2026年6月29日月曜日

原発の安全性問う 富山 原発なくす会総会/「原則40年運転」が形骸化

 しんぶん赤旗の掲題の記事を紹介します。
 岐阜大学工学部名誉教授の新村昌治さんが14日、「原発をなくす富山県連絡会」「あらためて問う 原発の安全性」というテーマで講演し、「原発は火力発電と比べても効率が良いわけではない」し原子炉圧力容器は中性子との衝突による脆化や、高温・高圧の水や蒸気による金属疲労で劣化するので、政府が進める老朽原発の再稼働「圧力容器劣化し緊急時に耐えられない。止めるべきだ」と力説しました。

 併せて時事通信の記事を紹介します。
 原子炉圧力容器は中性子との衝突により劣化するのは明らかなことなのに、それを書類の審査だけで60年も、更にそれ以上も使用することを目指しているのが現状です。
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原発の安全性問う 富山 原発なくす会総会
                      しんぶん赤旗 2026年6月27日
「原発をなくす富山県連絡会」は14日、富山市内で2026年度総会を開催しました。岐阜大学工学部名誉教授の新村昌治さんが、「あらためて問う 原発の安全性」というテーマで講演し、原子力発電の軽水炉や原子炉圧力容器の構造について解説しました
 軽水炉を例に新村氏は、原発は蒸気に圧力を与えすぎると炉心冷却の喪失などの恐れがあると説明し、「火力発電は高温高圧の蒸気を利用できる。原発は火力発電と比べても効率が良いわけではない」と指摘しました。
 また、原子炉圧力容器について新村氏は、中性子と構造物との衝突による構造物の脆化(ぜいか)や、高温・高圧の水や蒸気による金属疲労の危険性を指摘。政府が進める老朽原発の再稼働について、「圧力容器は劣化し、緊急時に耐えられない。止めるべきだ」と力を込めました。


原発の運転「原則40年」、形骸化 使用済み核燃料増加の一因に
                            時事通信 2026/6/29
 東京電力福島第1原発事故を受け、原発の運転期間は「原則40年、最長でも60年」とされた
 当初、40年超運転は「極めて限定的」との触れ込みだったが、原子力規制委員会の審査で電力会社の申請が認められなかった事例はなく、使用済み核燃料が増える一因となっている
 細野豪志原発事故担当相(当時)は「40年を超える運転は極めて例外的」と説明。規制委の初代委員長を務めた田中俊一氏も就任前、国会で「古い原発の安全性を確保するために必要な制度。大変厳しいバリアー(障壁)になると判断している」などと述べていた。
 だが、規制委は2016年、運転開始から40年超となる関西電力高浜原発1、2号機(福井県)の運転延長を認可。40年が迫っていた同美浜原発3号機(同)も審査を優先した上で、延長を認めた。
 今年4月には、5年以内の設置を義務付けているテロ対策施設の期限の起点を、原発本体工事の計画認可から営業運転開始時に遅らせる方針を決定。従来は施設完成が間に合わず、運転停止に至るケースもあったが、東北電力女川原発2号機(宮城県)などは免れる見込みとなっている。

厳しさ増す関電 他社はプール外貯蔵へ 青森知事判断が影響も・使用済み核燃料

 各地の原発で使用済み核燃料が増え続け、保管するプールの余裕が乏しくなりつつある中、電力会社の多くは発熱量が低下した核燃料を空気で冷やす「乾式貯蔵」施設を設置してしのぐ方針です。
 青森県の宮下宗一郎知事が3月、再処理工場の審査が日本原燃の想定通り進んでいないとして「26年度の搬入を認めない」と表明したためですが、電力各社は日本原燃を全面的に支援し、知事の翻意を期待しています
 搬出が全くできない場合、高浜原発では28年度ごろ、美浜原発(同)では29年度ごろ、大飯原発(同)では30年度ごろにそれぞれプールが満杯になるとの試算で、綱渡りの状態が続くことになります。
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厳しさ増す関電 他社はプール外貯蔵へ 青森知事判断が影響も・使用済み核燃料
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 各地の原発で使用済み核燃料が増え続け、保管するプールの余裕が乏しくなりつつある中、電力会社の多くは発熱量が低下した核燃料を空気で冷やす「乾式貯蔵」施設を設置してしのぐ方針だ。
  【ひと目でわかる】再稼動原発の使用済み燃料発生量とプール貯蔵率
 ただ、原発敷地内の貯蔵容量は原則増やさないとしている関西電力は厳しさが増しているほか、東京電力は中間貯蔵施設(青森県)利用に地元知事が待ったをかけるなど課題が目白押しだ。
 関電は対応策として、日本原燃の再処理工場(同)の来年度稼働開始を前提に、2028年度からの使用済み燃料搬出を計画していると説明。このほか、27~29年度には高浜原発(福井県)の使用済みウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料計約200トンをフランスの事業者へ輸送するとした。
 ただ、搬出が全くできない場合、高浜原発では28年度ごろ、美浜原発(同)では29年度ごろ、大飯原発(同)では30年度ごろにそれぞれプールが満杯になるとの試算で、綱渡りの状態が続く
 柏崎刈羽原発6号機(新潟県)を今年1月に再稼働させた東電は、7月以降に使用済み燃料を中間貯蔵施設に搬出する予定だった。しかし、青森県の宮下宗一郎知事が3月、再処理工場の審査が日本原燃の想定通り進んでいないとして「26年度の搬入を認めない」と表明。電力各社は日本原燃を全面的に支援し、知事の翻意を期待している
 九州、四国、東北の3社は乾式貯蔵施設の運用を対策に挙げた。四電は伊方原発(愛媛県)敷地内で昨年7月から運用を開始しており、3号機が運転を続けても問題ないとの認識だ。
 九電と東北電の2社も今後、玄海(佐賀県)、川内(鹿児島県)、女川(宮城県)の各原発で施設の運用を予定しており、稼働継続へ布石を打っている。ただ、いずれも貯蔵は一時的との前提で、根本解決にはほど遠いのが実情だ。

原発立地自治体の協議会、最終処分地選定の提言書を高市首相に提出

 米沢光治会長(敦賀市長)が読売新聞の取材に応じました。
 全原協が5月、高レベル放射性廃棄物の最終処分地選定についての提言書を高市首相へ提出した狙いについて、「国民全体が自分の問題として考えるきっかけにしたい」と考え、
「現実に国内で原発は稼働し、使用済み核燃料はたまり続けている。原子力に賛成か反対かに関係なく、広く国民全体で考えるべき、目の前にある問題だという意識があり、寿都、神恵内、玄海の各町村長にも話を聞いたが、本当に苦労をされていたので、処分場に限らず、原発や原子力施設の立地地域の将来像について、国も一緒になって考えてほしい」と訴えたことを明かしました。
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原発立地自治体の協議会、最終処分地選定の提言書を高市首相に提出…「原子力に賛成・反対関係なく広く国民全体で考えるべき」
                            読売新聞 2026/6/26
 全国原子力発電所所在市町村協議会(全原協)は5月、高レベル放射性廃棄物の最終処分地選定についての提言書を高市首相へ提出した。米沢光治会長(敦賀市長)が読売新聞の取材に応じ、「国民全体が自分の問題として考えるきっかけにしたい」と狙いを明かした。(今津博文)
 再処理工場では、「核のゴミ」とも呼ばれる高レベル放射性廃棄物も生じる。その最終処分場については、候補地選定の最初の段階である「文献調査」は北海道の寿都(すっつ)町や神恵内(かもえない)村、佐賀県玄海町、東京都小笠原村の4町村で実施されている。
 全原協によると、昨年5月、提言書の検討委員会を設置。有志21市町村が参加し、議論を重ねて提言書をまとめた。
 米沢会長は「現実に国内で原発は稼働し、使用済み核燃料はたまり続けている。原子力に賛成か反対かに関係なく、広く国民全体で考えるべき、目の前にある問題だという意識があった」と説明した。
 提言書は4項目から成り、最初の項目で最終処分場の選定プロセスについて、「自治体の権限が極めて大きく、それゆえに自治体に大きな負担が発生している」と指摘した。
 最終処分場の候補地選定では従来、自治体側による「手挙げ方式」が主だった。米沢会長は「世間の耳目は手を挙げた基礎自治体(市町村)に集中し、色んな議論の矢面に立たされる。寿都、神恵内、玄海の各町村長にも話を聞いたが、本当に苦労をされていた。もっと国に出てきてほしいという思いを込めた」と語る。
 5月27日、首相官邸で米沢会長が提言書を手渡した際、高市首相は「国が前面に立つ」と述べたという。米沢会長は「我々の思いは伝わったと思う」と期待する。
 最終処分場の実現に向け、「科学的で合理的な議論をしっかりとやってほしい。その上で、処分場に限らず、原発や原子力施設の立地地域の将来像について、国も一緒になって考えてほしい」と訴えた

北欧2か国で「地層処分」の取り組み進む
 高レベル放射性廃棄物は、使用済み核燃料からウランやプルトニウムを回収した後に残る廃液を、ガラスと一緒に溶かして固めたものだ。環境中に漏れ出ないよう、地下深くの安定した岩盤に埋める「地層処分」を行う。
 高レベルの廃棄物や使用済み核燃料は放射線量が極めて高い状態で数万年以上、残り続ける。国際原子力機関(IAEA)は、地層処分を「人間の生活環境から半永久的に隔離する唯一の現実的な方法」としている。
 フィンランドとスウェーデンは、使用済み核燃料を再処理せずにそのまま埋める方針だ。原子力発電環境整備機構(NUMO)によると、両国は地層処分への取り組みが最も進んでいる。フィンランドでは、2024年に世界初の最終処分場「オンカロ」の試運転を開始。スウェーデンも昨年、最終処分場の建設を開始した。
 日本と同様、再処理後に最終処分を行うフランスでは、建設予定地が決まった。予定地近くの地下約500メートルにトンネルを掘り、具体的な手法の安全性を研究している。

「事業者に高圧的に接してはならない」 原子力規制庁のガイド改正案

 原子力規制委は26日、原発の検査官が使う運用ガイドに「事業者に高圧的に接してはならない」といった内容を加える方針を示しました。
 九州電力川内原発の運転を監視する検査官が昨年、九電の担当者に対して、技術的根拠を示さず恫喝的な主張をしていた事案を受けた対応ということです。当然の対応です。
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「事業者に高圧的に接してはならない」 原子力規制庁のガイド改正案
                           朝日新聞 2026/6/26
 原子力規制委員会は26日、原発の検査官が使う運用ガイドに「事業者に高圧的に接してはならない」といった内容を加える方針を示した。九州電力川内原発(鹿児島県)の運転を監視する検査官が昨年、九電の担当者に恫喝(どうかつ)的な主張をしていた事案を受けた対応という
 規制委によると、検査官は昨年秋ごろ、九電の担当者と意見が食い違った際、技術的根拠を示さずに主張を押しつけるようなことがあった。
 規制委は、26日の検査制度に関する電力会社や研究者との意見交換会で、運用ガイドの改正案を示した。付録に「検査官に求められる振る舞い」を新たに設け、電力会社の社員らと対等にコミュニケーションするための留意事項を載せる方針を説明した。

29- 中部電力の株主総会、トップ2人の再任案可決 データ不正問題は陳謝

 中部電力は25日、名古屋市で株主総会を開き、会社側が提出した勝野哲会長と林欣吾社長の再任を含む取締役選任案を可決しました。
 株主から「早く再稼働させるという硬直した経営方針が現場にプレッシャーを与え、不正に手をそめることになったのでは」「経営の監督を適切に行っていないから、こういうことが起きた」などと再任案への反対意見が出ました。
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中部電力の株主総会、トップ2人の再任案可決 データ不正問題は陳謝
                           朝日新聞 2026/6/25
 中部電力は25日、名古屋市で株主総会を開き、会社側が提出した勝野哲会長と林欣吾社長の再任を含む取締役選任案を可決した。浜岡原発(静岡県)の再稼働をめぐるデータ不正問題の責任があるとして、米国の議決権行使助言会社がトップ2人の再任案への反対を推奨していた。データ不正問題については、第三者委員会や原子力規制委員会が調査を進めており、今後、経営責任が改めて問われる。
 総会の冒頭、勝野氏はデータ不正問題に触れ、「信頼を裏切ることとなったこと、心より深くおわび申し上げます」などと陳謝した。
 会社側はトップ2人を続投させる理由として、「事業に精通し、経営諸課題を解決するのに十分な能力がある」などと説明した。一方、米国の議決権行使助言会社ISS(Institutional Shareholder Services)は総会の前に、データ不正問題を念頭に「コンプライアンス上の懸念がある」として、2人の再任案に反対を推奨していた。
 総会では株主から「早く再稼働させるという硬直した経営方針が現場にプレッシャーを与え、不正に手をそめることになったのでは」「経営の監督を適切に行っていないから、こういうことが起きた」などと再任案への反対意見が出た

2026年6月25日木曜日

国土戦場化想定しながら攻撃の標的になる原発推進 松久保肇さんに聞く

 ウクライナ情勢などで、戦時で原発が標的となり、事故の危険が高まる実態が表面化しています。そんな中で日本政府は原発回帰路線に走りだしています。

 しんぶん赤旗が、原子力資料情報室事務局長の松久保肇さんに、原発が存在すること自体の危険性について聞きました。
 松久保さんは、原発のみならず「六ケ所村の再処理工場」はいうまでもなく、小規模の「東海再処理施設」にも大量の放射性物質が保管されていてその1%が施設外に漏れたと仮定しただけで、首都圏が壊滅するほどの被害が及ぶこともあり得るということです。
 因みに国内の全原発において、対ミサイル防衛機能は何も考慮されていないというのが実状です。ではどうすべきかですが、代替のエネルギーを一番早く確保できる方法は再生可能エネルギーと省エネということです。
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【戦争国家の実相】国土戦場化想定しながら攻撃の標的になる原発推進 再エネ投資こそ「安全保障」
                       しんぶん赤旗 2026年6月22日
 ウクライナ情勢などで、戦時で原発が標的となり、事故の危険が高まる実態が表面化するなかで、原発回帰路線に走る日本政府の姿勢について、原子力資料情報室事務局長の松久保肇さんに聞きました。                  (石橋さくら)

原子力資料情報室事務局長 松久保肇さんに聞く

     まつくぼ・はじめ  NPO法人「原子力資料情報室」事務局長。
               2022年から経済産業省・原子力小委員会委員。著書に
              『原子力の終活-産業としての終焉』、共著に『検証 福
               島第一原発事故』、『原発災害・避難年表』など

 ロシアがウクライナのザポリージヤ原発などを攻撃し、また米・イスラエルによるイラン攻撃で始まった中東情勢でも、イランがUAEのバラカ原発を攻撃し、米・イスラエルもイランのブシール原発を攻撃するなど原発への攻撃が後を絶ちません。原発やダムなど、民間人に大量の犠牲が発生する施設への攻撃を禁じるジュネーブ条約違反が繰り返される異常事態です。
 原発には電力を送受電する長い送電線がつながっていますが、それが切れると送電ができなくなるため、運転は停止します。また原発は、発電の有無にかかわらず、継続的に原子炉の中を冷却する必要があり、そのために外部から原発への送電も不可欠です。しかし戦争になれば、電力やエネルギーなどのインフラ施設が攻撃され、送電網が破壊されることは容易に考えられます。また、原発は電力の供給量が大きいため、一つの原発が機能しなくなるだけで大規模な停電になりかねません。安定的にエネルギーを供給する「エネルギー安全保障」の観点から原発は脆弱と言えます。

防衛の圏外
 原発が攻撃された場合の対応などを議論した2022年11月の原子力小委員会で日本政府は、北朝鮮からの弾道ミサイル飛来を想定し、大気圏外ではイージス艦から発射する迎撃ミサイルSM3で迎撃し、撃ち漏らした場合は、移動可能な迎撃ミサイルPAC3で迎撃するとしています。米軍はPAC3の射程を軍事機密としています。そこで私は、軍事専門誌などの情報に基づき、射程を約35キロとし、全国各地の自衛隊基地に配備されているPAC3から35キロの円を地図上に描いてみました(図PDF版
https://drive.google.com/file/d/1edBA36orcerFE2qAr7QxIVLiEGCETwEq/view?usp=sharing
結果、円の範囲内に入る原発はつも存在しないことがわかりました。ミサイル発射時点でPAC3を移動させればよいかというと、北朝鮮や中国から弾道ミサイルが日本に到着するまでのわずか10分ほどで自衛隊基地から原発へ配備するなど到底不可能です。原発は守れる″などとこうした虚構の話を住民に説明するまさに政府が国民をだましていることと等しいと思います。
 英紙フィナンシャル・タイムズが24年、ロシア軍が、日本や韓国などとの戦闘を想定し攻撃対象施設160ヵ所のリストを作成していたと報じましたが、軍事施設の他、原子力関連の施設も含まれており、攻撃対象と認識していることが明らかになっています。その一つに使用済み核燃料からウランやプルトニウムを取り出す処理を行う東海再処理施設(茨城県東海村)があげられています。同施設で再処理はもう行っていませんが、いまだに大量の放射性物質が保管されており、この1%が施設外に漏れたと仮定しただけで、首都圏が壊滅するほどの未曽有の被害が及ぶこともあり得ます。
 さらに私が懸念する施設が、六ケ所再処理工場(青森県六ケ所村)です。使用済み核燃料の金属被覆管ごと細断し硝酸で溶解するため、放射性物質が液体状態で大量に扱われており、万が一破壊されれば、当然施設の外に漏出する危険も高いと言えます。の工場は
1997年に完成予定でしたが、相次ぐ設計ミスや事故・トラブルなどで大幅に工期が遅れ、いまだに建設中で、運転前から老朽化が始まっているような施設です。このような施設が大量の放射性物を扱う上、戦時には攻撃の対象となるリスクを持つのです。非常に危険だと思います。
 ジュネーブ条約は、原発への攻撃を禁止する一方、ヴラン濃縮施設や再処理工場に問しては対象外としています。この背景に条約締結当時、れらの施設は核兵器の製造に使用され得る軍民両用施設として扱いが定まらなかったことがあります。つまり広範囲の地域が壊滅するほどの危険な再処理工場などへの攻撃に対し国際条約が歯止めとならない問題もあるのです。
 原発は、稼働中に核分裂により大量の熱エネルギーを放出しますが、稼働を停止すればこの熱も下がり、リスクも下がります。ところがウクライナは、電力供給を原発に依存していることから、ザポリージャ原発奮占領されてからもしばらく運転を継続しました。ウクライナの他の原発は今も稼働中です。その分、リスクを原発周辺住民に押しつけているのです。
 日本の原子力損害に問する賠償法では、基本的に事故発生を事業者の過失責任とする一方、大災害や戦争の発生によるものは例外としています。戦争は国家の非常事態だとし国民に被害を我慢させる「戦争被害受忍論を盾に、国は太平洋戦争の民間空襲被害者への補償を拒んでいます。仮に戦争になり原発事故が発生した場合、同じように国民が「受忍」を強いられ、甚大な被害に運う原発周辺住民が切り捨てられることになると思います。

かじ切る世界
ウクライナの原発を占拠したロシア側の思惑として、電力供給量の約60%を原発に依存していたウクライナの電力供給を断つことが大きかったと思います。ロシアによる原発占拠やエネルギーインフラの破壊などを受け、ウクライナの力事業者は、大きな電源に依存することは「安全保障上のリスクだった」と述べ、安全保障上の最良策は「分散電源だ」と明言しています。
 中東情勢危機を受け、エネルギーをいかに安定的に確保するかが課題となるなか、一番早く確保できる方法は、再生可能エネルギーと省エネです。福島第1原発事故発生当時は、電力供給量の約30%を原発に依存していましたが、事故から15年経過した現在は10%ほどです。政府は、今国会で成立を狙う電気事業法改定案」で原子力発電などの新設に公的資金を融資できるようにしようとしています。しかし、原発の新設には1基当たり2、3兆円かかり、建設には20年ほどを要します。ばく大なコストと時間を投じても政府の目指す40年までの電力供給量20%達成の実現性は低く、今直面しているエネルギーの安定確保という課題の解決策にはなりません
 一方、世界は再生可能エネルギーヘの投資に大きくかじを切っています。国際エネルギー機関(IEA)のエネルギーヘの投資に関する報告書によると、再生可能エネルギーヘの投資は原子カエネルギーヘの投資の約10倍で推移しています。多くのリスクを持つ原子力に固執するのではなく、再生可能エネルギーヘの投資に転換することこそが「エネルギー安全保障」に一番資すると考えます。

プルサーマル発電「スケジュールありきではなく周辺地域の理解を優先したい」中電が鳥取県側に説明

 中国電力が松江市に対して2月、29年度にプルサーマル発電の開始を想定していると説明しましたが、鳥取県側に安全協定に基づく事前の説明が一切なかったとして、平井知事が中国電力へ抗議した件で、経産省が中国電力に対し説明の在り方を見直すよう口頭指導を行っていました。
 中国電力24日、スケジュールありきではなく周辺地域の理解を優先したいと述べたことを受けて、平井知事は「きちんと手続きを踏んで我々のところに協議されるのであれば、私たちもコミュニケーションを今後とっていくことになる」と応じました。
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「スケジュールありきではなく周辺地域の理解を優先したい」 島根原発2号機 プルサーマル計画めぐり中電が鳥取県側に説明 住民説明会開催など日程調整を進めることを確認
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使用済み核燃料を再処理して島根原発2号機で使用するプルサーマル発電について、中国電力は、24日、鳥取県の平井知事らに対し、スケジュールありきではなく周辺地域の理解を優先したいなどと説明しました。そして、島根県側で開催が決まっている住民説明会などについて、鳥取県側でも実施に向けて日程調整を進めることを確認しました。
24日の説明で中国電力の北野副社長らは、鳥取県の平井知事や米子市、境港市の両市長に、「原子力安全協定に基づき周辺地域と同様、誠意をもって対応していく」と述べました。
そして、安全性などについて検証するため、鳥取県側が求めている原子力安全顧問や担当職員、市議会などへの説明。また、住民説明会の開催などについて、実施に向けて日程調整を進めることを確認しました。
中国電力 北野立夫副社長「プルサーマルというのは長い時間が必要だというのを伝えるのが先。1年2年でできるものではなくて、結構な時間がかかるというのをお話したうえで、それ(2029年度という開始想定)を守りたいではなくて、理解を深めることを最優先したいので、工程ありきではないと申し上げた。」
鳥取県 平井伸治知事「まずは周辺地域の納得と理解が前提であることは明言された。」「きちんと手続きを踏んで我々のところに協議されるのであれば、私たちもそれに対して信義誠実に応じると明記されているので、コミュニケーションを今後とっていくことになると考える。」
このプルサーマル発電をめぐっては、2026年2月、中国電力が松江市に対して、2029年度に開始を想定していると説明しましたが、鳥取県側には安全協定に基づく事前の説明が一切なかったとして、平井知事が中国電力へ抗議
経済産業省が中国電力に対し、説明の在り方を見直すよう口頭指導を行っていました。
中国電力は、スケジュールありきではなく、周辺地域の理解を優先したいとしています。