2019年1月31日木曜日

再処理工場 稼働させる意味はない(信濃毎日新聞 社説)

 信濃毎日新聞が、社説「再処理工場 稼働させる意味はない」で、「利用する見通しがつかないものを大量に作り出す意味がどこにあるのか」と述べました実に明快です。
 
 六ケ所村に建設中の再処理工場使用済み核燃料から燃料に再利用するプルトニウムなどを取り出すのが目的ですが、日本は既に外国などに委託して分を含めて約47トンという膨大な量のプルトニウムを保有しています。それらをどうするのか海外から問われていますが、具体的には何の方策もないというのが実情です。
 
 プルトニウムは使用済み核燃料に1%含まれているので、もしも原発がフル稼働すれば年間800トンの廃核燃料から8トンが生成されることになります。利用する見通しがつかないものを大量に作り出す意味どこにもありません
 
 プルサーマルを普及させるというのが政府の意向ですが、物質収支上の意味は小さく、経済的なメリットいので電力会社は消極的です何よりもMOX燃料を作るためには新しい工場が必要になります。
 六ヶ所村の再処理工場の総事業費は139300億円といわれますが、その計画は当初7600億円と喧伝されてスタートしました。それが国民に全貌を秘したままで延々と建設が続けられ、ついにはそんな額に達しものでその責任は挙げて政府にあります。
 経済的に何のメリットもない再処理からは直ちに撤退すべきです。
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社説 再処理工場 稼働させる意味はない
信濃毎日新聞 2019年1月30日
 利用する見通しがつかないものを大量に作り出す意味がどこにあるのか。
 日本原燃が青森県六ケ所村に建設中の再処理工場である。原発の使用済み核燃料を化学処理(再処理)して、燃料に再利用するプルトニウムなどを取り出す
 
 原子力規制委員会の審査会合で合格確実の見通しになった。規制委が最終的に了承すれば、意見公募などを経て正式合格となる。
 施設は、使用済み核燃料を再処理する「核燃料サイクル」の中核である。国は燃料を一度使って処分するより、資源を有効活用できるなどと主張している。
 国内の使用済み核燃料は全て再処理することが前提だ。国策といえるだろう。しかし、この政策は事実上、破綻している
 
 すでに外国などに委託して再処理して取り出したプルトニウムを約47トン保有している。核爆弾約6千発分に相当する。それなのに使い道がほとんどない。
 ウランと混ぜてつくる混合酸化物(MOX)燃料を使用するはずだった高速増殖原型炉もんじゅ(福井県)は廃炉が決まっている。通常の原発でMOX燃料を燃やすプルサーマルは、原発の再稼働が進まず停滞している。経済的なメリットも少ない。電力会社は消極的とされる
 しかもプルサーマルの使用済みMOX燃料を再処理するには、新たな処理施設が必要だ。核燃サイクル政策は袋小路に陥っている
 
 原燃は2021年度上半期の完成を目指すという。総事業費は13兆9300億円に上っている。膨大な経費である。
 だからといって、これ以上、プルトニウムの量を増やす理由は説得力を持って説明できない。稼働すれば、プルトニウムがさらに最大年8トン増えていく。安全保障上の懸念も高まる。諸外国には核兵器の所有を画策しているという疑いを持たれかねない。
 
 再処理工場は1993年の着工だ。トラブルなどで、これまでに完成が20年以上遅れている。技術的な安全性が担保されるのか不安もつきまとう。本格稼働は断念するべきである。
 必要なのは、使用済み核燃料を全量再処理する方針を取りやめて、核燃サイクルから完全に撤退することだ。再処理前の使用済み核燃料は、そのまま処分する方向へ政策を変更する必要がある。
 すでに保有するプルトニウムの安全な処分方法も研究しなければならない。工場の稼働は負の資産しか生み出さない。

31- 夜間積雪時の避難経路視察 原発事故を想定、柏崎市長

 柏崎刈羽原発で雪が降り積もった夜間に事故が発生したことを想定し、原発が立地する新潟県柏崎市の桜井雅浩市長は28日夜、住民の避難経路を視察しました。積雪時・夜間というような条件で実地に避難経路を確認することは大いに意味があることです。
 沢山のデータが集まり実効性の高い避難計画になることが望まれます。
      関係記事
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夜間積雪時の避難経路視察 原発事故を想定、柏崎市長
共同通信 2019年1月29日
 柏崎刈羽原発で雪が降り積もった夜間に事故が発生したことを想定し、原発が立地する新潟県柏崎市の桜井雅浩市長は28日夜、住民の避難経路を視察しました。
 
 移動に困難が予想される状況下で速やかに避難できるかどうかといった課題を探り、県の広域避難計画や避難訓練に反映させるのが狙い。
 
 ルートは、事故時にバス避難の集合場所となる付近から、隣接する十日町市や上越市を回って戻る約60キロメートル。桜井氏は、雪が降り続く中、自ら車を運転して走行。途中で降車して除雪状況を確認する場面もあった。

2019年1月30日水曜日

「廃炉ラッシュ」で原発計画頓挫でも議論から逃げ続ける安倍政権

 ダイヤモンドオンラインが題記の記事を出しました。
 原発の延長運転では、安全対策に多額の投資をしても採算が合わないことで廃炉に傾区ことが多く、いまや「エネルギー基本計画」は現実から全く遊離した絵空事になっています。そもそも立案の当初からそういう側面がありましたが、なぜか昨年もそのままの内容で閣議決定されました。
 
 本来なら「エネルギー基本計画」の見直しが必要なのですが、今年は選挙の年、国民に不人気な原発政策はとても取り上げられないということです。政府もひたすら議論から逃げ続けたい、というのが原発問題の実態です。
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「廃炉ラッシュ」で原発計画頓挫でも議論から逃げ続ける安倍政権
堀内 亮 ダイヤモンドオンライン 2019年1月29日
週刊ダイヤモンド編集部
 政府が新たなエネルギー基本計画(以下、エネ基)を昨年に閣議決定して以降、電力各社で廃炉検討のラッシュが起きている。東京電力ホールディングスは福島第二原子力発電所の1~4号機全てを廃炉にする検討に入り、東北電力は女川原発1号機の廃炉を決めた
 これに続き、九州電力が玄海原発2号機(佐賀県玄海町)の廃炉に向けた検討に入った。同2号機は営業運転開始から37年が経過。原則40年と規定される運転期間の期限が迫っている。20年間の運転延長を原子力規制委員会に申請するかどうかが注目されていた。
 
 関係者によれば、原子力規制委の新規制基準に適合させるため、安全対策に多額の投資をしても、採算が合わないことが廃炉に傾いた要因だ。各社の廃炉への動きはエネ基に大きな影響を及ぼす
 エネ基は2030年度の電源構成(総発電量に占める各電源の割合)の原発比率を20~22%としている。これは15年に策定したもので、昨年のエネ基の見直し議論では“現状維持”と決まった。原子力規制委の安全審査や立地自治体の同意プロセスが長引いて順当に再稼働が進まず、計画の頓挫が明白になったにもかかわらず、だ。
 
 11年に発生した東日本大震災後に再稼働までこぎ着けた原発は、現時点で9基にとどまる。計画目標を達成するには、30基程度の再稼働が必要とされ、それはもはや絶望的な状況といえる。
 
 エネ基を議論する政府の有識者会合のメンバーで、当初から計画の見直しを主張していた橘川武郎・東京理科大学大学院教授は「規制委の安全審査をクリアしても、地元の反対で再稼働できない可能性がある原発もある。エネ基がいよいよ絵空事ということが明らかになった」と指摘する。
 
「原発はアンタッチャブル」
 それでも現安倍政権はエネ基を見直す気はないようだ。目下のところ、現政権の悲願は憲法改正。政権支持率を下げる不人気な政策の筆頭格である原発政策を真正面から取り上げるはずもない。しかも、今年は統一地方選や参院選が控える“選挙イヤー”。ある自由民主党関係者は「原発はアンタッチャブル」と明かす。
 しかし、それほど悠長に構えていられないはずだ。安倍政権がインフラ輸出の目玉とした英国やトルコでの原発事業は頓挫した。
 
 世界のエネルギー政策は急激に変化している。再生可能エネルギーの伸びが著しく、国内では原発と同じベースロード電源(一定量の電力を安定的に供給できる電源)に位置付けられていた石炭火力発電が低炭素社会を阻む悪者として退場を迫られている。
 選挙イヤーはエネルギー政策の在り方を真正面から捉える好機であるはず。原発の議論から逃げ続けるならば、安倍政権はエネルギー政策に汚点を残すことになるだろう。
(「週刊ダイヤモンド」編集部 堀内 亮)

東海村の再処理施設で放射性廃棄物 取り出せるか 日英が検討

 東海村にある使用済み核燃料の再処理施設「東海再処理施設」で、放射性廃棄物を安全に取り出す方法を検討するため、イギリスの技術者5名を招いて意見交換が行われました。
 同施設は解体に70年かかり、約1兆円の費用が見込まれるとした廃止計画が認可され、放射性廃棄物を貯蔵施設からどのように安全に取り出すかが課題となっています。
 意見交換の場で、イギリスですでに実用化されている小型のロボットを使った技術を日本の施設で応用できるかなどについて検討したということです
 
 それにしても建造当時はプールからの取り出しまで考慮しておらず、必要な設備が備え付けられていない上に、高線量の可能性もあるドラム缶はプールに乱雑に沈められ、容易に取り出せない状態にあるとは驚くしかありません。
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放射性廃棄物 取り出せる?  日英が検討 東海村の再処理施設
NHK NEWS WEB 2019年1月28日
廃止される計画の、茨城県東海村にある使用済み核燃料の再処理施設で、放射性廃棄物を安全に取り出す方法を検討するため、イギリスの技術者を招いて意見交換が行われました。
 
茨城県東海村にある使用済み核燃料の再処理施設「東海再処理施設」は、解体に70年かかり、約1兆円の費用が見込まれるなどとした廃止に向けた計画が認可され、放射性廃棄物を貯蔵施設からどのように安全に取り出すかが課題となっています。
28日、この分野で研究が進んでいるイギリスの国立原子力研究所から5人の技術者が招かれ、実際の貯蔵施設とほぼ同じ構造で作られた試験設備を視察しました。
イギリスの技術者は施設の担当者から、廃棄物が貯蔵されている容器は水の中でさまざまな方向を向いているため取り出すのが難しい、とか、遠隔でアームを動かす装置を今後試験導入する予定だ、と説明を受けました。
 
このあと双方の技術者が非公開で意見交換し、イギリスですでに実用化されている小型のロボットを使った技術を日本の施設で応用できるかなどについて検討したということです。
日本原子力研究開発機構 再処理廃止措置技術開発センターの大森栄一センター長は「イギリスの技術を利用して廃止に向けたプロジェクトを進めたい」と話していました。
 
 
東海村の高放射性固体廃棄物 貯蔵庫廃止へ検討会
東京新聞 2019年1月29日
 日本原子力研究開発機構は二十八日、東海再処理施設(東海村)内にある高放射性固体廃棄物貯蔵庫(HASWS)の廃止に向けた検討会を開いた。技術的に先行している英国の国立原子力研究所(NNL)関係者を招き、三日間にわたって技術提案を受ける予定。 (越田普之)
 HASWSは、使用済み核燃料の再処理過程で溶け残った燃料被覆管などの保管を目的に、一九七二年に完成。被覆管は直径七十五センチ、高さ九十センチのステンレス製ドラム缶約八百本に入れられ、施設内のプール二基で貯蔵されている。
 しかし、建造当時は取り出しまで考慮しておらず、必要な設備が備え付けられていない。その上、高線量の可能性もあるドラム缶はプールに乱雑に沈められ、容易に取り出せない状態にある。八百本すべてを取り出さない限り廃止措置は進まないため、機構は超音波や水中ロボットなどを使い同様の問題に対処した実績のあるNNLに助言を仰ぐことにした。
 
 会の冒頭、大森栄一・再処理廃止措置技術開発センター長は「先行事例を取り込み、安全かつ早期に実行できると期待している」とあいさつ。NNLのキャット・レノックス営業統括本部長は「事の重要性を認識しており、できるだけの協力をしたい」と応じ、機構職員らとドラム缶を遠隔操作で取り出すための試験用施設を見学した。
 機構は、二〇二四年度から二年がかりでドラム缶を取り出し、新設する中間貯蔵施設に移す方針。ただ、ドラム缶の最終的な処分先は決まっていない。

30- フクシマのデブリに「指」で接触 2号機の調査機器公開

 28日、東芝エネルギーシステムズが、2号機原子炉格納容器の内部調査用機器を報道陣に公開しました。2月に実施する調査でデブリとみられる堆積物の性状を確かめるためのものです。この装置には、新たにデブリの破片を掴むための長さ3センチの2本の「指(トング)」を取り付けられています。
 東京電力は、来年度後半には、さらに詳しく調査し、その後、少量のサンプルを取り出す計画です。
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<福島第1>デブリに「指」で接触 2号機の調査機器公開
河北新報 2019年1月29日
 東京電力福島第1原発の廃炉作業に参画する東芝エネルギーシステムズ(川崎市)は28日、横浜市の同社工場で、2号機原子炉格納容器の内部調査用機器を報道陣に公開した。2月に実施する調査で溶融核燃料(デブリ)とみられる堆積物の性状を確かめる。
 
 機器は昨年1月の2号機格納容器の内部撮影で使った装置を改造。伸縮式パイプから格納容器底部につり下ろす全長30センチの先端部分に、カメラや線量計に加え、長さ3センチの2本の「指」を取り付けた。最大700グラムの力で対象物を挟める。
 同社の担当者は「指は光の反射を抑えるよう黒く塗装した。前回調査では手作業だった先端部分の細かい位置決定も、遠隔操作でできる」と説明した。
 
 2月の調査では格納容器底部にある小石状や粘土状のデブリとみられる堆積物に機器で触れ、映像では分からない硬さやもろさを確認。堆積物は持ち出さず、得られた情報を新年度下期に2号機で行うデブリの少量採取に生かす
 調査機器は2月初旬、福島第1原発に搬入の予定。
 
 
福島第一原発 格納容器の堆積物に触れる調査初実施へ 装置公開
NHK NEWS WEB 2019年1月28日
福島第一原子力発電所の事故で溶け落ちた核燃料の取り出しに向け、東京電力は来月、2号機で、デブリとみられる堆積物に触れて硬さなどを確認する調査を初めて行う計画で、28日に調査で使われる装置が公開されました。
 
福島第一原発2号機では去年1月、原子炉を覆う格納容器内部の底の部分に溶け落ちた核燃料と構造物が混じり合った「燃料デブリ」とみられる堆積物が確認され、東京電力は来月、堆積物の硬さなどを確認する調査を行う計画です。
横浜市で28日に公開された調査で使われる装置は、最大15メートルの長さまで伸ばせる棒状のもので、先端部分には、堆積物をつかむトングのような形をした部品や、カメラや放射線を測定する線量計が取り付けられています。
調査では、原子炉の真下のエリアまで装置を入れたうえで、ケーブルで先端部分をつりおろし、堆積物をつかむなどして硬さや動かせるかどうかを調べるということで、デブリとみられる堆積物に直接、触れる調査は初めてです。
 
装置を開発した東芝エネルギーシステムズの安田年廣担当部長は「調査はデブリの具体的な取り出し方につなげるための重要なステップなので、うまくいくことを期待している」と話していました。
東京電力は、来年度後半には、さらに詳しく調査し、その後、少量のサンプルを取り出す計画です。東京電力は、デブリの本格的な取り出しを2021年から始めるとし、来年3月までにどの号機から取り出すかを決めることにしています。

2019年1月29日火曜日

第二原発廃炉「国が前面に」が44・8% 福島県民世論調査

 福島民報福島テレビ共同でおこなった福島県民世論調査で、福島第二原発の廃炉正式決定に向け、「国が東電への働き掛けを強めるべき」と考える割合は448%で、「引き続き知事が前面に立ち東電に求めるべき」の329%を119ポイント上回りました。
 これまでの一連の対応で東電に対する弱腰が目立つばかりでした。国が福島県民の原発に対する強い忌避感を理解しているのなら、福島第二原発の廃炉に向けて前面に立つべきです。
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第二原発廃炉「国が前面に」448% 県民世論調査
福島民報 2019年1月28日
 福島民報社は福島テレビと共同で県民世論調査(第二十四回)を行った。東京電力福島第二原発の廃炉正式決定に向け、「国が東電への働き掛けを強めるべき」と考える割合は44・8%で、「引き続き知事が前面に立ち東電に求めるべき」の32・9%を11・9ポイント上回った。廃炉の実現には県による要請の継続に加え、政府が東電への指導力を発揮する必要があると感じている県民の姿が浮かんだ。
 
 昨年六月の東電による福島第二原発の廃炉方針表明以降、県民世論調査で同原発を取り上げたのは初めて。廃炉の正式決定に向けて県や県民がどのような行動を取るべきかを聞いた結果は【グラフ】省略の通り。
 
「国がより前面に立ち、東電への働き掛けを強めるべき」が44・8%で半数近くを占めた。
「引き続き、知事が前面に立って東電に求めていくべき」の32・9%が三割強で続いた。このほか、「県民の総意を示す在り方を検討していくべき」は13・0%、
「その他」は9・3%だった。 
 
 福島第二原発を巡っては昨年六月十四日、東電の小早川智明社長が内堀雅雄知事に全四基を廃炉にする方向で検討すると表明。同七月に技術や経営企画、財務など各部門の管理職で構成する社内プロジェクトチームを設けた。小早川氏は今月八日に内堀知事と面会した際に廃炉の正式決定を要請され、「スピード感を持って検討を進める」と述べた。ただ、多岐にわたる課題の整理が必要として決定時期や工程を明言しなかった。 
 
 エネルギー政策を所管する世耕弘成経済産業相は昨年九月、県内の原発立地四町でつくる県原子力発電所所在町協議会の要請に応える形で「具体的な検討を前に進めるよう、東電を指導する」と発言した。 
 県民世論調査では二〇一七(平成二十九)年三月の第十七回で福島第二原発の存廃について聞き、「すべて廃炉にすべき」との回答が82・7%を占めた。 

「原発安全神話」の 伝道師はマスコミだった(田中龍作ジャーナル)

 田中龍作ジャーナルが「原発安全神話」の伝道師はマスコミであったと述べました。
 福島原発で過酷事故が起きてからも、マスコミが一貫して東電に対して弱腰の姿勢を通しているのは、電力会社が莫大な広告費を持っているからだといわれています。電力会社が豊富な広告費を使えるのは、その費用をそのまま原価に算入できるからです。
 
 かつて関西の民放が「熊取6人衆」という京都大の「反原発グループ」の活動を取り上げた時、電力会社は広告代理店を通じて、その民放に対して番組が再放送されないように、また他局に配給しないように猛烈な圧力をかけたといわれています。そうした力関係はそのまま今も生きています
 
 田中龍作ジャーナルの記事は「原発神話」の方ではなく、「アベノミクス神話の伝道師」を主に取り上げているのですが・・・
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「原発安全神話」と「アベノミクス神話」 伝道師はマスコミだった
田中龍作ジャーナル 2019年1月28日
 今となっては悪質なジョークだが、福島の過酷事故(2011年)以前には「原発は事故を起こさない」という「安全神話」が大手を振って歩いていた。神話を国民の頭に刷り込んだ伝道師はマスコミだった。理由はあらためて言うまでもないだろう。
 
 同様の刷り込みがアベノミクスでも起きた。またしても伝道師はマスコミだった
賃金上昇、21年ぶりの記録的な伸び」。2018年8月7日の夕刊と8日の朝刊で各紙一斉に報じた。「記録的な伸び」は、給料の高い会社を選んでサンプル入れ替えした結果だった。明らかなイカサマだった。厚労省が麻生財務大臣の暗黙の指示を受けて不正に手を染めたのである。
 
 それから2日後の8月10日には「GDP実質19%増」が報じられた。これも各社一斉である。GDPもマイナスだったと各方面から指摘されている(明石順平著『アベノミクスによろしく』)。GDP増も賃金同様、サンプルの入れ替えにより操作されたのである。
 時あたかも自民党総裁選の直前であった。
 
【写真説明】新聞各紙は厚労省がデッチあげたイカサマの賃金上昇を一斉に報じた(2018年8月7日の夕刊と8日の朝刊)。
 
 原発事故のような健康被害はないので国民の怒りはまだ沸騰していないが、国家を破壊するという点においては、アベノミクスも原発も同じだ。
 当事者として事の重大さ、ヤバさに気づいているのだろう。官邸は厚労省に責任をなすりつけて逃げ切る構えだ。
 マスコミ報道を見れば、それがよく分かる。新聞・テレビ各社は「厚労省、組織ぐるみの隠ぺい」に持っていく方針だ。
 厚労省になすりつけてはならない。公務員が自分の意志で文書改竄をしたり、統計をいじくったりするわけがない。近畿財務局の職員は文書改竄を強制されるのを苦に自殺したのである。
 だのに、大物政治家の関与や官邸への忖度を指摘する記事はほとんど見ない
 
 頼りになるのは野党議員だ。山井和則議員(国民民主)、福島みずほ議員(社民)は、閉会中審査の際、「アベノミクス偽装」という言葉を出して、政府を追及した。森ゆうこ議員(自由)はNHK日曜討論で「アベノミクス偽装」と明快に言った。「安倍さまのNHK」といえども生放送なのでカットできなかった。
 
 新聞テレビを見るひまがあったら、インターネット国会中継や国会パブリックビューイングを視聴した方が、はるかに現実が分かる。
~終わり~

29- 気温変化で「接地線」断線したためケーブルが発火と 柏崎原発

 柏崎刈羽原発で昨年11月に発生したケーブル火災で、同原発の設楽親所長は28日、地元の桜井雅浩・柏崎市長に原因を説明しました。
 通電に伴い生じる別の電流を地面に逃がす「接地線」の被覆が、ケーブルが通るトンネル内の気温変化により縮み接地線が断線し、電気抵抗が大きくなった部位に電流が流れて発熱し火災に至ったということです。
「被覆の熱収縮で電線が切断した」とか「電気抵抗が大きくなった部位に電流が流れる」といわれても、直ぐには理解できませんが・・・
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気温変化で「接地線」断線、新潟 柏崎原発のケーブル火災
共同通信 2019年1月29日
 東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)で昨年11月に発生したケーブル火災で、同原発の設楽親所長は28日、地元の同県柏崎市の桜井雅浩市長に原因を説明した。通電に伴い生じる別の電流を地面に逃がす「接地線」の被覆が、ケーブルが通るトンネル内の気温変化により縮み接地線が断線。電気抵抗が大きくなった部位に電流が流れて発熱し火災に至ったとした。
 
 火災は昨年11月1日午前6時半ごろ、原発構内のトンネルで発生。7号機に外部から電力を供給するケーブルが焼けた。
 火災では火元の情報が地元消防にうまく伝わらなかったり、一報を知らせる地元自治体へのファクスが遅れたことも問題となった
 
 
温度変化で断線 柏崎刈羽原発のケーブル火災 東電
時事通信 2019年1月28日
 東京電力は28日、昨年11月に柏崎刈羽原発(新潟県)で起きたケーブル火災について、温度変化によりケーブルが縮んで断線したことが推定原因とする調査結果を明らかにした。同原発の設楽親所長が柏崎市役所を訪れ、桜井雅浩市長に説明した。
 
 火災は昨年11月1日、放射性物質を扱わない区域の地下トンネルで発生。東電によると、気温の変化などでケーブル外部のビニールが縮み、内部の銅テープが断線して熱と煙が発生したとみられる。今後、ケーブルを固定して収縮を抑える措置を講じる。同様の設備は99カ所あり、2020年度内に対応を終わらせる方針

2019年1月28日月曜日

原発ゼロの道開こう 全国連絡会が交流集会

 全労連、全日本民医連などでつくる「原発をなくす全国連絡会」は26日、野党が共同提出している「原発ゼロ基本法」制定をめざす運動をさらにひろげようと、東京都内で全国交流集会を開きました。
  和田武元日本環境学会会長は、記念講演「市民が生産者、供給者、消費者、主権者として再生エネルギー100%社会を実現しよう」と呼びかけました。
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原発ゼロの道開こう 全国連絡会が交流集会
しんぶん赤旗 2019年1月27日
 全労連、全日本民医連、新日本婦人の会などでつくる「原発をなくす全国連絡会」は26日、野党が共同提出している「原発ゼロ基本法」制定をめざす運動をさらにひろげようと、「第5回原発ゼロをめざす運動全国交流集会」を東京都内で開きました。
 記念講演した元日本環境学会会長の和田武さんは、「市民が生産者、供給者、消費者、主権者として再生エネルギー100%社会を実現しよう」と呼びかけました。
 
 日本共産党の藤野保史衆院議員が、「原発ゼロ基本法案」について報告。市民と野党の共闘の成功で、安倍政権を退陣させ、原発ゼロへの道を切り開こうと語りました。
「ふくしま復興共同センター」の斎藤富春代表委員が特別報告。被害者救済よりも経営を優先する東京電力の体質は変わっていないと告発しました。
 
 各団体・各地の代表が発言しました。
 原発ゼロの会・大阪の代表は、再生可能エネルギー普及へ会として「“自然エネルギー100%のおおさか”への提言」をまとめたことを紹介しました。
「原発ゼロをめざす島根の会」の代表は2月に予定している講演会について、県内でも著名な寺の管長も呼びかけ、議員全員が参加を決めた自治体も出ていると紹介。「保守を含めた共同の広がりを強く感じる」と報告しました。

28- 東海第2再稼働反対の首長がゼロに

 茨城県那珂市で27日、任期満了に伴う市長選が告示され、無所属新人の元県議先崎光氏無投票で初当選となりました。
 海野徹・現市長は再稼働反対を表明していましたが、家族の反対などを理由に立候補を見送りました。
 先崎氏は再稼働への賛否を明言していないので、東海第2原発再稼働への同意対象自治体で反対姿勢を明確にする首長がいなくなりました
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東海第2再稼働反対の首長ゼロに 茨城県那珂市、同意対象で
共同通信 2019年1月27日
 日本原子力発電東海第2原発(茨城県東海村)の再稼働に事前同意権を持つ茨城県那珂市で27日、任期満了に伴う市長選が告示され、無所属新人の元県議先崎光氏(61)=自民推薦=以外に届け出がなく、無投票で初当選が決まった。来月12日に任期を終える海野徹市長は再稼働反対を表明したが、先崎氏は当選後の取材に態度を明言せず、同意対象の自治体で反対姿勢を明確にする首長がいなくなる
 
 2021年3月以降の再稼働を目指す原電の今後の動きにも影響を与えそうだ。
 海野氏は昨年10月、同意対象の地元6市村で初めて賛否を示したが、家族の反対などを理由に立候補を見送った