20日の「なくそテ 原発2026柏崎大集会」には、湯沢町から8人、近隣の組織から7人の方たちが参加されました(他に湯沢町から自家用車で参加された方が2名)。
幸いに雨天にはならず会場には約900人が集まり盛大に行われました。
「集会資料」に基づいて下記の通り報告します。
1 集会次第
2 連帯メッセージ及び集会宣言
3 講演及び報告レジメ
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○屋内集会次第
屋 内 集 会 次 第
(12:45~15:15)
司会:丸山美代子
≪「万一の災害に備えての説明」集会実行委員会から≫
○開会宣言
○主催者からー言 小市 信(原発をなくす新潟県連絡会) 12時45分
○全国団体から一言 原発をなくす全国連絡会 石川敏明さん
○講演 大島堅-・龍谷大教授 12時55分
~原子力の「最大限活用」の無責任 ~
○カンパの訴え 尾身むつ子(+日町・原発をなくす会) 13時55分
○報告 中山均・新潟市議(県民ネットワーク事務局メンバー)14時00分
~再稼働後の柏崎刈羽原発一私たちの今後の課題と展望~
≪マルシエから呼び込み発言≫ 14時25分
―――――――30分間の休憩――――――――
○特別発言 山浦 登・長野県木島平村・村議 14時55分
○プラカード上げ 樋口良子 (原発問題住民運動柏崎刈羽連絡会) 15時05分
○集会宣言案の提案・採択 高野尚子(原発ゼロ長岡市民ネット) 15時10分
○閉会宣言 15時15分
◆パレード(デモ行進)の説明
(デモ出発15時30分予定。デモ骸後尾が会場に戻る16時30分頃予定)
○メッセージ 及び 集会宣言
「なくそテ 原発2026柏崎大集会」への連帯メッセージ
「なくぞテ 原発2026柏崎大集会」の開催にあたり、連帯のご挨拶を中し上げます。
2014年の開催以来、新潟県内18団体、長野・群馬の3団体を含む計21もの市民運動体が固く手を結び、この間、数千名規模の大集会を積み重ねてこられました。市民自らが学び、声をあげ続けてきた12年間の歴史とたゆまぬ歩みに、深く敬意を表します。
花角新潟県知事が昨年11月、県民意識調査における反対の声を背にして柏崎刈羽原発の再稼働容認を表明し、「県民に信を問う」という自らの公約を反故にしたまま県議会に委ねる形で再稼働判断を強行しました。
国においても、政府が掲げる「今後の原子力政策の方向性と行動指針」において、福島第一原発事故の痛切な反省を風化させ、何ら合理的根拠のない「原子力電源比率20%」をブラックボックスの中で固執し続けています。世界中で再エネや蓄電池の技術革新・コスト低下が急速に進む中、危険で持続可能性のない原発にしがみつく姿勢は、エネルギー政策として破綻しているばかりか、国民的な討議や対話を拒む「民主主義の質の低下」を示すものと言わざる意得ません。
さらに、産業としての「事業の完結性」について認識を強めなければなりません。農業などの第一次産業は自然の物質循環の中に完結しており、自動車や住宅などの製造業も解体・リサイクル・廃棄のプロセスが明確に管理されています。しかし、原子力発電は燃料加工から発電までは高効率に見えるものの、高レベル放射性廃棄物の最終処分場は世界的に見てもフインランドの一部であり、文字通りの「トイレのないマンション」です。
「核燃料サイクル」は技術的・経済的な破綻を繰り返し、数万年規模のリスクと負担を将来世代へ先送りするもので、学術的にも持続可能性を完全に欠いています。しかも巨大災害や重大事故の
リスク、最近の国際情勢における武力攻撃を鑑みても、集中型巨大電源としての原発は安全保障上も危険な存在と言わなければなりません。原子力発電の「最大限活用」と称して押し進めることは、人々の犠牲と未来へのつけ回しの上に成り立つ暴挙であり、絶対に認められません。
本日、龍谷大学の大島堅一枚授か解き明かされる「原子力の『最大限活用』の無責任」とされるご講演は、まさにこの構造的無責任を突くタイムリーなものとなるでしょう。
政治情勢がどれほど厳しくあろうとも、道理は私たちにあります。草の根で歴史を積み重ねてきた21団体の強固な連帯と、集会に参加された皆様の揺るぎない決意こそが、世論を動かし、柏崎刈羽原発の再稼働をストップさせ、廃炉への確かな道を拓く原動力です。
原発問題住民運動全国連絡センターは、柏崎刈羽原発の廃炉、そして原発ゼロの安全・安心な社会の実現に向けて、皆さまと共にどこまでも歩みを進めることを固くお誓い申し上げます。
結びに、「なくぞテ原発2026柏崎大集会」の大成功と、本集会に参加された皆様の健闘を心より祈念いたしまして、私の連帯のメッセージといたします。
原発問題住民運動全国連絡センター
筆頭代表委員 持田 繁義
「なくそテ 原発2026柏崎大集会」へのメッセージ
「なくぞテ 原発2026柏崎大集会」のご盛会をお慶び申し上げます。
この間、柏崎刈羽原発の再稼働を許さず、脱原発社会の実現に向けたとりくみを新潟の地で積み重ねてきたこと、特に柏崎刈羽原発再稼働をさせないために県民投票を呼びかけ精力的に活動してきたことに心から敬意を表します。
さて、2011年の東日本大震災以降も2024年の能登半島地震、2016年、2026年の熊本地震など各地で起こる大地震は甚大な被害を与えてきました。そのことは2007年の中越沖地震による柏崎刈羽原発の被害を思い起こさせるものです。今後も南海トラフ地震や東海地震という巨大地震の発生も予想されています。あらためて地震大国・日本にある原発の危うさをまざまざと示しています。
県民世論を無視し、今年1月に14年振りに柏崎刈羽原発を再稼働させた東電は、制御棒の警報設定ミスや電気系統の不具合、IDカードの不適切使用などのトラブルを柏次いで起こし、県民の信頼を失わせています。福島原発事故の責任も果たせず、放射能汚染木の海洋放出を関係者の「合意」を取り付けないまま一方的に放出を強行し続ける東電の傲慢で無責任な姿勢と重なります。そのような東電に原発を運転する資格はありません。
一方で高市政権は、原発回帰や核燃料サイクルを積極的に進め、原発再稼働に動き出しています。原子力政策全体は制度疲労を起こし、破綻のツケを大きくしています。原発再稼働反対の闘いは各地で粘り強く取り組まれ、核燃料サイクルは、六ケ所再処理工場の度重なる完成延期にみるようにすでに破綻しています。さらに核のごみの後始末も不透明な状況にあります。
原発推進勢力の様々な課題は行き詰まりをみせ、ここ数年が大きな山場になりつつあります。各地の運動を結び、全国で支えていくことが重要です。さようなら原発の運動もその結節点としての役割を果たしていく決意です。本集会に参加された皆様のご奮闘に連帯し、今後も共に柏崎刈羽原発の廃炉に向けた闘いを展開していきましょう。
さようなら原発1000万人アクション実行委員会
集会宣言
【集会宣言】
柏崎刈羽原発の再稼働ストップ! 廃炉を実現しよう
「なくぞテ原発2026柏崎大集会」は、屋外でのマルシエも行い`、新潟県、長野県、群馬県をはじめ全国から多数の参加をえて開催され、成功を収めることができました。
高市政権は、福島原発事故の教訓をないがしろにし、原発回帰のエネルギー基本計画に基づき、原発建て替え(新設)・運転期間の延長、既存原発の再稼働を強力に推し進めています。また、原子力規制委員会の事務局である規制庁の職員について、規制部門から推進部門への異動を禁じた「ノーリターン・ルール」の規制緩和を行おうとしています。これは、規制が推進に取り込まれてしまった「規制の虜(とりこ)」問題の反省に逆行するものです。
東京電力は、柏崎刈羽原発の再稼働べの理解を得ようと1000億円もの拠出を打ち出し県民世論に訴えています。一方、I Dカードの不適切使用や海水噴出事故など体質改善はなされず、失態・不祥事はとどまりません。東京電力には総出力世界一の原発を運転する能力も資格もないことは明らかです。また、基準地震動の組織ぐるみのデータ不正が大問題となっている中部電力浜岡原発で地質調査を行った3社のうちの2社が、柏崎刈羽原発でも地質調査を行ったことが明らかとなりました。同じようなデータ不正があったのではないか、という不安が高まっています。経産省と東京電力は6号機に続いて7号機の再稼働を行おうとしており、新潟県はその事前了解を与えています。その一方で、テロ対策の持重施設の完成時期は先延ばしされ、その計画内容、進捗状況は明らかにされておらず、安全性が確認できません。
14万人以上の署名に基づき提出された、柏崎刈羽原発再稼働の是非を問う県民投票条例案は昨年4月に否決され、花角知事は11月、「県民の7割が東京電力の運転に不安を感じる」「6割が再稼働の条件は整っていない」という県民意識調査に背いて再稼働容認の態度を表明。さらに8年間にわたり「県民に信を問う」と言ってきた公約を破り、県民ではなく県議会の判断を求めて、再稼働を強行しました。この間、県民ネットワークは、「なくぞテ原発・柏崎大集会]実行委員会による提案に応えて11月25日に新潟県庁・県議会を包囲する「人間の鎖」行動を提起。全国からの参加も加えて1200人による包囲行動を成功させました。そもそも地震大国に原発はいりません。アメリカとイスラエルによるイラン侵略やロシアによるウクライナ侵略で明らかなように戦争やテロの標的となる原発は不要です。これまでの重大な原発事故で明らかなように、人の手による原発の制御はできません。人類は原発と共存できません。直ちに、安全・安心・安価な太陽光や風力など再生可能エネルギーヘの大転換をはかるべきです。
再稼動により柏崎刈羽原発の危険性は増しており、しかも使用済み核燃料の搬出は不透明な状況です。県知事選の後の情勢も厳しく、試練の時期を迎えていますが、我々は絶対めげない、負けません。「なくそテ原発2026柏崎大集会」の閉会にあたり、改めて東京電力・柏崎刈羽原発の再稼働をストップさせ、廃炉実現に向けて一層大きく、運動を進めていくことを、ここに宣言いたします。
2026年9月20日
「なくそテ 原発2026柏崎大集会」参加者一同
○講演及び報告レジメ(添付PDFを参照ください)
講演 大島堅一さん
登壇者 写真(下記URLをクリックしてください)
https://drive.google.com/file/d/162mZ12JWuSqk34MTh10IxH8-hcZW2lGt/view?usp=sharing
レジメ 白黒版3葉(下記URLをクリックしてください)
https://drive.google.com/file/d/16XAnLMG8MNsx48vwIOIxzW0fK9roNTti/view?usp=sharing
報告 山中 均さん
登壇者 写真(大島さんと共通 下記URLをクリックしてください)
https://drive.google.com/file/d/162mZ12JWuSqk34MTh10IxH8-hcZW2lGt/view?usp=sharing
レジメ カラー版2葉(下記URLをクリックしてください)
レジメは70%大の縮小版になっているので、画面左上の指示に従って+マークをクリックするとその都度倍率が上がります(ーマークはその逆)150%にすると原寸になります。
https://drive.google.com/file/d/1QYOEUp2PiUzbpvSc_STbNTUuohWX_WpM/view?usp=sharing
原発をなくす湯沢の会
私たちは『原発ゼロの日本』をめざし、柏崎刈羽原発の廃炉に向 けた運動に取り組んでいます。
2026年9月21日月曜日
21- 「なくそテ 原発2026柏崎大集会」に 湯沢地区 仕立てのバスで15人参加
2026年9月17日木曜日
浜岡再稼働 申請取り下げ 中部電不正も原発固執 会長・社長退任へ
しんぶん赤旗の掲題の記事を紹介します。
浜岡原発で基準地震動の策定時にデータをねつ造した問題で中部電は14日、特別調査委員会の報告書を受けて、浜岡原発3、4号機の再稼働申請を取り下げると発表しました。林欣吾社長は同日の会見で「決して諦めることなく、再申請に向けた取り組みを進める」と原発に固執する姿勢を示しました。
調査報告書は、審査の遅れについて経営層が担当部署を「叱責していたことが圧力として作用し、不適切行為が行われた要因となった」という見解を示しました。また不適切行為について、結果として 安全性に問題ない ▽規制委の指摘に納得できない ▽早期の再稼働を実現しなければならない―などの「独自の正当化理論」という「極めて特異な考え方」が社内にあったと指摘しました。
地震動データの記載内容に関しては当時社長だった勝野哲会長らが報告・相談を受けていたことも明らかになりました。
同社は、勝野氏(元電気事業連合会会長)、林社長らは今月末で退任し、新社長には安井稔氏(現・専務執行役員)が就任します。
浜岡原発の基準地震動の評価に関する不正は遅くとも2012年に始まり、コンピューターを使った数値計算で地震動を計算させる際、都合の良いデータを意図的に選定するなどの手法で不正を続けてきました。
調査委員会の報告書によると、断層モデルに基づく地震動評価では全225ケース中、208ケースで何らかの不適切な方法がとられていました(17ケースは残っている資料が不十分なため判断ができませんでした)。
日本科学者会議原子力問題研究委員会・山本雅彦委員長は、「中部電力が策定した基準地震動のデータは、非常に低く見積もられていると専門家から指摘されてきました。浜岡原発3,4号機再稼働の申請を(一旦)取り下げると言っていますが、ほとぼりが冷めれば再び低い基準のまま再申請してくる懸念があります。原子力規制委員会について、今回の不正問題を受けて水平展開する姿勢がまったくみられないことも問題」と語りました。
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浜岡再稼働 申請取り下げ 中部電不正も原発固執 会長・社長退任へ
しんぶん赤旗 2026年9月15日
中部電力が浜岡原発(静岡県)で想定する地震の揺れ(基準地震動)に関するデータをねつ造した問題で、中部電は14日、外部弁護士らによる特別調査委員会の報告書を受けて、浜岡原発3、4号機の再稼働のための原子力規制委員会への申請を取り下げると発表しました。一方、林欣吾社長は同日の会見で「決して諦めることなく、再申請に向けた取り組みを進める」と原発に固執する姿勢を示しました。
中部電が同日公開した報告書は、審査の遅れについて経営層が担当部署を「叱責していたことが圧力として作用し、不適切行為が行われた要因となった」という見解を示しました。また不適切行為について、結果として 安全性に問題ない ▽規制委の指摘に納得できない ▽早期の再稼働を実現しなければならない―などの「独自の正当化理論」という「極めて特異な考え方」が社内にあったと指摘しました。
地震動データの記載内容に関して、当時社長だった勝野哲会長らが報告・相談を受けていたことも明らかになりました。対応によっては「隠ぺいであると批判され、規制委の信頼を損ねるリスク」や「浜岡の成立性に関わる指摘を受ける可能性」が外部弁護士などから言われていたコンプライアンス上の「重要な局面」で、結果的に「適切とは言い難い対応を取るに至った」と指摘されました。
同社は、再発防止策の方向性と役員の人事を発表。勝野氏(元電気事業連合会会長)、林社長らは今月末で退任。新社長には安井稔氏(現・専務執行役員)が就任します。当面、会長は空席となります。勝野氏は、中部経済連合会会長を辞任する意向も明らかにしました。
浜岡原発の基準地震動の評価に関する不正は、遅くとも2012年に始まりました。コンピューターを使った数値計算で地震動を計算させる際、都合の良いデータを意図的に選定するなどの手法で不正を続けてきました。原子力規制庁が通報を受けて同社と面談を開始した昨年5月以降にデータを操作したことも明らかになっています。
浜岡原発再稼働申請取り下げ 中部電、原発扱う資格なし
中部電力は、浜岡原発3、4号機の再稼働に必要な原子力規制委員会への申請を自ら取り下げると発表をしました。審査データのねつ造は、原子力の最低限の安全性を確認するための審査の信頼性を根底から揺るがす行為であり、審査が成り立たない事態を招いた以上、当然の決定です。
調査委員会の報告書によると、断層モデルに基づく地震動評価では全225ケース、208ケースで何らかの不適切な方法がとられていました。17ケースは残っている資料が不十分なため判断ができませんでした。
倫理観まひ
不正の実態をみると、地震動評価の担当が、検討すべき断層等の条件が厳しくなるたびに、自分たちに都合が悪い結果にならないよういろいろな小細工を施していることが分かります。不正を繰り返す中で、倫理観がまひしていったのではないでしょうか。
また、社内の専門家が問題を指摘する声や社内相談窓口への通報が複数ありながら、生かされなかったことも分かっています。一度は、審査資料の記載に問題があるという内部通報が当時の勝野哲社長(現・会長)に伝わりました。しかし、外部弁護士の意見を無視し、不正を続けていた原子力土建部の意見を採用するという不十分な対応となり、自浄作用は全く働きませんでした。
中部電では、今回の審査データのねつ造以外にも、浜岡原発の工事費用の未精算や廃炉工事費の不正請求、さらには電気代の過大請求など不祥事が続発。最近明らかになった事例に限ってもあきれるほどの事態です。
報告書は、中部電の一部グループや集団では「独自の合理性」や「独自の正義感」を特徴とする「独自の正当化理論」の存在が、今回の問題の根底にある原因だと指摘。さらに、同社内での「独自の正当化理論」などの特異な考えの広がりに言及し、中部電で「不祥事案件が今後も断続的に起き得るという懸念は払拭できない」とまで断じました。
反省口だけ
中部電のこれらの振る舞いは、危険な原発を運転する事業者としての適格性を全く欠いています。しかし、林欣吾社長は会見で「反省」を口にしながら、再申請に関して「諦めることなく」進めると繰り返しました。反省よりも再稼働のために申請を取り下げたとしか思えない態度です。
浜岡原発は南海トラフ地震の震源域直上に立地し、建設当初からその立地の妥当性を疑問視する声が専門家からも上がっていました。それらを無視して5号機まで建設をしてきた結果が、今回の不正の発生を招いたのではないでしょうか。中部電は、浜岡原発の再申請を断念し、早急に廃炉を決定すべきです。 (松沼環)
市民の不安は根強い
浜岡原発のある御前崎市に隣接する菊川市の日本共産党の奥野寿夫市議は、「申請取り下げの決定は当然です。しかし、中部電が再申請を考えていることは、不正行為を重ねて
おきながら、とんでもない」と断じます。
同市議会の2月議会には、浜岡原発の再稼働に反対する市民団体が再稼働の申請取り下げを求める請願を提出。奥野市議と無所属議員が賛成したものの、反対多数で否決されました。
奥野市議は「市民の中に不安の声は根強くあります。南海トラフ地震が想定される地域に立地する浜岡原発で、安全基準に適合するとは思えない。議会の一般質問でも、中部電は原発事業から撤退すべきだと訴えてきました。これからも市民の運動とともに浜岡原発の廃炉を求めてたたかっていきたい」と語ります。
安全面に立ち評価を
日本科学者会議原子力問題研究委員会・山本雅彦委員長の話
中部電力浜岡原発の基準地震動のデータ不正問題が起きた要因について「幹部が審査を急がせた焦り」という話になっていますが、もともと中部電力が策定した基準地震動のデータは、非常に低く見積もられていると、専門家から指摘されてきました。勝野会長と林社長が辞任し、浜岡原発3,4号機再稼働の申請を取り下げると言っていますが、ほとぼりが冷めれば再び低い基準のまま再申請してくる懸念があります。今回の不正がどうして起きたのか、その徹底的な追及とともに、熊本地震のような複数断層の連動などを想定し、より安全面に立った評価をした上で基準地震動を策定するべきです。
原子力規制委員会について、今回の不正問題を受けて水平展開する姿勢がまったくみられないことも問題です。他の電力会社も同様な不正を行っていないか、規制委が明白にさせるという立場にたってしっかり調査しなければ原発の安全は守れません。
撤退が責任の取り方
原発問題住民運動全国連絡センター・伊東達也代表委員の話
福島で40年間、地震と津波で原発が大事故を起こす危険性を東京電力に訴え続け、実際に大事故を経験しました。巨大な地震と津波が押し寄せる地域で原発を動かそうという人たちが、基準地震動をごまかす不正を行っていたことに怒りがわきます。福島では事故から40年後の廃炉のめども立ちません。
調査委員会の報告書では、中部電力の中に、早期の再稼働を実現するために規制委員会の指摘を逃れる「『特異な考え方』が存在していた」といいます。中部電では、それが「特異」ではなく「普通の考え方」だったのではないか。事故はめったに起きないからと、規制をうまく逃れて許可を得る腐敗がまん延していたのだと思います。
事故を起こした東電に代わり、電気事業連合会の会長なども中部電の社長が務めていたため、おごりがあったのかもしれません。
中部電が浜岡原発の再稼働申請を取り下げるのは当然です。安全をないがしろにする中部電は、原発から撤退することが責任の取り方です。
中部電力の不適切操作、次第に拡大 地震データ、恣意的選択 調査委報告書
浜岡原発の地震想定データ不正問題に関する調査報告書によると、同社は基準地震動策定に使う地震波を算出する際、ランダムで作成された20組(セット)の地震波の中から平均値に最も近いものを「代表波」とする手法を採用したと規制委にも説明していましが、審査の途中で地震想定の考慮に入れるべき断層の追加を求められると、従来の手法では1200ガルを超えるデータが生じたため、18年以降は代表波を恣意的に選定する手法が採られました。
19年には、地震想定の担当部署が、建屋や機器などの耐震設計を担当する部署に試算結果を示し、意見を聞き耐震上の問題があることが示されると算定をやり直し、別の代表波候補を選んだり、データを事後的に作成して代表波として提出するなどの不正をおこないました。
要するに1200ガル以下に収まるようにデータを捏造したということです。
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中部電力の不適切操作、次第に拡大 地震データ、恣意的選択 調査委報告書
時事通信 2026/9/15
中部電力浜岡原発の地震想定データ不正問題で、外部弁護士らで構成される調査委員会の報告書では、想定する地震の揺れ(基準地震動)策定に用いるデータの不適切な操作が拡大していく経緯が明らかにされた。
【ひと目でわかる】中部電力浜岡原発データ不正の構図↓
https://www.jiji.com/jc/article?k=2026091400117&g=eco&p=20260914ax12S&rel=pv&utm_source=news.yahoo.co.jp&utm_medium=referral&utm_campaign=link_back_edit_vb
同社は2014~15年、浜岡3、4号機の審査を原子力規制委員会に申請した際、基準地震動を最大1200ガルとしていた。
報告書によると、同社は基準地震動策定に使う地震波を算出する際、ランダムで作成された20組(セット)の地震波の中から平均値に最も近いものを「代表波」とする手法を採用し、規制委にも説明していた。しかし、1セットだけだと極端な値となる恐れがあるため、14年の審査申請以前から多数のセットを作成し、その中から極端ではない代表波となるセットを選んでいた。
ところが、審査の中で地震想定の考慮に入れるべき断層の追加を求められると、対応に苦慮。従来の手法では想定を超える「望ましくない」代表波が生じたため、18年以降、代表波を恣意(しい)的に選定する手法が採られた。報告書は動機について「地震動が想定をはるかに超えることが予想され、場合によっては工事が必要となり、再稼働目標に支障が出ることを避けたかった」と指摘した。
19年には、地震想定の担当部署が、建屋や機器などの耐震設計を担当する部署に試算結果を示し、意見を聞いていた。耐震上の問題があることが示されると算定をやり直し、別の代表波候補を選ぶこともあった。
不適切なデータ操作は、社内外への対応でも行われた。規制委の審査会合では、代表波を説明通りの方法で選定したとするデータを事後的に作成して提出。21年の内部通報に対しても、追加データを作るなどした。
昨年5月、外部通報を受けて規制委側が調査を始めた後も、不正は継続。適切な手法を用いたかのように装うデータを作成するなどしていた
中部電力データの改ざん問題、報告書を原子力規制委員会に提出 赤沢経産大臣「国民の信頼を大きく損なうもの」
FNNプライム(フジテレビ系) 2026/9/14
静岡県・浜岡原発の再稼働の審査に関するデータの改ざん問題をめぐり、中部電力は調査委員会の報告書を原子力規制委員会に提出しました。
中部電力は、浜岡原発3号機・4号機の再稼働の審査で、想定される地震の揺れのデータを改ざんしていた問題について、外部専門家による調査委員会の報告書を規制委員会に提出しました。
中部電力 豊田哲也本部長:
まず我々自身が変わらなければならない。そして、その変化を組織文化として根付かせなければならないと思っています。
これを受け、赤沢経済産業大臣は、中部電力のこれまでの対応を厳しく批判しました。
赤沢大臣:
原因として自分たちの判断を正当化する独自の正当化理論が組織内に広がっており、また、業務の専門性に起因する統制機能の不全があったことなどが指摘されていると承知しております。本事案は、国民の信頼を大きく損なうものであり、遺憾の極みでございます。
中部電力は今回、報告徴収命令で求められている5項目のうち「調査結果」のみを報告し、原因の深掘りや是正計画については今後改めて報告するとしています。
原発の地震動指針、年度内作成へ 業界団体、中部電力の不正受け
電力会社や原子炉メーカーなどでつくる原子力エネルギー協議会は14日、原子力規制委員会との意見交換会合で、原発の耐震設計の基準値である「基準地震動」を策定する際のガイドラインを年度内にも作成する方針を示しました。
中部電など複数の原発事業者が採用している計算手法には、意図的にデータを操作できる余地があるので、基準地震動の計算過程を明確にし透明化を図るとしています。
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原発の地震動指針、年度内作成へ 業界団体、中部電力の不正受け
共同通信 2026/9/14
電力会社や原子炉メーカーなどでつくる原子力エネルギー協議会は14日、原子力規制委員会との意見交換会合で、事業者が原発の耐震設計の目安となる「基準地震動」を策定する際のガイドラインを年度内にも作成する方針を示した。中部電力浜岡原発(静岡県)の耐震データ不正を受けた対応で、地震動の計算過程を明確にし、透明化を図るとしている。
規制委によると、中部電など複数の原発事業者が採用する地震動評価の計算手法には、意図的にデータを操作できる余地がある。この日の意見交換で、協議会はガイドライン作成に際し、事業者がどのような記録を残すべきかや、計算する際の注意点などを明記すると説明した。
~ 稼働担えぬ独善の病巣(京都新聞)/~再稼働目指すのは早計だ(神戸新聞)
中部電力 浜岡原発の耐震データ不正に関して 京都新聞と神戸新聞が掲題の社説を出しました。
京都新聞は経営トップの辞任や再稼働審査の取り下げは当然であり、組織と事業の根本的な見直しがないままの幕引きは許されないとして、浜岡原発は南海トラフ巨大地震の想定震源域内にあり、被災するリスクが大きいので、何よりも重要な耐震性能を不正に取り繕う事業者には任せられない(要旨)と手厳しく批判しました。
神戸新聞も、経営陣の姿勢が不正につながったと認定された以上引責辞任は当然として、問題の「基準地震動」のデータの捏造はあまりにも悪質で、そこには倫理意識の欠如と、「再稼働を正義とする」おごりが見られるとして、法令順守を軽視する体質を批判しました。
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社説:中電の原発不正 稼働担えぬ独善の病巣
京都新聞 2026/9/16
最優先すべき安全をないがしろにし、原発事業者で不正が横行していた。経営トップの辞任や再稼働審査の取り下げは当然であり、組織と事業の根本的な見直しがないままの幕引きは許されない。
中部電力は、浜岡原発(静岡県)の耐震データ不正について、社外の弁護士による調査委員会の報告書を公表した。
不正は遅くとも2012年度から始まり、耐震設計で目安とする最大の揺れ「基準地震動」を決める過程で、虚偽説明や隠蔽(いんぺい)などで評価数値208件の不適切行為を確認したとされた。
背景に早期再稼働へのプレッシャーが現場にあったと指摘した。
重大な要因と認定したのが、経営層の働きかけである。審査の実態を理解しないまま、スケジュールの遅れについて現場を叱責(しっせき)するなどして不正を誘発した可能性に言及した。
「不正の指示」までは認められなかったが、内部通報が19、21年に2度あり、経営層まで届いていながら十分に対処せず、不正をはびこらせた責任は重大だ。会長や社長のすげ替えでは済むまい。
報告書からは、再稼働を急ぐ企業の論理優先と、安全倫理の欠如が浮かぶ。
現場部門も専門性の高さからブラックボックス化し、「安全性に影響はなく『自分たちは正しいことをしている』」と独善的な正当化の論理があったと指摘された。病巣の根深さを示していよう。
ほかにも不祥事が相次いで露見している。原発の安全対策工事の精算手続きを怠っただけでなく、廃炉する1、2号機の費用請求書類の改ざん、電気料金の過大徴収もあり、コンプライアンス軽視の姿勢は目を覆うばかりである。
中部電は将来の再稼働を目指す方針を変えていないという。
浜岡原発は南海トラフ巨大地震の想定震源域内にあり、被災するリスクが大きい。不正で取り繕って市民の安全を顧みない事業者に任せられようか。
11年の停止から1兆円以上の安全対策投資を続けながら再稼働を見通せない状況では、全基廃炉の選択肢こそ現実味を帯びよう。
原子力規制委員会は、不正の全容解明とともに、他電力でも同様の問題はなかったか、自己申告ではない再検証が不可欠だ。
虚偽申請への罰則といった事業者任せの対応にとどめず、独自の計算や開かれた評価検討など、審査方法そのものの抜本的な改革も必須である。
<社説>中部電引責辞任/再稼働目指すのは早計だ
神戸新聞NEXT2026/9/16
中部電力が再稼働を目指してきた浜岡原発3、4号機(静岡県御前崎市)の審査を巡る耐震データ不正問題で、同社は外部の弁護士による調査委員会の報告書を公表した。調査委は不正の要因について、再稼働のスケジュール遅れに関する経営陣からの叱責(しっせき)が現場への圧力となった点などを挙げた。これを受け、林欣吾社長と勝野哲会長、水野明久相談役が辞任を表明した。再稼働審査の申請も取り下げるとした。
経営陣の姿勢が不正につながったと認定された以上、引責辞任は当然だ。中部電は安全を最優先とする組織風土を醸成できるよう、抜本的な改革に取り組まねばならない。
不正があったのは、原発の耐震設計に関わる「基準地震動」のデータだった。想定地震の最も大きな揺れを示す重要な値で、再稼働を審査する原子力規制委員会に示した。
報告書は225通りの地震動評価のうち、少なくとも208通りで不正が確認されたとした。20の地震波から最も平均に近い波を「代表波」にすると規制委に説明していたにもかかわらず、実際は恣意(しい)的に代表波を選び、つじつま合わせで残りの19波を後付けしていた。あまりにも悪質な虚偽説明と隠蔽(いんぺい)工作である。
不正の背景として、早期の再稼働へ圧力がかかる中、「社内に独自の正当化理論があった」と報告書は分析した。「自分たちは正しいことをしている」と考え、確信や信念を持って不適切な行為をした担当者もいたという。倫理意識の欠如と、再稼働を正義とするおごりを感じる。
問題を指摘する2度の内部通報が適切に処理されなかった事実も、法令順守を軽視する体質を物語る。原発には何よりも安全性の確保が求められる。経営陣から現場までの意識が変わらない限り、原子力事業者の資格はないと言わざるを得ない。
驚いたのは、林社長が「再申請を目指す」と述べたことだ。浜岡原発ではデータ不正だけでなく、安全対策工事の精算手続きや1、2号機の廃炉費用請求で不祥事が相次ぐ。再稼働に言及するのは早計だ。
再申請にこだわるのは、3~5号機が動けば1年間で約2500億円の収支改善効果が見込まれるためだろう。だが、再稼働ありきの姿勢では問題の再発防止は望めまい。中部電は再稼働の断念も視野に入れ、経営戦略を見直すべきではないか。
政府は2040年度の電源構成に占める原発の割合を2割程度と見込む。既存33基の大半を動かすのが前提だが、現状は15基にとどまる。浜岡原発の再稼働が難しければ、目標はさらに遠のく。政府は再生可能エネルギーなど、原発以外の脱炭素電源の拡大に注力する必要がある。