、まだ基準を超える放射性物質がトリチウム以外にも残っている問題で、東京電力は処理施設で再度除去する試験を行った結果、基準を下回るまで低減できたと発表しました。
東京電力は、仮に環境に放出する場合は、同様の処理を行うことで基準以下に下げられるめどがついたとしています。

2020年12月27日日曜日

関電、中間貯蔵施設候補地の年内提示できず 原発再稼働先送りも

 関西電力は25日、使用済み核燃料の中間貯蔵施設の候補地について、「年内に報告できる状況にない」と福井県に伝えました。約束が反故にされるのは18年に続いて2回目で、福井県は中間貯蔵施設の県外候補地の提示を、美浜3号、高浜1、2号の再稼働の「前提」としていたので、杉本知事は25日「候補地は絵空事ではありえないと述べ実現性のある候補地が示されるまで、県議会にも再稼働の議論は促さない考えを明らかにしました
                 お知らせ
     都合により28日、29日は記事の更新が出来ません。ご了承ください。
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関電、中間貯蔵施設候補地の年内提示断念 福井県に説明 原発再稼働先送りも
                         毎日新聞 2020年12月25日
 関西電力の松村孝夫副社長が25日、福井県庁を訪れ、県内の原発の使用済み核燃料の中間貯蔵施設について、県外候補地の年内提示を断念したことを報告した。県は、運転開始から40年を超える関電美浜3号機と同高浜1、2号機の再稼働に同意する「前提」として、関電に年内の提示を求めていた。今後も協議は続くが、関電が早ければ「2021年1月」とする美浜3号機の再稼働日程の実現は困難になった
 松村副社長は桜本宏副知事と面会し「このタイミングではしっかり報告できない。国や電気事業連合会と連携して努力を続け、早めに改めて報告する」と述べた。青森県むつ市の中間貯蔵施設を関電など電力各社で共同利用する案が浮上しているが、松村副社長は記者団に「地元(青森)の理解を得ないと着手できない。あらゆる可能性を検討する」と話した。

 杉本達治知事は記者団に「計画地点の提示がなければ、議論の入り口には入れない。さまざまな調整が必要なことは分かっている。最大限努力するということなのでそれを待ちたい」と一定の理解を示した。
 また、この日は経済産業省の幹部も桜本副知事と面会し、中間貯蔵施設の確保について「国も主体的に取り組む」と説明した。【岩間理紀、大島秀利】


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関電、中間貯蔵施設候補地示せず 2度目の約束反故 福井知事「議論入れない」
                        毎日新聞 2020年12月26日
 関西電力は25日、年内に提示するとしていた使用済み核燃料の中間貯蔵施設の候補地について、「報告できる状況にない」と福井県に伝えた。約束が反故(ほご)にされるのは2018年に続いて2回目。19年には幹部らによる金品受領問題も判明し、信頼回復を図っていたが、またも裏切られた形だ。候補地提示の時期は示されず、同社が目指す原発の40年超運転も、信頼回復への道も一歩遠ざかった。
 県が、関電の40年超原発である美浜3号、高浜1、2号の再稼働の「前提」としていたのが中間貯蔵施設の県外候補地の提示だ。
 25日に県庁で桜本宏副知事に報告した関電の松村孝夫副社長は「早めにあらためて報告する」としたが、具体的な提示時期は示さなかった。

 報道陣の取材に答えた杉本達治知事は「信頼関係は悪い方向に動いているのは間違いない」と述べ、「関電からの報告を待ちたい。計画地点の提示は全ての議論の前提。40年超運転の議論には入れない」と硬い表情で話した。
 再稼働に向け、立地自治体では既に町議会から「同意」が示され、町長の最終判断を検討している段階だ。戸嶋秀樹・美浜町長は「しっかりと取り組んでいただきたい」とし、野瀬豊・高浜町長も「誠に残念」とするコメントを出した。両町長とも関電に限らず、問題の解決のため国の積極的な関与を求めている。

 中間貯蔵施設の県外候補地を巡っては、17年に西川一誠知事(当時)が関電の岩根茂樹社長(同)から「18年中に示す」との説明を受け、同大飯3、4号機(おおい町)の再稼働に同意した経緯がある。しかし、実現には至らず約束は2年間先延ばしにされ、その後、同社役員らの金品受領問題も発覚した。
 杉本知事は関電から報告を受ける前の今月18日の県議会特別委で、「(これから)再稼働の判断をしていく時期が来るんだろうと思っている」と述べていた。その際、県原子力安全専門委員会による安全性の検証や、県議会の判断など「40年超運転」の地元同意の判断に向けて必要となる条件を示したが、「前提」は崩れた。
 また、杉本知事は25日の取材で「(候補地は)絵空事ではありえない。確定までの道筋も含めて聞かせてもらいたい」と述べて、実現性のある候補地が示されるまで、県議会にも再稼働の議論は促さない考えを明らかにした。【岩間理紀、大島秀利】


関電、中間貯蔵施設候補地の年内提示断念 福井県に説明 原発再稼働先送りも
                         毎日新聞 2020年12月25日
 関西電力の松村孝夫副社長が25日、福井県庁を訪れ、県内の原発の使用済み核燃料の中間貯蔵施設について、県外候補地の年内提示を断念したことを報告した。県は、運転開始から40年を超える関電美浜3号機と同高浜1、2号機の再稼働に同意する「前提」として、関電に年内の提示を求めていた。今後も協議は続くが、関電が早ければ「2021年1月」とする美浜3号機の再稼働日程の実現は困難になった
 松村副社長は桜本宏副知事と面会し「このタイミングではしっかり報告できない。国や電気事業連合会と連携して努力を続け、早めに改めて報告する」と述べた。青森県むつ市の中間貯蔵施設を関電など電力各社で共同利用する案が浮上しているが、松村副社長は記者団に「地元(青森)の理解を得ないと着手できない。あらゆる可能性を検討する」と話した。

 杉本達治知事は記者団に「計画地点の提示がなければ、議論の入り口には入れない。さまざまな調整が必要なことは分かっている。最大限努力するということなのでそれを待ちたい」と一定の理解を示した。
 また、この日は経済産業省の幹部も桜本副知事と面会し、中間貯蔵施設の確保について「国も主体的に取り組む」と説明した。【岩間理紀、大島秀利】

女川原発の再稼働同意撤回を 首長会議、宮城県知事に申し入れ

 「脱原発をめざす首長会議」三上元氏らは25日、女川原発2号機再稼働への地元同意を撤回するよう宮城県幹部に申し入れました。

 村井知事宛ての書面「事故時の実効性ある避難計画の策定がなく、確認もされていない」と指摘しました。県幹部は「実効性を高めるのは国だ」と応じましが、そういう問題ではありません
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女川原発の再稼働同意、撤回を 首長会議、宮城県知事に申し入れ
                            共同通信 2020/12/25
 東北電力女川原発2号機(宮城県)の再稼働を巡り、全国の市区町村長やその経験者でつくる「脱原発をめざす首長会議」は25日、宮城県庁で、村井嘉浩知事が表明した再稼働への地元同意を撤回するよう、県幹部に申し入れた
 共同世話人で静岡県湖西市の三上元・元市長ら9人が村井氏宛ての書面を手渡した。書面は「事故時の実効性ある避難計画の策定がなく、確認もされていない」と指摘。県幹部は実効性を高めるのは国だ」と応じた。
 三上氏は手渡し後、報道陣に「知事の判断は拙速だ。県民の意見を聞いていないのではないか」と強調した。
 東北電は2022年度以降の再稼働を目指している。

50年に再エネ比率5~6割へ 原発と火力は現行の半分に 経産省

 経産省は、総合資源エネルギー調査会の基本政策分科会で、2050年の総発電量に占める再生可能エネルギーの比率を5~6割にするとの参考値案を提示し原発火力と合わせて現行の8割超から3~4割に減らすとしました。

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50年に再エネ比率5~6割へ 経産省、原発も「一定規模活用」
                            共同通信 2020/12/21
 経済産業省は21日、総合資源エネルギー調査会の基本政策分科会で、2050年の総発電量に占める再生可能エネルギーの比率を5~6割にするとの参考値案を提示した。化石燃料を使う火力発電を大幅に縮小し、現状で2割未満にとどまる再生エネを主力電源として導入を進める方向性を鮮明にした。

 50年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにする政府目標に向け、二酸化炭素(CO2)を排出しない原発も、安全性を前提に「一定規模の活用」を目指す。原発単体では割合を示さなかったが、火力と合わせて3~4割と想定。現状の計8割超から半分以下に減らす

27- 「コスト考えたら選択肢にならない」 河野氏 原発新増設を否定

 河野太郎行政改革担当相は25日、日本記者クラブで記者会見し、原発の新増設について「コストを考えたら、電力会社としては取り得る選択肢にならないのではないか」と述べました。
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「コスト考えたら、電力会社の選択肢にならない」 河野氏、原発新増設を否定
                         毎日新聞 2020年12月25日

 河野太郎行政改革担当相は25日、日本記者クラブでの記者会見で、2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする政府目標に伴う原発の新増設について「コストを考えたら、電力会社としては取り得る選択肢にならないのではないか」と述べ、コスト面から否定的な見解を示した。政府目標達成に向けた再生可能エネルギー拡大や省エネ推進などの必要性も指摘した。河野氏はかつて「脱原発」の主張で知られた。【田辺佑介】 

2020年12月25日金曜日

伊方乾式貯蔵了解 将来世代に重い課題を残す判断(愛媛新聞)

 伊方原発から出た使用済み核燃料を保管する乾式貯蔵施設について、愛媛県と伊方町が新設計画を了解しました。愛媛新聞が、中村時広知事は「一時保管が必須条件」などと強調したものの四電は使用済み核燃料の具体的な搬出時期を示しておらず、永久に留め置かれる懸念があるとする社説を掲げました。そして「乾式貯蔵施設がなし崩し的に最終処分場になるような事態は断じて認められない」としました
 当然の主張ですが、現実に六ケ所村以外には使用済み核燃料の受け入れ先がない以上、永久に留め置かれる可能性の方が大きいと言えます。
 基本を疎かにして数十年前にスタートした原発の矛盾がこうした形でクリアになっています。
                  お知らせ
        都合により26日は記事の更新が出来ません。ご了承ください。
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社説 伊方乾式貯蔵了解 将来世代に重い課題を残す判断
                        愛媛新聞 2020年12月24日
 四国電力伊方原発から出た使用済み核燃料を保管する乾式貯蔵施設について、県と伊方町が新設計画を了解した。四電は2024年度の運用開始を目指し準備を進めることになる。
 県庁で四電の長井啓介社長と面会した中村時広知事は「一時保管が必須条件」などと強調した。しかし、四電は使用済み核燃料の具体的な搬出時期を示していない。永久に留め置かれる懸念が拭えない中での判断であり、将来世代に重い課題を残すことに強い危惧を覚える
 乾式貯蔵施設は、使用済み核燃料を放射線を遮る専用容器の「キャスク」に入れて空気で冷やす仕組み。従来の貯蔵プールが満杯に近づいていることから四電が新設を計画し、18年に安全協定に基づく事前了解を県と伊方町に申し入れていた。
 新たな施設の必要に迫られたのは、国の核燃料サイクル政策が行き詰まっているからだ。長井社長は、再利用する予定の使用済み核燃料について「計画的に搬出する」と述べたが、政策の現状を踏まえると、見通しが甘いと言わざるを得ない
 政策の中核施設である、青森県の使用済み核燃料再処理工場や、取り出したプルトニウムとウランの混合酸化物(MOX)燃料を造る工場は国の審査に合格した。だが、MOX燃料を使うプルサーマル発電を実施しているのは伊方3号機など4基にとどまる。工場が順調に稼働しても、再処理できる量は限定的となる。
 搬出が滞り、資源であったはずの使用済み核燃料が「核のごみ」となる可能性は高まっている。乾式貯蔵施設がなし崩し的に最終処分場になるような事態は断じて認められない
 使用済み核燃料の搬出は、安全協定にも明記されている四電と県、伊方町の重要な約束事でもある。ただ、今回の乾式貯蔵施設の新設は、貯蔵容量を増やして搬出時期を遅らせ、原発の運転を続けたいという目的が色濃い。四電の都合で活用の見通しが立たない使用済み核燃料をこれ以上増やすのは無責任だ。
 中村知事は、一時保管を確約に近づけるため「経済産業相に明言していただいた」などと述べたが、実現するかどうかは不透明だ。原発に長年向き合ってきた立地自治体として、国に対し、事実上破綻した政策の見直しを問い続けることこそ役割ではないか。
 住民の理解も深まったとは言い難い。愛媛新聞が2月に実施した県民世論調査では、乾式貯蔵施設の設置に否定的な意見が57・7%に上っていた。
 乾式貯蔵施設は、電気を使わないため有事にプールよりも安全性が高いとされている。事前了解を巡る議論では、設置に理解を示す意見があったものの、永久保管になることへの懸念がなお根強かった。四電は「丁寧な説明を続ける」としているが国を含めて根本的な解決策が示されなければ、不安は拭えないと認識しておくべきだ。

規制委員長 東電は福島事故の調査を停滞と指摘

 原子力規制委の更田委員長は23日の定例会見で、東京電力の小早川社長と行った意見交換を振り返り、福島第1原発や柏崎刈羽原発に対する東電の姿勢が「受け身という印象だ」と改めて不満を示し福島原発事故原因に関する東電の調査が停滞しているとし、その取り組みが柏崎刈羽原発の再稼働にとって重要だとの認識も示しました。

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規制委員長「東電の姿勢は受け身」 福島事故の調査停滞も指摘
                           新潟日報 2020/12/24
 原子力規制委員会の更田豊志委員長は23日の定例会見で、東京電力の小早川智明社長と行った21日の意見交換を振り返り、福島第1原発や柏崎刈羽原発に対する東電の姿勢が「受け身という印象だ」と改めて不満を示した。福島第1原発事故原因に関する東電の調査が停滞しているとし、その取り組みが柏崎刈羽原発の再稼働にとって重要だとの認識も示した
 小早川氏との意見交換では福島第1の廃炉作業や処理水の処分問題を軸に行われ、柏崎刈羽の安全対策にも話が及んだ。更田氏は「社長の顔が見えない」と批判し、小早川氏の強いリーダーシップを求めていた。
 更田氏は23日の会見で、東電が福島第1原発事故の教訓を柏崎刈羽原発の運営に生かすとする方針に理解を示しつつ、「福島第1原発の廃炉作業を優先して進めることが東電の責任だ」と強調した。
 23日の会見に先立つ規制委の定例会合では、福島事故の原因調査を巡って「ここ3年くらいは停滞というか、ほとんど先に行っていない」と述べ、東電の姿勢に苦言を呈した。会見でも「柏崎刈羽原発の運用に対して信用される事業者になるには、(福島第1や柏崎刈羽で)疑問を自ら見つけに行く姿勢が必要だ」と話し、主体性を持って対応するように促した。

25- 柏崎刈羽7号機 対策工事完了は越年へ

柏崎刈羽、対策工事完了は越年へ 7号機の再稼働で東電
                            共同通信 2020/12/24
 東京電力新潟本社(新潟県)の橘田昌哉代表は24日、新潟市内で記者会見を開き、柏崎刈羽原発7号機(同県)の再稼働に向けた実質的な安全対策工事の完了時期が2021年1月上旬にずれ込む見通しになったと明らかにした。20年中を目指していたが、悪天候などで地盤の液状化対策工事が遅れた。同社は「今後のスケジュールへの影響はない」としている。

 東電は工事完了後に、核燃料を原子炉に入れる燃料装填を含めた「起動前検査」を21年4月までに進める予定。県や柏崎市など地元自治体の同意を得る必要があるため、再稼働の時期は決まっていない。

2020年12月24日木曜日

判決通り「大飯」の許可を取り消せ 原告らが政府と交渉

 大飯原発3、4号機の設置変更許可を取り消した大阪地裁の判決を受けて、原告や支援者らは22日、参院議員会館とオンラインでの集会と政府交渉を行い判決を受け入れ大飯原発の許可を取り消すことや、全ての原発の耐震評価を見直すことを求めました。

 政府交渉で原告らは、原子力規制庁に、ばらつきを考慮しない理由などをただしましたが、規制委側は「回答はさし控える」「ガイド記載の解釈の違い」などといった回答を繰り返しました。
 これでは判決に明確に反論できないと解釈するしかありません。
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判決通り「大飯」取り消せ 原告らが集会 政府と交渉
                      しんぶん赤旗 2020年12月23日
 関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の設置変更許可を取り消した大阪地裁の判決を受けて、原告や支援者らは22日、参院議員会館とオンラインでの集会と政府交渉を行いました。判決を受け入れ大飯原発の許可を取り消すことや、全ての原発の耐震評価を見直すことを求めました。
 4日に出された判決は、想定される最大の地震の揺れ(基準地震動)の評価に不合理な点があると判断。規制委が大飯原発の審査で基準地震動策定に必要な地震規模の計算値に観測データのばらつきを上乗せする必要があるかどうかの検討もしていないと指摘しています。
 規制委は16日、基準地震動の策定にかかる審査について見解文書を取りまとめ、17日には国が大阪高裁に控訴しました。見解文書では、ばらつきを上乗せする方法を用いていないのは「科学的根拠を承知していないから」などとしています
 政府交渉で原告らは、原子力規制庁に、ばらつきを考慮しない理由などをただしましたが、規制委側は「回答はさし控える」「(ガイド)記載の解釈の違い」などといった回答を繰り返しました。

東京都民の「放射線理解」 依然進まずと三菱総研

 福島民友が「東京都民の放射線理解』 依然進まず 風評など都民意識調査」とする記事を出しました。

 それは「国連放射線影響科学委員会が、原発事故に起因する放射線被爆では今後健康に影響が出たり、次世代に健康影響が生じたりすることは予測されないと報告している」にもかかわらず、都民の40%超が被爆により「がんの発生など健康影響が生じる」と考えているという論理です。
 国連科学委員会の見解が本当に正しいのであれば、それは正しく周知すべきですが、福島県の県民健康調査検討委員会が甲状腺がんの多発が放射線被爆と無関係だとするなど、行政機関がこれまで放射線被爆を一貫して軽視乃至無視する発言を繰り返してきた結果が、このような形で表れているように思われます。
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東京都民の「放射線理解」... 依然進まず 風評など都民意識調査
                       福島民友 2020年12月23日
 三菱総合研究所(東京都、三菱総研)が原発事故に伴う風評問題などをテーマに東京都民1000人に行った調査で、放射線の影響により今後、福島県民にがんなどの健康影響が出たり、次世代に遺伝的影響が生じたりすると誤って理解している人が4割に上った。昨年の調査と比べて割合はほとんど変わっておらず、原発事故から丸10年を迎えようとする今も放射線の影響を巡る正しい理解が進んでいない実態が浮き彫りとなった。
 三菱総研が22日、発表した。7月22~27日に、20~69歳の男女1000人にインターネットを通じて調査した。2017(平成29)、19年に続き3回目。
 がんの発生など健康影響が生じるかどうかを聞いたところ、四つの選択肢のうち「可能性が高い」側の二つを選んだ人が43.7%(前回調査比2.8ポイント減)に上った。次世代に遺伝的影響が生じるかという設問では「可能性が高い」側が41.2%(同0.2ポイント減)を占めた。
 国連放射線影響科学委員会(UNSCEAR=アンスケア)は、原発事故に起因する放射線被ばくでは、今後健康に影響が出たり、次世代に健康影響が生じたりすることは予測されないと報告している。
 三菱総研は「最新の科学的な知見の理解が十分には進んでいないことが明らかになった」とした上で「偏見や差別を生まないような対応が引き続き重要だ」と指摘している。

県産食品ためらう4.8ポイント減の17.8%
 県産食品に対する意識も調べ「自分が食べる場合、放射線が気になるのでためらう」と回答した人は17.8%(同4.8ポイント減)だった。