2024年11月20日水曜日

避難道路「協議の場」28日開催へ、柏崎刈羽原発の再稼働巡り

 柏崎刈羽原発の再稼働をめぐり、事故時の避難道路の整備方針を話し合う国と県の「協議の場」が28日に県内で開かれることが分かりました。
 避難道路の整備は当然必要ですが、積雪時の避難道路除雪対策も含める必要があります。
 また5~30キロ圏内の屋内退避について先に国側が「「自然災害は範疇外」「解決済み」を取り消させることも必要です。
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  11月16日)続くすれ違い 県内自治体 豪雪不安視 国側、自然災害は範躊外
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【独自】避難道路「協議の場」28日開催へ、柏崎刈羽原発の再稼働巡り【新潟】
                      UX新潟テレビ21 2024/11/19
柏崎刈羽原発の再稼働をめぐり、事故時の避難道路の整備方針を話し合う国と県の「協議の場」が11月28日に県内で開かれることが分かりました。

【動画】【独自】避難道路「協議の場」28日開催へ、柏崎刈羽原発の再稼働巡り【新潟】
政府は、9月に総理官邸で開いた原子力関係閣僚会議で、当時の岸田総理が「柏崎刈羽原発の再稼働の重要性は高まっている」としたうえで、避難道路の具体的な対応方針を確認。国の負担で整備する方針を決めたほか、国と県による協議の枠組みを設置し、具体化することを決めていました。
複数の関係者によると、初会合を28日に県庁内で開くことで最終調整に入ったということです。政府からは資源エネルギー庁の村瀬佳史長官らが出席。県からは、笠鳥公一副知事らが出席する予定です。
避難道路は、原発から6方向へ放射状に延びるもので、事故時に安全に避難するためものです。政府としては、避難道路の具体化の議論を進めることで、避難対策の実効性を高める目的があります。

3選の桜井柏崎市長、知事に再稼働の判断迫る「禅問答する時期ではない」

 柏崎刈羽原発(新潟県)再稼働の是非を巡り、花角英世知事が自身の考えを明らかにしないことについて、柏崎市長選で3選を果たした桜井雅浩さんは報道陣の取材に「既に禅問答を繰り返す時期ではない」と述べました。
 知事への要求は良く理解できますが、もしも櫻井市長出来るだけ早く再起動させたいのであれば、再稼働の前提条件となる増設避難道路の完成や30キロ圏内の雪害対策の完了について万全を期すことが先ず必要です
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柏崎刈羽原発立地の新潟・柏崎市長選で3選の桜井さん、知事に再稼働の判断迫る「禅問答する時期ではない」
                           新潟日報 2024/11/19
 東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)再稼働の是非を巡り、花角英世知事が自身の考えを繰り返し問われても態度を明らかにしないことについて11月17日に投開票された柏崎市長選で3選を果たした桜井雅浩さんは当選確定後、報道陣の取材に「既に禅問答を繰り返す時期ではない」と述べた
 花角知事は再稼働の是非について、県民の意思を見極めた上で判断し「信を問う」としている。
 桜井さんは再稼働について条件付き容認の立場を示しており、 これまでも「私の時間軸とは全く違う」などと不満を述べてきた。


柏崎刈羽原発再稼働の判断時期、新潟県知事の考えを桜井雅浩柏崎市長が批判「時間軸が違う。ありえない」・・・早期の判断求める
                            新潟日報 2024/8/23
 新潟県の花角英世知事が東京電力柏崎刈羽原発の再稼働の是非を遅くとも次の知事選までに判断すると一部の首長に伝えたことについて、桜井雅浩柏崎市長は8月23日、「時間軸が違う。ありえない」と批判し、早期に判断するよう求めた。
 ・再稼働判断時期、遅くとも2026年6月の新潟県知事選までに 花角英世知事、県内一部首長に考え伝える
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 地域医療に関する要望で花角知事と県庁で面会後、報道陣に述べた。
 桜井市長は、花角知事が再稼働議論を始める条件とした東電福島第1原発事故を巡る県の「三つの検証」が2023年に終了し...
  (以下有料記事のため非公開 残り429文字 全文:629文字)

志賀原発、断層連動178キロ 能登地震受け見直し、審査影響も

 北陸電力が志賀原発2号機の再稼働に向けた原子力規制委の審査で、能登半島北部の海域活断層が連動する長さを約96キロから約178キロに見直したことが分かりました。審査がさらに長期化する可能性があります。
 活断層の長さは「基準地震動」のベースになる「マグニチュード」の算定に関係し長いほど大きくなります。
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【独自】志賀原発、断層連動178キロ 能登地震受け見直し、審査影響も
                          共同通信 2024/11/19
 北陸電力が志賀原発2号機(石川県)の再稼働に向けた原子力規制委員会の審査で、能登半島北部の海域活断層が連動する長さを約96キロから約178キロに見直したことが19日分かった。今年1月の能登半島地震を受けた対応で、原発で想定する揺れや津波の大きさに影響し、審査がさらに長期化する可能性がある。
 北陸電は今月6日に規制委に提出した資料で「津波の高さを評価する上で、半島北部の活断層評価が重要な要素」と説明している。現在の津波想定は海抜7.1メートル。
 能登半島北部には多数の活断層があり、連動する長さが焦点の一つとなっている。政府の地震調査委員会は、1月の地震で約150キロにわたって複数の断層が動いたとの評価を示している。北陸電は地震調査委の評価のほかに連動する断層がないか追加評価を実施。近接する断層も加えて約178キロが連動するとした。「より安全側に再評価した。評価の詳細や、津波想定への影響は今後の審査で説明する」としている。

20- 「日本では厳しい原子力規制必要」 石渡前委員が会見 東京

 原子力規制委を9月に退任した石渡明前委員原発の自然災害対策担当18日、東京都内の日本記者クラブで記者会見し、「日本は自然災害が起きやすい。原子力には特に厳しい規制が必要だ」、「能登半島地震については、関東大震災や1891年の濃尾地震に匹敵する規模だった。安全対策として志賀原発や他の原発に取り入れる必要がある」と主張しました。
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「日本では厳しい原子力規制必要」 石渡前委員が会見 東京
                           時事通信 2024/11/18
 原子力規制委員会を9月に退任した石渡明前委員が18日、東京都内の日本記者クラブで記者会見した。
 地震や津波など原発の自然災害対策を担当した同氏は、「日本は自然災害が起きやすい。原子力には特に厳しい規制が必要だ」と述べた。
 自身が携わった日本原子力発電敦賀原発2号機の新規制基準への適合性審査では、規制委が13日、正式に「不適合」と決定した。石渡氏は論点を原子炉建屋近くの「K断層」に絞り、現地調査も2回行ったとした上で、「時間を節約したということはない。審査には十分時間をかけた」と強調した。
 1月の能登半島地震については、関東大震災や1891年の濃尾地震に匹敵する規模だったと指摘。「(安全対策として)志賀原発や他の原発に取り入れる必要がある」と主張した
 石渡氏は岩石学・地質学が専門で、金沢大教授や東北大教授、日本地質学会会長を歴任。2014年から10年間規制委員を務めた。

2024年11月18日月曜日

“燃料デブリ取り出し”のギモン なぜデブリは廃炉の「最難関」

 福島テレビが掲題の記事を出しました。
 デブリ取り出しに関わる総括的な報告と、なぜなぜデブリは廃炉の「最難関」なのかやデブリ以外の廃炉の障壁は何か、などについての簡単な解説が載っています。
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“燃料デブリ取り出し”のギモン】「敵」はデブリだけなのか?<福島第一原発>
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福島第一原子力発電所2号機では、11月7日に、事故で溶け落ちた核燃料=燃料デブリの試験的取り出しが完了し、11月12日に事故後初めてデブリが原発構外へ輸送された。
取り出されたデブリの重さは約0.7グラム、放射線量はデブリから20センチの距離で1時間あたり0.2ミリシーベルト。輸送前の測定で、ウランが核分裂したときに生成される「ユウロピウム」が検出された。
11月14日に開かれた福島第一原発事故の分析に係る検討会では、原子力規制庁が「核分裂片としてのユウロピウムというのはなかなか外に出てこなくて検出ができてこなかったもの」「燃料デブリの明らかな一部と考える」とし、東京電力に詳細な分析を求めた。
燃料デブリの試験的取り出しの開始をもって、福島第一原発の廃炉は最終段階の「第3期」に入った。国や東京電力は2051年の廃炉完了を掲げているが、現状で、1号機から3号機までの明確な「廃炉の姿」は示されていない。

【なぜデブリは廃炉の「最難関」?】
燃料デブリは第一原発での高い放射線の「発信源」となっている。
原子炉本体である「圧力容器」はもちろん、その周りを囲む「格納容器」にも現状で人が直接入ることはできない
カメラをつけたロボットを使って遠隔での調査を行っているが、高い放射線はカメラやロボットにも影響を及ぼすため、長時間の調査はできない。実際、今回の燃料デブリの試験的取り出しをめぐっても、高い放射線が原因になったとみられカメラが不具合を起こし、「目」の無い状態で作業は継続できないと一時中断した。
人の目で直接確認できない格納容器の中は、デブリだけでなく爆発の衝撃で吹き飛んだ構造物が飛散しているが、その明確な場所もつかみ切れていない。
デブリの取り出しは「廃炉」そのものの達成に関わる作業であり、原子炉の中を把握する作業を進めていくにあたってもデブリ自体が障壁となっていることなどから「最難関」とされている。

【デブリ以外の廃炉の障壁1:水】
原子炉に降った雨や地面の下を流れる水は、燃料デブリに触れることによって放射性物質を含み「汚染水」となる。ここから大部分の放射性物質を取り除いて「処理水」とした水は、2023年8月から薄めて海に流される「海洋放出」が開始されている。2024年11月4日には通算10回目となる放出が完了、ここまでの累計で約7万8300トン、タンク78基分が放出されていて、周辺の海水の分析などで基準を超える値は確認されていない。
一方、東京電力によると、11月7日現在で第一原発構内のタンクにたまっている「処理水」や「処理前の水」は約130万トン。タンク容量全体の94%を圧迫している。
また、中国による禁輸措置などの影響で取引に損害が生じたとして、処理水に関する賠償は10月30日時点で約310件・約450億円が事業者などに支払われている。1か月で約30億円増加していて、損害は続いている

【デブリ以外の廃炉の障壁2:生み出される新たな放射性物質】
「汚染水」を「処理水」にするためには、放射性物質を吸着するフィルターを通している。このフィルターは放射性物質を吸着しているので放射線量が極めて高く、フィルターの保管施設は増設が重ねられ、こちらも敷地を圧迫している。
これまでの福島テレビの取材に対し、経済産業省資源エネルギー庁の木野正登参事官は「あと数年は置き場が持つが、それ以上の置き場も考えていかなくてはならない」としていた。

【デブリ以外の廃炉の障壁3:耐震】
廃炉作業において「新たな災害」への耐久能力は極めて重要な課題。
特に第一原発1号機では、ロボットによる調査で原子炉本体「圧力容器」を支える土台部分にコンクリートの損傷が確認されたことから耐震性の悪化が懸念されている。
一方、事故後に存在が確認されず評価条件から外されていた土台の「芯」となる鉄板が調査で確認されるなどしていて、東京電力は最新の状況を踏まえて耐震性の評価を行っている。
2023年10月に行われた原子力規制委員会の「特定原子力施設監視・評価検討会」で東京電力は、「評価基準の1・5倍の揺れを想定しても、土台が圧力容器を支えられる」と評価した結果を提示。これに対し原子力規制委員会は「圧力容器や格納容器、合わせておよそ2千トンが地震によって転倒し建屋に直接衝突するなどの極端な場合を想定しても建屋の健全性は十分に維持できる」とした一方、事故時の正確な状況や原子炉内部の詳細が把握できていないことなどから「耐震評価として妥当性を判断することは困難」とし、東京電力に耐震性評価の継続を指示していた。
また1号機では、原子炉内にたまった水が、地震の揺れなどで建屋に衝撃を与えることが懸念されているため、東京電力が注水を計画的に減らす作業を実施。
燃料デブリがあることで原子炉内が詳細に把握できないことは、原子炉そのものや作業の安全性にも大きく影響している。

【今後の「燃料デブリ取り出し」について】
東京電力は今後の燃料デブリの取り出しについて、今回の「釣り竿ロボット」ではなく大型の「ロボットアーム」という装置を用いて2号機での試験的取り出しを行う方針を示している。この「アーム」は現状の「釣り竿」よりも操作性が高く、デブリを取り出す範囲が広がる可能性が期待できる一方、現状の装置を取り外して新しくアームを設置しなければならなかったり、ロボット自体が大きいために引っかかりや詰まりなどの心配がある。
前述の11月14日に開かれた福島第一原発事故の分析に係る検討会では、原子力規制委員会の山中伸介委員長が「データをとるのであれば、もう少しこのままサンプリングを続けてはどうか。順調に行っている状態なのであと何サンプルか取り出す検討をしてもらえれば」との発言もあり、東京電力は「総合的に検討する」とした。

【これまでの経緯】
■2021年:当初の試験的取り出し着手予定
⇒ロボットの開発遅れ、経路への堆積物の詰まり発覚などで延期
■2024年8月22日:試験的取り出し着手を計画するも「現場での棒の順番ミス」が発覚し取りやめ
⇒東京電力が現場に立ち会っていなかったことなどが問題に。
管理体制の見直しを行う。
■2024年9月10日:試験的取り出し作業に着手
■2024年9月14日:ロボットが一度デブリをつかむ
■2024年9月17日:カメラ4台のうち2台の映像が見られなくなるトラブルで中断
⇒高い放射線が影響でカメラ内部に電気がたまり不具合を起こしたと推定。
カメラ交換を決断。
■2024年10月24日:カメラの交換作業を完了
■2024年10月28日:試験的取り出し再開
■2024年10月30日:デブリの把持・吊り上げに成功
■2024年11月2日:デブリを事故後初めて格納容器外へ取り出し成功
■2024年11月5日:放射線量が「取り出し」基準クリアを確認
■2024年11月7日:試験的取り出し作業完了
■2024年11月8日:デブリの水素濃度などが輸送の基準を満たすこと確認
■2024年11月12日:事故後初めてデブリを第一原発構外へ 研究施設へ輸送

島根原発事故に備え過去最大規模の避難訓練 「子ども連れだと難しい」と課題も…

 12月に予定される島根原発2号機の再稼働を前に、島根県で16日、過去最大規模の原発事故避難訓練が行われ、30キロ圏内にある松江市と出雲市、それに安来市から合わせて355人の住民が参加しました。原発事故と地震の同時発生を想定した複合的防災訓練も盛り込まれました。
 建物の倒壊に備えた屋外避難なども実施され、参加者からは「子ども連れだと、食事をする場所が狭くて難しい」といった声も上がりました。島根・鳥取両県に広がる30キロ圏内には45万人以上が居住しています。
 16日には鳥取県でも避難訓練があり、30キロ圏内にある米子市と境港市の住民約170人が参加しました。
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「子ども連れだと難しい」と課題も… 島根原発事故に備え過去最大規模の避難訓練
12月の再稼働控え30キロ圏内の自治体参加 同時地震も想定し複合防災
                         日本海テレビ 2024/11/17
12月に予定される島根原発2号機の再稼働を前に、島根県で11月16日、原発事故を想定した過去最大規模の避難訓練が行われました。訓練には島根原発から30キロ圏内にある松江市と出雲市、それに安来市から合わせて355人の住民が参加し、原発事故と地震の同時発生を想定した複合的な防災訓練も盛り込まれました
島根・鳥取両県に広がる30キロ圏内の住民は45万人以上。多くが個人の車両や避難バスを使い、短時間で島根県西部や鳥取県東部、さらに近隣の岡山県などへ移動することになります。このため、避難先への誘導や現地での受け入れ体制の整備のほか、中継点で車両の放射線量を確認する作業など、多岐にわたる対応が計画されています。避難先の一つ、島根県大田市の中学校では、地域住民も協力し炊き出しを行うなど、官民一体となって受け入れ手順を確かめていました。
今回は地震の同時発生も想定し、能登半島地震で道路が寸断された事例を参考に通常とは異なる避難ルートを設定。さらに、建物の倒壊に備えた屋外避難なども実施されました。参加者からは「子ども連れだと、食事をする場所が狭くて難しい」といった声の一方、「訓練は必ずやった方がいいと思う。少しは安心感が出る」などと評価する声も聞かれました。島根県の丸山知事は「原発の安全運転が第一だが、避難計画の迅速な実行も必要」と訓練の意義を強調しました。

16日には鳥取県でも避難訓練があり、原発から30キロ圏内にある米子市と境港市の住民約170人が参加しました。12月の原発再稼働を前に、避難計画の周知や協力体制の整備など、改めて周辺地域の住民の安全確保に向けた取り組みが重要となっています。 

柏崎市長選 現職の桜井雅浩氏が3選 原発再稼働反対の阿部由美子氏らを破り

 柏崎市長選挙は17日に投開票が行われ、無所属現職の桜井雅浩氏が、共に無所属新人で自営業阿部由美子氏、燕市在住の会社員野本祐二氏を下し、3選を果たしました。
 阿部氏は原発再稼働阻止を旗印に戦いましたが、残念ながら原発に反対する層以外への広がりを欠きました。
 投票率は53・7%で 記録が残る1947年以降で過去最低となりました。
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[柏崎市長選挙2024・新潟]
現職の桜井雅浩氏が3選 柏崎刈羽原発再稼働反対の阿部由美子氏、燕市の野本祐二氏破る
                           新潟日報 2024/11/17
 任期満了に伴う新潟県の柏崎市長選挙(柏崎市長選)は11月17日に投票が行われ、即日開票の結果、無所属現職の桜井雅浩氏(62)が、共に無所属新人で自営業阿部由美子氏(62)、燕市在住の会社員野本祐二氏(58)を大差で下し、3選を果たした
 東京電力柏崎刈羽原発の再稼働を巡って、桜井氏と野本氏は条件付き容認、阿部氏は反対と、主張が分かれた。2期8年の桜井市政の評価や、子育て・教育施策なども争点となり、有権者は市政の継続を選んだ。
 桜井氏は多数の市議や、経済界の支援を受け、組織的な戦いを展開した。運営母体の経営危機に揺れる柏崎総合医療センターを必ず存続すると訴え、実績も強調して支持を得た。
 桜井氏は当選確実となった11月17日午後9時前、市内の選挙事務所に集まった支持者約100人と共に万歳。「皆さまのご恩に報いるためにも強く優しい柏崎をつくっていく」と3期目に臨む決意を語った。
 阿部氏は再稼働阻止を旗印に戦ったが、原発に反対する層以外への広がりを欠いた。
 野本氏は浸透しなかった。
 投票率は53・70%で2020年の前回選を9・10ポイント下回り、記録が残る1947年以降で過去最低となった。

▽当日有権者数 6万6016
▽投票者数   3万5448
▽投票率     53・70%
▽無効        498

◇柏崎市長選開票結果(選管最終)
  当27、587  桜井 雅浩 62 無現(3) 
    6、931  阿部由美子 62 無新
      432  野本 祐二 58 無新

【桜井氏略歴】市長(学習塾経営、市議4期、副議長、高校教諭)西本町1。早大卒。

◆桜井氏投票の2割超が原発再稼働反対、再稼働問題謙虚に向き合う姿勢を
 告示1週間前までは無風になると思われた柏崎市長選は一転...
 以下は有料記事のため非公表 (残り616文字 全文:1301文字)


柏崎市長選、桜井雅浩氏が3選…「原発再稼働には意義」「再生可能エネも育てる」
                           読売新聞 2024/11/17
 東京電力柏崎刈羽原子力発電所の地元・新潟県柏崎市の市長選が17日に投開票され、条件付きで再稼働を容認する現職の桜井雅浩さん(62)(無所属)が3選を果たした。
 桜井さんは市内の事務所で「脱炭素エネルギーとして原発の再稼働は意義がある。同時に柏崎では再生可能エネルギーも力強い柱として育てていく」と抱負を語った。
 市長選には桜井さんと新人2人が立候補した。桜井さんは同原発の一部廃炉を求める一方、安全が確保されれば再稼働を認める考えを示し、支持を広げた。
 同原発は柏崎市と刈羽村にまたがって立地する。同村では12日に村長選が告示され、再稼働を容認する品田宏夫村長(67)(無所属)が無投票で7選を決めた。今後は、新潟県の花角英世知事が再稼働の是非に関してどのような判断を示すかが焦点になる。
 同原発は2021年にテロ対策の不備が相次いで発覚し、原子力規制委員会が事実上の運転禁止命令を出したが、同委は昨年12月に命令の解除を決定。東電は今年4月、7号機に核燃料を入れる作業に着手し、6月には技術的に再稼働できる準備が整った。