原発問題を考える市民団体「市民検証委員会」は1日、県庁で記者会見し、柏崎刈羽原発6、7号機が再稼働した場合、県内での経済波及効果は1年間で98億円だとする独自の試算結果を公表しました。これは県の試算の4分の1以下です。
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柏崎刈羽原発6、7号機再稼働の経済波及効果、「県の試算は粗い計算」市民団体が批判
新潟日報 2026/5/7
原発問題を考える市民団体「市民検証委員会」は1日、県庁で記者会見し、東京電力柏崎刈羽原発6、7号機が再稼働した場合、県内での経済波及効果は1年間で98億円だとする独自の試算結果を公表した。県は2024年、10年間で4396億円の経済波及効果が見込まれるとの試算を公表したが、検証委は「粗い計算だ」と批判した。
会見には...
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原発をなくす湯沢の会
私たちは『原発ゼロの日本』をめざし、柏崎刈羽原発の廃炉に向 けた運動に取り組んでいます。
2026年5月7日木曜日
柏崎刈羽原発6、7号機再稼働の経済波及効果、「県の試算は粗い計算」市民団体が批判
原発稼働率33%、事故後で最高 3年連続、再稼働見通せず頭打ち
全国の原発がフル稼働した際の総発電量に対する実際の発電量の割合を示した稼働率は2025年度、33.6%でした。
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原発稼働率33%、事故後で最高 3年連続、再稼働見通せず頭打ち
共同通信 2026年05月06日
全国の原発がフル稼働した際の総発電量に対する実際の発電量の割合を示した稼働率は2025年度、33.6%だった。日本原子力産業協会がまとめた調査結果で6日判明した。11年の東京電力福島第1原発事故後では、23年度から3年連続で最高を更新した。24年度以降に新たに3基が再稼働したのが大きな要因。ただ24年度の32.3%からの伸びは1.3ポイントにとどまった。今後、再稼働を見通せる原発は限られており、当面頭打ちの状況になりそうだ。
国内に54基あった原発は、事故後の規制強化などで廃炉が進み、現在は33基に減少。25年度に稼働した原発は15基にとどまった。再稼働していない18基も含めた計算で稼働率を引き下げた。過去最高は、約50基運転の1998年度の84.2%だった。事故後の14年度に0%となり、以降は緩やかに上昇した。
24年度以降再稼働の3基は、24年10月の東北電力女川2号機(宮城県)、同年12月の中国電力島根2号機(島根県)、26年1月の東電柏崎刈羽6号機(新潟県)。26年度は再稼働予定の原発がない。
トランプ政権、小型原子炉「マイクロリアクター」の承認を迅速化──背景にデータセンター需要
トランプ政権は、新たなマイクロリアクター(小型原子炉)の承認を迅速化するための規則策定プロセスを開始し、企業に原子力発電への投資を促す新たな1歩を踏み出しました。AIのデータセンターへの電力供給を念頭に置いたものです。
記事は2800字ほどで比較的細部にわたり書かれているのですが、当方には知識がなくて理解できません。知識のある人にはお分かりになるでしょうから紹介します。
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トランプ政権、小型原子炉「マイクロリアクター」の承認を迅速化──背景にデータセンター需要
Forbes JAPAN 2026/5/3
トランプ政権は、新たなマイクロリアクター(小型原子炉)の承認を迅速化するための規則策定プロセスを開始し、企業に原子力発電への投資を促す新たな1歩を踏み出した。
■米国エネルギー省と原子力規制委員会、マイクロリアクター開発で相次ぎ施策を打ち出す
米国エネルギー省(DOE)と原子力規制委員会(NRC)は、ともにマイクロリアクターの開発促進に向けて重要な施策を講じている。マイクロリアクターとは、20メガワットの熱エネルギーを生成するよう設計されたコンパクトな原子炉である。
DOEは、民間投資家がマイクロリアクターを迅速に開発・試験・実証できる「前例のない」テストベッド(試験基盤)施設を立ち上げた。アイダホ国立研究所に設置されたこのテストベッドは「DOME(Demonstration of Microreactor Experiments:マイクロリアクター実験実証施設)」と呼ばれている。
米国時間4月8日にDOMEが事業利用可能になったことが発表された後、民間産業を引きつけるための政府によるもう1つの重要な施策が示された。
●NRC新規則案では、6カ月から12カ月の許認可期間短縮を見込む
NRCのホー・K・ニエ委員長は4月24日、5月の連邦官報で「画期的な」規制枠組み案を公表すると発表した(編注:連邦官報には2026年5月1日付で公表された)。この枠組みは、規制の無駄を削減し、新型マイクロリアクターに対して柔軟でリスク情報に基づく許認可オプションを提供するものだ。
「マイクロリアクターおよび同等のリスクプロファイル(リスク特性)を持つその他の原子炉に関する許認可要件」と名付けられたこの新規則は、公衆衛生と安全保障の保護措置も維持するとされている。
「このマイクロリアクター向け規制枠組みは、先進原子炉の許認可プロセス近代化に向けた大きな1歩となる」とニエ委員長は述べた。提案される変更は「安全性、規模、スピードを兼ね備えたマイクロリアクターの展開を目指して設計されている」と付け加えた。
今後公表される規則とガイダンス案は、プロジェクトのコスト削減によりマイクロリアクター開発を促進すると期待されている。
「NRCと産業界は、主に適用除外申請の削減と審査の効率化により、37億6000万〜118億4000万ドル(割引率による。約5866億円~約1.85兆円。1ドル=156円換算)の節約を見込んでいる。NRCは、建設許可について6〜12カ月の許認可・展開期間の短縮が可能と予測している」と委員会は説明している。
新規則案により、マイクロリアクター開発者は以下のことが可能になる。
・同一仕様の原子炉群(フリート)の一括承認を申請すること
・独自の原子炉運用に対し、代替の設計基準やプログラムを認めること
・一部プロジェクトの環境審査を簡素化すること
・NRCの許可取得前に、一部の建設を開始できるようにすること
■データセンターや遠隔地など、想定用途は多岐にわたる
DOEとNRCはともに、データセンターの増大する電力需要への対応や、より強靭なエネルギー供給の実現に向けて、マイクロリアクター開発への関心が高まると予測している。
「マイクロリアクターおよび同等のリスクプロファイルを持つその他の原子炉は、現行の商用原子炉と比較して小型で低出力、可搬性があり、運用が簡素であることが見込まれる。そのため、遠隔地のコミュニティ、非電力型の産業プロセス(熱利用など電力以外の用途)、軍事基地、海事用途、災害救援、その他送電網への接続が不安定または存在しない用途に有用となる可能性がある」と規則案は述べている。
NRCは、将来のマイクロリアクターは量産を可能にする標準設計を備え、最小限の現場準備や建設で済むコンテナで輸送可能になると予測している。
■アイダホ国立研究所のDOMEは、世界唯一の試験施設
アイダホ国立研究所(INL)のハイテクなテストベッドは、実際には高さ約30メートル、直径約24メートルの大きなドーム型施設である。INLの国立原子炉イノベーションセンター(NRIC)によって建設された。
「DOMEは、米国の原子力復興が求める大胆かつ創造的なインフラ投資を体現している」とINLのジョン・ワグナー所長はDOEの発表で述べた。「われわれは、次世代の原子力イノベーターを構想から実証まで、業界がここ数十年で見たことのないスピードで加速させている」。
DOEによると、DOMEは熱または電力として使用される最大20メガワットの熱エネルギーを生成する燃料装荷済みマイクロリアクター実験を扱うために特別に設計された、世界唯一の施設だという。
「NRICは、革新的なコンセプトを迅速に実用的な実証へと転換できる施設を求める産業界のニーズに応えるため、このテストベッドを建設した」とNRICのブラッド・トーマー所長は述べた。「DOMEでの試験から得られた情報により、原子炉開発者は先駆的なアイデアを検証済み技術へと発展させ、原子力エネルギーを前進させることができる。この能力を提供できることを非常に誇りに思っており、原子力産業に与えるインパクトを見届けるのが待ち遠しい」。
■軍事や宇宙分野でも高まる、マイクロリアクターへの期待
現政権は、米国のエネルギーミックスにおいて比較的小さな役割にとどまってきた原子力発電の開発に向けて、次々と施策を打ち出している。
エネルギー情報局(EIA)による2023年の米国発電量データを見ると、原子力は7750億キロワット時(18.6%)を発電したのに対し、化石燃料は60%のシェアだった。
マイクロリアクターの利用拡大は、データセンターの増大する電力需要を満たすうえで大きな可能性があると見込まれている。これらの先進原子炉は、将来の軍事・宇宙分野の電源としても注目されている。
3基地での運用に向けて、米空軍が開発企業3社を選定
最近、米空軍は国防イノベーション部門(Defense Innovation Unit)と連携し、基地でのマイクロリアクター開発・運用を担う可能性のある3社を選定した。
・コロラド州バックリー宇宙軍基地:カリフォルニア州エルセグンドのRadiant Industries
・モンタナ州マルムストロム空軍基地:Westinghouse Government Services
・テキサス州サンアントニオ統合基地:カリフォルニア州トーランスのAntares Nuclear
「航空宇宙における優位性の未来は、強靭なエネルギーによって支えられる」と空軍のエネルギー・施設・環境担当次官補マイケル・ボーダーズは4月26日の声明で述べた。「先進原子力技術を統合することで、われわれは単に電力を維持するだけでなく、最も重要な国家安全保障任務が停電によってリスクにさらされることが決してないよう保証している。これは空軍省にとって極めて重要な瞬間である」。
マイクロリアクターの迅速な展開を促進するこれらの連邦政府の施策は、より多くの試験が可能になり、先進的な発電装置への需要が拡大するにつれて、全国規模での開発を大きく後押しすることになるだろう。
07- 中国の原発、蒸気発生器から異物
中国広東省の台山原発の蒸気発生器内から、縦と横がそれぞれ1.5センチのものと、縦3.5センチ、横1.3センチの板状の異物が2ケ見つかりました。同原発は定期検査中のため稼働停止中で、放射性物質の漏えいなど外部への影響はありません。
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【速報】中国の原発、蒸気発生器から異物
共同通信 2026年5月4日
【香港共同】香港政府は4日、中国広東省の台山原発の蒸気発生器から異物が見つかったと明らかにした。原発は定期検査中で稼働しておらず、外部への放射性物質の漏えいはないという。
中国の原発、機器から異物 稼働停止中、外部影響なし
共同通信 2026年5月4日
【香港共同】香港政府は4日、中国広東省台山市の台山原発の蒸気発生器内から異物が見つかったと明らかにした。同原発は定期検査中のため稼働停止中で、放射性物質の漏えいなど外部への影響はないとしている。
香港政府によると、4月30日、台山原発1号機の蒸気発生器を目視で検査していた際、中から異物が見つかった。異物は縦と横がそれぞれ1.5センチのものと、縦3.5センチ、横1.3センチのものの計二つ。原因を調査している。
台山原発は香港から近く、広東省の原子力当局が運営インシデントとして香港政府に報告した。
台山原発を巡っては、2021年6月に海外メディアが放射性物質漏れを報道した。
2026年5月4日月曜日
原発を止めるべき理由(植草一秀氏)
植草一秀氏の掲題の記事を紹介します。
今年の3月11日、元福井地方裁判所裁判長の樋口英明氏が著わした『私が原発を止めた理由』(旬報社)の増補改訂版が刊行されました。樋口氏は2014年5月21日、大飯原発運転差し止め訴訟判決で運転差し止め命令を下しましたが、名古屋高裁金沢支部は2018年7月にその判決を破棄し、その後確定しました。
植草氏は「下級裁判所が適正な判断を示しても上級裁判所がその判断を覆す。これが日本の裁判所の実態である」と述べ、事実殆どのケースでそれが見られます。
2014年に大飯原発運転差し止め命令を出した樋口裁判長はその理由を日本の原発の耐震性能不足であるとします。震度7の地震は地震の揺れの強さを示すガルで表示すると1500ガル以上になり、日本では加速度が1500ガルを超える地震が頻発していて、それは日本列島のどこでも生じ得るものです。ところが実際には日本の原発のほとんどが700ガルの揺れに耐える構造でしか建造されていません。そんなに低い耐震強度とした理由は関東大震災の揺れの強さを400ガル程度と過少に推定したためでした。
ところが全国的に地震計が設置されるようになった後に起きた1995年の阪神淡路大震災によって、震度7の地震が1500ガル以上であることが判明しました。
樋口裁判長は、日本列島のどの地点でも1500ガル以上の揺れを伴う地震が発生し得るのに700ガル程度の耐震性能では不十分なことは明白であることから、運転停止命令を下しました。極めて当然の判断でした。
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原発を止めるべき理由
植草一秀の「知られざる真実」 2026年5月 1日
今年の3月11日、ある本の増補改訂版が刊行された。ある本とは『私が原発を止めた理由』(旬報社) https://x.gd/8p69X
著者は元福井地方裁判所裁判長の樋口英明氏。
2014年5月21日、大飯原発運転差し止め訴訟判決で運転差し止め命令を下した。
しかし、名古屋高裁金沢支部は2018年7月に判決を破棄して、その後確定した。
また、2022年6月17日、最高裁は「福島原発事故の被害について国は賠償責任を負わない」とする判決を示した。
多数意見を示した3名の裁判官は「実際に起きた地震の規模や津波の方向が予想されたものと違っていた」との理由で国の責任を認めなかった。
樋口英明裁判長は原発を止めたが、上級審は樋口裁判長の判決を覆した。また、最高裁は国の賠償責任を認めなかった。
日本を喪失しかねなかったフクシマ原発事故。事故の前に巨大地震の発生は警告され、巨大地震と津波の発生で福島原発が電源を失うことが警告されながら、国と東京電力は適切な対応を取らなかった。その結果として事故が発生して巨大な損害が生まれたが裁判所は国と東京電力を無罪放免にした。
下級裁判所が適正な判断を示しても上級裁判所がその判断を覆す。これが日本の裁判所の実態である。
22年の最高裁判決で多数意見を書いた裁判官のうち、裁判長を務めた菅野裁判官は判決の1ヵ月後に定年退官し、その1ヵ月後に東京電力と深い繋がりのある大手法律事務所に就職した。
多数意見の他の2名の裁判官は同様の大手法律事務所出身の裁判官。
検察官出身の三浦守裁判官だけが、津波を伴う地震が発生する可能性を指摘した地震調査研究推進本部の発表の1年後には東電が東側からの津波に備えた堤防を築き、更に地下に水が入らない措置を取る義務があったのに対応を取らなかったために責任を負うとし、また、これらを命じなかった国も責任を負うとの判断を示した。
国と東京電力の損害賠償責任を問わなければならないのに、裁判所は国と東京電力を無罪放免にした。
樋口英明氏が『私が原発を止めた理由』を刊行されたのは2021年3月11日。
5年が経過する間に上記の最高裁判決が示され、これと足並みを揃えるように岸田内閣の下で原発回帰の政策決定がなされた。
24年1月には北陸電力志賀原子力発電所が立地する石川県志賀町で震度7の揺れを記録する巨大地震が発生。しかし、原発回帰を見直す動きは取られていない。
また、南海トラフ地震のシミュレーションが示されているのに、なぜか、愛媛県の伊方原発や静岡県浜岡原発に関するシミュレーションが抜け落ちているという。
これらの事象を踏まえて増補版が刊行された。
2014年5月の大飯原発運転差し止め命令を示した樋口裁判長。
その理由の根幹は日本の原発の耐震性能不足にある。震度7の地震は地震の揺れの強さを示すガルで表示すると1500ガル以上になる。日本では1500ガルを超える揺れを伴う地震が頻発している。この強い揺れを伴う地震は日本列島のどこでも生じ得る。
ところが、日本の原発のほとんどが700ガルの揺れに耐える構造でしか建造されていない。
かつて関東大震災の揺れの強さは400ガル程度と推定されていた。この知見に基づいて原発が建造された。
ところが、1995年に阪神淡路大震災が発生し、全国に地震計が設置されるようになり、震度7の地震が1500ガル以上であることが判明すると同時に、1500ガル以上の地震が日本で頻発していることが判明した。
樋口裁判長は日本列島のどの地点でも1500ガル以上の揺れを伴う地震は発生し得るのに対して耐震性能不足は明白であることから運転停止命令を下した。当然の判断である。
日本の進路を考えるときに、最重要の政策判断事項の一つが原発稼働の是非だ。
二度とフクシマ事故を起こしてはならないとの立場に立てば原発を全廃するしかない。
樋口氏の上掲書は簡潔に分かりやすく明解に原発問題の要点を教示してくれる最高の書である。
すべての日本国民必読の書であると断言できる。
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続きは本日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」第4407号
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(後 略)
柏崎刈羽原発運転差止仮処分申立て
柏崎刈羽原発6号機の営業運転開始日の4月16日、同原発30キロ圏内の住民3人が、東京電力柏崎刈羽原発6、7号機の運転差し止めの仮処分を新潟地裁に申し立てました。
代理人の和田光弘弁護士は、14年が経過している本訴審理の促進を昨年から裁判所、被告代理人に要請してきましたが、今後1年以内の判決の見込みがないことから、迅速な審理と判断を求めて運転差止の仮処分を申し立てたと述べました。
河合弘之弁護士は、「仮処分を起こさなければ、営業運転を容認、拱手傍観していると誤解されかねない。基準地震動の過少性と避難計画に実行性がないことの2点に問題に絞った。先行する本訴の実績があるのだから早急に決定をもらえると確信している」と述べました。
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柏崎刈羽原発運転差止仮処分申立て 「司法で、止める。今ここで、止める」
週刊金曜日 2026/5/4
東京電力柏崎刈羽原発6号機の営業運転開始の4月16日、同原発30キロ圏内の住民3人が、東京電力柏崎刈羽原発6、7号機の運転差し止めの仮処分を新潟地裁に申し立てた。
申し立て後の記者会見で、脱原発新潟県弁護団代表の和田光弘弁護士は、新潟地裁の本案訴訟の状況について説明。柏崎刈羽原発の再稼働に関し、新潟県花角英世知事による「地元同意」や、14万3196筆の署名を集めた柏崎刈羽原子力発電所再稼働の是非を問う県民投票条例案を県議会が否決し、なし崩しの再稼働という状況から、本訴の審理の促進を昨年から裁判所、被告代理人に要請し、早期結審を求めてきたが、今後1年以内の判決の見込みがないことから、迅速な審理と判断を求めて運転差止の仮処分を申し立てたと述べた。
そして、東電福島第一原発事故から15年が経っても緊急事態宣言発令中で、多くの人たちが苦しんでいる中、事故当事者である東電の柏崎刈羽原発の運転はあり得ないと思っており、司法による運転差止の仮処分決定により止めていただきたいというのが申し立ての趣旨であると述べた。
同じく代理人で、脱原発弁護団全国連絡会共同代表の河合弘之弁護士は、「原発を巡るマスコミの報道は推進一色に染められている中で、柏崎刈羽原発の営業運転が始まるのを、見過ごすことはできない。仮処分を起こさなければ、営業運転を容認、拱手傍観していると誤解されかねない。今日の仮処分には私たちは反対し続けるという意思表明の意義もある。東電が自分たちが生き残るため、利益をあげるためのみの再稼働であり、早期に止めるべきである。基準地震動の過少性(活断層の連動想定の欠落と不適切な要素地震開放基準波の使用)と避難計画に実行性がないことの問題にぎゅっと絞って、先行する本訴の14年間の実績があるのだから、早急に決定をもらえると確信している」と述べた。
申立人の吉田隆介さんは、「福島原発で未曽有の災害を起こし、取り返しつかない状態を招いた東電が、柏崎刈羽原発をぬけぬけと再稼働する厚かましさを許しがたいと思っている。それから、新潟県知事にもモノ申したい。花角氏は知事選に出馬した時は、原発の再稼働は県民の信を問うてから決めると言っていたはずなのに、それを反故。県議会はそれぞれの地区の代表だから、県民の信を問うのと同じだと姑息な理由を考えて、県議会で保守政党が多いから容認されるのはわかっていたはず。このような再稼働の容認の仕方は民主主義に反していると思う。県知事には県民の安全と暮らしを守る職務があるのに、それをないがしろにして、国の方針に、あるいは東電の思うように容認をする、これは到底許すことができない」と申立人になった思いを述べた。
同じく申立人の小木曽茂子さんは、2007年の中越沖地震の時は、海の日で津南町の体育館に小学生の子どもといたが、天井の板がはがれて外に避難したという。黒煙を上げる柏崎刈羽原発3号機、そして海と空に放射能が漏れたと報道があったのは2日後。大変なことになったと思い、この柏崎刈羽の原発震災を伝えようと各地で話をしてきたところ、11年3月20日過ぎにも福島で集会を予定していたが、福島第一原発事故が起き、「間に合わなかったと全身の力が抜けた。もう二度と、あのような思いをするのは嫌なのです。いくら国や東電が対策を立てても地震の規模や時期を予知できない。地殻変動にも対応できない。今すぐ再稼働を止め、少しでも安心した日常生活を送れるように、良い結果が得られるように皆様とともに頑張りたい」と思いを述べた。
仮処分を命ずる決定が出れば、ただちに差し止める法的効力が生ずる。
「誤り」指摘された原発リーフレット、新潟県がHPで補足説明
新潟県作成のリーフレット(140万部 配布済み)では、福島第一原発事故後の状況を説明する部分で、「状況が悪化するにつれて、避難指示の範囲は最大で半径20キロ圏に拡大しました」と記載されていますが、市民団体「柏崎刈羽原発再稼働の是非を考える新潟県民ネットワーク」は、「実際の避難指示は20キロ圏外まで広がっている」と指摘しました。
県はその指摘を認めましたが、リーフレットそのものの修正はしないということです。
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「誤り」指摘された原発冊子、新潟県がHPで補足説明
朝日新聞 2026/5/2
新潟県は4月30日、東京電力柏崎刈羽原発の安全対策などを県民に周知するために作成し、市民団体から「誤り」を指摘されたリーフレットについて、県のウェブサイトに補足説明を掲載した。指摘された部分には福島県のサイトに飛ぶリンクを加え、理解を深める形にしている。
リーフレットでは、福島第一原発事故後の状況を説明する部分で、「状況が悪化するにつれて、避難指示の範囲は最大で半径20キロ圏に拡大しました」と記載されている。これに対して、市民団体「柏崎刈羽原発再稼働の是非を考える新潟県民ネットワーク」は「実際の避難指示は20キロ圏外まで広がっている」と指摘していた。
更新された県のサイトでは、「より詳しく知りたい方へ」として、避難指示区域の変遷を説明する福島県のサイトのリンクを付けて誘導。20キロ圏外にも計画的避難区域や緊急時避難準備区域が決められたことが理解できる格好になった。
今回の対応について県原子力安全対策課は「リーフレットの内容をより詳しく知ってもらうため」としており、リーフレットそのものの修正はしないという。
リーフレットは全8ページで、福島第一原発事故が起こった原因や柏崎刈羽原発の安全対策、事故に備えた防災対策をQ&A形式で説明。140万部作成し、内容をウェブで公開しているほか、新聞折り込みや戸別配布をしている。(山崎靖)