2026年10月29日木曜日

規制委 30年超の運転認可 柏崎原発6号機、停止回避

 東京電力は27日、11月に運転開始から30年となる柏崎刈羽原発6号機について、今後10年間の運転に必要な施設管理方針をまとめた計画が、原子力規制委員会に認可されたと発表しました。
 これは今後少なくとも10年間は安全に運転できるという確証が得られたという意味合いですが、それを証明する文書は不明で現時点の原子炉圧力容器の強度がいかほどなのかの数値的な説明もありません。
 そうした肝心の部分が抜けているのにその他の部分の書類がいくら膨大でもあったとしても、無意味に等しいというしかありません。
 10年間運転延長を許可する側の規制委には、少なくとも原子炉圧力容器の現有の強度についての説明が必要です。
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規制委 30年超の運転認可 柏崎原発6号機、停止回避
                        新潟日報 2026年10月28日
 東京電力は27日、11月に運転開始から30年となる柏崎刈羽原発6号機について、今後10年間の運転に必要な施設管理方針をまとめた計画が、原子力規制委員会に認可されたと発表した。計画を巡っては、審査書類に記載ミスが見つかるなどし、期限までに認可されず運転が続けられなくなる可能性が浮上していたが、回避された。
 30年を超えて原発を運転する場合、運営する電力会社は、10年を超えない期間ごとに設備の劣化状況や管理方針をまとめた計画をつくり、規制委の認可を得なければならない。6号機の営業運転開始は1996年11月7日で、認可の期限が迫っていた。
 東電は2025年12月に規制委に管理計画の審査を申請したが、申請時期が規制委の定める基準より大幅に遅れた上に、申請書類に大量の記載漏れや誤りがあることが発覚。3度にわたって申請書類を補正した。
 6号機は改良型沸騰水型軽水炉(ABWR)。1月に東電福島第1原発事故後の停止以来14年ぶりに再稼働し、4月に営業運転に移行した。東電の原発で唯一稼働しているブランドで、.となる。
 東電が6号機に続き再稼働を目指す7号機もABWRで、27年7月で運転開始から30年になる。原発の新規制基準で設置が義務付けられているテロ対策施設が未完成のため現在は運転できない状態にあるが、完成時期と見込む29年8月までに管理計画の認可を得る必要がある。
 7号機について東電は「6号機の経験と反省を踏まえ、適切に対応していく。(計画は)審査期間を踏まえて申請する予定だ」としている。


書類誤り3回修正の末 柏崎刈羽原発6号機の30年超運転を規制委が認可 期限迫る中で2036年まで運転可能に 新潟
                        BSN新潟放送 2026/10/28
東京電力の申請がようやく認められ、柏崎刈羽原発6号機が11月以降も運転を続けられることになりました。
電力会社は30年を超えて原発を運転する場合、施設の劣化状況などを管理する計画を提出し、原子力規制委員会の認可を得る必要があります。
柏崎刈羽原発6号機は、11月7日に運転開始から30年を迎えるため、東電は2025年12月に審査を申請していました。
しかし、提出書類で誤りが相次いで発覚し、3回にわたって内容を修正していました。

■6号機 2036年まで運転可能に
認可の期限が11月7日に迫り、運転継続も危ぶまれた中で、10月27日に原子力規制委員会に認可されたということです。
これにより6号機は2036年11月6日まで運転が可能になりました。
東電は「さらなる安全性、信頼性の向上に努める」としています。


【柏崎刈羽原発】規制委 6号機の「30年超える運転」認可
                      UX新潟テレビ21 2026/10/28
東京電力は、柏崎刈羽原発6号機の30年を超える運転に必要な長期施設管理計画が、原子力規制委員会に認可されたと発表しました。
原子力規制委員会は30年を超えて運転する原子炉について、10年ごとに機器の劣化状況の評価と管理計画を示して認可を受けるよう義務付けています。柏崎刈羽原発6号機は、11月7日に運転開始から30年となることから、東京電力は2025年12月に認可を申請しました。
しかし、審査の過程で記載の誤りや不備が複数見つかり、規制委員会は東京電力を批判。3回にわたって申請書の補正が行われました。東京電力によりますと、27日付で認可を得たということです。

東京電力は「福島第一原発の事故から得た教訓を踏まえ、さらなる安全性と信頼性の向上に努めて参ります」とコメントしています。 

基準地震動、百数十ガル超過判明 中電・浜岡原発の耐震データ不正

 浜岡原発の耐震データ不正で、原子力規制委員会は28日、中部電が耐震設計の目安となる「基準地震動」の策定過程で、再稼働審査申請時に設定した1200ガルを少なくとも百数十ガル上回る地震波を導き出していたと明らかにしました。不正が発覚して以降、具体的な数値が判明するのは初めてです。

 しかしこの説明では単に天下り的に「百数十ガルオーバー」と述べたことに他ならず、本当にそうなのかという問に答えるものではありません。
 仮定波を数百回もトライをして初めてその平均値が1200ガルを下回る波形を得たという事柄から見て、本当にそれほどに平均値が1200ガルに近いものであったという心証は持てません。
 それに、そもそも「基準地震動」は想定される地震動の「平均値」ではなくて、想定される「最大値」であることが必要です。その点で中部電力側の説明はこれまで一貫して「平均が云々」という言い方をしてきました。
 いずれにしても、もっと第三者が納得できる説明をすべきであり、それが出来ないのであれば万人が納得する正しい「基準地震動」は何時まで経っても解明できません。
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基準地震動、百数十ガル超過判明 中電・浜岡原発の耐震データ不正
                           共同通信 2026/10/28
 中部電力浜岡原発の耐震データ不正で、原子力規制委員会は28日、中部電が耐震設計の目安となる「基準地震動」の策定過程で、再稼働審査申請時に設定した1200ガルを少なくとも百数十ガル上回る地震波を導き出していたと明らかにした。不正が発覚して以降、具体的な数値が判明するのは初めて。規制委は今後も検査を進め、年内にも中部電に対する処分を決める方針。
 規制委の山中伸介委員長は同日の定例記者会見で「技術者の姿勢、倫理観に疑問を感じざるを得ない」と述べた。
 不正は基準地震動の策定過程で起きた。中部電は評価ごとに計算して得られた20の地震波の中で、最も平均に近い1波を「代表波」に選んだとしていた。だが実際には複数の手法を組み合わせ、都合の良い波を代表波にしていた。
 中部電は今年1月、不正を公表。社外弁護士でつくる調査委員会は9月に公表した報告書で、基準地震動の策定過程に「虚偽説明」や「隠蔽」などの不適切行為があったと認定した。


原発地震想定、「1~2割」過小か
                           時事通信 2026/10/28
 中部電力浜岡原発(静岡県)の地震想定に関するデータ不正問題で、原子力規制委員会は28日、定例会合で事務局の原子力規制庁から検査結果の報告を受けた。中部電は浜岡3、4号機の地震の揺れ(基準地震動)を1200ガル(ガルは加速度の単位)と想定していたが、それを百数十ガル上回る地震波が確認された。地震の審査を担当する山岡耕春委員は「(過小評価は)1~2割と見積もっていたが、それくらいかと思う」と指摘した。 


基準地震動の数値を1〜2割小さく見せていたか 浜岡原発の再稼働審査めぐるデータ不正問題
                          CBCテレビ 2026/10/29
浜岡原発の再稼働審査をめぐるデータ不正問題で、中部電力が1割から2割程度、基準地震動の数値を小さく見せていたことが分かりました。
浜岡原発の再稼働審査では、中部電力による耐震設計の基準となる基準地震動のデータの不正操作が発覚し、再稼働申請を取り下げる事態に発展しました。
28日の原子力規制委員会では、ことし1月から実施している立ち入り検査の経過が報告され、基準地震動のデータについて、中部電力が1割から2割程度小さく見えるよう数値を選んでいたことが指摘されました。
原子力規制委員会は今後も事実関係の詳しい調査を進めていくということです。


「技術者の姿勢や倫理観に疑問を感じざるを得ない」浜岡原発のデータ不正で基準地震動を1〜2割過小評価 規制委が年内にも処分へ=東京都
                       静岡放送(SBS) 2026/10/28
中部電力浜岡原発の再稼働審査をめぐるデータ不正問題について、原子力規制委員会は10月28日、中電側が「基準地震動」の数値を算出する過程で、データの一部を少なくとも1割から2割程度過小に評価していたことを明らかにしました。
<原子力規制委員会 山中伸介委員長>
「こういったことがどうして行われたのかな。技術者の姿勢や倫理観を私としては疑問を感じざるを得ない」
原子力規制委員会の山中伸介委員長が厳しい言葉で非難したのは、中部電力のデータ不正問題についてです。

■耐震設計の目安「基準地震動」を1〜2割小さく評価
原子力規制委員会は28日の定例会合で、中部電力浜岡原発3、4号機の再稼働審査をめぐるデータ不正について、独自に進めた検査の結果を報告しました。
規制委の報告によりますと、中部電力が耐震設計の目安「基準地震動」の数値を算出する過程で、データの一部を少なくとも1割から2割程度小さく評価していたということです。
<原子力規制委員会 山中委員長>
「今後、制度の見直しを行なって、評価プロセスの明確化と同時に、データの保存、トレーサビリティ(=追跡可能性)をきっちりと確保することをしていきたい」
規制委員会は年内にも中部電力に対する処分を決定する方針です。

原発事故避難者「住まいの権利」裁判は最悪の追い出し判決!

 26日、東京地裁民事第5部は、福島県が応急仮設住宅に居住している福島原発事故による区域外避難者に対して明渡し等を求めたいわゆる「住まいの権利裁判」において、原告避難者らの請求の一部(避難者らの家族に対し、避難者を立ち退かせるよう圧力をかけたことに基づく損害賠償請求)を認めたものの、その他の請求を棄却し、逆に、被告福島県の請求のすべて(住宅の明渡し、セーフティーネット契約終了後の家賃の2倍額の損害金の支払い=それぞれ約400万円~800万円)を認める判決を言い渡しました。

 レイバーネット2.0が、問題の根源は事前説明なしに福島県が勝手に家賃を2倍にしてきたことに起因するなどと批判する記事を出しました。
 併せて、同日出された「住まいの権利裁判弁護団」の声明を紹介します。
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原発事故避難者「住まいの権利」裁判は最悪の追い出し判決!
                  レイバーネット2.0 2026年10月27日
<瀬戸大作>
 このような判決を出す為に何故合計19回の公判期日を3年半を費やしたのだろうか! 原発事故被害者である避難者に避難住宅を仮執行宣言を付し明け渡しを言い渡してきた。更に二倍請求家賃の損害金を全額支払うよう命じた。

●避難者は家賃支払いを拒否したかったのではない。事前説明なしに福島県が勝手に家賃を二倍にしてきた事に起因する。26日の判決で、東京地方裁判所の池田知子裁判長は、無償提供の期間の終了について、「災害公営住宅の整備や除染作業なども進み、生活環境が整いつつあったことなどを考慮していて、県知事の判断が違法とは認められない」が主な理由だった。11名の原告の避難元に裁判官がひとつひとつ確認したのであろうか。疑問が残る。

●2019年3月のセーフティーネット契約終了時に新たな住宅を斡旋する事をしなかった。母子避難で子どもが大きくなるまで避難先に留まりたいとの痛切な願い、避難後に非正規の仕事しか見つからずに貧困と隣り合わせに暮らしてきた。単身者は都営住宅の60歳未満は応募できず、、それぞれの事情に寄り添う事をしてこなかった。

●仮執行宣言による強制追い出しは上級裁判所に控訴したとしても可能だ。いままでの事例でも早い時期に強制執行が強行された。損害金の支払いで更なる困窮に追い込み住まいを奪い原発事故被害者をホームレスにさせても構わないとの非道な判決だ。控訴するか否かは二週間で決めないといけない。原告の避難者の苦しみは極限に達している。原告の意思に基づき私たちは動く。反貧困ネットワークで活動する私は強制執行に備え、住居確保の支援と極度の貧困にならないようにできる事を考えるしかない。


【声明】 住まいの権利裁判弁護団    2026年10月26日

本日、東京地裁民事第5部は、福島県(本件では「被告」)が応急仮設住宅に居住している福島原発事故による区域外避難者(本件では「原告」)に対して明渡し等を求めたいわゆる「住まいの権利裁判」において、原告避難者らの請求の一部(避難者らの家族に対し、避難者を立ち退かせるよう圧力をかけたことに基づく損害賠償請求)を認めたものの、その余の請求を棄却し、逆に、被告福島県の請求のすべて(住宅の明渡し、セーフティーネット契約終了後の家賃の2倍額の損害金の支払い)を認める不当判決を言い渡した。当弁護団は、これに強く抗議する。
とりわけ、本判決の不当性は、住宅の明渡し命令に仮執行宣言をつけたことにある。判決は上級審で覆る可能性がある。一審判決で、建物の明渡し命令に仮執行宣言をつけるのは極めて異例である。金銭の支払い条項と異なり、建物の明渡しは、強制執行した後に上級審で判決が覆っても取り返しがつかないからである。この点だけでも、裁判所の区域外避難者に対する冷酷な視線が窺える。

本件の最大の争点は、2017年3月末で区域外避難者に対する住宅支援を打ち切った内堀福島県知事の決定(以下「本件決定」)の違法性(裁量権の逸脱・濫用)だった。本件判決は、福島県知事には広い裁量権があると理由なく断じて本件決定の違法性を否定し、社会権規約で認められている居住の権利は、締約国の国民に対し具体的権利を付与したものではないとして一蹴し、本件決定の裁量権逸脱・濫用の考慮要素とすらしなかった。この点は、我々が強く主張したにもかかわらず、当事者の主張からも落としていて、誠に不当である。

また、避難者らに対する説明もなく契約書に損害金2倍条項を潜り込ませたことについては、避難者らが印を押した以上、契約に拘束されるとして、契約締結に至る具体的経緯を検討することなく、福島県の2倍家賃請求を認容した。

本件原告らの氏名を福島県が公開したことの違法性も雑な論理で否定した。

応急仮設住宅の明け渡し請求については、最高裁三浦守裁判官が国際人権を踏まえ、避難者の個別事情を考慮すべきという説得力ある少数意見を書かれた。我々はこの少数意見を援用して、この点を強く主張したが、本件判決は、これを全く無視した。

本件判決は、福島原発事故避難者の具体的な状況を顧慮することなく、原告らの主張を形式論理で安易に退けたもので、司法としてあるまじき杜撰さである。

避難者らは、被ばくによる健康被害を恐れて避難した人たちで、避難したことに全く責任がなく、子ども被災者支援法がいうように、更なる被ばくを恐れて帰還しないという選択は尊重されなければならない。本件決定がなされた後、応急仮設住宅を明け渡す条件がある人たちは明け渡した。残っているのは、明け渡す条件が整わない人たちだけである。原告らは、本件判決によって、それぞれ約400万円から800万円に及ぶ2倍家賃の支払いを命ぜられ、いつ居宅明渡しの強制執行を受けるかわからないという窮地に追い込まれている。本件判決は、市民の司法に対する信頼を強く傷つけた。我々は、これに到底承服できず、控訴して闘いを継続する所存である。

作業事故増加 リスク再認識 柏崎原発 安全決起大会

 東電は26日、柏崎刈罰原発所内での事故や火災の撲滅を目指す「安全決起大会」を開き、40の協力企業や東電から152人が参加しました。
 作業中の人身事故は、25年度に過去7年間で最多の23件が発生し、26年度は25日までに12件の事故で13人がけがをしました。
 稲垣武之所長は、共通の特徴として「リスクの抽出不足が挙げられる」とし、「このままでは死亡事故が起きかねない」と作業時の隠れたリスクを再確認するように求めました。
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作業事故増加 リスク再認識 柏崎原発 安全決起大会
                        新潟日報 2026年10月28日
 東京電力は26日、柏崎刈罰原発所内での事故や火災の撲滅を目指す「安全決起大会」を所内で開いた。作業中の人身事故が多発する中、稲垣武之所長が東電や協力企業の社員を前に「このままでは死亡事故が起きかねない」と危機感をあらわにし、作業時の隠れたリスクを再確認するように求めた。
 大会は、東電と協力企業でつくる柏崎刈羽原子力安全推進協議会が毎年開いている。今年は40の協力企業や東電から152人が参加し、過去の事故を振り返る安全講話を間いた。
 作業中の人身事故は、2025年度に過去7年間で最多の23件が発生するなど、近年増えている。26年度は25日までに12件の事故で13人がけがをした。特に9月は5件の事故があり、うち重傷事故が2件。ポンプ車の点検中に破断したホースが当たって作業員があばら骨を折るなどした。
 協議会の会長を務める稲垣所長は、共通の特徴として「リスクの抽出不足が挙げられる」とし、発電所幹部らが作業現場を確認するなどの対策を説明した。
 東電は1月に6号機を再稼働させたが、核物質防謹上の問題などが続いている。稲垣所長は改善に向けた意思統一を呼びかけ「地域から信頼されることが、何より重要だ」と述べた。

29- 浜岡原発差し止め訴訟 静岡地裁が「却下」判決 データ不正を厳しく批判するも

 浜岡原発の運転差し止め訴訟は27日、15年に及ぶ審理を終え、静岡地裁は原告の訴えを却下する判決を出しました。原告の訴えは退けられましたが、判決のポイントになったのはデータ不正といえるようです。

 中部電力は「データー不正はあっても、浜岡原発の重要性および必要性は変わるものではない」としましたが、原告側の青山雅幸弁護士は、判決は「『中電は長年にわたって訴訟を継続し、原子力規制員会をだまし続けてきた』と言いながら、なぜそれでも原告が敗訴なのか」と批判しました。釈然としない判決です。
 静岡放送が地元の受け止めをなどを報じました。
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「浜岡原子力発電所の重要性および必要性は変わるものではない」浜岡原発差し止め訴訟で静岡地裁が「却下」判決 データ不正を厳しく批判も他訴訟への影響は
                      静岡放送(SBS) 2026/10/28
■中電は存在意義強調 15年にわたる審理の結果は「却下」
浜岡原発の安全性を問う15年に及ぶ審理、静岡地裁は10月27日の判決で原告の訴えを却下しました。
判決内容は中部電力の「データ不正」について厳しく批判するものでしたが、この却下のもつ意味、ほかの原発訴訟への影響について専門家に聞きました。
<中部電力コンプライアンス本部 伊藤慎部長>
「浜岡原子力発電所の重要性および必要性は変わるものではありません」
静岡地裁の判決を受けて開かれた中部電力の会見。浜岡原発の存在意義を強調しますが、そのあり方が問われる判決でした。

<野田栞里記者>※2026年10月27日
「約15年続いた裁判、原告の訴えは却下されました」
静岡県内の弁護士や住民が起こした浜岡原発の運転差し止め訴訟。15年にわたる審理の結果、原告の訴えは「却下」。
原告の訴えは退けられる結果でしたが、判決のポイントになったのはデータ不正といえそうです。

■原告側「なぜ敗訴なのか」
<原告側 青山雅幸弁護士>
「『中電は長年にわたって訴訟、原子力規制員会をだまし続けてきた』と言いながら、なぜそれが(原告)敗訴なのか」
2026年1月に公表された再稼働をめぐる「データ不正」。10月27日の判決で「原子力規制委員会の妥当性評価をだまし取る行為」と位置づけ「被告の技術的能力に疑念を抱かせる事実」と批判しました。
こうした状況などを踏まえ浜岡原発が動く見通しは立たず、「訴えの利益がない」=裁判所が判断できないと結論付けました。
判決での厳しい指摘について被告の中部電力はー。
<中部電力コンプライアンス本部 伊藤部長>
「判決内容につきましては、いまご指摘いただいた点も含めましてしっかりと精査してまいりたいと思います」
原告が求める「運転差し止め」は回避できたものの、司法から再稼働の見通しが立たないと指摘された浜岡原発。
地元で受け止めを聞きました。
<市民>
「イチ市民としては、却下されたほうがいいのかなと思う。安全性をもちろん確認したうえで、であれば(再稼働)したほうがいいかなと思う」
「原発はやっぱり事故のリスクがすごく大きいというのは認識しているので。活用するべきかしないかとか、原発がそもそも必要なのかとか、話し合っていく必要があると思う」
<御前崎市 下村勝市長>
「却下という司法判断については尊重したいと思います。(原発の)安全性というのは地域の住民にとってはとても重要な課題でありますので、安全性を担保できるような施設であってほしい」

■「今までの訴訟は全て前提が崩れる」専門家が指摘
原発訴訟に詳しい専門家は、他の裁判に影響を与える可能性を指摘します。
<関西学院大学司法研究科 神戸秀彦教授>
「浜岡原発っていうのは、実は他にも2件、現に訴訟を継続してますでしょ。こういう(データ)不正があったということからすると、今までの審理の中での訴訟っていうのは全て前提は崩れるので、見直さなくちゃいけないんじゃないんですか。ですから、同じ浜岡原発の訴訟に対する影響っていうのがかなりあるんじゃないかっていうふうに思いますね」

原告側は今回の判決について控訴する方針です。

2026年10月26日月曜日

福島 津島原発訴訟 なぜ国の責任認めないのか

 福島県浪江町津島地区の除染はわずか1・6%しか進んでおらず、今も大半は帰還困難区域のままです。現在居住しているのは12軒で、内7軒は町外からの移住者です
 津島地区の住民631人が、国と東電に事故前の放射線量レベルに戻す原状回復などを求めた「ふるさとを返せ!津島原発訴訟」の仙台高裁判決が16日にあり、国の責任を否定し東電のみに損害賠償を命じました。これは22年6月に最高裁が別の原発訴訟で国の責任を否定する判決を出して以降、各地の裁判所はそれに従って来たので、想定はされていました。
 判決を言い渡しの前日、原告の三瓶春江さん(66)は「国の責任が認められなかったとしても、暗闇の中で前ヘ歩くためには1本のローソクのような言葉を一言でも判決に書いてほしい」と語っていました。
 石垣陽介裁判長は主文と判決要旨を言い渡した後、付言として「国および浪江町は、津島住民の思いを丁寧にくみ取り、津島の除染と復興に取り組むよう切に願う」と述べました。
 弁護団共同代表の小野寺利孝弁護士は「裁判長としての良心を述べたのが付言だ。判決は何も資するものがないが、付言は住民要求を実現する上で活用できる」と語りました。
 仙台高裁は結審(3月)の際 和解勧告をし、原告団は除染や復興のために住民意見を聞く協議体設置を提案しましたが、国と東電は拒否していました。
 原告団と弁護団は、被害住民の意向を反映した除染・復興再生を進めるために国、東電、自治体に住民を加えた4者による継続的協議こそが不可欠だと訴えます。
 しんぶん赤旗日曜版の記事を紹介します。
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福島 津島原発訴訟 なぜ国の責任認めないのか
                  しんぶん赤旗日曜版 2026年10月25日
 東京電力福島第1原発事故で全町避難となった福島県浪江町津島地区の住民631人が、国と東電に事故前の放射線量レベルに戻す原状回復などを求めた「ふるさとを返せ!津島原発訴訟」。仙台高裁は国の責任を否定し、東電のみに損害賠償を命じました(16日)。半決を受け、原告団と弁護団は判決を不服として最高裁へ上告すると表明。原状回復請求を退けた不当判決に住民らは「屈することなく断固奮闘する」と語ります。
                                 田中智己記者

不当判決に住民が上告決意 故郷を再び暮らせる場所に戻して
「100年は帰れない」。事故後、避難生活などについての住民説明会で国の担当者は、住民からの質問によどみなくそう答えたといいます。津島訴訟原告団団長の今野秀則さん(79)は、このときの記憶が抜け落ちたままです。当時は闇の中にいるようだったと振り返ります。

「事故なければ・・・」
 仙台高裁で判決が言い渡される数日前、記者は今野さんと津島地区を訪れました。秋晴れで気持ちよい風が吹く日でした。福島第1原発から直線距離で約30キロ離れた同地区は、阿武隈山地の中腹にある自然豊かなふるさとでした。事故前は、同地区に約1400人の住民が助け合いながら穏やかな日常を過ごしていました。
「原発事故さえなければ住み続けることができた」と今野さん。事故直後、避難を強いられたときも数日から1週間で元の日常に灰れると思っていたと話します。住民の多くは今も帰還できずにいます。
 避難解除区域に雑木林が生い茂る場所がありました。今野さんはもともと立派な一軒家があった場所だと説明します。事故後の15年の間に多くの住家や商業施設、工場が解体され地域の風景は一変しました。除染は地区のわずか1・6%しか進んでおらず今も大半は帰還困難区域のまま。現在居住しているのは12軒で、7軒は町外からの移住者です。
 今野さんは、国と東電を相手に提訴した思いを語ります。「津島では住民が共に助け合い、喜びを感じ、生きがいをもって暮らしていました。その日常が突然奪われ、いつ帰れるのか先の見通しはありません。ここを再び暮らせる場所に戻す責任が国や東電にあると法に訴えなければ、ふるさとを取り戻せない危機感がありました」

ー審で認めた賠償責任 覆した高裁
 しかし、仙台高裁が言い渡した判決は住民にとって冷酷なものでした。
「原発被害者に対する悪意に満ちた判決といっても決して言い過ぎではない」。原告団と協議後の18日に開いた記者会見で弁護団の白井剱事務局長は語気を強めて語りました。
 一審の福島地裁郡山支部は、原状回復請求を認めなかったものの国の賠償責任は認めていました(2021年)。しかし、22年6月に最高裁が別の原発訴訟で国の責任を否定する判決を出して以降、各地の裁判所は国の責任を否定するようになりました。
 今回、一審で認めていた国の責任を否定。判決を精査すると、原告の4分の1にあたる約150人が控訴審で東電からの賠償すら認められなかったことが明らかになりました。
 今野さんは会見で「原状回復請求も国の責任も認められず、とうてい許すことができない」と述べ上告を表明しました。
 原告団・弁護団は、国の不作為による責任だけではなく、原発設置にかかわる作為の違法を追及していました。米政府は同時多発テロ(01年9月11日)を機に、全原発に長時間、電源喪失をしても原子炉の冷却を続けるための対策「B.5.b」を義務化。国は米国からこうした情報提供を2度も受けながら関係機関との情報共有や原発事業者へ対策を指示していませんでした。
 しかし、判決は「B.5.b」について「津波を含めたあらゆる原因事象による全交流電源の喪失を想定し、対策を求めているとは直ちに解されない」と正当化しました。
 原状回復請求に対しては、放射性物質が大気中に放出されるとコントロールが現実的に不可能だとして国側の管理下にないとする主張を認めました。

4者協議が不可欠
 仙台高裁から判決を言い渡される前日、原告の三瓶春江さん(66)は語っていました。「国の責任が認められなかったとしても、暗闇の中で前ヘ歩くためには1本のローソクのような言葉を一言でも判決に書いてほしい」
 仙台高裁の石垣陽介裁判長は主文、判決要旨を言い渡した後、付言として「国および浪江町は、津島住民の思いを丁寧にくみ取り、津島の除染と復興に取り組むよう切に願う」と述べました。
 弁護団共同代表の小野寺利孝弁護士はいいます。「裁判長としての良心を述べたのが付言だ。判決は何も資するものがないが、付言は住民要求を実現する上で活用できる」
 仙台高裁は結審(3月)の際、和解勧告をしていました。原告団は除染や復興のために住民意見を聞く協議体設置を提案しましたが、国と東電は拒否していました。
 原告団と弁護団は、被害住民の意向を反映した除染・復興再生を進めるために国、東電、自治体に住民を加えた4者による継続的協議こそが不可欠だと訴えます。

【データ不正問題】御前崎市佐倉で説明会 住民「正しいデータを知りたい」

 浜岡原発の基準地震動捏造の事案に関する御前崎市佐倉地区住民説明会に住民ら109人が参加し、「正しく計算された地震データを知りたい」などの意見が出されました。正しいデータを求めることが全ての原点になるので、中部電力はまずこの点を再確認すべきです。住民からは「不正の動機の解明が不十分」という指摘も上がりました。
「脱原発をめざす首長会議」は浜岡原発を視察し、記者会見で「見通しのつかない再稼働を断念し、3~5号機の廃炉を一日も早く決定すべきだ」との緊急声明を発表しました。
浜岡原発で保管されている使用済み核燃料などについて県と静岡県御前崎市が安全性を確認するため現場点検を実施しました。
 23日、浜岡原発で保管されている使用済み核燃料などについて県と静岡県御前崎市が安全性を確認するため現場点検を実施しました。この日の点検では使用済み核燃料や原子炉などを冷却するために必要な海水を送り出すモーターの稼働状況などを確認しました。
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【データ不正問題】中部電力が御前崎市佐倉で説明会 住民は「正しいデータを知りたい」(静岡)
                        静岡第一テレビ 2026/10/24
浜岡原発に関する不祥事が相次いだことを受け、中部電力は立地する御前崎市佐倉地区で住民説明会を開きました。
23日夜に開かれた説明会には、住民ら109人が参加しました。
(中部電力 豊田哲也原子力本部長)
「地域の皆さまに多大なるご心配とご迷惑をおかけしていることについて深くお詫び申し上げます。申し訳ございません」
説明会は冒頭のみ公開され、中部電力のデータ不正などの説明に対して、住民からは「正しく計算された地震データを知りたい」などの意見が出たということです。
(出席した住民)
「質問した方の意見も通っているし、中電も誠実に答えていたと思います」
(出席した住民)
「経営陣が来ると思ったんですよ。こういう内容でやってしまいましたというのが聞けると思ったが、それが全くなかったので」
終了後、豊田原子力本部長は「簡単に信頼は回復しないのでひとつずつ対策を積み重ねていきたい」と述べました。


浜岡原発のデータ不正、「動機解明が不十分」 中部電力の説明に住民
                          朝日新聞 2026/10/25
 中部電力は23日、浜岡原発(御前崎市)の基準地震動をめぐるデータ不正と廃炉工事費用の不正請求について、原発が立地する同市佐倉地区の住民向けの説明会を開いた。調査結果や再発防止策を説明したが、地元からは不正の動機の解明が不十分という指摘や、長期停止による地域経済への影響を心配する声が上がった。
 説明会は地元の佐倉地区対策協議会(佐対協)が求めていたもので、同地区では2月以来2回目。質疑応答は非公開だった。
 冒頭、豊田哲也・原子力本部長が「信頼を裏切る結果になったことを極めて重く受け止めている」と陳謝した。浜岡地域事務所を発電所の敷地外に移す方針なども示した。
 終了後、佐対協の漢人政夫会長は、不正の動機についての説明は「不十分だと思う」と述べた。再稼働の見通しが立たない現状についても「経済も含めて、いつまでどうなるのか。生活に直接響く」とし、「(発電所と)一緒にやってきた中で、ずっと止まるのは非常に困る」と懸念を示した。
 参加した70代の男性は「簡単に廃炉にすればいいとか、原発反対だとかいう意見ではない。今まで以上にしっかりと管理をしていってもらえればありがたい」と話した。(長橋亮文、戸村登)


浜岡原発「1日も早く廃炉を」 脱原発首長会議が視察、声明
                           共同通信 2026/10/24
 全国の市区町村長経験者らでつくる「脱原発をめざす首長会議」は24日、中部電力のデータ不正問題を受け、浜岡原発(静岡県御前崎市)を視察した。視察後に開いた記者会見で「見通しのつかない再稼働を断念し、3~5号機の廃炉を一日も早く決定すべきだ」との緊急声明を発表した。
 視察は非公開で、福島県南相馬市の桜井勝延元市長ら6人が参加。原発の概要説明を受けた後、防潮堤などの安全対策設備を約1時間にわたって見学した。
 桜井氏は会見で東日本大震災を振り返り「自分と家族の命を守るために市民は避難させられた。稼働に避難計画を必要とすること自体が問題だ」と主張。元東京都小金井市長の佐藤和雄事務局長は「震災直後に(全国の首長らが)抱えた原発への危機感が薄れていることも課題だ」と語った。


「燃料がある限りは安全確保を」データ不正問題で揺れる浜岡原発 静岡県と御前崎市が安全性確認のため現場点検
                       静岡放送(SBS) 2026/10/23
浜岡原発で保管されている使用済み核燃料などについて県と静岡県御前崎市が安全性を確認するため現場点検を実施しました。
10月23日の点検では使用済み核燃料や原子炉などを冷却するために必要な海水を送り出すモーターの稼働状況などを確認しました。
浜岡原発をめぐっては中部電力が再稼働審査の中でデータを不正に操作していたことが明らかになっていて、県と御前崎市は定期点検の対象を拡大しています。
<静岡県危機管理部 大嶋文彦理事>
「燃料がある限りは安全確保を図っていかなければならない。県としては御前崎市と合同で安全確保をしっかり取り組んでいきたい」
中部電力は23日午後7時から浜岡原発が立地する佐倉地区の住民に説明会を実施する予定です。