2022年3月31日木曜日

柏崎刈羽原発 テロ対策の設備費に200億円

 東京電力は、柏崎刈羽原発でテロ対策の不備が相次いで発覚した問題で30日、原発敷地内の出入りを監視するシステムの更新や侵入検知器の改良などテロ対策の設備を整備するため、今後3年間で約200億円をかけると明らかにしました

 またテロ対策の担当者約60人から約90人に増やし、一部の役員に原子炉等規制法に基づく社内の資格を取らせることにしました。
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柏崎刈羽原発 テロ対策の設備費に200億円 今後3年で 東電
                         毎日新聞 2022年3月30日
 東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)でテロ対策の不備が相次いで発覚した問題で、東電は30日、改革の進捗(しんちょく)状況を発表した。原発敷地内の出入りを監視するシステムの更新や侵入検知器の改良などテロ対策の設備を整備するため、今後3年間で約200億円をかける
 テロ対策の担当者は、約60人から約90人に増やし、警察や自衛隊出身の専門家8人を登用する。東電出身で、原子力損害賠償・廃炉等支援機構上席執行役員の福田俊彦氏を新たに原子力・立地本部長に任用し、原子力部門全体の指揮に当たらせる。同本部長を兼任していた稲垣武之・柏崎刈羽原発所長は、現場の改革に注力する。
 さらに、関係する役員がテロ対策の状況を把握するため、一部の役員に原子炉等規制法に基づく社内の資格を取らせることにした。資格の取得により、一部の担当者しか取り扱えなかったテロ対策に関する秘密情報を共有できるようになり、小早川智明社長は2021年11月に取得した。
 一方、東電はこの問題を受けて失った地元の信頼の回復と、柏崎刈羽原発と東京本社の連携を強化させるため、本社機能の原子力部門の一部を原発が建つ新潟県柏崎市へ順次移転させる方針も明らかにした。

 設備の状態の確認や工程の管理などの担当者ら約70人を今年4月以降に移転させ、最終的には300人規模を配置する。原発事故が起きた時の後方支援や国との連絡に当たる部署なども移す。詳細な時期などは9月末までに決める。小早川社長はこの日の記者会見で「(テロ対策については)資金や人材を惜しみなく投入する」と述べた。
 柏崎刈羽原発を巡っては、21年に入ってから敷地内への侵入者を検知する機器の不備や、発電所員による同僚のIDカードを使った中央制御室への不正入室などの問題が相次いで明らかになった。原子力規制委員会は21年4月、7号機の再稼働へ向けた手続きを凍結し、現在、東電が示した再発防止策の実効性などを検査している。【吉田卓矢】

福島第一原発1号機 内部調査でロボットに不具合

 福島第一原発1号機原子炉格納容器の内部調査調の再開に向けて29日、水中ロボットを投入したところ、ロボットに汚染水が入り、カメラが曇る不具合が発生しました。このため別のロボットを新たに投入して調査を継続しますが、調査の再開時期は未定です。

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別ロボットを投入…【福島第一原発1号機】の内部調査でロボットに不具合<東京電力>
                            福島テレビ 2022/3/30
福島第一原発1号機では、3月14日から原子炉格納容器の内部調査が行われていたが、地震によって水位の低下などがみられたため作業を中断していた。
東京電力によると、調査の再開に向けて29日、格納容器内に水中ロボットを投入したところ、ロボットに汚染水が入り、カメラが曇る不具合が発生した。このため別のロボットを新たに投入して調査を継続することになった。
格納容器内の水位は地震前の状態に戻っているが、調査の再開時期は決まっていない。

もんじゅの核燃料 34年度から仏へ搬出

 廃炉作業中の高速増殖原型炉もんじゅの使用済み核燃料、2034年度からフランスに搬出する方針で、搬出の完了時期は37年度見込みです。

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核燃料、34年度から仏へ搬出 もんじゅ廃炉作業 文科省
                             時事通信 2022/3/30
 文部科学省の真先正人研究開発局長は30日、福井県の桜本宏副知事らとオンラインで会談し、廃炉作業中の高速増殖原型炉もんじゅ(同県敦賀市)の使用済み核燃料について、日本原子力研究開発機構が2034年度からフランスに搬出する方針を明らかにした。
 搬出の完了時期は37年度を見込んでいる
 今後、仏原子力大手オラノが提示する費用の見積もりなどを踏まえ、最終決定する。
 桜本副知事は「さらに一歩、取り組みが進んだものと受け止める」と評価した上で、「期限までに搬出できるように、関係機関との協議を加速してほしい」と話した。

31- 玄海原発3、4号機テロ施設、設置期限に間に合わずともに停止へ

 九州電力は30日玄海原発3、4号機(佐賀県玄海町)で建設中のテロ対策施設について、設置期限は3号機が8月24日、4号機が9月13日だったが、完成時期はそれぞれ5カ月後にずれ込む見通しと発表しました。昨年11月に発生した火災により、工事が約3カ月にわたって中断し、計画に遅れが出ました

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玄海原発テロ施設、設置期限に間に合わず 3、4号機ともに停止へ
                           西日本新聞 2022/3/30
 九州電力は30日、玄海原発3、4号機(佐賀県玄海町)で建設中のテロ対策施設「特定重大事故等対処施設」について、原子力規制委員会が定めた今夏の設置期限までに完成できないと発表した。昨年11月に発生した火災により、工事が約3カ月にわたって中断し、計画に遅れが出ていた。
 設置期限は3号機が8月24日、4号機が9月13日だったが、完成時期はそれぞれ5カ月後にずれ込む見通し
 定期検査のため停止中の3号機は、停止期間を延長して工事を進める。稼働中の4号機は、4月30日から7月10日まで定期検査で停止した後、夏場の電力需要に対応するためいったん再稼働し、設置期限前日の9月12日から再び停止する。
 供給力を補うため、計画停止を予定していた石炭火力の苅田新1号機(福岡県苅田町)を稼働して対応する。 (吉田修平、布谷真基)

2022年3月30日水曜日

東電の原発部門、本社機能の一部を柏崎に移転

 東電は、東京にある「原子力・立地本部」のうち、原発の財務や人的管理、リスク対策や人材育成を担当する部門4月以降、段階的に数百人を柏崎市に移転する方針を固めまし

 東電が原発においてこれまで数々の不祥事を起こした原因として、現場の声などを反映できない組織上の問題があったとされたことに対する改善措置の一環です。
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東電の原発部門、本社機能の一部を柏崎に移転…テロ対策への重大な不備受けた措置
                       読売新聞オンライン 2022/3/29
 東京電力は、東京にある原子力部門を統括する本社機能の一部を柏崎刈羽原子力発電所の地元・新潟県柏崎市に移転する方針を固めた。同原発でテロ対策に重大な不備が相次いだ問題を受けた措置で、4月以降、段階的に移転を進め、最終的に計数百人を異動させる。地元での課題対応能力を高めるとともに、地元自治体の信頼を回復し、同原発7号機の早期再稼働につなげたい考え。
 東電関係者によると、新たな拠点は原発構内と利便性の高いJR柏崎駅前の2か所に設置する。移転するのは東電の「原子力・立地本部」のうち、原発の財務や人的管理、リスク対策や人材育成を担当する部門。核燃料サイクルや福島第二原発の担当は東京に残す。福島第一原発の廃炉は同本部と別の組織が担っており、移転対象に含まれていない。
 移転計画では、まず4月に約50人、10月頃に約100人が新たな拠点に着任する。残りの異動は2023年度以降になる見通し。

 柏崎刈羽原発では20年9月、社員が他人のIDカードを使って中央制御室に不正に入る問題が発生し、侵入者を検知する設備に長年不備があったことも発覚した。これを受けて東電は、21年9月、調査結果と再発防止策をまとめた報告書を発表。設備の早期修理を求める現場の声などを反映できない組織上の問題があったとし、本社機能の一部を移転する方針を示していた。
 同原発7号機は20年、安全対策の大枠について原子力規制委員会の審査を通過し、再稼働に必要な手続きの山場を越えた。しかしテロ対策の不備を受け、規制委は昨年4月、東電に事実上の運転禁止命令を出した。テロ対策の追加検査が終わるのは今秋以降となる。
 原子力事業者が、事故や不祥事を機に原子力部門の本社機能を原発の所在地に移すのは他電力で例があり、東電は新潟県など地元自治体の信頼回復を目指す。

除染会社など約3800万円脱税の疑い 仙台国税局が福島地検に刑事告発

  南相馬市の除染会社とその元代表取締役が所得税や消費税約3800万円を脱税した疑いで刑事告発されました。他に、15年から約4年間にわたり、従業員の給与から所得税を源泉徴収していながら、所得税約1800万円を脱税した疑いがもたれています

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除染会社など約3800万円脱税の疑い 仙台国税局が福島地検に刑事告発
                         福島中央テレビ 2022/3/29
所得税や消費税約3800万円を脱税した疑いで、南相馬市の除染会社とその元代表取締役が刑事告発された。
所得税法違反や消費税等違反の疑いで仙台国税局から刑事告発されたのは、南相馬市の除染会社「東武建設」と、長谷川博一元代表取締役(56)。
仙台国税局によると、東武建設と長谷川元代表は、2015年から約4年間にわたり、従業員の給与から所得税を源泉徴収していながら、所得税約1800万円を脱税した疑いがもたれている。
また、役員などの給料からは所得税を源泉徴収していなかったという。
さらに、2017年から2年間、消費税約2000万円を確定申告せず脱税した疑いももたれている。
仙台国税局によると、告発された会社は2019年以降、休業状態にあったが、その後の査察で脱税の疑いが強まり、28日、福島地検に対して、刑事告発に至ったという。

「他の国から原発攻撃」に59%が「不安」

 ウクライナに侵攻したロシアが原発を攻撃したと報じられていることに関連して全国世論調査を行った結果、「いま停止している原子力発電所の運転再開」の賛否は、「賛成」38%、「反対」46%で「今後、日本の原子力発電所が他の国から攻撃される不安を感じますか。感じませんか」には、「感じる」59%「感じない」35%でした。

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原発攻撃に世論は? 「他の国から攻撃」半数以上が「不安」 世代によって分かれた「災害への不安」
                            Withnews 2022/3/30
何かの間違いなんじゃないか――。思わず耳を疑いました。ウクライナに侵攻したロシアが、原子力発電所を攻撃したという一報を聞いたときです。折しもメディアで東京電力・福島第一原発の事故をはじめ、11年前の東日本大震災のことが集中的に報じられる時期。原発をめぐる世論は足元でどうなっているのか気になり、全国世論調査(3月19、20日実施)で聞いてみました。(朝日新聞記者・磯田和昭)
【写真】まさか原発が…ロシア軍に攻撃されたザポリージャ原発 現地から届いた写真に写っていたもの

運転再開、反対は半数以下
原発について今回の調査では、まず「いま停止している原子力発電所の運転再開」の賛否を聞きました。結果は、「賛成」38%、「反対」46%で、2月調査(19、20日実施)の「賛成」38%、「反対」47%とほとんど変わっていません。
もちろん、この質問をするにあたって、ロシアによる原発攻撃には調査のなかで全く触れていません。回答が直接的に影響されるのを避けたいからです。
原発への攻撃については、「今後、日本の原子力発電所が他の国から攻撃される不安を感じますか。感じませんか」と質問しました。
「感じる」は59%と半数を上回り、「感じない」という人は35%でした。
攻撃に対する不安感は、もしかしたら運転再開をめぐる意識に影響しているかもしれないと考え、見てみました。
すると、原発攻撃の不安を感じるという人では、運転再開に「反対」が51%と、全体より、やや強い結果でした。
ロシアによる原発攻撃のあと、国会では、日本の原発の備えはどうなっているのか、質問が相次ぎました。
政府側は、テロへの備えは強化しようとしているが、武力攻撃はそもそも想定していないと答えていました。ウクライナ侵攻の進展次第では、この問題をめぐる意識はまだまだ変わる余地がありそうです。
    ◇
【原発攻撃の不安感で見た原発運転再開の賛否】
Q:いま停止している原子力発電所の運転を再開することに賛成ですか。反対ですか。
               賛成   反対
全体=            38%  46%
原発攻撃の不安を感じる人=  35%  51%
感じない人=         48%  40%
*「その他・答えない」は省略。コンピューターで無作為に電話番号を作成し、固定電話と携帯電話に調査員が電話をかけるRDD方式で、3月19、20の両日に全国の有権者を対象に調査した。固定は有権者がいると判明した1123世帯から553人(回答率49%)、携帯は有権者につながった2212件のうち911人(同41%)、計1464人の有効回答を得た。

災害による事故不安には世代差
今回調査の直前の3月16日深夜には、福島県沖を震源とし、宮城、福島両県で最大震度6強となる地震が起きました。
これもあり、「日本で今後、大地震や津波などの自然災害によって原子力発電所に事故が起きる不安をどの程度感じますか」と、4択で聞いてみました。
不安を感じる割合は「大いに」(39%)と「ある程度」(49%)をあわせ、9割近くに達しました。特徴的なのは年代による違いで、「大いに不安を感じる」という割合は、上の世代ほど多くなっています。
不安感が全体的に高い結果となったのは、大きな地震が福島第一原発近くで発生した直後という調査環境が影響している可能性はあります。
それでも、原発運転をめぐる意識を左右しかねない要素として、「自然災害」が改めて浮かび上がりました。「大いに」「ある程度」あわせて不安を感じるという人では、運転再開に「反対」が51%と、全体より強くなっています。
     ◇
【自然災害で原発事故が起きる不安】
Q:日本で今後、大地震や津波などの自然災害によって原子力発電所に事故が起きる不安をどの程度感じますか。
       大いに感じる ある程度感じる あまり感じない まったく感じない
全体=      39%    49%       9%     1%
18歳~29歳= 24%    62%      13%     0%
30代=     23%    58%      13%     4%
40代=     36%    53%      10%     1%
50代=     45%    47%       7%     0%
60代=     49%    43%       8%     0%
70歳以上=   49%    41%       7%     2%
*その他・答えないは省略。

光熱費値上がりの影響は?
世界有数の石油、天然ガス産出国であるロシアが厳しい経済制裁を受けるなか、あおりを受ける光熱費やガソリン代の値上がりも、当面落ち着きそうにありません。
そこで、2月に続いて「食料品や光熱費、ガソリン代などの値段が上がったことで、生活への負担を感じますか。それほどでもありませんか」と聞いてみました。
すると、「負担を感じる」は67%、「それほどでもない」が32%でした。2月はそれぞれ68%と31%だったので、ほとんど変わっていません。
ですが、こうした値上がり負担感が原発をめぐる意識に関係しているかもしれないと考え、見てみました。なぜなら、原発を推進する側は、発電コストの安さを強調するからです。
すると、値上がりによる「負担を感じる」という人では、原発運転再開に「賛成」が36%、「反対」49%でした。統計的には、「反対」が全体で見た場合の46%よりやや強いといえるのですが、値上がりが運転賛否に大きく関係しているとは言いがたい結果です。
     ◇
【光熱費などの負担感で見た原発運転再開の賛否】
Q:いま停止している原子力発電所の運転を再開することに賛成ですか。反対ですか。
                    賛成   反対
全体=                 38%  46%
光熱費などの値上がりで負担を感じる人= 36%  49%
「それほどでもない」人=        43%  41%
*その他・答えないは省略。
     ◇
今回調査の直後には、地震で多くの火力発電所が止まるなか、寒波のぶりかえしもあって、国が初めて「電力需給逼迫(ひっぱく)警報」を出しました。
すかさず、原発の活用を促す声が、経済界の一部や与野党の国会議員から上がりました。世論がそれに呼応するように変わるのかどうか――。まだしばらく注視する必要がありそうです。

30- トリチウム水 「宮城県も風評被害対策を提案」村井知事が国に歩み寄りも

 福島原発のトリチウム処理水に関する会議で、宮城が「海への放出」以外の検討を求めたのに対して、国は29日の会議で水蒸気放出や地層注入など5つの処分方法を検討したが、海洋放出がより確実に処分できる評価だったと回答しました

 村井知事は引き続き放出には反対としながらも、既に始まっている風評被害を最小限に食い止めるため、県が先頭に立って対策を提案していきたいと国と東京電力に歩み寄る姿勢を見せました。
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原発処理水「宮城県も風評被害対策を提案」村井知事が国と東京電力に歩み寄りも
                         khb東日本放送 2022/3/29
 福島第一原発の処理水の海洋放出について、村井宮城県知事は「放出に反対する姿勢は変わらないが、今後は県からも風評被害対策を提案していきたい」と述べ、国と東京電力に歩み寄る姿勢を示しました。
 これは29日に開かれた、官民連携会議の中で村井知事が述べたものです。
 会議ではまず、国と東京電力が風評被害について新たな対策を示しました。
 具体的には、政府が生産量回復に向けた経費を漁業者に助成することや、需要が減少した場合の支援策として、冷凍向きの水産物の一時的な買取りや保管、販路開拓などが示されました。
 水産関係者からは、対策を評価する声が上がった一方で「水産加工県としてのイメージを守ってほしい」「海外に向けた対策も考えてほしい」といった声が上がりました。
 県漁協寺沢春彦組合長震災11年を過ぎた中で、更なる処理水といった問題を抱えると風評被害に我々不安でしょうがないんです。風評が起きない環境を今すぐにでも始めてほしい
 また、村井知事は引き続き放出には反対としながらも、既に始まっている風評被害を最小限に食い止めるため、県が先頭に立って対策を提案していきたいと国と東京電力に歩み寄る姿勢を見せました。
 村井知事「このまま立ち止まって反対だと言い続けていても、工事に向けた準備は進みそれによって風評が発生する可能性が十分ある。現時点で取り得る最善の策を今後は考えていくべきだろうと」


国が検討「海洋放出が確実」 福島第一原発の処理水 風評対策は県が主導へ〈宮城〉
                            仙台放送 2022/3/29
福島第一原発の処理水に関する会議が開かれ、「海への放出」以外の検討を求める県に対して、国は「海洋放出がより確実」と回答しました。
この会議は、福島第一原発の事故で生じた放射性物質を含む処理水の海への放出について、県や国などが意見を交わすものです。前回の会議で、県は漁業などに大きな影響が出るとし、国に対して海洋放出以外の検討を求めていました。
要望を受けて、国は3月29日の会議で、水蒸気放出や地層注入など5つの処分方法を検討したが、海洋放出がより確実に処分できる評価だったと回答。処理水に含まれるトリチウムの除去についても「現段階で実用化できる技術はない」と説明しました。
村井知事は反対の立場を改めて主張した一方、議論を進めるために必要な風評被害対策を県が主導してまとめる考えを示しました。
宮城県 村井 知事賛成ではないということははっきり主張した上で、これ以上風評被害が広がらないよう、被害が最小限になるように、我々としては国・東京電力に対して、いろんな提案をしていきたい
3月29日は、国が風評被害対策も説明しましたが、参加した漁業関係者からは「本気度が見えない」など、厳しい声が多くあがりました

2022年3月29日火曜日

新潟県技術委 東電の管理体制”の甘さ問う/非常用発電機潤滑油漏れ

 25に開かれた柏崎刈羽原発の安全性を議論する県の技術委員会で、6・7号機の消火設備の配管工事で不備や虚偽申告があったことに対し、委員から東京電力の管理体制の甘さを問う声が上がり東電は今後、抜き打ち検査などの実施で再発防止に努めるとしています。

 また同原発6号機の非常用ディーゼル発電機の運転試験を17日に実施した際、潤滑油が漏れ出したトラブルを受け、柏崎刈羽原子力規制事務所は22日、1日も持たなかったということなので安全上の問題がないか注視していく」と話しました。
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〈柏崎刈羽原発〉新潟県技術委 “東電の管理体制”の甘さ問う 協力企業などの不備受け
                        NST新潟総合テレビ 2022/3/25
25日、新潟市中央区で開かれた、柏崎刈羽原発の安全性を議論する県の技術委員会。
協力企業が実施した6・7号機の消火設備の配管工事で不備や虚偽申告があったことに対し、委員から東京電力の管理体制の甘さを問う声が上がりました。
技術委員会 豊島剛志 委員「東電の監督の部分、何らかのミスがあるというふうに認めて対策されたほうがいいと思う」
東京電力は今後、抜き打ち検査などの実施で再発防止に努めるとしています。


柏崎刈羽原発で発電機の潤滑油漏れ 規制事務所「安全上の問題ないか注視」【新潟】
                        NST新潟総合テレビ 2022/3/23
柏崎刈羽原発6号機の非常用ディーゼル発電機の運転試験を実施した際、潤滑油が漏れ出したトラブルを受け、柏崎刈羽原子力規制事務所は22日、「安全上の問題がないか注視していく」と話しました。
東京電力は17日に柏崎刈羽原発6号機の非常用ディーゼル発電機の24時間連続運転試験を行っていたところ、発電機から潤滑油が漏れていたことを18日に発表。
この発電機は原発で電源が喪失した際に原子炉を安全に停止させるためのもので、緊急時には7日間連続の稼働が求められています。
今回は潤滑油が漏れたため、試験の開始から約8時間で中止。
東京電力によりますと、漏れた潤滑油の量は1リットル未満ということです。
柏崎刈羽原子力規制事務所 渡邉健一 所長「(非常用ディーゼル発電機が)1日も持たなかったということなので我々としてもかなり注視している
東京電力は漏れた原因を調査しています。

6年の取り組み結実 川内村産ワイン完成

 一時、全村避難を余儀なくされた川内村で6年前にワインづくりをはじめました。地道にコツコツとブドウの苗を植え、今では約1万2000本にのぼり、今月16日、ついに川内村産のワインが完成しました。

 完成発表会には、関係者が集まり、村の新たな特産品の誕生を祝いました。今シーズンは1200本を出荷する予定で、今後、種類や販売数を増やし、県内、そして全国に「川内村産のワイン」を広げたいとしています
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6年の取り組み結実…川内村産ワイン完成 一時、全村避難を余儀なくされた川内村で始まったのがワインづくりだった・福島
                         福島中央テレビ 2022/3/28
福島第一原発の事故で一時、全村避難を余儀なくされた川内村で、6年前に始まったのがワインづくり
原発事故からの復興を目指し、地道にコツコツとブドウの苗を植え、今では約1万2000本にのぼると言う。
天候不順で醸造用のブドウが収穫できなかった年もあったが、今月16日、ついに川内村産のワインが完成した
完成発表会には、関係者が集まり、村の新たな特産品の誕生を祝った。
川内村産のワインは、標高約750メートルの涼しい環境で育ったブドウを使用し、程よい酸味と、すっきりとした優しい味わいで、訪れた人たちが美味しそうに飲んでいた。

川内村の遠藤雄幸村長は「質の高い、好まれるワインを川内村からつくることで注目度も高まる。へこたれないで継続していくといいこともあるよ、どういう状況になっても希望は捨てちゃいけないよね、ということを皆さんに理解してもらえればいい」と話していた。
今シーズンは1200本を出荷する予定で、今後、種類や販売数を増やし、県内、そして全国に「川内村産のワイン」を広げたいとしている。

福島県外の除染土、仮置き場の解消遠く

 福島県内の除染土等の中間貯蔵施設内の廃棄物は最終的に県外で処分するという建前が決まっています。福島県外の岩手、宮城など7県でも計約47万立方メートル分の廃棄物が存在していますが、その処分先などについては何も決まっておらず、仮置き場や民家敷地内での保管が続いています。
 環境省は除染土の処分方法として埋め立てや公共工事などへの再利用を想定し、周囲の環境に影響がないか検証するため実証事業を進めています。宮城県丸森町では21年からその実証事業を始めましたが、あくまでも町外での処分を求めています
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福島県外の除染土、仮置き場の解消遠く 宮城・丸森では諦めの声
                            毎日新聞 2022/3/28
 2011年の東京電力福島第1原発の事故後、福島県外でも大量の除染土や廃棄物が発生した。しかし県境で対応は線引きされ、宮城県丸森町では、事故から11年が過ぎても処分方法は定まらないままだ。今も仮置き場から動かすことができず、保管する地元からは「このまま最終処分地になるかもしれない」と諦めの声も漏れる
  【写真】東日本大震災11年 被災地は今
 福島県境に位置する丸森町。町役場から約1キロ離れた6000平方メートルの土地には、除染で出た土や草木が埋められている。町は田畑を掘削して周囲に土手を造り、約1万3000袋の除染廃棄物に遮水シートをかぶせて保管している。
 丸森町内にはこうした仮置き場が25カ所あり、町は地権者と3年間の土地の賃借契約を結ぶ。当初は3年で土地を返す約束だったのに、今月、3回目の延長を迎えた。近くに住む高齢男性は「(除染土を)どうするかって話は聞こえてこない。持って行くとこねえ。諦めてんだ」と漏らす。

 原発事故後、福島以外の岩手、宮城など7県でも計約47万立方メートル分の廃棄物などが出た。福島県内の除染土は帰還困難区域を除いて21年度中に中間貯蔵施設への搬入がおおむね完了する見通しだが、福島県外では仮置き場や民家敷地内での保管が続く。放射性物質汚染対処特措法の基本方針で、処分は発生した県内で行うとされているが、丸森町は「福島同様に東電や国の責任で処分をしてほしい」と訴えてきた。
 丸森町がそう訴えるのは福島県内の自治体並みの被害が出たからだ。原発事故直後の空間放射線量は、国の除染基準値となる毎時0・23マイクロシーベルトを超える数値が町内で測定された。町南部の筆甫(ひっぽ)地区は、全域避難となった福島県飯舘村の目と鼻の先。町が発表したデータによれば、11年5月12日時点で最大毎時1・33マイクロシーベルトだった。研究者らが測定した結果ではこれより高い数値も出ている。

 事故で福島県外にも放射性物質がまき散らされたのに、その後の対応は県境によって大きく分かれた
 当初、東電が精神的損害への賠償として丸森町民に支払った額は大人1人につき4万円、妊婦と18歳以下の子供には28万円だった。これは福島県内の自主的避難等対象区域の住民に対する賠償額よりも低く、筆甫地区住民約700人は裁判外紛争解決手続き(ADR)を経て、差額分の増額が認められた。
 除染方法も、福島県内のように表土のはぎ取りや高圧洗浄は行われず、丸森町では枯れ葉を除去して雨どいや側溝にたまった土を取り除き、タオルで拭き取っただけだった。除染後も線量が基準値を上回る地域については、町が要望した上で再除染された。
 保科郷雄町長は毎日新聞の取材に「福島と同じ被災地として見てもらえない」と国の対応を批判し、除染土については「法改正をしてでも町外で処分をしてほしい」と強調している。
 環境省は、福島県外で出た除染土の処分方法として埋め立てや公共工事などへの再利用を想定し、周囲の環境に影響がないか検証するため実証事業を進めている。除染土を袋から取り出して遮水シートを敷いた土中に埋め、土中から集めた浸透水の放射性セシウム濃度や空間放射線量を調べ、作業員の被ばく線量などを測定する内容で、これまでに茨城、栃木県内の2町村で行われた。
 実証事業は丸森町の上滝地区でも21年に始まった。山中にある仮置き場には土中から掘り起こされた除染土や枝葉が詰まった袋が山積みにされており、袋の中身を分別した後に埋め直して測定する。ただし結果が出るまでに1年以上かかる見込みだ。町総務課は「実証事業で土を保管しても安全だと証明し、受け入れてもらえるようにしたい」とし、あくまでも町外での処分を求める
 役場から約1キロの仮置き場は、19年の台風19号でそばにある川が氾濫し、遮水シートが土砂や流木に覆われた。町内では大規模な土砂崩れも発生しており、上滝地区行政区長の宍戸政秀さん(71)は「土砂崩れで除染土が流れて河川に入ったらどうなるのか」と懸念する。

 他の市町村で除染土を受け入れてくれるところが現れるだろうか。そもそも丸森町内の仮置き場が25カ所に分散したのは、他の集落の除染土を受け入れることに住民が反発したからだ。宍戸さんは「国と町が一体となって、何とか話を進めてほしい」と訴える。【高田奈実】