2021年11月30日火曜日

中部電力 浜岡原発の防波壁を超える高さの津波想定まとめる

 中部電力が浜岡原発で想定する最大の津波の高さについて、すでに完成した高さ22m防波壁を超える22・5m想定したことがわかりました。原子力規制委員会次回の審査会合で提示します。従来の津波の最大高さは20・3mでした。

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中部電力 浜岡原発の防波壁を超える高さの津波想定まとめる
                 NHK 静岡NEWS WEB 2021年11月29日
静岡県にある浜岡原子力発電所について、中部電力が、巨大地震による津波の高さが最大で22.5メートルに達する可能性があるとの想定をまとめたことがわかりました。
これは、「防波壁」の高さを超える想定となっています。
静岡県の浜岡原発では、再稼働を目指して原子力規制委員会による審査が進んでいて、中部電力はこれまで、マグニチュード8や9の地震が発生した場合に想定される最大の津波の高さを20.3メートルとしてきました。
しかし、中部電力によりますと、このほど、新たに、巨大地震による津波の高さが最大で22.5メートルに達する可能性があるとの想定をまとめ、次回の原子力規制委員会の審査会合に提出することを決めたということです。
中部電力では、マグニチュード9クラスの地震での津波の発生事例が少ないため、不確かな部分が多く、より厳しい条件で検討した結果だと説明しています。
浜岡原発の前面には、津波対策として高さ22メートルの防波壁が建設されましたが、新たな想定では最大の津波の高さが壁の高さを上回ることになります。
これについて中部電力は「現時点では追加の対策などを検討する段階ではない。まずは真摯に審査に対応し、基準津波の高さをきちんと策定することに全力を尽くしたい」とコメントしています。

仮置き場からの搬出は21年度内完了へ 現場保管分・ため池低質分は残留

 福島原発事故に伴い福島県内各地に設けられた「仮置き場」は、本年度末に23カ所を除き、除染土壌の中間貯蔵施設への運び出しが完了する見通しです。

 但し環境省や県などによると、帰還困難区域の外で土壌を管理している136カ所の仮置き場からの運び出しは終了しますが、県内のため池の底などから取り除いた、放射性物質を含む土壌については除染を規定した特措法の枠組みとは別枠で取り除かれた経緯があるので、「概ね搬入完了」の目標を帳簿上達成できても、現実にはこれらの土壌仮置き場に残されたままとなります実際に仮置き場の原状回復、地権者への返還を果たすには、これらの土壌の処分方法の確定が課題となります。
 また、市町村除染の場合には「現場保管」の問題があり、仮置き場に運び込む前に住宅や公園に一時的な措置として除染土壌などを取り置いた現場保管は現在でも4324カ所残されていますこれについても政府と県には、現場保管を解消する道筋についても明らかにすることが求められます。
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仮置き場搬出、21年度内完了へ 帰還困難区域内23カ所除き
                        福島民友 2021年11月29日
 東京電力福島第1原発事故に伴い県内各地に設けられた「仮置き場」を巡り、本年度末に23カ所を除き、保管してある除染土壌の中間貯蔵施設(大熊町、双葉町)への運び出しが完了する見通しになったことが28日までに、環境省への取材で分かった。23カ所は全て帰還困難区域に指定されている地域にあり、本県の環境回復は原発事故から10年半余りを経て一つの区切りを迎える。
 政府は、県内の仮置き場について「2021年度末までに、県内に仮置きされている除去土壌等(帰還困難区域のものを除く)の概(おおむ)ね搬入完了を目指す」ことを目標としてきた。しかし、これまでは帰還困難区域の内外を分けて公表しておらず、福島民友新聞社の取材に初めて明らかにした。
 環境省や県などによると、天候の悪化などで輸送計画に大幅な変更が生じない限り、帰還困難区域の外で土壌を管理している136カ所の仮置き場からの運び出しは終了する。ただ、帰還困難区域外にある政府の直轄除染の仮置き場の一部には、県内のため池の底などから取り除いた、放射性物質を含む土壌なども保管されている。
 ため池の土壌は、除染を規定した特措法の枠組みとは別枠で取り除かれた経緯がある。このため、環境省は、これらの土壌が年度末に仮置き場に残されていても「概ね搬入完了」の目標は達成するとしている。仮置き場の原状回復、地権者への返還を果たすには、これらの土壌の処分方法の確定が課題となってくる。
 また、市町村除染の場合には「現場保管」の問題がある。現場保管とは、仮置き場に運び込む前に住宅や公園に一時的な措置として除染土壌などを取り置いた対応だったが、現在でも4324カ所残されている
 これらの土壌は、政府が掲げる年度末の「概ね搬入完了」の範囲に含まれている。しかし、県によると約800カ所では地権者が分からなくなったり、埋めた後にコンクリートで舗装したりしたため本年度末までに仮置き場に持ち込むことが難しい状況という。
 県除染対策課は「解消に向けて政府とともに努力しているが、個別の事情もあり(現場保管から掘り出した)土壌を仮置き場に持って行くのか、それとも中間貯蔵施設に持ち込むかは決まっていない」とする。年度末が迫る中、政府と県には、現場保管を解消する道筋についても明らかにすることが求められる

仮置き場 除染で出た土壌などを大型の土のう(フレコンバッグ)に詰め、中間貯蔵施設に運び出すまで保管する場所。政府が行った直轄除染と、市町村による市町村除染でそれぞれ仮置き場が設けられた。県内では最大1373カ所に設けられた。

住民投票へキックオフ集会 島根原発2号機再稼働

住民投票へキックオフ集会 原発再稼働で市民団体
                       日本海新聞 2021年11月29日
 中国電力島根原発2号機(松江市鹿島町)再稼働の賛否を問う住民投票を実現させるための条例制定を目指す同市の市民団体「どうする島根原発?みんなで決める松江の会」が28日、市内でキックオフ集会を開き、署名集めの手順などを確認した。

             (以下は有料記事のため非公開) 

30- 原発「3つの検証」住民説明会 住民から不満の声(詳報)

 原発の安全性をめぐって県が独自に進める3つの検証について住民説明会が27柏崎市で開かれました。住民からは検証委員と直接話せなかったことから「各委員会の責任のある方が来てもらい、私たちがこういう検証をしてくれ、もっと深めてくれということを直接言いたい」、「この説明会は私はとても不十分で納得いきません」などと不満が相次ぎました
 検証委員会は十分に時間を掛けて住民の立場から検証しているので、住民から不満が出たのは県の説明が不十分であるか、検証委員会の意図と異なった報告になっているかのどちらかです。今後の説明会でも「委員の出席は考えていない」としているのは、委員が出ると何か都合が悪いのでしょうか。県は説明会の持ち方を再検討すべきです。
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        (11月29日)原発事故巡り検証結果 県民説明会 新潟

 お知らせ 午前中外出のため残りは午後になります。
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原発「3つの検証」初の住民説明会 会の進め方めぐり住民から不満の声も
                         TeNYテレビ新潟 2021/11/29
原発の安全性をめぐって県が独自に進める3つの検証について、初めてとなる住民説明会が11月27日に柏崎市で開かれました。説明会は今後、ほかの地域でも予定されていますが、会の進め方をめぐり、住民からは不満も出ています。
3つの検証は柏崎刈羽原発の再稼働議論の前提となり県が住民説明会を開くのは初めてです。柏崎市の会場には約60人が集まりました。
県の担当者は専門家によってこれまでまとめられた「福島第一原発の事故原因」と、「住民の避難生活への影響」の報告書について説明を行いました。

【県民生活課 木村浩樹課長】「(避難者は)依然として生活再建や地域再建の見通しが立てられず、不安を感じている人が少なくない」
県は報告書にもとづき、避難者に無職や非正規職員が増加したこと、平均世帯収入が毎月10万円程度、減少したことなどを説明。
一方で、住民からは委員と直接話せなかったことから不満が相次ぎました。

【参加した住民】各委員会の責任のある方が来ていてだいて、私たちがこういう検証をしてくれ、もっと深めてくれということを直接言いたい
「はたして私たちの意見交換が今後の検証委員会で生かされるのか。この説明会は私はとても不十分で納得いきません
県は今後の説明会でも「委員の出席は今のところ考えていない」としています。
このほか核セキュリティーの不備など東京電力の安全に対する姿勢を問う声が上がり、県の担当者は引き続き技術委員会で議論していくと述べました。

【原子力安全対策課 原直人課長】「(報告書の内容を)わかりやすく説明したいのが趣旨」「どんなかたちで説明したら一番良いのかということは今後考えていきたい」
説明会は11月28日に刈羽村でも行われ、県内ほかの地域での開催も予定されています。


原発”検証委員会”説明に疑問の声相次ぐ【新潟】
                       UX新潟テレビ21 2021/11/29
参加者から疑問の声
県は27日、原発の安全性を考える3つの検証委員会について初めて県民向けに説明会を開きました。県が独自に設置した検証委員会は「福島原発事故の原因」や「健康と生活への影響」「安全な避難方法」の3つについて議論していて、結果は花角知事が柏崎刈羽原発の再稼働を判断する際の材料になります。すでに「事故の原因」と「生活への影響」は報告書が提出されたため県民向けの説明会が柏崎市で開かれました。県の担当者が柏崎刈羽原発に必要な地震対策や津波対策などを説明しましたが参加者からは疑問の声が相次ぎ「私たちの意見交換が今後の検証委員会で活かされるのか非常に不安」「東電が不祥事を起こしたときにアリバイ作りのために行う説明会が多いが、あたかも新潟県も東電と同じようになってしまったのかといまの県政に対する疑念を大きくした」といった声があがりました。県は今後、説明会を上・中・下越などでも開くとしています。

2021年11月29日月曜日

原発事故巡り検証結果 県民説明会 新潟

 新潟県は27日、福島第1原発事故の検証結果に関する初めての県民説明会を柏崎市で開きました。検証は柏崎刈羽原発の再稼働の議論を始める前提として県が独自に進めてきたもので約60人が参加しました。参加者からは「分断が広がる状況が分かった」「なぜわれわれが避難生活を考えなければいけないのか。原発はやめるべきだ」といった声が上がりました
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原発事故巡り県民説明会 新潟、再稼働反対意見も
                           共同通信 2021/11/27
 新潟県は27日、東京電力福島第1原発事故の検証結果に関する初めての県民説明会を柏崎市で開いた。検証は東電柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働の議論を始める前提として県が独自に進めてきた。約60人が参加し、再稼働反対の意見も出た。
 説明会では福島事故後、新潟県内に避難した世帯が人間関係を喪失し、収入も減少したとの検証結果が報告された。参加者からは「分断が広がる状況が分かった」「なぜわれわれが避難生活を考えなければいけないのか。原発はやめるべきだ」といった声が上がった。
 県は有識者委員会を設置し「事故原因」「避難生活の影響」などを検証しており、一部は継続中。

汚染水放出 撤回こそ 市民会議が国と意見交換

 福島県内外の住民でつくる「これ以上海を汚すな! 市民会議」は27日、資源エネルギー庁の福田光紀・事故収束対応室長との意見交換会を福島県いわき市で行い織田千代共同代表は「汚染水の海洋放出でこれ以上事故の傷を広げないでほしい。踏みとどまって考え直す努力をしてほしい」と撤回を強く求めました。

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福島原発 汚染水放出 撤回こそ 市民会議が国と意見交換
                      しんぶん赤旗 2021年11月28日
 東京電力福島第1原発事故で発生した放射性物質を含む汚染水を海洋放出する政府の計画をめぐり、福島県内外の住民でつくる「これ以上海を汚すな! 市民会議」は27日、資源エネルギー庁の福田光紀・事故収束対応室長との意見交換会を福島県いわき市で行いました
 織田千代共同代表は「汚染水の海洋放出でこれ以上事故の傷を広げないでほしい。踏みとどまって考え直す努力をしてほしい」と撤回を強く求めました。
 福田室長は、汚染水・保管タンクが増え続ければ廃棄物の置き場を圧迫するとして、海洋放出が必要だと繰り返し述べました。
 市民会議メンバーは、政府が2年後をめどに海洋放出すると一方的に決めたが、メディアの世論調査などを見ても海洋放出決定に対し反対の声が多数で、説明も不十分で理解を得られていないと指摘。「海に流したら取り返しがつかない。まず放出させない最大限の努力を、時間をかけて行うべきだ」「保管を継続し、(放射性物質)トリチウムの減衰や、トリチウム分離技術の実用化などを待つという手段もあるのではないか」と提起しました。
 織田共同代表は「決定撤回こそもっとも『風評被害』を抑えることになる」と重ねて撤回を求めました。

富岡町で11年ぶりに芸能祭復活

 福島県富岡町の文化団体が日頃の練習や創作の成果を発表する町芸能祭・作品展28日、町文化交流センター「学びの森」で開かれました。福島第一原発事故後初の開催で、避難先などから訪れた町民が、11年ぶりに復活した秋の恒例行事を楽しみました

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富岡町で11年ぶりに芸能祭復活 町民が秋の恒例行事楽しむ
                            福島民報 2021/11/29
 福島県富岡町の文化団体が日頃の練習や創作の成果を発表する町芸能祭・作品展は28日、町文化交流センター「学びの森」で開かれた。東日本大震災と東京電力福島第一原発事故後初の開催で、避難先などから訪れた町民が、11年ぶりに復活した秋の恒例行事を楽しんだ。
 町文化団体連絡協議会の主催、町、町教委の共催、福島民報社などの後援。原発事故に伴う避難など、厳しい環境の中で活動を続けている文化団体の再生に向けた一歩にしようと再開を決めた。
 町内外から約300人が来場した。開会式では町文化団体連絡協議会の高野泰会長があいさつした。山本育男町長と高橋実町議会議長が祝辞を述べた。
 芸能祭には避難先などで活動している12団体が出演した。よさこい踊りや太鼓演奏、朗読劇などが披露され、来場者は思いの込もった発表に大きな拍手を送っていた。
 会場には、町民が描いた絵画や書道、刻字など約150点も並んだ。来場者が力作の数々に見入っていた。

29- 処理水放出、政府が海の観光支援

処理水放出、政府が海の観光支援 魅力PRで風評被害払拭

                            共同通信 2021/11/28
 東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出で懸念される海のレジャーへの風評被害払拭のため、政府は福島県内の海水浴場の施設改修や観光PRなどの支援に乗り出す海の魅力を楽しむ滞在型の旅行「ブルーツーリズム」を同県で推進し、観光客を呼び込む狙い
 観光庁によると、老朽化した「海の家」のシャワーや更衣室の改修、海の魅力を国内外に伝えるプロモーション、浜辺でのヨガといった体験メニューづくりなどを想定。海水浴場に下りるスロープの整備などバリアフリー化も推進し、ビーチの国際環境認証「ブルーフラッグ認証」取得を後押しする。

2021年11月28日日曜日

福島第一原発 の凍土壁 地下水の湧きあがりで一部とけたか(NHK)

 これまで福島第一原発の凍土遮水壁の一部葉が融け出した原因について、福島民友は「地下水流入が原因か」と記述( (11月26日)凍土遮水壁の温度上昇が16℃に )し、「内部には地下水が湧いていた」と述べています。元々地下水の流入を阻止するのが狙いなのでそれで「融けた」では済まされません。

 改めてNHKの記事を読むと「湧き上がってきた地下水によって温度が上がり凍土壁の一部がとけた」と記述しているので、凍土壁の近傍の底部から沸き上がった水が原因と推測されますが、本来それも考慮して計画してなければおかしいわけです。取り敢えずNHKの記事を紹介します。
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福島第一原発 汚染水対策の「凍土壁」一部とけたか
                    NHK NEWS WEB 2021年11月26日
福島第一原子力発電所の建屋の周囲の地盤を凍らせて、地下水の流入を抑える「凍土壁」の一部がとけているおそれのあることが分かり、東京電力は、近くに湧き上がってきた地下水が原因の可能性があるとして、凍土壁への流入を止めるための鋼鉄製の管や板を設置したうえで、今後の対策を検討することになりました。
「凍土壁」は、汚染水を減らす対策の1つで、福島第一原発の建屋の周囲にパイプを埋め込み、氷点下30度の液体を流し込むことで、“氷の壁”を張り巡らせ、地下水が建屋に流れ込むのを抑える仕組みです。
東京電力は「凍土壁」に温度計を設置し地中の温度を測定していますが、4号機の山側に位置する一部のエリアで9月中旬以降、0度を上回る状態になり、11月18日には13.4度にまで上昇しました。
東京電力によりますと、壁の近くを掘ったところ、本来は凍っているはずの場所に水面が見つかったということで、湧き上がってきた地下水によって温度が上がり「凍土壁」の一部がとけたおそれがあるとみています。
東京電力は、早ければ12月初めにも、凍土壁への地下水の流入を止めるための鋼鉄製の管と板を設置する工事に着手したうえで、今後の対策を検討するということです。
東京電力は「原発の建屋に近い凍土壁の内側の水位に変化は見られず、全体として凍土壁の機能は保たれている」としています。

東北電力“原発再稼働へ”戸別訪問 2年ぶり

 東北電力は女川原発2号機の再稼働に向け、安全対策の状況を説明する戸別訪問を、26日から始めました。戸別訪問は2年ぶり、女川町の全世帯などおよそ3800戸を対象に1215日まで行なわれます。
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東北電力“原発再稼働へ”戸別訪問 2年ぶり 安全対策の状況を説明〈宮城〉
                            仙台放送 2021/11/26
東北電力は女川原子力発電所2号機の再稼働に向け、安全対策の状況を説明する戸別訪問を、11月26日から始めました。
戸別訪問は、女川町の全世帯などおよそ3800戸を対象に実施され、26日は所員2人が女川町役場近くの住宅を訪問しました。訪問では2号機の再稼働に向けたプロセスや、安全対策の状況などを説明しました。新型コロナの影響で対面での戸別訪問は2年ぶりとなります。

住民 「この間、硫化水素漏れで搬送されたこともあった。最優先は安全、お願いしたい」
女川原子力発電所地域総合事務所 黒坂伸也 課長 「皆さまの意見を十分聞きながら、安全に原子力発電所の運営に努めていく」
戸別訪問は12月15日まで行われる予定です。


女川原発の再稼働目指し東北電力が戸別訪問
                         TBC東北放送 2021/11/26
 来年度以降の女川原子力発電所の再稼働を目指している東北電力は、安全対策工事の進み具合などを説明する戸別訪問を、26日から女川町などで始めました。
 このうち、女川町役場近くの住宅地では、東北電力の担当者2人が戸別訪問し、来年度以降の女川2号機の再稼働に向けた安全対策などを説明しました。女川原発を巡っては、2021年7月に猛毒の硫化水素を吸い込んだ作業員7人が、体調不良を訴える事故が起きています。原発再稼働に向けた戸別訪問が、住民と対面する形で実施されたのは2年ぶりです。今後、女川町や石巻市の牡鹿地区などの約3800世帯を対象に、12月15日まで行なわれます。

福島原発 処理水放出海底トンネル建設へ調査開始

 福島原発で増え続けるトリチウム汚染水を放出するための海底トンネルの建設に向けて、東電は27日にも海底の地質などを調べる調査を始めます。このトンネルを経て原発の1キロほど沖合から放出する計画で、まだ処分方式については漁業関係者などとの合意をしていない筈ですが、2年後の春までの完成を予定しています。

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福島第一原発 処理水放出海底トンネル建設へ あすにも調査開始
                    NHK NEWS WEB 2021年11月26日
福島第一原子力発電所で増え続けるトリチウムなどを含む処理水を放出するための、海底トンネルの建設に向けて、東京電力は27日にも海底の地質などを調べる調査を始めると発表しました。
福島第一原発で増え続けるトリチウムなどの放射性物質を含む処理水について、国は、基準を下回る濃度に薄めたうえで、2年後をめどに海に流す方針で、東京電力は新たに作る海底トンネルを通して、原発の1キロほど沖合から放出する計画を示しています。
海底トンネルは安定した岩盤をくりぬいて作る必要があり、東京電力は27日にも海底の地質などを調べる調査を始めると発表しました。
まず磁気探査を行って、海底に障害になるようなものがないか調べたうえで、来月1日以降、地質を調べるためのボーリング調査を3地点で行うということです。
あわせて、放出前にトリチウムの濃度を測定するため、いったん処理水をためておく施設の建設に向けた工事も始めるとしています。
調査について、東京電力は当初、ことし9月に始めることを目指していましたが、地元自治体への説明などに時間がかかっていました。
東京電力は今後、処理水の放出に向けた計画を原子力規制委員会に申請し、審査を受けることにしていて、海底トンネルの設置完了は、放出を開始する予定の2年後の春ごろまでを目指すとしています。
東京電力の高橋邦明リスクコミュニケーターは「放出に向けては、スケジュールありきでなく、関係者の皆様から意見を聞き、丁寧に説明していきたい」と話していました。

28- 放射性廃棄物処理「納得ずくで進めて」 環境副大臣ら

放射性廃棄物処理「納得ずくで進めて」 環境副大臣ら宮城県庁訪問

                        河北新報 2021年11月26日
 岸田文雄内閣で新任された務台俊介環境副大臣と穂坂泰環境政務官が25日、宮城県庁を訪れ、村井嘉浩知事と意見交換した。東京電力福島第1原発事故で生じた放射性廃棄物の処理について、務台氏は「大事なのは皆さんの納得ずくで進めることだ」と強調した。
 県内では国の基準(1キログラム当たり8000ベクレル)以下の農林業系廃棄物の焼却や農地すき込みによる処理が進むが、自治体によって進捗(しんちょく)に濃淡がある。基準を超える指定廃の処分場候補地に関する議論は宙に浮いたままで、今年5月の県市町村長会議でも「時期尚早」と見送られた。
 村井知事は冒頭「いまだ大きな課題で、国の力なくして解決しない。支援を賜りたい」と要請。務台氏は「国が責任を持ち、県や市町村と相談しながら財政的・技術的支援を続ける」と語った。
 知事は丸森町に保管された除染廃棄物の処理に関する国の早急な意思決定も求め、務台氏は「しっかり受け止める」と応じた。
 現地保管が長引く指定廃について、務台氏は終了後「早く処理したい気持ちもあるが、地元の声を考えずには進められない」と繰り返した。

2021年11月27日土曜日

6号機くい損傷「確認に時間要した」と 柏崎刈羽原発

 柏崎刈羽原発の稲垣武之所長は25日の記者会見で、6号機の一部建屋くいの鉄筋破断などを把握したのは8月でしたが、損傷の事実11月4日まで公表しなかったことについて、「詳細な事実確認に時間を要した」と釈明しました。東電は、損傷したくいの補修を予定している来年2月をめどに損傷原因をまとめる方針ですどんな方法で補修するのでしょうか。

 損傷原因の報告が更に数か月先になるのは、他所に波及することを怖れてのこととしか考えられず、11月まで伏せていた理由も苦しい言い訳にしか聞こえません。
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6号機くい損傷「確認 時間要した」 柏崎刈羽原発所長 公表遅れで釈明
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 東京電力柏崎刈羽原発の稲垣武之所長は25日の定例記者会見で、同原発6号機の一部建屋で見つかったくいの損傷の事実公表までに数カ月かかったことについて、「詳細な事実確認に時間を要した」と釈明した。自身を含め東電幹部がくいの鉄筋破断などを8月に把握していたことを明かし、「今後は情報を正確かつ迅速に出せるよう改善する」と述べた。
 東電によると、6号機の原子炉建屋に隣接する大物搬入建屋で7月上旬、8本あるくいのうち1本でコンクリートが剝がれるなどの異常を確認。その後8月に、くい内部の鉄筋が破断したり曲がったりしているのを原子力規制庁の現地事務所とともに確認していたにもかかわらず、こうした損傷状況について11月4日まで公表していなかった。
 会見で稲垣所長は、自身が把握した時期について「記憶が曖昧だが、8月には私も認識していた」と説明。当時は所長就任前で、東電本社所属の原子力部門改革チーム責任者だったとし、「どういう公表をするかという議論には参加していない」と述べた。10月の衆院選など政治日程への配慮については「一切なかった」とした。
 東電は、損傷したくいの補修を予定する来年2月をめどに損傷原因をまとめる方針。

柏崎刈羽原発7号機 総点検の様子を公開

 東京電力は25と26日、柏崎刈羽原発の6、7号機コントロール建屋の地下で行われている総点検を公開しました。現在、7号機における配管などが貫通する部分、約2万か所を点検しています。点検は同じ箇所でそれぞれ3回行うとしていて、来年2月ごろの完了を目指しています。

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柏崎刈羽原発7号機 総点検の様子を公開 来年2月ごろ完了目指す
                       TeNYテレビ新潟 2021/11/25
崎刈羽原発7号機で未完了の安全対策工事が相次いで見つかった問題で東京電力は11月25日、総点検の様子を公開しました。原発の稲垣武之所長は来年2月ごろをめどに点検を終わらせたいとしています。
11月25日、東京電力が柏崎刈羽原発の6、7号機コントロール建屋の地下で行われている総点検を公開しました。

〈担当者〉「これ見てもらうと、奥側から菅が入っていまして、ケーブルが出てきているのがわかると思います。ここに耐火材を入れて耐火の処理をするということになります」
東京電力はことし1月、柏崎刈羽原発7号機の安全対策工事が完了したと発表しましたが、その後、未完了の工事が相次いで発覚・・総点検が行われています。現在、7号機における配管などが貫通する部分、約2万か所を点検しています。

(リポート)「こちらが総点検によって確認された場所です。赤丸が火災防護の処理を表しています」
火災の延焼を防ぐ処理がされている箇所は赤い丸。浸水トラブルを防ぐ処理は青い丸で示されています。点検は同じ箇所でそれぞれ3回行うといいます。

〈柏崎刈羽原発/稲垣武之所長〉「核物質防護事案、安全対策工事の一部未完了につきましても地域の皆さまをはじめ広く社会の皆さまに大変なご不安をおかけしておりますこと、またご不信をいだかせておりますこと改めて深くおわび申し上げます」
稲垣武之所長はこのように述べ、総点検について来年2月ごろをめどに終わらせたいとしています。
また、会見では7号機の火災感知器105個が不適切な場所に設置されていた問題について、消防などの専門機関の意見を取り入れるなどして再発を防ぎたいとしています。


柏崎刈羽原発7号機 “総点検”の現場公開 安全対策工事の一部未完了受け
                      NST新潟総合テレビ 2021/11/26
新潟県の柏崎刈羽原発7号機では、今年1月に完了したと発表していた安全対策工事の一部が終わっていなかったことが判明し、その後も相次いで機器の不適切な設置が見つかっています。
これらの問題を受け、東京電力は現在、総点検を実施していて、26日、貫通部の点検の現場を報道陣に公開しました。
貫通部とは配管やケーブルの周りと壁の隙間の部分で、その隙間は耐火材などで塞ぎ、延焼や浸水を防ぐ措置を求められていますが、対応が取られていない所が82か所ありました。
東京電力は現在、防護が必要な場所は耐火材などで塞いでいて、不要な所と区別しやすいように、約2万か所の貫通部にマーキングを行っています。

【柏崎刈羽原発 稲垣武之 所長】「この点検・ステップを通じ、現場情報の収集・整理を図り、建物設備情報のシステム化による一元管理というものを実現することで、今後の適切な設備維持・管理再発防止につなげる」
回の総点検について、東京電力は来年2月ごろの完了を目指しています。

27- 柏崎刈羽原発で安全決起大会 稲垣所長「不安を与えない状況を」

 柏崎刈羽原発で24日、安全な作業を誓い合う安全決起大会が開かれ社員や協力企業の作業員など155人が参加しました。稲垣所長は「地域に不安を与えない状況をつくり出すことが重要だ」と述べました。

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核セキュリティーを巡る問題が相次いだ柏崎刈羽原発で安全決起大会
稲垣所長「不安を与えない状況を」
                        TeNYテレビ新潟 2021/11/24
柏崎刈羽原発で11月24日、安全な作業を誓い合う安全決起大会が開かれました。核セキュリティーの不備など深刻な問題が相次いだ柏崎刈羽原発。稲垣所長は「地域に不安を与えない状況をつくり出すことが重要だ」と述べました。
安全決起大会には東京電力の社員や協力企業の作業員など155人が参加しました。
柏崎刈羽原発では今年度、作業中のケガや熱中症など6件の事故が発生していて、注意点などを再確認しました。
柏崎刈羽原発を巡ってはことし、核セキュリティーの不備や社員によるIDカードの不正使用など深刻な問題が相次いで発覚しました。原子力規制委員会から事実上の運転禁止が命じられるなど、厳しい視線が注がれています。

〈柏崎刈羽原発/稲垣武之所長〉「まず自分の身を守る。そして仲間の身を守ることからスタートして、地域の皆様に不安を与えない状況を作り出すことが重要かと思っております」
稲垣所長はこのように述べ、信頼回復に向けて、まずは作業員などの安全を徹底したいと訴えました。


「地域からの信頼を失っている状況」柏崎刈羽原発で安全決起大会
                         BSN新潟放送 2021/11/25
新潟県にある東京電力・柏崎刈羽原発で24日、安全決起大会が開かれ、稲垣所長は「地域からの信頼を失っている状況」として安全への意識を徹底するよう訓示しました。
安全決起大会は安全意識の向上と作業事故の防止を目指して毎年のように開かれていて、今回は東京電力と協力企業の社員ら155人が参加しました。

【柏崎刈羽原発 稲垣武之所長】地域からの信頼を失っている状況であります。職員一人一人皆さまがそれらの事案に真摯に向き合って、しっかり対策をとっていくとともに、安全が最優先という意識を」
柏崎刈羽原発では7号機の安全対策工事の一部未完了や核物質防護をめぐる問題が相次いで発覚し、再発防止に取り組んでいる最中です。また、今年度これまでに構内では、けがや熱中症など6件の労働災害が発生したということです。

【柏崎刈羽原発 稲垣武之所長】安全は人身安全も原子力安全も含めて最優先であるというところですね。徹底してまいりたいと思います」
事故防止および地域からの信頼を得るために、参加者は安全への意識を高めていました。

2021年11月26日金曜日

凍土遮水壁の温度上昇が16℃に

 東電の発表によると、凍土壁の地下25メートルの温度は通常マイナス10度以下ですが、16まで上昇していたということです(多分当初から凍土壁内に設置されていたセンサーで測定されたものと思います)。これでは凍土ではないので遮水は出来ません。

 8月から起きているというので早く凍土が破壊された範囲の全体像や原因を知りたいものです。
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凍土壁地下に水面確認 福島第1原発 温度上昇、一部融解か
                         河北新報 2021年11月26日
 東京電力は25日、福島第1原発の4号機建屋周辺の「凍土遮水壁」で見つかった局所的な温度上昇の原因調査で、凍土壁の地下2・5メートル付近に地下水面を確認したと発表した。何らかの原因で地下の水の流れに変化が起き、地中温度が上昇した可能性がある。
 凍土遮水壁は汚染水増加の原因となる地下水の流入を防ぐ設備で、局所的な温度上昇は8月下旬に始まった。
 地下水面は15日から実施していた掘削調査で見つけた。凍土壁の地下2・5メートルの温度は通常、マイナス10度以下だが、21日時点で16度あった。周辺が融解状態となり、凍土壁の一部が薄くなっているとみられる。
 水がどこから流れてきているのかは不明。東電は12月初旬にも凍土壁の縁側の地中に銅板を埋め込み、止水できるかどうかを確かめる。壁の内側の地下の調査では水の層は見つかっておらず、現時点で遮水機能は維持できている。
 これとは別に、第1原発1号機の原子炉格納容器内部の調査について、来年1月中旬から水中ロボットを順次投入する詳細計画も明らかにした。
 約7カ月間かけて格納容器の底に堆積する溶け落ちた核燃料(デブリ)の状態をカメラで確認したり、堆積物のサンプルを吸引採取したりする。


「地下水」流入が原因か 福島第1原発、凍土遮水壁の温度上昇
                         福島民友 2021年11月26日
 東京電力は25日、福島第1原発の汚染水対策として建屋周辺に巡らせた「凍土遮水壁」の一部で温度上昇が確認された問題を巡り、凍土遮水壁と排水路が斜めに交差している地点に地下水が流入し、凍土遮水壁で凍らされていた土壌を溶かしたことが原因と推定されると発表した。
 凍土遮水壁は、原発建屋周辺の地盤を凍結させることで、汚染水増加の原因となる地下水の流入を抑える対策として運用されてきた。
 東電が4号機原子炉建屋の西側での温度上昇を受け、周囲を掘削したところ、凍土遮水壁に近く、本来は凍っているとみられていた箇所で水が確認された。
 温度が上昇した場所は、排水路と凍土遮水壁が斜めに交わった地点になっている。排水路は周辺の水と交わらないように補強されていたが、内部には地下水が湧いていたという。
 東電は地下水が流入する過程で凍っていた土が溶け、温度上昇につながったとみている。周辺には軽油タンクの基礎なども存在している。
 東電は今後、問題の地点に山側から地下水が流れ込まないように止水壁を設置する。一部で温度上昇や想定外の地下水の流入はあったが、東電は「水を原子炉建屋に近づけない機能は維持されている」と主張している。