高知新聞が掲題の趣旨の社説を出しました。
経産省は、廃炉を決めた原発を2040年代までに2~5基、50年代までに11~14基を建て替える目標案を示し、今夏にも正式に決定される見通しです。これによると24年度の原発比率約9%が 40年度には約20%に引き上げられます。
この建て替え計画は 現行の原発の老朽化への対策と新に必要となる人工知能(AI)用の電力需要を基に算出されたもので、新規の原発の建設が不可避という考え方が根本にあります。
それは原発がある限り自分たちの食い扶持が守られるからで、いわゆる「原子力ムラ」の旨味を守れるという根本思想があります。
原発の建設費はかつては100万KW規模で1基5000億円程度でしたが、福島原発事故以後安全対策が厳格になり建設費が大幅に増大し、今や1基数兆円に増加しました。
日本が見習うべきは、中国が再生エネ発電のみで莫大なAI用データーセンターの電源問題を解決したことで、中国は格安の太陽光発電パネルとやはり格安の蓄電設備を開発したことで、世界で唯一AI用データーセンター電源を、再生エネ発電で賄うことが出来たのでした。
今後もしも原発を15基乃至それ以上も新設するのであれば、総額50兆円以上もの建設費を要します。
日本も中国を見習って格安の蓄電池設備を開発できれば、遥かに安い金額で電源を賄うことが出来るだけでなく、原発用の莫大な年間維持管理費が大幅に低減できるし、使用済み核燃料の処理も全く不要になります。
経産省は省益に拘るのは止めて 早急に頭を切り替えるべきです。
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社説:【原発建て替え】依存の固定化につながる
高知新聞 2026.06
多くの問題を置き去りにしたまま原発回帰を進めるのか。慎重な検討が求められる。
経済産業省は、廃炉を決めた原発を2040年代までに2~5基、50年代までに11~14基を建て替える目標案を示した。将来像を示すことで人材確保や投資を促す。東京電力福島第1原発事故後、政府が具体的な数値目標を示すのは初めてで、今夏にも正式決定される見通しだ。
国の原子力政策は原発事故後、依存度低減の方針を掲げ、原発建設の動きは途絶えていた。しかし、25年改定のエネルギー基本計画で活用路線回帰を鮮明にした。24年度に約9%にとどまる原子力の電源構成比率を、40年度には2割程度まで引き上げる。
現在稼働している原発は老朽化が進み、廃炉が相次ぐ見通しだ。目標の達成には既存原発の再稼働では足りず、建て替えや新増設が必要になる。今回の目標案はこうした状況や、大量に電気を使う人工知能(AI)の普及に伴う将来の電力需要などを基に算出された。
政府は、ロシアによるウクライナ侵攻や中東情勢を巡る原油などの供給不足の懸念も追い風に、原発回帰を加速している。建て替えについても、廃炉を決めた原発の敷地内だけでなく、同じ電力会社であれば、他原発の敷地でも建設できるよう環境整備を進めてきた。
ただ、原発の危険性の大きさは福島の事故で明らかだ。いまだに事故は収束せず、思うように復興が進まない中、原発回帰を強める姿勢には疑問が残る。依存する状況を固定化してはならない。
目標案については現実的ではないとの見方もある。一つはコストの問題だ。世界的に原発の建設費は高騰を続け、1基数兆円にまで膨らんでいる。地元の同意を得るという課題もある。原発事故以降、住民の不安は強まり、再稼働の同意にも時間がかかっている。
建て替えの有力候補に挙がっているのは、地質調査を昨年始めた関西電力美浜原発(福井県)と、増設計画が凍結中の九州電力川内原発(鹿児島県)に限られる。実現へのハードルは高い。
原発を巡っては、電力会社への信頼は今なお回復していない。中部電力浜岡原発(静岡県)の耐震データ不正問題などの不祥事が相次ぐ。事故と自然災害が重なる複合災害に備えた住民避難計画の実効性への懸念も各地で上がる。
使用済み核燃料の処分問題もある。使い終わった燃料を処理して再利用する国の核燃料サイクルは実現が見通せていない。高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分も決まっていない。
福島の教訓を踏まえれば、再生可能エネルギーの拡大に力を入れる必要がある。政府も再エネの主力電源化を掲げるが、近年は環境や景観への悪影響の懸念から太陽光発電は立地の問題が顕在化。洋上風力も採算面から事業が停滞している。戦略を立て直し、普及を加速させたい。