柏崎刈羽原発の再稼働が目前に迫る中、東京電力の幹部が9日、の花角知事と面会しました。花角知事から再稼働に向け安全最優先での取り組みを要望された小早川智明社長は、何があっても対応できる体制づくりや県民への情報発信に努めていくと話しました。
安全最優先と言えば現時点では事故時の避難体制に集約されますが、同原発の起動が1月20日に迫る中、重大事故時の住民の安全な避難に向けての準備は、ハード上もソフト上もいまだに殆ど出来ていません。
花角知事は勿論東電もそれを承知の上で、再稼働に進もうとしています。トンデモナイ偽善です。
考えてみれば知事は、地質学の権威である立石雅昭新潟大学名誉教授を、理由を明らかにしないまま検証委員から外し、次には検証総括委員会(池内了委員長)を1回招集しただけでその後は期限切れを待って全員を除外するなど、再稼働に向けて周到に準備を進めてきました。
検証の内容はその後県庁の役人がまとめましたが、それはいわゆる事務的な役人仕事であって、例えば避難委員会が指摘した456件の問題点は何も解決されないまま、単に表面上を取り繕ったに過ぎないものでした。
県庁職員に任せれば当然そうなることは明らかなので、恐るべきゴマカシの手法でした。
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「安全最優先で」東京電力14年ぶりの“再稼働”を前に新潟県知事と面会 柏崎刈羽原発6号機の原子炉20日起動へ
NST新潟総合テレビ 2026/1/10
柏崎刈羽原発の再稼働が目前に迫る中、東京電力の幹部が1月9日、新潟県の花角知事と面会しました。花角知事から再稼働に向け安全最優先での取り組みを要望された小早川智明社長は何があっても対応できる体制づくりや県民への情報発信に努めていくと話しました。
9日、花角知事への新年の挨拶に訪れた東京電力の小林喜光会長と小早川智明社長。
去年12月、花角知事が柏崎刈羽原発の再稼働に同意する考えを国に伝えてから初めての面会となりました。
【東京電力 小早川智明 社長】
「なにぶん14年動いていなかったところがあるので、しっかりと稲垣所長はじめ発電所の所員、メーカーも含めて何があっても対応できるような体制を整えて、着実に再稼働に向けた取り組み・準備を進めてまいりたい」
14年ぶりの再稼働に向け“安全最優先”の姿勢を見せる東電に対し、花角知事は原発の安全性向上への取り組みや県民への丁寧な説明などを改めて求めました。
【花角知事】
「再稼働に向けた準備作業がこれから進んでいくんでしょうけども、何よりも安全第一で慎重に進めていただきたい」
東京電力は柏崎刈羽原発6号機の原子炉を1月20日に起動し、2月26日に営業運転を開始する計画で、その経過についてもホームページやSNSなどで発信していくとしています。
【東京電力 小早川智明 社長】
「計測器とか制御がしっかりと安全に動作するか、もしくは新しく過酷事故対策として設けた設備がしっかりと機能するかどうかということをしっかりと一つ一つ確認していく」
一方、中部電力の浜岡原発で再稼働に向けた審査の中で不正が発覚した事案については「残念だった」とした上で東京電力としては同様の事案はないとも訴えました。
【東京電力 小早川智明 社長】
「規制に対しては誠実かつ真摯に対応してきたし、これからもこの取り組みは変わらないと考えている」
原発再稼働に対する県民の賛否が分かれる中、14年ぶりに再稼働の時を迎える柏崎刈羽原発…県民の不安解消のためにも東電の安全性向上に向けた不断の取り組みが求められます。
原発をなくす湯沢の会
私たちは『原発ゼロの日本』をめざし、柏崎刈羽原発の廃炉に向 けた運動に取り組んでいます。
2026年1月12日月曜日
「安全最優先で」 東電“再稼働”を前に新潟県知事と面会
「安全審査そのものが意味をなさなくなる可能性」浜岡原発データ不正/追加報告要求/「報告徴収命令」を出す方針
・浜岡原発について中部電力が意図的に地震動を過小評価していた件で、静岡県が立ち上げた浜岡原発の安全対策について検証する専門家会議の山本一良 教授(名古屋学芸大学)は、地震動は最も大事な数値で“前提”になるもの。その“前提”が不適切だと、安全審査そのものが意味をなさなくなると指摘しました。1月7日の規制委員会でも「改ざん」や「捏造」といった厳しい指摘が相次ぎ、10年以上続いてきた“再稼働”への審査が「白紙」となる見通しです。
・経産省は9日、中部電力が浜岡原発(静岡県御前崎市)の安全性向上対策工事を巡り、取引先との正式な契約や代金精算手続きをしていなかった問題で、経緯などの説明が不十分だとして、電気事業法に基づき同社に追加報告を求めました。
・中部電力浜岡原発の安全審査でデータを不正に操作していたことを巡り、規制委は9日、同社に原子炉等規制法に基づく行政処分「報告徴収命令」を出す方針を固めました。14日の規制委定例会合で決定する見通しです。
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「安全審査そのものが意味をなさなくなる可能性」 浜岡原発めぐるデータ”捏造” 静岡県の専門家会議トップも非難 「地震動は最も大事な入力で“前提”」
テレビ静岡NEWS 2026/1/9
浜岡原発の再稼働に向けた審査をめぐり、中部電力が意図的に地震動を過小評価していた問題について、静岡県が立ち上げた浜岡原発の安全対策について検証する専門家会議のトップも中部電力の不正行為を非難しています。
名古屋学芸大学(原子力工学)・山本一良 教授:
それこそ思ってもいない、そんなこと考えてもいなかった。とても驚きました。極めて残念
原子力工学が専門の名古屋学芸大学・山本一良 教授。
不正行為は中部電力にとっても極めて重要なタイミングに起きていたと話します。
名古屋学芸大学・山本一良 教授:
基準地震動がおおむね了解された時点、なおかつプラントの安全審査に移行していた段階だった。そういうポイントでそういう事案が起きたことは本当に驚いた
東日本大震災が起きた約2カ月後の2011年5月に政府の要請で全面停止した浜岡原発。
その後、再稼働に向け原子力規制委員会に安全審査を申請し、2023年には想定される大きな揺れ「基準地震動」が、2024年には「基準津波」がおおむね了承され、現在は施設の耐震性などを確認する審査に入っていました。
今回不正が発覚したのは「基準地震動」に関するデータ。
山本教授は様々な“前提”が崩れてしまったと指摘しています。
名古屋学芸大学・山本一良 教授:
浜岡原発の安全審査・評価に対し、地震動は最も大事な入力で“前提”。その“前提”が不適切だと、安全審査そのものが意味をなさなくなる可能性がある
1月7日の規制委員会でも「改ざん」や「捏造」といった厳しい指摘が相次ぎ、10年以上続いてきた“再稼働”への審査が「白紙」となる見通しです。
外部からの情報提供で発覚した今回の不正。
山本教授は中部電力にはあらためて現場を重視した対応を求めています。
名古屋学芸大学・山本一良 教授:
外部から言われる前に前もって防潮堤をつくるなど、現場で必要だと思うことを言われる前にやってきた、そういう会社だと思っている。初心を忘れないように現場重視で安全を守ってもらいたい
今後の審査について規制委員会は14日の会合で対応を議論する予定です。
中部電力に追加報告要求 浜岡原発の工事費未精算で 経産省
時事通信 2026/1/9
経済産業省は9日、中部電力が浜岡原発(静岡県御前崎市)の安全性向上対策工事を巡り、取引先との正式な契約や代金精算手続きをしていなかった問題で、経緯などの説明が不十分だとして、電気事業法に基づき同社に追加報告を求めた。
中部電は昨年12月、経産省に再発防止策などをまとめた報告書を提出。原因として「工程順守への強いプレッシャー」「工期を最優先し調達手続きを後回しにする意識」などを挙げたが、経産省はさらに詳細な経緯や再発防止策の実効性などを確認するため、3月末までの再報告を求めた。
浜岡原発不正、原子力規制委が「報告徴収命令」の行政処分出す方針…中部電本店に立ち入り検査へ
読売新聞 2026/1/9
中部電力浜岡原子力発電所(静岡県)の安全審査でデータを意図的に操作していた不正を巡り、原子力規制委員会は9日、同社に原子炉等規制法に基づく行政処分「報告徴収命令」を出す方針を固めた。不正に至った経緯などの報告を求めるもので、14日の規制委定例会合で決定する見通し。
規制委は報告期限を4月頃とする方向で検討している。不正の原因を明らかにするため、中部電本店(名古屋市)に立ち入り検査し、審査に関わる書類を作成した社内の体制なども調べる方針だ。報告徴収命令は、虚偽の内容を報告するなどの違反には罰則もある。
12- 浜岡原発「規制委は審査却下を」 差し止め訴訟弁護団などが意見書
・浜岡原発の基準地震動の値を不正に操作していた問題で、同原発の運転差し止めを求める訴訟の原告側弁護団などは8日、「データの捏造は、浜岡原発の安全性と中部電に対する信頼を根底から損なう」として、規制委に対し同原発の審査申請を直ちに却下することなどを求める意見書を送りました。規制委は不正を見抜けなかった責任を痛感した上で適正に処理すべきです。
・規制委の山中伸介委員長は浜岡原発3、4号機の安全審査は「白紙になる(と思う)」と発言しました。当然です。メディアが「再稼働の遅れ」と捉えているのは不見識で、到来する最大の地震に設備が堪えられなければ、再稼働は出来ないのは安全上当然の帰結です。規制委は不正を見抜く眼力を養う必要があります。
40年度の原発比率を現在の1割弱から2割程度に引き上げるためには今の14基から30基超に増やす必要があるとしても安全を無視して行うことが出来ないのも当然です
また原発が「脱炭素に資する」という考え方も間違いです。
・浜岡原発が立地する御前崎市の市議会は9日、臨時の特別委員会を開き、中部電の豊田哲也・原子力本部長兼浜岡原発所長から経緯の説明などを受けました。冒頭で特別委の河原崎恵士委員長が「データの捏造(ねつぞう)は原発の安全性を揺るがす許しがたい暴挙で、地域住民の安全を脅かすものだ」と述べ、中部電に対する「強い非難」を表明。豊田本部長は「信頼を裏切った。原因を究明し、対策を示すことで再び支えていただける事業者になるよう努めるしかない」などと述べ謝罪しました。
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浜岡原発「規制委は審査却下を」 差し止め訴訟弁護団などが意見書
時事通信 2026/1/8
中部電力が浜岡原発(静岡県)の地震想定に関するデータを不正に操作していた問題で、同原発の運転差し止めを求める訴訟の原告側弁護団などは8日、「データの意図的な捏造(ねつぞう)は、浜岡原発の安全性と中部電に対する信頼を根底から損なう」として、原子力規制委員会に対し、同原発の審査申請を直ちに却下することなどを求める意見書を送った。
意見書は「悪質なデータの捏造が明らかになった以上、中部電は原発事業者として求められる最低限の資質に欠ける」と指摘。早期に却下するよう求めた。
また、NPO法人原子力資料情報室も同日、「直ちに審査不合格とすべきだ」とする声明を発表。規制委に対しても「規制体制の抜本的見直しが必要」とした上で、他社でも同様の事例がないか調査するよう求めた。
浜岡不正、国の原発政策に冷や水 審査「白紙」も、中部電に経営打撃
時事通信 2026/1/10
中部電力による浜岡原発(静岡県)の地震想定に関するデータ不正は、原発の「最大限活用」を掲げる国のエネルギー政策に冷や水を浴びせるものだ。
原子力規制委員会の山中伸介委員長は浜岡原発3、4号機の安全審査は「白紙になると思う」と発言。再稼働の遅れは中部電の経営への打撃となるほか、電源構成に占める原発比率を高める国の目標達成も遠のく。
政府は昨年2月に閣議決定したエネルギー基本計画で、2011年の東京電力福島第1原発事故を受けて掲げた原発への依存度を可能な限り減らす方針を転換し、急増する電力需要に対応するためフル活用する方向へかじを切った。40年度の電源構成での原発比率を現在の1割弱から2割程度に引き上げるのが目標で、実現には稼働原発を今の14基から30基超に増やす必要がある。
昨年末には東電柏崎刈羽原発(新潟県)や北海道電力泊原発(泊村)の再稼働に向けた地元同意が完了。今月20日には柏崎刈羽6号機が、東電の原発としては福島第1原発事故後で初めて、再稼働する見通しだ。
山中委員長は、中部電以外の電力会社の原発について、同様の問題がないか調査する予定はないとの考えを示す。ただ、安全性への信頼が失われれば、今後の地元同意は難しさを増す。赤沢亮正経済産業相は9日の閣議後記者会見で「安全性に対する国民の信頼を大きく損なう。あってはならない」と批判。中部電による再発防止策の報告などを踏まえて、「厳正に対処する」と強調した。
中部電にとって、審査が振り出しに戻れば経営への影響は深刻だ。同社は浜岡原発の再稼働で1基当たり年800億円程度、3~5号機全ての稼働で年2500億円程度の収益改善を見込む。三菱商事と進めていた国内3海域での洋上風力発電所の開発からの撤退も決めており、脱炭素化の取り組みも後退しそうだ。
中部電の林欣吾社長は5日の記者会見で「責任は重大だ」と認めつつも、自らの進退は「総合的に考えていく」と述べるにとどめた。林氏は業界団体の電気事業連合会の会長も務める。今後、経営責任が厳しく問われそうだ。
「安全脅かす」静岡・御前崎市議から厳しい声 浜岡原発データ不正
毎日新聞 2026/1/9
浜岡原子力発電所の再稼働に向けた審査を巡る中部電力の地震データ不正問題で、原発が立地する静岡県御前崎市の市議会は9日、臨時の原子力対策特別委員会を開き、中部電の豊田哲也・原子力本部長兼浜岡原発所長から経緯の説明などを受けた。市議からは「名古屋市に本拠を置く中部電には、原発が多くの住民に影響を与えることへの切実感がない」「利益至上主義の経営方針で再稼働を急ぐあまり、今回の事態になったのでは」など厳しい発言が相次いだ。
冒頭で特別委の河原崎恵士委員長が「データの捏造(ねつぞう)は原発の安全性を揺るがす許しがたい暴挙で、地域住民の安全を脅かすものだ」と述べ、中部電に対する「強い非難」を表明。豊田本部長は「運転開始から半世紀、地域に支えられてきたにもかかわらず、信頼を裏切った。原因を究明し、対策を示すことで再び支えていただける事業者になるよう努めるしかない」などと述べ、謝罪した。
浜岡原発を巡っては、再稼働に向けた安全性向上対策工事の一部で、正式な手続きを経ないまま工事の仕様を変更し発注する社内規定違反と取引先への未払いが判明。2025年11月に原子力部門トップの副社長らが引責辞任したばかり。市議からは「社内ガバナンスがなっていないのではないか」「再稼働への焦りを感じる」との声も上がった。
また、林欣吾社長が地元を訪れて謝罪していないことも、多くの市議が非難した。臨時委員会自体も、市議会が中部電側に説明を求める形で実現したという経緯があり、河原崎委員長は「中部電が主体的、能動的に地域に説明の機会を求めることが必要だ」と苦言を呈した。
臨時委員会は市民への状況説明も兼ね、地元のケーブルテレビで生中継された。10、11日も午後1時から再放送される。【藤倉聡子】
2026年1月8日木曜日
中部電力“不正行為”は外部から規制委への「公益通報」がきっかけで発覚(続報1)
中部電力が、浜岡原発の再稼働に向けた審査で、基準地震動が意図的に評価されるデータに作り直して、規制審査に臨んだことが明らかにされました。
これは昨年2月、事情を知る関係者と思われる人からの外部通報が切っ掛けとなって確認されたもので、もしもそれがなければ過小な耐震性のままで(それに気づかずに)認可され最終的に再稼働に至ったものと思われます。
「(机上の操作で)データを捏造した」ことの確認までに中電(と規制委)が10ヵ月も要したのは不自然で、なぜそれほどの時間を要したのかを明らかにすべきであり、安全性に欠ける原発の再稼動が阻止されたから「結果オーライ」で済まされるようなものではありません。
また最も重要な耐震性の審査において、ストッパーであるべき規制委の審査をそのまま通過したことも大問題で、世界一危険な地域に立地する原発の基準地震動が僅か1200ガルであることを良しとした規制委の結果責任も大いに問われるべきです(少なくとも2000ガル以上になるのではと思われます)。
装置の耐震強度の設計はコンピュータを用いるので、構造計算とコンピュータ・プログラムの両方の知識を要するのでその解析は困難です。しかし基準地震動の決定はそうした知識を必要としないので規制委の姿勢が問われます。今回は結果責任も問われるので、再発防止策を明らかにすることは必須です。
7日に紹介しなかった記事を、浜岡原発データ捏造関連「続報1」としてお届けします。
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中部電力“不正行為”は外部から規制委への「公益通報」がきっかけで発覚――原子力規制庁
日テレNEWS NNN 2026/1/6
中部電力が、浜岡原発の再稼働に向けた審査で地震の揺れの大きさに関して意図的に過小評価した疑いがあるデータを国に報告していた不正行為について、発覚したきっかけは、去年2月、原子力規制委員会への外部からの通報だったことがわかりました。
この問題は静岡県にある浜岡原発3・4号機について、中部電力が、再稼働を目指して国の審査を受ける中で、耐震設計の基礎となる地震の揺れの大きさを不適切な方法で算定し、意図的に過小に評価していた疑いがあるデータを国に報告していたものです。
原子力規制庁によりますと、今回の不正行為については、去年2月に原子力規制委員会に対して外部からの通報があったことで把握したということです。
その後、中部電力が社内調査をおこない、先月18日に原子力規制委員会に報告したということです。
この不正行為を受け、原子力規制委員会は現在、再稼働に向けた審査を中断していて、7日の定例会で今後の対応について協議をする予定です。
浜岡原発で想定される地震の揺れを過小評価し報告した疑い 経産省が中部電力に再発防止策等の報告求める
東海テレビ 2026/1/6
中部電力が再稼働を目指す静岡の浜岡原発で、想定される地震の揺れを過小評価して報告していた問題を受け、経済産業省は5日、再発防止策などを報告するよう求めました。
【動画で見る】浜岡原発で想定される地震の揺れを過小評価し報告した疑い 経産省が中部電力に再発防止策等の報告求める
再稼働に向けて原子力規制委員会の審査が続く浜岡原発3・4号機をめぐり、中部電力は5日、想定される地震の揺れの大きさの算定で、意図的に過小評価したデータを報告した疑いなどを明らかにしました。
問題を受けて、経済産業省は中部電力に対して、電気事業法に基づいて事実関係の調査や、原因を特定した上での再発防止策をとりまとめるなどし、今年4月6日までに報告するよう求めました。
中部電力は外部の弁護士で構成する第三者委員会を設置して、調査を進めるとしています。
「ちょっとあり得ない」規制庁憤り 再稼働への道さらに険しく 審査不正の浜岡原発
産経WEST 2026/1/5
中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)の再稼働審査が長期化する中、基準地震動の策定過程で発覚した「不正行為」。同原発は南海トラフ巨大地震の想定震源域直上に立地する。津波対策で防潮堤のかさ上げを繰り返し、一度クリアした審査で出直しを余儀なくされる可能性も浮上し、再稼働への道はさらに険しくなった。
「ちょっとあり得ない話だ。事業者への信頼が根底から覆される。適格性が疑われる事案だ」。原子力規制庁幹部は5日、中部電の発表を受け憤った。別の規制庁職員は「基準地震動の審査は白紙。今のまま続けるのは厳しい」と指摘した。
中部電にとって浜岡原発は唯一の原発で、東京電力福島第1原発事故後の平成23年5月、当時の菅直人首相の要請で運転を停止。既に廃止が決まっていた1、2号機の廃炉作業を進める一方、中部電は26~27年、3、4号機の再稼働審査を原子力規制委員会に申請した。
耐震設計の目安となる「基準地震動」の審査では、最大1200ガル(5号機周辺は2094ガル)とする方針で、規制委は令和5年9月に「おおむね了承」とした。
規制委は、これを踏まえ施設の設計審査を進めていた。今回の問題で想定が見直される事態となれば、議論の前提が崩れ、やり直しとなる可能性がある。
08- 中部電力・浜岡原発のデータ「捏造」問題、その時期に何があったか?(続報2)
浜岡原発の基準地震動の捏造に関して原子力規制庁の担当者は「不正が行われた2018年は敷地に近い活断層の地震動が評価の対象となった時期だ」と説明しています。
要するに近傍の活断層の地震動を加味すると基準地震動の値が大きくなり、現行の浜岡原発の強度では不足となるので、不足しないように(1200ガルに収まるように)捏造したということです。
予想される最大限の地震が発生しても設備が安全である耐震性が得られるように基準地震動が設定されるのに、設備が健全である範囲に基準地震動値を抑えるのでは全く趣旨に反します。その点でも震動データの平均値を取ることで「最大限の地震」に対応できることの説明が必要です。
新潟原発でも中越沖地震で2000ガル以上の加速度を実測しています。それに比べても基準地震動(それ以上の加速度は加わらないという意味)が1200ガルというのは信じられない低さです。
浜岡原発データ捏造関連「続報2」として紹介します。
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中部電力・浜岡原発のデータ「捏造」問題、その時期に何があったか?
#エキスパートトピ 関口威人 2026/01/08
中部電力が浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)の再稼働に向けた審査で、原子力規制委員会に不正なデータを提出していた問題が衝撃と波紋を広げています。委員会は7日に会合を開き、各委員から「捏造または改ざん。事は重大で誠に遺憾だ」「心底がっかりしている」「(審査に費やした)国費を無駄にする行為だ」などの厳しい声が上がりました。
なぜこのような不正が行われたのかは、中電が設置する第三者委員会の調査に委ねられますが、少なくとも現時点で「ある時期」が焦点として浮かび上がります。
2018年頃以降は「平均に最も近いものではないもの」を代表として選んでいました。
出典:CBCテレビ 2026/1/5(月)
同庁の担当者は(中略)「(不正が行われた)2018年は敷地に近い活断層の地震動が評価の対象となった時期だ」と説明。
出典:時事通信 2026/1/7(水)
当時の担当者は「内陸の地震、活断層による地震の評価、審査をしていただいている。ここが頑張りどころ」と語っていました。
出典:静岡放送(SBS) 2026/1/6(火)
エキスパートの補足・見解
今回の不正行為は地震学などの専門的な領域に関わり、まだ詳細が明らかでない面も多いですが、その方法は大きく2段階に分けられ、より意図的な方法が「2018年頃以降」に行われたと中部電力は説明しています。想定される地震動の波形について、本来は20組の波形から平均的な波を代表波として選ぶべきところ、中電側が数千組の波形から一つを選び、それが平均となるように残り19組の波も選んでいたというのです。
この不正が始まった2018年頃は、浜岡原発の審査で「内陸地殻内地震」、つまり活断層の影響を審議していた時期だったと原子力規制庁は指摘しています。原発の敷地に近い活断層が地震動評価の対象となったため、敷地への影響が大きくなり、それが「基準地震動」に反映されれば耐震設計の見直しなどに時間やコストがかかり、再稼働のハードルが上がることになります。
静岡放送によれば当時、中電の担当者は「ここが頑張りどころ」と言っていたそうです。その「頑張り」があらぬ方に向かってしまったのか、そうだとして担当者や担当部署のレベルだったのか、組織全体のレベルだったのか。原子力の信頼をまたも根底から揺るがせる今回の事案、徹底的な解明が求められます。
浜岡原発の審査白紙へ、規制委 耐震データ「捏造で暴挙」と批判
共同通信 2026年01月07日
中部電力が浜岡原発3、4号機(静岡県)の耐震設計に関わるデータを不正に操作した問題で、原子力規制委員会の山中伸介委員長は7日、定例記者会見で「明らかに捏造。安全規制に対する暴挙だ」と批判し、再稼働の前提となる審査を白紙にする考えを示した。中部電本店(名古屋市)と浜岡原発への強制力のある立ち入り検査も検討する。同原発は南海トラフ震源域直上に立地。耐震性に関わる不正で、再稼働が大きく遠のいた。
山中委員長はこの日の定例会合で、中部電が設置した第三者委員会の調査結果を待たずに対応するよう事務局の原子力規制庁に指示した。
地震や津波の審査を担当する山岡耕春委員は「国民の関心が最も高い地域の一つ。不正は非常に深刻だ」と指摘。杉山智之委員は「検査などを通じて確かな情報を得て、審査の前提が確立するまでは再開は不可能だ」と述べた。
一方、山中氏は記者会見で他の電力会社が同様の不正行為をしていないかどうかについては調査しない方針を示した。
再稼働の審査は白紙に…中部電力による浜岡原発めぐるデータ不正 原子力規制委員会・委員長は厳しく批判「安全規制に対する暴挙」
TBSテレビ JNN 2026/1/7
静岡県の浜岡原発の再稼働の審査をめぐり、中部電力がデータを不正に操作していた問題。原子力規制委員会の委員長は「安全規制に対する暴挙」と批判し、審査を白紙に戻す見通しを示しました。
原子力規制委員会 山中伸介 委員長
「重要なデータを恣意的に操作したもので、安全規制に対する暴挙である」
原子力規制委員会の山中委員長が厳しく批判したのは中部電力。静岡県にある浜岡原発3号機と4号機の再稼働をめぐる審査で、地震の揺れを意図的に小さくみせていた疑いが発覚したのです。
中部電力の会見(今月5日)
「本当に申し訳ございませんでした」
原子力規制庁によりますと、去年2月に外部から情報提供があり、中部電力に調査の協力を要請。調査の結果、浜岡原発の再稼働に向けた審査で、中部電力が耐震設計のもとになる想定される最大の地震の揺れを示す「基準地震動」のデータを不正に操作していたことが明らかになりました。
原子力規制委員会 山中伸介 委員長
「これまでの審査そのものの信頼性が問われているので、審査そのものをやり直していく必要があろうかと」
再稼働への審査を白紙に戻し、やり直す見通しを示しました。
こうした事態に浜岡原発がある御前崎市の住民は。
御前崎市民
「しっかりしろよって感じです」
「もう一度安全について考え直してもらった方がいいかな」
中部電力は「規制委員会のご指示・ご指導に真摯に対応してまいります」とコメントしています。
2026年1月7日水曜日
07- 浜岡原発 想定地震を過小評価 再稼働審査に「重大な影響も」
中部電力は5日、浜岡原発3、4号機の再稼働の前提となる新規制基準への適合性審査を巡り、基準地震動を過小評価していた疑いがあると発表しました。中部電は2014~15年、規制委に3、4号機の審査を申請。約9年の審査を経て、23年9月に、原発の耐震設計の目安となる基草地震動を1200ガルなどとすることで規制委側から大筋で了承されました。
しかし規制庁がその根拠を求めると、実際には、まず「代表波」を1200ガル相当になるグラフを選び、それが20通りの平均に近いものになるように、残りの19の地震動を後から選んでグラフを作成しました。全くの捏造であったということです。
代表波を1200ガル相当にしたのはその値であれば現行の設備が「モツ」からですが、逆に言えば、それ以上の地震が発生する可能性があるので耐震性は不十分です。
この件は昨年2月に規制庁に外部通報があって明らかになりました(そもそも地震波の平均値を用いるのはそれが「最大の確率」になるからですが、基準地震動をそういう手法で決めていいのかも疑問です)。
元々浜岡原発はフィリピン海プレートが潜り込む震央地の地上に建っている世界一危険な原発として知られていて菅直人首相時代、福島原発事故後に真っ先に浜岡原発の運転停止が要請されて停止になったものでした。現実に敷地内には「H断層」が通っていてそれが活断層か否かが問題視されていました。
基準地震動の算出に当たり敢えて通常の手法を用いなかったのは、正式に算出すると現行の原発は地震に耐えられないという結果になるからです。それを誤魔化すために捏造データを用いたわけでそれの及ぼす害悪は計り知れません。
再稼動申請はスタートからやり直しになりますが、規制委は何よりもまず正確な「基準地震動」が得られるよう責任を持ってチェックすべきです。
以下に関連記事を紹介します。
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浜岡原発 想定地震 過小評価か 再稼働審査に「重大な影響も」
しんぶん赤旗 2026年1月6日
中都電社長が陳謝
中部電力の林欣吾社長は5日、名古屋市の本店で記者会見し、浜岡原発3、4号機(静岡県御前崎市)の再稼働の前提となる新規制基準への適合性審査を巡り、想定される地震の揺れ(基準地震動)を過小評価していた疑いがあると発表しました。同社は外部の弁護士で構成する第三者委員会を設置して原因などの調査を行います。
林社長は「(原子力規制委員会の)審査に重大な影響を及ぼす恐れがある。当社の原子力事業への信頼を失墜させ、事業の根幹を揺るがしかねない」と述べ、陳謝しました。
中部電は2014~15年、規制委に3、4号機の審査を申請。約9年の審査を経て、23年9月に、原発の耐震設計の目安となる基草地震動を1200ガル(加速度の単位)などとすることで規制委側から大筋で了承されました。
昨年5月から原子力規制庁による基準地震動に関する調査の連絡を受け、同社は計算方法を説明。同10月には規制庁から、同社の委託先が作成した資料の提示を求められていました。
同社によると、基準地震動を構成する地震波を算出する際、本来は震源断層から生じる複数の地震波の平均値を「代表波」としますが、実際には平均値とは異なる地震波を意図的に選び、代表波としていたといいます。
こうした操作は18年より前から、本社原子力土建部の社員複数人が行っていたといいます。結果的に基準地震動か小さくなる可能性があり、豊田哲也原子力本部長は「地震動を小さめにしたいという意図があっただろうと思う」と認めました。
浜岡原発を巡っては昨年11月、安全性向上対策工事の一部で取引先と正式な契約や代金精算の手続きをしていなかったことなどを公表。原子力本部長の伊原一郎副社長らが引責辞任しています。
中部電の審査不正、公益通報で把握 昨年2月に、対応協議へ 規制委
時事通信 2026/1/6
中部電力浜岡原発(静岡県)の再稼働に向けた原子力規制委員会の審査を巡り、地震想定に関わるデータが意図的に選定されていた問題で、規制委事務局の原子力規制庁は6日、外部通報がきっかけで昨年2月に問題を把握したと明らかにした。
規制委は7日の定例会合で対応を協議する。
同庁によると、原子炉等規制法に基づく公益通報制度により情報提供があった。同年5月から中部電側と面談を重ねて、事実関係の確認を進めたところ、同年12月に「不正行為があったと確認した」との説明があったという。
同庁は電力事業者などとのやりとりを原則としてすべて公開しているが、今回は情報提供者の保護や裏付け調査を慎重に行ったため、公表をこれまで控えたとしている。
"結論ありき”でデータ選定か… 浜岡原発・基準地震動の不正問題 揺れを“過小評価”の疑い 地元・御前崎市長「極めて深刻」再稼働の行方は混沌=静岡
静岡放送(SBS) 2026/1/6
中部電力が1月5日に明らかにした浜岡原発(御前崎市)のデータ不正問題。
予想される地震の揺れを過小評価していた可能性があり、安全性に根本的な疑問が投げかけられる中、地元からは「極めて深刻」などと厳しい声が上がっています。
■「平均値に近い波」を偽装
<御前崎市 下村勝市長>
「安全性に影響を与える極めて深刻な事態と認識している」
浜岡原発を抱える自治体からの怒りの声。発端は5日の発表でした。
中部電力の5日の緊急会見で明らかになったのは、静岡県御前崎市にある浜岡原発の安全をめぐるデータ不正。
再稼働に向けて原子力規制委員会の審査の過程で、設備の耐震設計の前提となる「基準地震動」を小さく見せようとしていた疑いがあるということです。
「基準地震動」は想定する最大の揺れを示す数値で、規制委員会の審査で策定が求められていました。
「基準地震動」の算出の過程で中電は、原発の近くで起こる地震の想定について、ランダムに20通りの地震動のグラフを作成し、その中から平均に最も近い波を代表波(だいひょうは)に選ぶと規制委員会に説明していました。
しかし実際には、先に「代表波」を意図的に選んだ上で、それが20通りの平均に近いものになるように、残りの19の地震動を後から選んでグラフを作成していました。
「地震に耐えられる施設だ」という結論ありきで、データを選び出していた疑いが浮上したのです。
<中部電力 林欣吾社長>
「平均値に近い波ではないものを代表波として、意図的に選定し、地震動を過小評価していたということを確認している」
■「頑張りどころ」があらぬ方向に向かったか
この不正は2018年から行われており、この頃ちょうど「基準地震動」の策定の重要な局面でした。
浜岡原発は2011年の福島第一原発事故を受けて全停止。その後、中電は3・4号機の再稼働を目指して審査が進められていましたが、2018年当時は敷地内や周辺の断層による地震評価をめぐり議論が過熱していました。
中部電力浜岡原発のデータ不正問題、再稼働を見据えた国への要望活動を取りやめ…関係自治体から失望の声相次ぐ
読売新聞オンライン2026/1/7
浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)の再稼働に向けた原子力規制委員会の審査で、中部電力がデータを操作して説明した疑いがあると発表したことを受けて、周辺自治体が早期再稼働を見据えて今月下旬に行う予定だった国への要望活動を取りやめたことが、関係者への取材で分かった。関係自治体や県内経済界からは、失望や懸念の声が相次ぎ、影響が広がっている。(菱沼隆雄、榎田翔太)
「安全性と信頼性の確保」繰り返し発言
「これまで中部電力に、安全性と信頼性の確保を繰り返し発言してきた中、極めて深刻な事態であると認識している」
浜岡原発が立地する御前崎市の下村勝市長は6日、市役所で記者会見を開き、険しい表情で語った。下村市長は「エネルギー供給の観点から原発が重要であるという認識は今も変わっていない」としつつ、「大前提の安全性が揺らがないことが最も大切だ。地域の信頼なくして再稼働は難しい。御前崎市だけではなく、広い範囲から信頼される状況を作り出す必要がある」と強調した。
同市議会では近く、臨時の原子力対策特別委員会を開き、中部電から説明を受けるという。
要望活動は見送り
浜岡原発では年内にも審査に合格する期待が高かったために、原発から半径10キロ圏内の4市(御前崎、牧之原、菊川、掛川)で構成する「浜岡原発安全等対策協議会」(4市対協)は今月下旬、財務省などに対し、避難道整備に向けた財政支援に関する要望活動を行う方向で調整していた。
関係者によると、東名高速道路にスマートインターチェンジの新設などを求める予定だったというが、今回の発表を受け、当面の見送りを決めたという。
経済界から相次ぐ不安の声
早期再稼働を期待していた経済界からも、不安な声が相次ぐ。
県西部では、金融機関関係者が「原発への期待は製造業を中心に高く、(中部電も)原発のイメージアップに力を入れてきたのに逆戻りだ」と話した。ウナギ養殖関係者も「原発が再稼働されれば、電気代が安くなると期待していただけに残念でならない」と肩を落とした。
静岡商工会議所の幹部は「静岡県を含めた中部電力管内で、電力の安定供給に支障を来すことを危惧している」とコメントした。
藤枝市長「意図的な不正であれば、大きな裏切り行為」
浜岡原発から半径約30キロ・メートル圏内にある「緊急時防護措置準備区域」(UPZ)に位置する自治体の首長らからも厳しい意見が上がった。主なコメントは以下の通り。
藤枝市・北村正平市長「仮に意図的に不正が行われていれば、市民への大きな裏切り行為だ。(第三者委員会で)しっかり調査していただき、我々にも説明をお願いしたい」
島田市・染谷絹代市長「不正なデータ操作の事実があれば、中部電への信頼を根底から覆すもので遺憾に思う。再稼働の審査をやり直すことまで考えなければならないかもしれない」
掛川市・久保田崇市長「地域との信頼関係を失墜させる重大な事案。徹底的な調査を行い、結果がまとまり次第、掛川市や地域への説明を求める」
牧之原市・杉本基久雄市長「外部の目から見ても弁明の余地はない」
菊川市・長谷川寛彦市長「組織に対する信用をも失墜しかねない」
木原稔・官房長官「原子力施設の安全性の確保と事業者に対する国民の信頼性確保が大前提だ。安全性に対する国民の信頼を揺るがしかねないものであり、あってはならないこと」
中部電力“データ不正”は「耐震性を確保する上で最も重要」な審査項目 福島第一原発の事故後に“安全性”厳格化も…なぜ? 浜岡原発の再稼働審査は停止【大石邦彦解説】
CBCテレビ 2026/1/6
浜岡原子力発電所の再稼働審査で、中部電力が地震の揺れを小さく見せていた疑いがあることが分かり、再稼働をめぐる審査は停止されました。
“データ不正”は、原子力規制庁の担当者が「耐震を確保する上で最も重要」だと話す審査項目で行われていました。
(中部電力 林欣吾社長 名古屋・東区5日)
「原子力事業に対する信頼を失墜させ、根幹を揺るがしかねない事案である」
5日緊急会見を開き、謝罪した中部電力の林社長。静岡県御前崎市にある浜岡原発の3号機と4号機の再稼働審査の際、耐震設計の「基準地震動」について中部電力がデータを操作。意図的に地震の揺れを小さく見せていた疑いがあるということです。
原子力規制庁によりますと、去年2月に外部から情報提供があり、中部電力に調査の協力を要請していました。
■地元住民「あってはいけないことすぎて…」
浜岡原発の地元では…。
(御前崎市民・50代)
「安全第一ですから、あってはいけないことすぎて残念」
(御前崎市民・30代)
「この地域は原発も海もあって、地震となると皆さん不安なので、そこで不正があるとちょっと心配になる」
また、御前崎市の下村勝市長は…
(静岡・御前崎市 下村勝市長)
「安全性に影響を与える、極めて深刻な事態と認識している」
■中部電力が目指す“早期再稼働”が遅れるのは必至
問題の発覚を受け、原子力規制庁は去年12月22日以降、3号機と4号機の審査を停止していて、中部電力が目指す早期再稼働が遅れるのは必至です。
(中部電力 林欣吾社長)
「原子力部門の解体的な再構築も含めて、覚悟を持って自ら変えていくことが大事だと思っている」
中部電力は第三者委員会を設置し、詳しく調査する方針です。
■今回のデータ不正 ポイントは?
(大石邦彦アンカーマン)
原発の安全性に関わる、あってはならない問題が起きてしまいました。中部電力が浜岡原発の再稼働を早めるために、“データを有利に操作していた”と受けとられても致し方ないと思います。
浜岡原発は静岡県御前崎市にあります。2011年の福島第一原発事故を受けて稼働を停止していましたが、2014年以降再稼働に向けて4号機・3号機の審査を原子力規制委員会に申請していました。この審査の過程で、想定される地震の揺れを“意図的に小さく見せていた”疑いがある…というのがポイントです。
■最も重要な審査項目「基準地震動」で起きた不正行為
(若狭敬一アナウンサー)
原発の耐震性の評価に関わってきますよね。
(大石)
はい。再稼働に向けた審査は3つです。
(1)設置変更許可 (2)設計・工事計画 (3)保安規定
不正があったのは1つ目の「設置変更許可」の審査過程。福島の事故を踏まえて基準を強化・新設し、科学的な安全性がより厳しくなった中、想定される地震の揺れ「基準地震動」で問題が発覚しました。
原子力規制庁の担当者は「『基準地震動』は耐震を確保する上で、最も重要な審査項目。不正行為が行われたのは遺憾」とコメントしています。
福島原発の事故から15年。再稼働への焦りがあったのか。このデータ不正は地元への裏切り行為であり、全ての原子力事業の信頼を揺るがす事態といえます。
浜岡原発、想定地震を過小評価 中部電、審査不正疑い 再稼働の遅れ必至
産経WEST 2026/1/5
中部電力は5日、浜岡原発3、4号機(静岡県御前崎市)の再稼働の前提となる原子力規制委員会の新規制基準適合性審査で、耐震設計の目安として想定する揺れ「基準地震動」を意図的に過小評価した疑いがあると発表した。事実関係や原因を調べるため、外部の弁護士からなる第三者委員会を設置した。規制委は2025年12月22日以降の審査を停止し、「不正行為」と判断して今月7日の定例会合で今後の対応を議論する。審査合格と再稼働が遅れるのは必至とみられる。
中部電によると、審査会合では、基準地震動を策定する際、計算条件が異なる20組の地震動の中で、平均に最も近い波を「代表波」に選定すると、規制委に説明した。しかし、実態は意図的に代表波を選んでいた疑いがある。原子力土建部の社員数人が関与したとみている。
林欣吾社長は名古屋市で開いた臨時記者会見で「心より深くおわび申し上げる。原子力事業の根幹を揺るがしかねない。原子力部門の解体的な再構築を視野に入れる」と謝罪した。自身の進退については「今後、総合的に考えていく」と述べるにとどめた。
今回の問題は昨年2月、規制委への外部通報がきっかけで分かった。経済産業省は5日、電気事業法に基づく報告を中部電に求めた。