2014年9月30日火曜日

予知困難でも川内再稼働|東海再処理施設廃止へ|佐賀・愛媛でヨウ素剤配布

 菅官房長官は御嶽山の噴火を予知できなかったこと川内原発の再稼働方針に影響しないとの考えを示しました。川内原発は「最も火山の危険が高い原発」なのですが、何が起ころうとも審査合格~稼動の方向性に変更はないというわけです。
◇      ◇
 日本原子力研究開発機構は、使用済み核燃料を再処理する東海再処理施設を廃止する方針を明らかにしました。新規制基準に対応するには、1千億円以上の費用がかかるためです再処理施設ではこれまで新型転換炉「ふげん」のMOX燃料の再処理などを行っていました。
◇      ◇
 玄海原発に隣接す佐賀県唐津市と県は28日、原発から半径5キロ圏の住民に安定ヨウ素剤の事前配布を始めました。
 伊方原発に隣接する愛媛県伊方町でも同じく5キロ圏の住民に安定ヨウ素剤の配布を始めました。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
水蒸気爆発 予知困難でも… 川内再稼働「影響せず」
 東京新聞 2014年9月29日 
 菅義偉(すがよしひで)官房長官は二十九日午前の記者会見で、御嶽山の噴火を予知できなかったことが、火山の集中地帯にある九州電力川内(せんだい)原発(鹿児島県)の再稼働方針に影響しないとの考えを示した。今回の噴火が、川内原発の再稼働方針に影響するかとの記者団の質問に「ないと思う」と明言した。
 菅氏は「今回のような水蒸気(爆発)は、予測が極めて難しいと従来、言われている」と指摘。川内原発をめぐっては、周辺の火山が噴火する危険性が心配されている。しかし、予知できなかった御嶽山の噴火後も、政府は新規制基準を満たしたとする原子力規制委員会の審査結果は見直さないとした。
 川内原発は「最も火山の危険が高い原発」と言われている。原子力規制委は「観測によって噴火の予知は可能」という九電の主張を容認したものの、火山学者には「現在の火山学で、噴火の予知は極めて困難」との意見が強い。
 
 
原子力機構東海再処理施設廃止へ 新規制基準の対応困難
東京新聞 2014年9月29日 
 日本原子力研究開発機構は29日、使用済み核燃料を再処理する東海再処理施設(茨城県東海村)を廃止する方針を明らかにした。東京電力福島第1原発事故後、厳格化された再処理施設などの新規制基準に対応するには、1千億円以上の費用がかかると見込まれることから、存続は困難と判断した。
 
 同施設は、原発の使用済み核燃料からプルトニウムを取り出し、燃料として再利用する核燃料サイクルの要となる国内初の再処理工場。1981年に本格運転を始めた。
 2006年に商業用原発の再処理事業は終え、現在は新型転換炉「ふげん」(福井県敦賀市)のMOX燃料の再処理などを行っていた。(共同)
 
 
佐賀・愛媛でヨウ素剤配布 原発5キロ圏内、国内2例目
産経新聞 2014年9月29日
 九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)に隣接する唐津市と県は28日、原発から半径5キロ圏の住民に、事故時に甲状腺被曝(ひばく)を抑える安定ヨウ素剤の事前配布を始めた。四国電力伊方原発が立地する愛媛県と伊方町も同日、5キロ圏内の住民に配った。国の原子力災害対策指針に基づく措置で、九州電力川内(せんだい)原発のある鹿児島県薩摩川内市に続き2例目となる。
 
 配布は玄海原発、伊方原発とも半径5キロ圏内で、来年4月1日時点で3歳以上の住民が対象。
 佐賀県によると、玄海町も含めた対象者は約8300人。28日は唐津市の一部地区で配布した。玄海町や唐津市の他の地区でも配り、年内に終える。
 唐津市の旧呼子中学校体育館には地区の対象となる705人のうち131人が訪れ、問診票を提出し、家族の分を含め、飲んでも問題ないとされた248人分のヨウ素剤が配られた。
 一方、愛媛県によると、伊方原発の対象者は約5500人で、全て伊方町民。ヨウ素剤の受け取りには事前説明会で医師の説明を聞き、既往症やアレルギーの有無を確認する問診票を出す必要があるが、提出は約5割に当たる約2900人にとどまり、28日はこのうち1881人分を配った。
 配布会場の伊方町民会館でヨウ素剤を受け取った無職、山崎松雄さん(67)は「いざというときのため見えやすい場所に置いておく」と話していた。
 

「御嶽噴火は想定外、だから原発はダメだ」 小泉元首相

朝日新聞 2014年9月29日
 小泉純一郎元首相は29日夜、東京都内で記者団に対して「御嶽山の噴火は専門家でも想定外といっている。想定外とはいつでも起こりうることだ」と指摘した上で「地震、津波、噴火も各地で起こる。日本は原発をやっちゃいけない国だ」と訴えた。
 
 小泉氏はこの日、音楽家の坂本龍一氏が呼びかけた脱原発コンサートに参加。細川護熙元首相とともに集まった若者らに「原発ゼロの国をつくらないといけない」と呼びかけた。その後、記者団の取材に応じた。
 また、小泉氏は福島第一原発を抱える福島県の知事選(10月26日投開票)については「関わらない」と明言した。細川氏も「福島は脱原発、原発ノーと言わなくても皆さん分かっている。改めて争点になるわけでもないでしょう」と語った。
 
 
小泉氏 再稼働に反対 「想定外起こりうる」
NHK NEWS WEB9月29日
小泉元総理大臣は29日夜、東京都内で記者団に対し、今後のエネルギー政策に関連して「想定外はいつでも起こりうる」と指摘し、国内の原子力発電所を再稼働させるべきではないという考えを重ねて示しました。
 
この中で小泉元総理大臣は、今後のエネルギー政策に関連して「今回の御嶽山の噴火も想定外であり、想定外はいつでも起こりうる。地震や津波、噴火が各地域で起きているのだから、日本は原発を稼働させてはいけない国だ」と述べ、国内の原子力発電所を再稼働させるべきではないという考えを重ねて示しました。
また、小泉氏は鹿児島県の川内原子力発電所の再稼働を進める政府の方針について、「政府は『世界一の安全基準だ』と言っているが、アメリカやフランスなどより何が優れているのかを説明していない。安倍総理大臣にも『原発ゼロをなぜ進めないのか』としょっちゅう言っている」と述べました。
 

2014年9月29日月曜日

川内原発の再稼働反対、7500人が訴え 鹿児島

朝日新聞 2014年9月28日
 九州電力川内(せんだい)原発(鹿児島県薩摩川内市)の再稼働反対を訴える市民集会が28日、鹿児島市の天文館公園で開かれた。原子力規制委員会による新規制基準への適合審査が9月に終了し、再稼働への地元同意が焦点となるなか、県内外から約7500人(主催者発表)が参加。過去最大規模の県内での反対集会となった。
 
 鹿児島県内の約90の市民団体などでつくる実行委の主催。集会では菅直人元首相が「再稼働に合意するかどうか、30キロ圏内の市町にきちんと言わせるのは当たり前。再稼働ストップを全力で応援したい」と訴えた。
 福島第一原発事故で一時全村避難を強いられた福島県川内(かわうち)村の元村議、西山千嘉子さん(66)も参加。「福島の現実を知ってほしい。川内で前例を作ったら他の原発再稼働の後押しになってしまう。絶対に阻止したい」と取材に話した。
 
 集会後、参加者は「川内原発再稼働止めよう」「全ての原発、今すぐなくそう」と声を上げながら、市中心部をデモ行進した。(小池寛木)
 

宇大で福島現状報告会|貯蔵施設補償総額は事故前の8割|仮置き延長 住民は固定化を懸念

 「原発いらない栃木の会」による福島視察報告会が27日、宇都宮大で開かれ、ボランティア臨床心理士や、福島原発に近い避難指示区域を訪れた会員が福島の実態を報告しました。「世間は忘れているが、避難者の実態は限界を超えている」ことが強調されました
◇      ◇
 政府は大熊、双葉両町での中間貯蔵施設用地買い取り額について、事故前の価格の5割程度で調整していることが分かりました。地権者に対する県の財政支援を含めても土地の補償総額は事故前の8割程度にとどまる見通しです自由意志に基かない土地の買取価格が、事故前の価格よりも下がるのは理解できません。
◇      ◇
 環境省は27日、除染廃棄物の仮置き場での保管期限を当初の3年から延長する方針です。地権者からは固定化を懸念し「約束が違う」との批判や「周辺住民の了承もしっかりと得るべきだ」といった意見が出されました。楢葉町には国の仮置き場が24カ所あり、最も早い3カ所では15年8月に契約が切れます
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
宇大で福島現状報告会 仮設の避難者「限界」 栃木県市民団体
下野新聞 2014年9月28日
 脱原発などを訴える市民団体「原発いらない栃木の会」による福島視察報告会が27日、宇都宮市峰町の宇都宮大で開かれ、福島県南相馬市にボランティアとして通う臨床心理士や、東京電力福島第1原発に近い避難指示区域を訪れた会員が福島の実態を報告した。
 
 千葉県市川市在住で毎週末、避難者の心の相談のために南相馬市の仮設住宅に足を運ぶ臨床心理士相馬勉さん(59)が現状を説明。住民の自殺や孤独死が相次いでいるといい、1人暮らしの避難者のケアを喫緊の課題に挙げた。
 80歳の女性からは涙ながらに「外へ出て人と顔を合わせるのも嫌なんです」と悲痛な訴えを聞いた。長引く仮設住宅暮らしにより、高齢者の引きこもりも始まっているという。「世間は忘れているが、避難者は限界を超えている。将来への絶望感が言い尽くせないほど重い」と強調した。
 
 会員は8月上旬に9人で福島県を訪れた様子を映像と写真で紹介。飯舘村では道沿いに除染廃棄物の袋が山積みとなり、周辺では空間放射線量率が毎時6マイクロシーベルト超を記録した。浪江町の新聞販売店内では、2011年3月12日付の朝刊が大量に放置されていた。
 同会の共同代表を務める大木一俊弁護士は「現地を訪れて衝撃を受けた。まだまだ知らない被害の実態があり、被災者にふさわしい救援の手が届いていないのではないか」と述べた。
 
 
補償総額は事故前の8割 中間貯蔵、国の買い取り5割
福島民友ニュース 2014年9月28日
 県内で出た汚染土壌などを保管する中間貯蔵施設をめぐり、政府は大熊、双葉両町での用地買い取り額について、事故前の価格の5割程度で調整していることが27日、分かった。地権者に対する県の財政支援を含めても土地の補償総額は事故前の8割程度にとどまる見通し。政府が29日から開く地権者説明会で買い取り額のモデル事例などを示し、理解を得たい考え。
 県の財政支援は地権者の生活再建などに向け、事故前の土地の市場価格と買収額の差額を実質的に補てんするため総額150億円で行う。しかし政府の買い取り額が5割程度の場合、県の支援を含めても事故前の価格水準までの補てんは難しい見通し。
 用地買収について政府は、公共事業の基準により売却を合意した時点の市場価格を基に行う方針。しかし用地は全域が帰還困難区域で住民帰還の見通しが立たず、不動産取引も当面行われる見通しがない。
 このため政府は5~10年後の避難指示解除後に使用を見込める土地として価格を算定する。ただ現状は利用できない土地の評価となるため、将来の利用価値を上乗せしても買い取り価格の大幅な減額は避けられない状況だ。
 
 
「約束違う」 仮置き延長固定化を懸念・楢葉
 河北新報 2014年9月28日 
 環境省は27日、福島第1原発事故に伴う除染廃棄物の仮置き場での保管期限を当初の3年から延長する方針について、福島県楢葉町の仮置き場地権者に説明した。地権者からは固定化を懸念し「約束が違う」との批判や「周辺住民の了承もしっかりと得るべきだ」といった意見が出た。
 いわき市での説明会には地権者182人のうち約40人が参加。環境省の担当者が、中間貯蔵施設の計画の遅れを理由に、2015年度内に3年契約が切れる場所では15年4月1日付で新たに1年契約を結び、必要に応じ更新したいと要請した。
 今後の追加除染や家屋解体で出る廃棄物については、仮置き場のある行政区以外からも搬入するとの新たな方針も明らかにした。
 参加者から強い反対はなかったが、「約束を破った責任は誰が取るのか」「いつまで契約を更新し続けるのか」「国が近隣住民の同意を得ない限り、契約しない」などの意見が出た。「仮置き場を見ると胸が苦しくなり、帰町できない」「本音は嫌だが、現状では認めざるを得ない」と苦しい胸の内を明かす人もいた。
 地権者の男性(48)は「中間貯蔵施設で(候補地の)大熊、双葉両町の人が苦渋の決断を迫られている。複雑な気持ちだが、前向きに考えなければならない。ただし、何度も延長して固定化はさせない」と話した。
 楢葉町には国の仮置き場が24カ所あり、最も早い3カ所では15年8月に契約が切れる。環境省は10月4~6日に一般町民向けの説明会を開く。
 

「安全な原発はない」安倍政権を批判

 安倍首相は22日、国連総会の合間に行われたワールド・リーダーズ・フォーラムで、日本の原発の再稼働について、「安全100パーセント確保されない限り再稼動しない」と演説しました。
 
 一体安倍首相は、自分が口にしている言葉の意味を理解しているのでしょうか。 今日、規制委の田中委員長をはじめとして、原発の安全性を100%保証できる人などは存在しません。
 そうするともう「再稼動はしない」と言明したのでしょうか。それとも福島原発の汚水問題が「アンダーコントロール(制御下)」状態にあるという発言と同様に、単なる口からの出任せなのでしょうか。後者としか考えられません。
 
 埼玉弁護士会は27日、「彩の国から考える原発のない未来へ」と題したシンポジウムを開催し学者や「大飯原発差し止め訴訟弁護団」らが、原発推進の安倍政権を批判し、「避難計画が伴っていない」「安全な原発は存在しない」などと訴えました。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「安全な原発ない」安倍政権を批判 埼玉弁護士会が加須でシンポ
埼玉新聞 2014年9月28日
 埼玉弁護士会は27日、加須市の市民総合会館で「彩の国から考える原発のない未来へ」と題したシンポジウムを開催した。学者や「大飯原発差し止め訴訟弁護団」らが、原発推進の安倍政権を批判し、「避難計画が伴っていない」「安全な原発は存在しない」などと訴えた。
 
 東京電力福島第1原発事故後、旧県立騎西高校(加須市)が避難所となった経緯があり、埼玉には現在も5896人(震災支援ネットワーク埼玉発表)が避難している。同会の大倉浩会長は「地震大国である日本で、原発を再稼働する動きが出ている。二度と悲惨な原発事故が起きないように考えていく使命がある」と脱原発を訴えていく必要性を強調する。
 
 福島の原発被害の実相について報告した早稲田大学人間科学学術院の辻内琢也准教授は、東日本大震災から3年間にわたり、埼玉や東京都内の避難生活の現状を調査してきた。「今もなお、約6割の避難者が心的外傷後ストレス障害(PTSD)を抱えている。心のケアはもとより、生活費、賠償問題、コミュニティーの再構築など複合的なストレスを個別的に解決していかなくてはいけない」と主張した。
 
 基調講演した立命館大学国際関係学部の大島竪一教授は、原子力が事故費用や使用済み核燃料の処理費用など社会的費用が莫大(ばくだい)に掛かる点を指摘。「東京電力は事故の収束を自力でできず、賠償は不誠実で不十分。生活再建には程遠く、賠償金や精神的被害を被災者に負担させているのが実態」と批判した。
 
 現政権はエネルギー基本計画で原子力を重要な電源と位置付け、九州電力川内原発(鹿児島県)の再稼働にかじを切っている。震災後、八潮市に避難してきた福島県広野町の自営業男性(42)は「原発は家や畑を奪った。事故はなかったかのように扱い、危険を矮小(わいしょう)化する国や自治体に不信感が募るばかり。事故から状況は何も変わっていない」と訴えた。
 

2014年9月28日日曜日

柏崎刈羽原発 安全審査長期化か

読売新聞 2014年9月27日
 東京電力が柏崎刈羽原子力発電所6、7号機の再稼働に向けた安全審査を国に申請してから、27日で1年を迎える。原子力規制委員会は今夏から同原発の審査を本格的に再開したが、鍵を握る「フィルター付き排気(ベント)設備」に疑問を呈しており、(新潟)県内からは審査が長期化するとの見方が出ている。(石橋正洋)
 
■再開直後に「宿題」
 「(現状では審査で)不適合になる」。8月26日の規制委の審査会合で、山形浩史・安全規制管理官は東電側の同設備の計画をこう突き放した。
 原発の新規制基準は、柏崎刈羽原発のような沸騰水型の原子炉に対し、放射性物質の放出を抑える同設備の設置を義務づけている。同原発では頑丈な原子炉建屋の外に造られており、四方は遮蔽壁で囲まれているが、屋根がない。規制委側は、航空機の衝突などで機能喪失する恐れがあるとして、代替となり得る「同等の設備」を別途示すよう“宿題”を課した。
 優先的に進められた九州電力川内原発が、事実上審査に「合格」したことで、7月から審査が半年ぶりに再開したばかりだっただけに、東電の出ばなをくじく格好となった。
 
■「地下式」巡る攻防
 規制委側の念頭にあるのは、別に造る予定で、現在は審査対象となっていない地下式のベント設備だ。地下にあれば、機能喪失の恐れも減少する。同日の会合後、山形管理官は「地下式設備があるなら、こんな議論はいらない」と述べ、要求する「同等の設備」に地下式設備が含まれることを示唆した。
 東電も昨年9月、地下式設備の増設を泉田知事に約束し、申請の承認を取り付けた経緯がある。ただ、完成までには約3年かかるとの当初の見通しがある上、立地自治体との安全協定に基づいて県と柏崎市の事前了解を得る必要もある。知事も、「設計図ができていなければ当然審査できない」と、東電側をけん制する。
 地下式設備が審査対象となれば再稼働は更に遠のくだけに、東電としてはあくまでも安全のために自主的に設置するものとして、当面は地上式設備だけでの審査合格を目指す方針だ。
 
■沸騰水型に義務づけ
 約1年で審査を終えた川内原発は加圧水型で同設備の設置が猶予されていた。それだけに、新設の同設備が不可欠な沸騰水型は審査で更に時間がかかるとの見方は強い。
 柏崎刈羽原発については、3月から始まった断層調査についても、当初予定していた最長6か月間を超え、10月以降にずれ込む見通しとなっている。
 原発については、自民党県連が7月、安全審査終了後に順次再稼働するよう求める決議をするなど、再稼働に向けた機運も醸成されつつあるが、ある同党県議は、「規制委に作業を早めようとする姿勢は見られないし、まだまだ時間はかかるだろう」とあきらめ顔だ。

再稼動反対・官邸前行動 2年半

 毎週金曜日の夜に首相官邸前で行われている、「原発ゼロ」「再稼働反対」を訴える抗議行動は、9月26日でスタートしてから2年半、延べ121回目を迎えました。
 
 この日の首都圏反原発連合(反原連)の抗議行動には1900人が参加しました。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
再稼働阻止 運動広げ 官邸前での抗議行動2年半
しんぶん赤旗 2014年9月27日
 首都圏反原発連合(反原連)は26日夜、「原発ゼロ」「再稼働反対」を訴える首相官邸前抗議行動をおこないました。2012年3月29日に始まったこの行動は2年半を迎えました。1900人(主催者発表)の参加者から「さらに運動を盛りあげ、安倍首相が狙う川内原発再稼働を阻止したい」との声があがりました。
 
 東京都東大和市で行政書士をしている男性(65)は、仕事のないときは毎週参加しています。「思想信条のちがう人たちが原発反対の一点で集まって声をあげる官邸前行動は大事な場所です。川内(せんだい)原発がある鹿児島県までは行けないが、官邸前で再稼働反対を訴えて連帯したい」
 官邸前行動に参加するのは58回目だと話す男性(68)は、埼玉県ふじみ野市でも原発反対集会に参加しています。「安倍首相が原発を再稼働しようとすればするほど運動の怒りは燃え上がる。地元の行動とともに官邸前行動を盛り上げ、運動をひろげたい」
 東京都杉並区の女性(34)は「次世代のために再稼働反対の声をあげずにいられません。川内原発再稼働は福島事故の教訓を無視している」。
 同大田区の女性会社員(57)は「避難計画もあいまいで住民のことを考えていない川内原発の再稼働は絶対だめです」と語りました。
 
笠井、吉良議員スピーチ
 日本共産党の笠井亮衆院議員と吉良よし子参院議員は26日、首相官邸前抗議行動に参加して、国会正門前でスピーチしました。
 吉良議員は、安倍首相がアメリカで原発再稼働を明言したとして、「来週から始まる臨時国会で安倍政権と正面から対決し、再稼働を阻止したい」と訴えました。
 笠井議員は、「毎週行われている全国各地の抗議行動が原発推進勢力を追いつめています。再稼働をストップさせ、安倍政権をノックアウトしましょう」と呼びかけました。
 

廃炉研究施設が着工|搬入廃棄物175万立方メートル|柏の葉公園一部立ち入り禁止に|南相馬・勧奨地点解除へ

 福島原発の廃炉に向けた研究開発拠点楢葉遠隔技術開発センターが、26日、楢葉町の工業団地で着工しました。2016年4月からの本格運用を目指します。
◇      ◇
 環境省は26日、国直轄除染による汚染土壌などの保管量は、7月末現在約175万立方メートルに達したことを公表しました福島県内の除染で生じる汚染土壌などの廃棄物は約3千万立方メートルに上る見通しです
◇      ◇
 千葉県は26日、柏市の「県立柏の葉公園」で、国の基準値(毎時0・23マイクロシーベルト=年間2ミリシーベルト)を上回る空間放射線量が検出されたため、安全確保のため、基準値を超えた園内4カ所周辺を立ち入り禁止としました。県は今後、国のガイドラインに基づき除染作業を行う方針です
◇      ◇
 南相馬市の特定避難勧奨地点について、国は26日、指定142地点の被ばく線量が年間20ミリシーベルトを確実に下回るとする線量測定の結果を公表しました。近く指定解除に向けた住民説明会を開き、指定解除に踏み切る方針ということですが、こんな高レベルで解除されてもとても住めるものではありません。どうしようというのでしょうか。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
廃炉研究施設が着工 楢葉の遠隔技術開発センター
福島民友ニュース 2014年9月27日
 東京電力福島第1原発の廃炉に向けた研究開発拠点として、楢葉町の楢葉南工業団地に建設される「楢葉遠隔技術開発センター」(モックアップ施設)は26日、着工した。来年夏の一部運用、2016(平成28)年4月からの本格運用を目指して建設が本格化する。
  施設は、事故を起こした1~4号機原子炉格納容器下部の冷却水漏えい箇所の補修と止水技術の実証試験や、高線量の建屋内の調査、除染に必要な遠隔操作機器の開発と実証試験を行う。
  敷地面積は約3万6000平方メートルで研究管理棟(4階建て、延べ床面積約3660平方メートル)と、試験棟(2階建て、同約6326平方メートル)を建設する。研究管理棟には、第1原発の内部をデジタル技術で再現するシステムやロボット訓練装置を配置し、作業者がコンピューター上で操作技術を身に付ける。試験棟には実寸大の格納容器下部を配置し、止水のための実証試験などを行う。
  同日、日本原子力研究開発機構(JAEA)が現地で安全祈願祭を行った。JAEAの松浦祥次郎理事長、高木陽介経済産業副大臣、山本朋広文部科学政務官、浜田昌良復興副大臣、村田文雄副知事、松本幸英楢葉町長らがくわ入れした。
 
 
搬入廃棄物175万立方メートル 国直轄除染の仮置き場
福島民友ニュース 2014年9月27日
 環境省は26日、国が直轄で除染する東京電力福島第1原発周辺11市町村に保管している汚染土壌などの7月末現在の状況を発表した。仮置き場は搬入中を含め175カ所あり、土壌などを入れた除染袋は175万袋に達する。1袋当たりの体積は約1立方メートルで、保管量は約175万立方メートルに達する計算となる。
  搬入作業を終えた仮置き場は77カ所で3月末現在から17カ所増えた。このうち除染袋を覆う保護シートの破れなどは18件あり、いずれも修復した。放射性物質が漏れた恐れはないという。搬入作業が続いている仮置き場の数は初めて公表され、98カ所だった。
  保管の除染袋が最も多いのは、楢葉町の56万4545袋、次いで飯舘村の24万259袋。
  県内の除染で生じる汚染土壌などの廃棄物は約3千万立方メートルに上る見通し。
 
 
基準値超の放射線量 一部立ち入り禁止に 千葉県立柏の葉公園
千葉日報 2014年09月27日
 千葉県は26日、柏市の「県立柏の葉公園」で、国の基準値(毎時0・23マイクロシーベルト)を上回る空間放射線量が検出されたと発表した。県は安全確保のため、基準値を超えた園内4カ所周辺を立ち入り禁止とした。
 県公園緑地課によると、基準値を超えたのはバラ園南側とテニス場南側、北東出入り口、公園西側のフェンスのいずれも植え込み内で、地上50センチ地点で0・28~0・73マイクロシーベルト、1メートル地点で0・24~0・45マイクロシーベルトが検出された。
 県は今後、国のガイドラインに基づき除染作業を行う方針。
 
 
南相馬・勧奨地点解除へ 年間20ミリシーベルト以下確実
福島民友ニュース 2014年9月27日
 東京電力福島第1原発事故に伴う南相馬市の特定避難勧奨地点について、国は26日、指定142地点の被ばく線量が年間20ミリシーベルトを確実に下回るとする線量測定の結果を公表した。国は結果を受け、近く指定解除に向けた住民説明会を開き、指定解除に踏み切る方針。同日開かれた同市議会の全員協議会で市側に伝えた。
  国は指定地点の線量調査を行い、年間の被ばく線量が20ミリシーベルトを確実に下回れば速やかに解除するとし、伊達市と川内村で2012(平成24)年12月に指定解除した。142地点152世帯が指定を受けている南相馬市では、解除に向けた線量測定が7月に始まっていた。
  測定結果によると、11年6月の指定時に平均毎時2.4マイクロシーベルトあった空間線量(地上1メートル)は同0.4マイクロシーベルトまで減少。最高値は指定時の毎時4.7マイクロシーベルトから同1.08マイクロシーベルトまで減った。
 

2014年9月27日土曜日

シイタケ原木 全量検査|第2原発再稼働困難|長期避難者向け支援を|地元で事業再開16.5%

 震災前は県外出荷量日本一だった福島のシイタケ栽培用原木の出荷量が、24年度は事故前の6%に落ち込みました。福島県は原木の産地復活を目指して、原木の全量放射性物質検査に乗り出すことにし、9月補正予算案に全量検査に必要な検査機器の改良など関連予算約4550万円を計上しまし
◇      ◇
 25日小渕経産相は視察先の田村市で、福島県や県議会が全基廃炉を求めている東京電力福島2原発1~4号機について「再稼働は大変難しい」と述べ、県民感情を考慮して再稼働は困難との認識を示しました。
◇      ◇
 日本学術会議は25日、原発事故に伴う避難について、長期にわたり避難した後に帰還する「長期待避」を「第3の道」と位置付け、住民票の二重登録の実現や、復興事業や健康管理などの対象者を定める被災者手帳の配布、セカンドタウン(町外コミュニティー、仮の町)の再検討、小中学校・高校の維持など求める提言を公表しました。
◇      ◇
 福島県の避難区域などに店舗や工場などがあった2762事業所のうち、避難前の地元で事業再開したのは7月20日現在で455社、16.5%にとどまることが分かりました。事故から3年半が過ぎ、避難先で事業を再開する事業者が新たな顧客を獲得するなど帰還の利点が薄まり、地元再開を志向する経営者の意識は弱まっています。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
シイタケ原木を全量検査 県、林業再生目指す
福島民報2014年9月26日
 東京電力福島第一原発事故からの本県林業の再生に向け、県はシイタケ栽培に用いる原木の全量放射性物質検査に乗り出す。出荷前の全量検査はコメ、あんぽ柿に続く措置。まず会津地方で検査体制を構築する。平成27年度内に、細かく砕かなくても濃度を計測できる非破壊式検査機器を導入し来秋の伐採期の本格稼働を目指す。将来的には全県に拡大する。安全性を確保した上で流通させる。震災前は県外出荷量日本一だった県産原木の産地復活を目指す。
 25日の9月定例県議会農林水産常任委で県が示した。県内の広葉樹林は国内有数の原木生産地で、原発事故前の平成22年は、約500万本を生産し、300万本近い原木を県外に販売していた。全長約90センチの原木は1本当たり200円前後で取引され、年間約10億円の産業を形成していた。
 原発事故発生後、多くの産地で原木の放射性セシウムが林野庁の指標値(1キロ当たり50ベクレル)を超えた。24年の生産量は約30万本で原発事故前のわずか6%にとどまる。
 県は空間放射線量の比較的低い会津地方全域で原木となるナラなどの放射性物質検査を実施し、数千万本が供給可能と分かった。早期の林業再生に向け、安全性を確保し流通させる必要があるとして全量検査に踏み切る。9月補正予算案に検査機器の改良など関連予算約4550万円を計上した。
 現在のゲルマニウム半導体検出器を用いると原木を砕く手間がかかる上、測定に数十分を要する。これまでに開発された非破壊式検査機器では3分~5分はかかり、時間の短縮と精度の向上が求められていた。全量検査に導入される改良型は1本当たり30秒程度で測定が可能。現場の負担が軽減される。
 伐採期の11月から約5カ月間で検査機器1台当たり最大9万本を測定できる見込み。原木を供給する事業者や森林組合などに配備する方向で検討する。
 一方、原木の放射性物質低減にも力を入れる。県は高圧洗浄で放射性物質を低減させる「ウェットブラスト」を開発済みで、1キロ当たり200ベクレル以下の原木であれば8割弱を50ベクレル以下にできるという。県は原木の高圧洗浄と全量検査で安全性をより高める考えで、県林業振興課は「日本一良質な原木産地を取り戻す」としている。
◇  ◇
 県内産原木の流通量が減ったため、県内の原木シイタケ農家は苦しい経営を強いられている。県外産は2倍近い高値で取引され、経費が増大するためだ。
 農家数は22年末に443人だったが、昨年末時点では78人と2割弱にまで激減している。
※シイタケやナメコの原木の指標値 林野庁は東京電力福島第一原発事故を受け平成23年8月、放射性物質が付着している可能性があるとして原木の出荷自粛を要請した。同10月には原木に含まれる放射性セシウムの暫定指標値を1キロ当たり150ベクレルに設定し、基準を下回れば出荷可能とした。24年4月からは原木の指標値を同50ベクレルに厳格化している。
 
 
原発再稼働「困難」 小渕経産相、県民感情に配慮
 福島民友ニュース 2014年9月26日
 25日に来県した小渕優子経済産業相は、県や県議会が全基廃炉を求めている東京電力福島第2原発1~4号機について「再稼働は大変難しいものがある」と述べ、県民感情を考慮して再稼働は困難との認識を示した。
  小渕氏は視察先の田村市で報道陣に「廃炉を決定するのはあくまで事業者」と従来の政府見解を繰り返しながらも「福島の皆さんの気持ちを考えると、原子力規制委員会に(再稼働への審査を)申請している(全国の)他の原発とは大きく状況が違う」と説明した。
  福島第2原発については茂木敏充前経産相も「他の原発と同列に扱えない」との認識を示し、小渕氏もその立場を踏襲した形だ。
  視察に先立ち小渕氏は県庁で佐藤雄平知事と会談。佐藤知事は福島第2原発に関し「政治主導で廃炉を決めてほしい」と訴え、東電に委ねずに政府が決断するよう求めた。福島第1原発のトラブル防止と、浜通りの産業復興の柱となる「福島・国際研究産業都市構想」の着実な実行も要望した。
  小渕氏は「廃炉・汚染水対策は政府が前面に立って何が何でもやり遂げるという強い覚悟だ」と約束した。
 
 
「長期避難者向け支援を」 日本学術会議が提言
福島民友ニュース 2014年9月26日
 日本学術会議は25日、福島第1原発事故に伴う避難について、早期の帰還や移住とは別に、長期にわたり避難した後に帰還する「長期待避」を「第3の道」と位置付け、二重の住民登録など長期待避を選択した避難者への支援を求める内容を盛り込んだ提言を公表した。
  提言では、現状の政策に沿った早期帰還を「第1の道」、避難者が自力で行う移住を「第2の道」とし、元の自治体のコミュニティーを維持しながら、住民が安心して帰還できるまで長期に避難を続ける「長期待避・将来帰還」を第3の道と位置付けた。避難が5年以上の場合を「長期待避」、30年以上の場合を「超長期待避」と定義した。
  長期待避を行う避難者のために必要な政策として、住民票の二重登録の実現や、復興事業や健康管理などの対象者を定める被災者手帳の配布、セカンドタウン(町外コミュニティー、仮の町)の再検討、小中学校・高校の維持などが必要だと指摘した。
 
 
地元で事業再開16.5% 避難区域など、帰還の利点薄まる
福島民友ニュース 2014年9月26日
 原発事故による避難区域などに店舗や工場などがある2762事業所のうち、避難前の地元で事業再開したのは7月20日現在で455社、16.5%にとどまることが25日、県商工会連合会と県の調べで分かった。地元以外を含め県内で再開したのは53.9%と、昨年10月20日時点からわずかに増えた。ただ事故から3年半が過ぎ、避難先で事業を再開する事業者が新たな顧客を獲得するなど帰還の利点が薄まり、地元再開を志向する経営者の意識が低迷している。
  小渕優子経済産業相は同日、避難指示が4月に解除された田村市都路町の公設商業施設を視察し、住民帰還には働く場の確保が必要として、区域内の事業所再開などを支援する方針を示した。具体的には、企業立地補助金などによる支援を継続する考え。