2026年6月8日月曜日

原発建て替え11~14基 政府、50年代までに 審議会で批判も

 経産省は5日、原発の建て替えについて2040年代までに約2~5基、50年代までに約1114基とする目標案を、経産省の審議会「原子力小委員会」に「今後の原子力政策の方向性と行動指針」の改定案として提示したということです

 因みに100万KW原発1基当たりの建設費は日本では約5000億円でしたが、福島原発事故以降、全世界的に安全対策に巨額な費用が掛かるようになりました。
 新潟日報(6日付)によれば、23~24年に運転を始めた米南部ジョージア州のボーグル原発3、4号機は、規制強化などにより当初の140ドル(約2兆2200億円)から320ドル(約5兆700億円)に跳ね上がり、フィンランドのオルキルオト原発3号機も当初の見積もりの約3倍に膨らんだということです。
 省エネ指向にある中でも、必ず必要になるのがAIのデータセンター用の電源です。
 その電源をすべて賄う準備が出来ているのは世界で中国のみです。その内容は極めてシンプルで「再生可能エネ発電(風力及び太陽光)+蓄電池設備」の構成です。中国は格安の発電設備と蓄電設備をすでに自国の技術で完成させていたので、それが出来たとされています。
 日本も今後その電源に50兆円もかけるのであれば、員本独自の技術で格安の「再生可能エネ+蓄電設備」の構成を目指すべきです。
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原発建て替え1114基 政府、50年代までに 審議会で批判も
                        しんぶん赤旗 2026年6月6日
 経済産業省は5日、原発の建て替えについて2040年代までに約2~5基、50年代までに約1114基とする目標案を、経産省の審議会「原子力小委員会」に「今後の原子力政策の方向性と行動指針」の改定案として提示しました。
 経産省は、原発の60年運転を前提に2割程度の電力量をまかなうために必要な設備容量を算定。その結果、40年代までに220万~550万キロワット(約2~5基)、50年代までに1270万~1600万キロワット(約11~14基)の建て替えが必要と試算した結果です
 政府は昨年閣議決定した第7次エネルギー基本計画で、原発の「最大限活用」を掲げ、原子炉を持つ電力会社の敷地内での建て替えを進める方針を明記。また、40年度の電源構成に占める原発の割合を、2割程度に引き上げる目標を示しています。24年度は9・4%でした。
 また、同指針では原発の事業環境整備として、建設などへの投資の支援策を検討、国による地元合意形成や関係省庁における許認可の円滑化、原子力賠償制度の見直しの検討などが盛り込まれています。
 この日の小委員会では、原子力資料情報室事務局長の松久保肇委員が、東京電力福島第1原発事故の廃炉に多額の費用がかかることを指摘して「推進政策がもたらした惨事の後始末について議論しないままに、推進の話をしようというのではすまない」と発言。数値目標についても反対しました。
 日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会環境委員会副委員長の村上千里委員は、「原子力は安いといううたい文句が正しいのかを検証した上で、より慎重な検討が必要」と指摘しました。
 原発の建て替えに関しては、関西電力が昨年7月、美浜原発(福井県)の敷地で新たな原子炉建設のための調査を発表しています。

原発裁判の「壁」 安全性の評価避けるな 京都新聞社説

 大飯原発3、4号機の安全性を巡る訴訟で、大阪高裁は、設置を許可した国の原子力規制委の判断に関し、「看過しがたい過誤、欠落は認められない」として、違法とした一審の大阪地裁判決の取り消しを言い渡しました。

 それに対して京都新聞は社説で、ばらつき条項を削った規制委や関電の主張を丸ごと受け入れた形であり、科学的な根拠の説明は十分と言いがたいと批判し、一審の運転差し止めや許可取り消しの判断が、二審で軒並み覆される「高裁の壁」が今回も立ちはだかったと指摘しました。
 取り分け判決が指摘している、個々のデーターを「広めの断層面積で算出」しているので平均値で決めても差し支えないというのは、数理的にデタラメな主張です。
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社説:原発裁判の「壁」 安全性の評価避けるな
                             京都新聞 2026/6/5
 起きうる最大級の地震に耐えられるのか。住民の不安に答えず、政府の原発回帰を追認するような判断に疑問が尽きない
 関西電力大飯原発3、4号機(福井県)の安全性を巡る訴訟で、大阪高裁は、設置を許可した国の原子力規制委員会の審査判断に関し、違法とした一審の大阪地裁判決の取り消しを言い渡した。原告の住民側の逆転敗訴である。
 高裁は、規制委の審査適合の判断に「看過しがたい過誤、欠落は認められない」と結論付けた。
 15年前の東京電力福島第1原発事故を教訓に定めた新規制基準での許可に対し、初めて取り消した一審の結論を反転させた。だが、その妥当性を認める科学的な根拠の説明は十分と言いがたい
 各地の原発訴訟で、一審の運転差し止めや許可取り消しの判断が、二審で軒並み覆される「高裁の壁」が今回も立ちはだかった。行政の裁量に広く委ね、安全性への司法判断を避ける姿勢で、その責務を果たせるのか。
 大飯訴訟で争われたのは、原発周辺で想定され、耐震設計の目安となる最大の揺れ(基準地震動)を巡る審査の在り方だ。
 2020年の一審判決は、過去の地震に基づく平均値から大きく外れた数値の「ばらつき」を考慮するよう審査ガイドで示しながら、数値上乗せなどを検討せず規制委が許可したのは違法とした。
 高裁判決は、ばらつきの考慮に確立した知見はなく、ガイドは数値の上乗せ検討を求める趣旨ではないと指摘。より大きな地震動となる広めの断層面積で算出しており、「ばらつきの問題も相応に考慮している」と認めた。
 一審判決に反発し、ばらつき条項を削った規制委や、関電の主張を丸ごと受け入れた形といえる。
 裁判長は主文のみ読み上げ、逆転の判決理由も述べず閉廷した。原告団が「住民の生命や健康が見切られた。政府への忖度(そんたく)」と批判するのも無理はない。
 政府が22年以降に「原発の最大限活用」へ転換を図る中、原発訴訟では安全審査の中身に深入りせず、形式的な基準適合を是認する判決の傾向が指摘されている。
 「審査に合格した原発の再稼働や新増設を」と政府は前のめりだが、中部電力浜岡原発で長期の安全審査データの不正が発覚し、国民の信頼は揺らいでいる。
 再び「安全神話」に陥ることのないよう、国や事業者の不断の対策と、「最後のとりで」である司法の厳しい目を求める


大飯原発の設置許可、取り消し認めず 住民側逆転敗訴 大阪高裁
                           毎日新聞 2026/5/28
 福井県や近畿地方の住民が、関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の国の設置許可を取り消すよう求めた行政訴訟の控訴審判決で、大阪高裁(川畑正文裁判長)は28日、許可取り消しを命じた1審・大阪地裁判決(2020年12月)を見直して、住民側の請求を棄却した。住民側の逆転敗訴となった。
 大阪地裁判決は11年の東京電力福島第1原発事故後に、原発の設置許可を否定した初の司法判断だったが、高裁で覆された。
 大飯原発3、4号機は1991~93年に営業運転を開始した。原発事故を受けて厳格化された新規制基準に17年に適合しているとされ、18年から再稼働している。
 訴訟では、原子力規制委員会による新基準に基づいた安全審査の妥当性が取り上げられ、耐震設計の目安となる「基準地震動」(原発運転中に発生しうる最大の揺れ)の設定を適切にチェックできたかが争われた。
 1審判決は、関電による基準地震動の策定プロセスに着目。関電が計算式から算出した地震規模は平均値に基づくものであり、平均値より大きな地震規模になる「ばらつき」が考慮されていないとした
 それにもかかわらず規制委が大飯原発の審査で、ばらつきに基づく補正をする必要があるかを検討していなかったとし、こうした規制委の調査審議や審査の判断の過程には「看過しがたい過誤、欠落がある」と判断。国の設置許可は違法だったと認めた
 国側は基準地震動の評価は十分だとし、ばらつきを考慮する具体的な方法は「規制委の専門性に委ねられており、尊重されるべきだ」として控訴していた。
 大飯原発は3号機が現在稼働中で、4号機は3月から実施していた定期検査を終えて6月の営業運転再開を目指している。【斉藤朋恵】


(参考記事)大飯原発訴訟、規制委審査過程に「過誤、欠落認められない」 1審取り消し、大阪高裁
                            産経新聞 2026/5/28
関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)を巡り、周辺住民らが国に対し原子炉の設置変更許可の取り消しを求めた訴訟の控訴審判決が28日、大阪高裁であった。川畑正文裁判長は許可は違法として請求を認めた令和2年の1審大阪地裁判決を取り消し、住民側逆転敗訴の判決を言い渡した。原子力規制委員会の判断に「看過しがたい過誤、欠落は認められない」と判断した。
主な争点は、原発の耐震設計で目安とするために関電が策定した「基準地震動」が適正だったか否かだった。
規制委の内規である審査ガイドには大飯3、4号機の審査当時、基準地震動を策定する重要要素となる地震規模について、数式で算出される数値と実際の観測データとのばらつきを考慮する必要があるという「ばらつき条項」があった。
地裁判決は条項について、実際の地震が数式で算出した数値を上回る可能性を考慮し、数値への上乗せが必要か否かを検討することを求めたものだと解釈。審査ではこうした検討が行われていなかったと断じ、許可取り消しの結論を導いた。
だが川畑裁判長はこの日の判決理由で、条項がガイドに入った経緯などを踏まえ、「上乗せが必要か否かを検討すべきことを意味するものとはいえない」として、地裁の解釈を否定した。
その上で、関電は想定される震源の断層面積など、さまざまな数式に当てはめる変数を地震動が大きくなるように設定しており、ばらつきを考慮していると指摘。住民側が主張するその他の争点を含め、規制委の調査審議や判断に「不合理な点は認められない」と結論付けた。
新規制基準は、東日本大震災の東京電力福島第1原発事故を踏まえ、平成25年に施行。大飯3、4号機は29年5月に合格して許可を得た。
規制委は判決を受け「引き続き新規制基準への適合性審査を厳正に進め、適切な規制を行う」とコメントした。

原発への津波影響確認 日本海の活断層巡り現地調査 規制委

 日本海原子力規制委は4日、関西電力大飯原発に対する津波の影響を確認するため、丹後半島などを視察し、地滑り跡や、その境界線を見た後、ボーリング調査で採取した地質を確認しました。
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原発への津波影響確認 日本海の活断層巡り現地調査 規制委
                             時事通信 2026/6/4
 日本海に分布する海域活断層を巡り、原子力規制委員会は4日、関西電力大飯原発(福井県おおい町)に対する津波の影響を確認するための現地調査を行った。
 現地調査では、日本海沖の地震によって陸上で地滑りが起きた場合に、同原発に影響する津波を発生させる可能性がある京都府・丹後半島などを視察。地滑り跡や、その境界線を見た後、ボーリング調査で採取した地質を確認した。
 終了後に取材に応じた規制委の山岡耕春委員は「資料として出てきた場所がどういう場所か分かった。現場に行って理解することが審査の基本だ」と話した。

「住民に恐怖感を与えた」美浜町長が美浜3号機・蒸気漏れ事故に言及

 福井県美浜町の美浜原発3号機で5月8日、高圧タービン周辺から蒸気が漏れ原子炉が手動で停止されたトラブルについて戸嶋秀樹町長は5日、「地元の住民の皆さんに強い恐怖感と不安を与えたことは大変遺憾」として、関西電力に対し原因究明を求めるほか、町の対応について検証すると述べました
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「住民に恐怖感を与えた」美浜町の戸嶋町長が美浜3号機・蒸気漏れ事故に言及 関西電力に原因究明求める 町の対応検証も
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福井県美浜町の美浜原発3号機で5月8日、高圧タービン周辺から蒸気が漏れ原子炉が手動で停止されたトラブルについて戸嶋秀樹町長は5日、関西電力に対し原因究明を求めるほか、町の対応について検証するとしました。
「地元の住民の皆さんに強い恐怖感と不安を与えたことは大変遺憾」
5日の定例会見で戸嶋町長はこのように述べ、関西電力に徹底した原因究明を求めるとしました。
また、町としては住民にトラブル発生をスムーズに伝えられる方法を検証するとしました。
今回の蒸気漏れは、金属製のカバーの一部に穴が開いていたのが直接の原因と判明していて、関西電力はなぜ穴が開いたのかについて、メーカーの協力を得て調査しています。

08- 原子力規制委 廃棄物埋設施設を確認 廃止措置審査の一環 茨城・東海

 原子力規制委員会の長崎晋也委員らが4日、茨城県東海村の原子力機構 原子力科学研究所を現地調査で訪れ、動力試験炉「JPDR」の解体により発生した放射性廃棄物の埋設施設の現状や、廃止措置の方針などを確認しました。
 埋設されたコンクリは国の埋設事業許可に基づく29年間の管理期間が2025年7月21日に終了したため、原子力機構は同年11月6日、規制委に廃止措置計画の認可を申請したことなどに対応したものです。
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原子力規制委 廃棄物埋設施設を確認 廃止措置審査の一環 茨城・東海
                              茨城新聞 2026/6/5
原子力規制委員会の長崎晋也委員らが4日、茨城県東海村白方の日本原子力研究開発機構(原子力機構)原子力科学研究所を現地調査で訪れ、動力試験炉「JPDR」の解体により発生した放射性廃棄物の埋設施設の現状や、廃止措置の方針などを確認した。同施設の廃止措置計画審査の一環。

JPDRは1963年10月26日、日本原子力研究所(現原子力機構)が発電に成功した国内初の発電用原子炉で、76年に運転を終えた。86年から解体を始め、96年に完了した。
埋設されたのはコンクリート約1670トンで、低レベル放射性廃棄物の中でも放射能レベルが極めて低い廃棄物(L3)。深さ約6メートルの穴を掘り、95年11月~96年3月に埋めた。埋設場所の地面(幅約45メートル、奥行き約16メートル)の四方の角には「廃棄物埋設地」の文字が彫られた石柱4本が設置されており、目印となっている。
この日の調査には、長崎委員ら11人が参加。埋設地を視察し、原子力機構の職員から埋設施設の現状や廃止措置計画の内容を聞きながら、地下水を採取する井戸の状態、地下水の放射能濃度の測定方法などを確認した。
埋設されたコンクリについて、国の埋設事業許可に基づく29年間の管理期間が2025年7月21日に終了したため、原子力機構は同年11月6日、規制委に廃止措置計画の認可を申請。被ばく線量が基準を下回るかなどの審査が行われている。
長崎委員は「埋設施設の廃止措置は日本で初めてなので、何を論点に進めていくか、しっかり考えながら審査する」と述べた。
同計画が認可されれば原子力機構は、管理建屋の撤去や地下水を採取する井戸を閉じてふさぐことなどを予定している。

2026年6月4日木曜日

柏崎刈羽原発を監視する運営会議 安全文化など議論

 柏崎刈羽原発を監督する運営会議の2回目の会合が開かれ、発電所の安全文化やわかりやすい広報のあり方などについて意見が交わされました。
 佐藤敏秀 議長は、「安全文化のレベルは非常に高い。所員が安全への当事者意識を持って業務に臨んでいるかはこれから改善が必要」と述べました。
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東京電力・柏崎刈羽原発を監視する運営会議 安全文化など議論「所員の当事者意識改善を」
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東京電力・柏崎刈羽原発を監督する運営会議の2回目の会合が開かれ、発電所の安全文化やわかりやすい広報のあり方などについて意見が交わされました
この運営会議は、柏崎刈羽原発の運営について外部の目で監視しようと東京電力が去年10月に設置したもので、「発電所の安全文化の向上」と「県民への広報活動の検証」をテーマに東電の取締役会に直接提言する権限を持っています。
冒頭以外非公開で行われた設置後2回目の会議では、東電が社員への意識調査や新潟本部による広報活動の内容を報告
委員からは「所員が自発的に安全確保に取り組むため、無駄な仕事を改善すべきだ」といった指摘や「安全性の広報では専門的な表現を減らし有識者の意見も交えたほうがよい」などといった意見があがったということです。

【柏崎刈羽原子力発電所運営会議 佐藤敏秀 議長】
安全文化のレベルは非常に高い。(所員が安全への)当事者意識を持って業務に臨んでいるかはこれから改善が必要
【東京電力 小早川智明 社長】
「(所員との)対話活動なども通じてしっかりと掘り起こしながら、さらに改善を深掘りしていきたい」
運営会議は定期的に会合を開き、年1回以上、取締役会に改善案を提言するということです。

原発テロ対策、改正案了承 規制委、設置期限を延長

 原子力規制委は3日の定例会合で、原発のテロ対策施設の設置期限延長を盛り込んだ規則の改正案を了承しました。5年の猶予期間の起算点を営業運転開始に遅らせるというものです
 運転開始後5年間は「テロ対策施設」が未完成でも運転できるというもので、その間は万一 テロ攻撃で原発の運転管理室が破壊されて原子炉の暴走が始まっても防げないという極めて危険な案です。
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原発テロ対策、改正案了承 規制委、設置期限を延長
                              共同通信 2026/6/3
 原子力規制委員会は3日の定例会合で、原発のテロ対策施設の設置期限延長を盛り込んだ規則の改正案を了承した。5年の猶予期間の起算点を、原発本体の設計・工事計画の認可から営業運転開始に遅らせる。東北電力女川原発2号機(宮城県)が運転停止を免れるなど、事実上の規制緩和となる。一般からの意見公募を経て正式決定する
 規制委は今年4月に期限延長を決定。これまで完成が期限に間に合ったのは関西電力大飯4号機(福井県)1基だけで、見直しは実態に即し妥当だとしている。