2022年8月31日水曜日

盗人猛々しい岸田内閣原発推進(植草一秀氏)

          (ワクチンの発熱が夕べで治まったので記事を更新します)
 植草一秀氏が「盗人猛々しい岸田内閣原発推進」とする記事を出しました。
 まず岸田首相が7月10日の参院選まではあいまいな言い回しを続けていて、選挙が終わると原発の再稼働を叫び、次世代原発の開発にまで言及したことを批判しました。
 そしてこれまで再生エネの開発を放置し、火力発電所を安易に次々と廃止した挙句に電力不足を叫んで原発再稼働を推進する態度を「盗人猛々しい」と批判しました。
 原発の問題は様々にありますが、最大の問題は日本の原発の耐震設計基準が十分でないことで、いまや日本では1500ガルを超える揺れの地震は無数に頻発していますが、耐震設計基準450ガルから800ガルという低水準に留まっていることです。
 その理由は明らかで、例えば基準を1500ガルに上げると全ての原発が再稼働できなくなるからです。要するに基準が現状の原発が動かせるようにという、本末転倒の状況になっているということです。
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盗人猛々しい岸田内閣原発推進
                植草一秀の「知られざる真実」 2022年8月30日
岸田内閣が予想通り原発再稼働を全面的に推進し始めた。
7月10日の参院選まではあいまいな言い回しを続けたが、選挙が終わり発言を変えた
8月24日に開いたGX(グリーントランスフォーメーション)実行会議で岸田文雄首相は、
「原子力発電所については再稼働済み10基の稼働確保に加え、設置許可済みの原発再稼働に向け、国が前面に立ってあらゆる対応をとっていく」と述べた。
さらに、「原発再稼働に向けた関係者の総力の結集、安全性の確保を大前提とした運転期間の延長など既設原発の最大限の活用、新たな安全メカニズムを組み込んだ次世代革新炉の開発・建設など」の項目が示された。
その理由として岸田首相が掲げたのは「グローバルにどのような事態が生じたとしても国民生活への影響を最小化すべく、事前にあらゆる方策を講じること」「電力需給逼迫の克服のため、あらゆる施策を総動員し、不測の事態にも備えて万全を期していくこと」だった。

経産省演出の三文芝居が演じられている。
ウクライナの戦乱、盛夏を利用して、経産省は「電力危機」を演出してきた。
多少の暑さ、多少のエネルギー価格の高騰で電力の安定供給が揺らぐのは政府・経産省(エネ庁)のエネルギー政策の失敗を示すものでしかない。
自らの失策を原発の全面推進に利用するのは「盗人猛々しい」と言うほかない。
選挙前は牙を隠し、選挙が終わった途端に牙をむき出しにするのもえげつない。
しかし、この路線は見え見えだった。岸田氏は昨年9月の自民党総裁選の時点から原発稼働推進に前のめりの姿勢を示してきた。
財政運営では財務省の言いなりになり、エネルギー政策では経産省・エネ庁の言いなりになる。官僚支配政治に先祖返りしている。

フクシマ原発事故から11年の時間が経過し、フクシマの教訓を葬り去る岸田氏が次の悲劇をもたらすのは時間の問題と言える。
日本では現在、原子力緊急事態宣言が発出されている。2011年3月11日に発出された「原子力緊急事態宣言」は発出されたままなのだ。
一般公衆の被曝上限は法律によって年間1ミリシーベルトに定められている。
ところが、「原子力緊急事態宣言」発出中である非常時の緊急対応として年間線量20ミリシーベルトの被ばくを国民に強要している
国際的に確立されている科学的知見は累積被ばく線量が100ミリシーベルトを超えるとがん発症率が有意に上昇するというもの。
20ミリシーベルトの被ばくは5年が経過すれば累積線量100ミリシーベルトに達する。
この殺人的施策が実行されている。

フクシマ原発事故の発生原因は特定されていない。
津波によって原発電源が失われる前に、地震の揺れによって原発が損傷した疑いが払拭されていない。最大の問題は日本の原発の耐震設計基準が十分でないこと
福島事故以前、日本の原発の耐震設計基準はほとんどが400ガル程度に定められていた。
福島事故を受けて基準が引き上げられたが、それでも耐震設計基準は450ガルから800ガルの水準までしか引き上げられていない

しかし、日本では1500ガルを超える揺れの地震が頻発している。
そして、その1500ガルを超える揺れは日本列島のすべての場所で発生する可能性がある。
日本の原発の耐震設計基準が400ガル程度に定められていたのは、かつて、関東大震災の震度が7で、ガル数は350ガルないし400ガル程度だと思われていたことによる。
100年に一度、1000年に一度しか発生しないような巨大地震でも、揺れの強さを示すガル数は400ガル程度と考えられていた。
このために、耐震設計基準が400ガル程度で原発が建造された。

ところが、この見解が事実とかけ離れた誤判断であることが判明した。
現在では震度7が1500ガル以上に相当することが判明しており、しかも、1500ガルを超える地震動が頻繁に発生していることが明らかになった。
阪神淡路大震災を契機に全国にたくさんの地震計が置かれるようになり、地震の正確なガル数が計測できるようになり、かつての知見の誤りが明白になった。
ところが、日本政府はほぼすべての原発耐震性能基準を700ガル以下に留めたまま。
いつフクシマ事故が再現されてもおかしくない状況にある。
この状況下で原発稼働を推進してよいわけがない。

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福島・双葉町 避難指示の一部解除 原発事故から11年5か月

 福島県・双葉町で8月30日、一部のエリアの避難指示が11年5ヶ月ぶりに解除されました。今回解除された区域は町全体の15%ですが、全町民の約7割が住民登録をしているエリアで所謂中心地です。

 町は「安心して戻って欲しい」と願っていますが、さまざまな理由で実際はそうはなっていません。TBSがその問題を深堀りするニュースを伝えました。
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福島・双葉町 避難指示の一部解除 原発事故から11年5か月 「安心して戻っていただきたい」 一方で「戻る人が少ない」
                       TBS NEWSJNN) 2022/8/30
福島県内の市町村で唯一、全住民の避難が続いていた福島県・双葉町で、8月30日、一部のエリアの避難指示が11年5ヶ月ぶりに解除されました。今回解除された区域は、町全体の15%ですが、全町民の約7割が住民登録をされているエリアです。双葉町は住民帰還に向けて準備を進めています。一方、隣町の大熊町では、一足先に避難指示が解除されました。しかし、大熊町の住民は、過半数が戻らない状況です。住民帰還への険しい道のりをスタジオで見ていきます。

■原発事故から11年5か月 福島・双葉町 避難指示の一部解除
ホラン千秋キャスター東日本大震災が発生し、福島第1原発事故から時間が経ちましたが、まだまだ皆さんかつての生活を取り戻すというところまでたどり着いていない場所もあります。
ただ、一歩前進しました。
福島県内の市町村で唯一、全住民の避難が続いていた福島県・双葉町で、30日、一部のエリアの避難指示が11年5ヶ月ぶりに解除されました。
では、今回解除されたエリア一体どのあたりなのか地図で見ていきます。
双葉町は、黒い線で囲まれたこのエリアです。今回、解除されたのはJR常磐線の双葉駅もある、赤色の地域(特定復興再生拠点区域)です。
赤いエリアは、常磐自動車道まで続いていませんが自動車で運転して、解除された地域に入るということは可能だということです。
このエリアは、町全体の面積でいうと15%に当たりますが、住民登録数(7月末時点)は3347人・1373世帯と7割の町民が集中しているということなんですね。
解除された赤色以外の場所は、まだ住むことが許されていないエリアになります。ですので、ほとんどのところには訪れることはできても住むことはできない。この緑色の地域は避難指示が解除されていますが、住めないエリアです。
そして、汚染された土などが保管されている中間貯蔵施設、その先に福島第1原発がありまして、まだまだ全体で見ると、復興というのは、時間がかかるということがわかると思います。

■町長「安心して戻っていただきたい」 一方で“戻る人が少ない”
ただ、住民に戻ってきてほしいということで、双葉町は、様々な社会インフラを整備してきました。
▼公営住宅86戸を整備 
2022年10月から25戸の入居開始を予定
▼閉鎖していた駐在所を再開
30日から町内のパトロールも実施
▼役場の新庁舎を建設
9月5日から業務始を開始
などを行っています。
準備を進めてきた双葉町の伊澤史朗町長
「やっと双葉町に戻れる状況になりました。安心して戻っていただきたい」と話しています。
ただ、多くの方が戻ってくるような状況ではないようなんです。30日、町に帰還した谷津田陽一さんにお話を伺いました。
「戻る人のあまりの少なさにがっかりしている。赤ちゃんからお年寄りまでいるような自然の形になって初めて復興かなと思います」
と話されていました。
井上貴博キャスター:放射線量は全く問題ないレベルまで落ちたわけですけど、インフラもちろんのこと、コミュニティどう考えていくのか、あとは医療福祉、そういったところもゼロからのスタートになるわけですけど、福島ご出身の星さんはどう感じてますか。
TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん二つ考えることがありまして、一つは原発に代わる新しい産業をどうやって生み出していくかということが必要だと思うんですよね。もう一つは、これだけひどい苦労をしたわけですから、この教訓を日本の将来や政策に生かしてもらいたいというのは福島の人たちの共通の思いだと思うんですね。その教訓を生かすということは何かというと、日本の脱原発政策に結実させてもらいたい。こういう苦労を重ねてきたわけですから。そこを政府側にもきちんと汲み取ってもらいたいと思いますね。
井上キャスター故郷に帰りたいご高齢の方はもちろん帰れるようにする、あとは若い力が絶対的に必要になりますよね。
星さん回戻れるようになりましたけど、若い人・子どもがなかなか戻ってくれませんよね。それは、もちろん原発に対するいろいろ不安もあると思いますが、やっぱり産業がないと戻れませんよね。そこの部分が非常に大事な点になってくると思いますね。

■双葉町の隣・大熊町 過半数“戻らない” 理由は…?
ホランキャスタ双葉町のお隣に、大熊町があるんですけれども、こちらは双葉町よりも一足先に、2022年の6月に避難指示が解除されました。
そして帰還に向けて、大熊町も電気・水道・インターネットなどインフラの復旧に努めたり、飲食店や美容室が入った商業施設をオープンしたんです。
元々住んでいた住民の方々に戻って来ていただくだけではなく、新しい人たちにも来てもらおうということで、町内で新たにビジネスを始める人向けの起業・事業を支援するインキュベーション施設をオープンするなど新たな住民の方々が来てもらえる工夫をしているということなんです。
なぜこういった取り組みを行ったのでしょうか?
大熊町に住民登録している方に行った“大熊町の住民の帰還意向について”
のアンケート調査(2022年2月公表)によると
▼既に大熊町で生活している 2.5%
▼戻りたいと考えている(将来的な希望の含む)13.1%
既に大川町で生活している・戻りたいと考えているという方々は15%ほど。
▼戻らないと決めている 57.7%
もう戻らないと決めている方は60%近かったんです。
戻らないと決めている理由で、最も多かったのは、
▼すでに生活基盤ができている 60.7%
そのほか
▼避難先の方が生活利便性が高い    42.0%
▼医療環境に不安がある        37.7%
▼生活に必要な商業施設などが不足   32.9%
▼家が汚損・劣化し住める状況ではない 25.0%
(※帰還の意向で「戻らないと決めている」と回答した方のみ)
こういった理由からもう戻らないと決めている方が多い。なので、新しい方々に来ていただこうという工夫を大熊町では行っているということです。
井上キャスターコロナ禍で、リモートワークがこれだけ普及しましたので例えば政府が主導して思い切っても経済特区とかにする、税金を大幅に免除するとか、子育て世代大幅に優遇しますとか、何か思い切った政策はぜひお願いしたいと思いますね。
星さん一部はやっているようです。大企業も誘致したりしてそれに乗っている企業もあると思いますけども実際には、昔住んでいた人が戻らないのに新しい人がいきなり行けるかというと、そこはなかなか難しいとこですので、政府がいろんな誘導策をやっていくことと、企業側もそこは自主的にね決断してもらいたい部分は多いと思いますね。

東京ガス 九州電力も調達継続 サハリン2 新会社と契約

 東京ガスと九州電力は30日、ロシア極東の資源開発事業「サハリン2」を巡り、ロシアが設立した新たな運営会社と、液化天然ガス(LNG)の調達を継続する契約を結びました。

 これによりサハリン2からの分は安定的に調達できる見通しとなりました。
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東京ガス、九州電力も調達継続 サハリン2、新会社と契約
                             共同通信 2022/8/30
 東京ガスと九州電力は30日、ロシア極東の資源開発事業「サハリン2」を巡り、ロシアが設立した新たな運営会社と、液化天然ガス(LNG)の調達を継続する契約を結んだと明らかにした。サハリン2は重要なLNGの調達拠点で、契約継続により電力や都市ガスの供給に重要なロシア産LNGを当面、安定調達できる見通しとなった。
 東京ガスは主要な契約条件について変更はないと説明している。九州電力は契約の中身についてコメントしなかった。
 サハリン2からのLNG調達を巡っては、既に東京電力と中部電力が出資するJERA(ジェラ)が25日付で契約を継続したことを明らかにしている。

31- 標準家庭で初の1万円超え 10月の電気料金値上げ 中国電力

  中国電力は燃料費高騰の影響を受け、標準的な家庭でひと月の電気料金が1万円を超える見通しとなりました。これまでは9600円程度でした。

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標準家庭で初の1万円超え 10月の電気料金値上げ 中国電力
                         TSSテレビ新広島 2022/8/30
中国電力は燃料費高騰の影響を受け、10月の電気料金の値上げを発表しました。電力自由化以降、標準的な家庭でひと月の電気料金が1万円を超えるのは初めてです。
中国電力は30日、今年5月から7月の原油、天然ガス、石炭の平均価格がすべて上がっていることから、今年10月の電気料金の値上げを発表しました。
中国電力によりますと今年10月の電気料金は電力自由化以降の新プランで、標準的な家庭の場合、10159円と前の月に比べ554円の値上げとなりました。
1万円を超えるのは初めてで、電力自由化以降過去最大となっています。コロナの影響で燃料費が低水準だった去年2月から電気料金は上がり続け、20か月連続の値上げとなっています。

2022年8月30日火曜日

大熊町で福島第一廃炉国際フォーラム 29日はいわき市で

 「第6回福島第一廃炉国際フォーラム」は28日、福島県大熊町開幕し、県内の高校生や地元住民らが処理水海洋放出や核のごみの処分などに意見を交わしました。

 原子力損害賠償・廃炉等支援機構(NDF)の主催で、パネル討論で、生徒らの質問に国の担当者や東電幹部らが答えました。
 磐城高2年の吉野遥南さんは「トリチウムを薄めても全量を放出してしまえば同じことではないか」と質問し、「福島沖で流すのはやめてほしい」と述べました。
 最終日の29日はいわき市のアリオスで開きます
    お知らせ
  都合により9月1日は記事の更新が出来ません。ご了承願います。
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福島県内の高校生や住民が処理水海洋放出などに意見交わす 大熊町で福島第一廃炉国際フォーラム
                            福島民報 2022/8/29
 東京電力福島第一原発の廃炉を考える「第6回福島第一廃炉国際フォーラム」は28日、福島県大熊町のlinkる大熊で開幕し、県内の高校生や地元住民らが処理水海洋放出や高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の処分などに意見を交わした
 原子力損害賠償・廃炉等支援機構(NDF)の主催。パネル討論で、生徒らの質問に国の担当者や東電幹部らが答えた。
 処理水海洋放出について、安積高2年の小出桃香さん(16)は「トリチウムは害があまりないとされるのに、なぜ問題になっているのか」と尋ねた。原子力規制庁の金子修一次長は水道水に含まれる塩素に例え、「濃度が低い場合は体内に入っても影響を与えない」などと答えた。
 磐城高2年の吉野遥南(はるな)さん(16)は「トリチウムを薄めても全量を放出してしまえば同じことではないか」と質問。金子氏は「時間をかければトリチウムが半減期を迎え、残量は少なくなる」とした。吉野さんは終了後の取材に、風評被害が懸念されるとし「福島沖で流すのはやめてほしい」と述べた
 会場からも質問を募った。大熊町から宮城県に避難している男性は核のごみの処分の見通しが立っていない現状を指摘。「政府は原発再稼働を目指す一方、核のごみ問題の説明はない。子どもや孫に町に戻ってこいと言いたいが、もどかしい」と心境を明かした。
 風評対策や産業、廃炉計画、損害賠償などに関する意見も出た。最終日の29日はいわき市のアリオスで開く。

東電小売り子会社が「債務超過」67億円 

 東電エナジーパートナーは今年6月末時点でおよそ67億円負債が資産を上回る「債務超過」に陥ったと明らかにしました。天然ガスや原油などの燃料価格が高騰する一方で電気料金の値上げには一部、上限があるため、コストを転嫁しきれず、電気を売るほど赤字が膨らむ状況になったことが要因です。

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東電HD「増資含め対応を検討」 東電小売り子会社が「債務超過」67億円 燃料価格高騰でコスト転嫁しきれず赤字膨らみ
                      テレビ朝日系(ANN) 2022/8/29
東京電力ホールディングスが全額出資する電力小売り会社が燃料価格高騰の影響で60億円を超える債務超過になったと明らかにしました
増資を含め、今後の対応を検討するということです。
東京電力エナジーパートナーは今年6月末時点でおよそ67億円負債が資産を上回る「債務超過」に陥ったと明らかにしました。
債務超過となるのは2016年の決算開示以降初めてです。
天然ガスや原油などの燃料価格が高騰する一方で電気料金の値上げには一部、上限があるため、コストを転嫁しきれず、電気を売るほど赤字が膨らむ状況になったことが要因です。
債務超過が続けば企業間の取引が難しくなるため、親会社の東京電力ホールディングスは「増資を含めて対応を検討している」としています.

美浜原発3号機を30日に再稼働

 関西電力は29日、定期検査中の美浜原発3号機を30日に再稼働すると発表しました。放射性物質を含む1次冷却水漏れや、非常用注水設備の圧力低下などトラブルが続き、再稼働が延期されていたものです

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関西電力、美浜原発3号機を30日に再稼働 9月1日に発送電開始
                            毎日新聞 2022/8/29
 関西電力は29日、定期検査中の美浜原発3号機(福井県美浜町、出力826万キロワット)を30日に再稼働すると発表した。9月1日に発送電を開始する。
 美浜3号機は2021年6月、運転開始から40年を超える原発として東京電力福島第1原発事故後全国で初めて再稼働したが、テロ対策施設が期限までに完成せず、わずか4カ月後に停止した。当初の再稼働予定は22年10月中旬だったが、工期を短縮して8月10日に前倒しした。しかし、その後に放射性物質を含む1次冷却水漏れや、非常用注水設備の圧力低下などトラブルが続き、再稼働が延期されていた。【高橋隆輔】

30- 原子力規制委が浜岡原発視察 5時間にわたり施設内20ヵ所を

 29日午前、浜岡原発に9月から委員長に就任する原子力規制委の山中伸介委員や規制庁の幹部らが視察のため訪れました。中部電力は現在、浜岡原発3号機と4号機の再稼働を目指して安全審査を申請していて規制委が審査を進めていますが、今回の視察は審査に関係なく、現状把握と委員の知見を深めることを目的に行われたということです。

 これまで浜岡原発は震源地の真上に設置されているとして世界一危険な原発と言われていましたが、現在は敷地の下には活断層はないという見解だということです。
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国の原子力規制委員会が4年ぶりに浜岡原発視察 5時間にわたり施設内20ヵ所を 津波・地震対策については… 静岡・御前崎市
                          静岡朝日テレビ 2022/8/29(
 国の原子力規制委員会と規制庁の幹部らが静岡県御前崎市の浜岡原子力発電所を視察しました。
根方ゆき乃記者:「2018年以来4年ぶりの視察が始まる。これから防波壁や原子炉建屋の安全対策などを確認して回る」
 29日午前、浜岡原発には9月から委員長に就任する原子力規制委員会の山中伸介委員や規制庁の幹部らが視察のため訪れました。
 中部電力は現在、浜岡原発3号機と4号機の再稼働を目指して安全審査を申請していて、規制委が審査を進めています。ただ、規制委によりますと、今回の視察は審査に関係なく、現状把握と委員の知見を深めることを目的に行われたということです。

海抜22メートルの防波壁
 まず、最初に視察したのは津波対策として設置されている海抜22メートルの防波壁です。
根方記者:「先月、中部電力が新たに示した津波の想定は227m。しかし、この防波壁は22mしかない。今後、新たな津波対策について議論になる見通し」
 今後の津波対策が焦点となるとみられる防波壁。7年前に18mの高さから22mに強化した経緯などが説明されました。
山中委員:「この部分は、後から作ったんですか?」
中部電力職員:「そうですね。こちらがですから、4メートル上げた時に同時にこちらの部分を補強した」
 さらに、発電所周辺の安全性を確認するため、敷地内の断層が見える場所を訪れると、職員から断層の特徴などの説明を受けました。
中部電力職員:「掘っていただくと、非常に固まってしっかりしているということが見ていただける」
 現在、安全審査の中で中部電力は敷地の下には活断層がないことを示していて、規制委による審査が行われています。
 また、来年9月に運転開始から30年を迎える4号機の建屋内の視察では、外部に気体を放出する装置の効果の解析結果について、委員が注文をつける場面もありました。
山中委員:「やはり実際、測ったよって言われると、あ、そうですかっていう。ある程度信用できるんですけど。解析だけだとちょっと、本当にそうなんかなっていう…」
 5時間にわたり、施設内のおよそ20ヵ所を視察した山中委員。浜岡原発の津波・地震対策については。
原子力規制委員会 山中伸介委員:「安定的な構造だという印象を持ちましたけれども、まあ実際に津波の高さが決まって、それからその図面を見させて頂いて、プラントのいろいろ審査ということになろうかと思いますので、この点については、軽々に今申し上げることができないかなと思います」
中部電力専務執行役員 伊原一郎原子力本部長:「今やっていただいている地震、津波、それから地質の審査ですね。ここしっかり事業者として対応していく。できるだけ早く進捗させていくという事で、その先にプラント側の審査がいつできるのかというのが見えてくる、ということだと理解してございます」


原子力規制が4年ぶりに浜岡原発を視察 次期委員長はどう見た? 安全審査8年目も進んだのは10項目中3項目
                         静岡放送(SBS) 2022/8/29
静岡県御前崎市の浜岡原発では8月29日、原子力規制委が4年ぶりに現地視察を行いました。政府の原発政策の転換が注目されるなか、9月から原子力規制委員長に就任するキーマンは、浜岡原発について何を語ったのでしょうか。
野田栞里記者
「原子力規制委員会の浜岡原発の視察。こちらの防波壁からスタートです」
8月29日は原子力規制委員長に9月から就任する山中伸介委員や原子力規制庁の職員が浜岡原発の地震・津波対策を確認しました。
福島第一原発の事故以降、中部電力が津波対策の柱として、工事を進めてきた防波壁の現在の高さは22m。中部電力は南海トラフの巨大地震に伴い、最大クラスの津波は現在の防波壁を超える227mに達すると想定していて、審査が続いています。
中部電力が再稼働を目指す浜岡原発3号機と4号機。2014年から始まった審査は8年目を迎えていますが、安全審査がおむね進んだのは10項目中、3項目です
原子力規制委 山中伸介委員
「(防波壁の)印象は強固な構造という印象。地震や津波関係の審査は、自然相手ということで未知の部分もある。実際に地面をみて判断する審査となり、判断が難しいサイトは審査に時間がかかる」
中部電力 伊原一郎原子力本部長
「質疑はあったが、基準については特になかった。われわれがしっかりとした説明資料を出していく。そのうえで、コメントや意見をしっかりと受け止めて、確実にだしていく」

岸田総理は先週、新たな原発の建設や原発の運転期間の延長を検討するよう指示。エネルギー政策の大転換が示唆される中、浜岡原発の再稼働をめぐる審査は、今後の原発政策を考える上でも重要なポイントとなります。

2022年8月29日月曜日

次世代型原発の建設 有数の地震大国であることを/公開で審議を 

 岸田首相が24日のGX実行会議で原発の再稼働だけでなく次世代原発の開発にまで言及したことについて、28日TBS系「サンデーモーニング」松原耕二キャスターは、「日本は原発の再稼働に固執したからこそ、海外に比べて再生エネルギーの開発が遅れたこれが電力不足の本質と思う」日本は世界有数の地震大国であることを忘れてはいけない」と指摘しました。
 同じく目加田説子中央大教授次世代型原発の建設を検討する方針について、「原発を考える上で最優先しなければいけないのは安全性だと思う。ウクライナを見ても有事の際には原発がターゲットになってしまうこともある。安全性を最優先にどこまで考慮したのか疑問」「この検討委員会全面的に非公開ということであるが、こういうことは広く開かれて議論できるようにすべき。それが311の教訓だったのではないか」と述べました。
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松原耕二キャスター 政府の原発新増設への方針転換に「世界有数の地震大国であることを忘れてはいけない」
                     スポーツニッポン 2022年8月28日
 TBSの松原耕二キャスターが28日、TBS系「サンデーモーニング」(日曜前8・00)に出演。政府が24日に将来的な電力の安定供給に向けて次世代型原発の建設を検討する方針を公表したことに言及した。
 東京電力福島第1原発事故以降、原発の新増設やリプレース(建て替え)は想定しないとした従来のエネルギー政策の基本方針の転換となる。最長60年としてきた原発の運転期間の延長も検討する。来年以降には、既に新規制基準の審査に合格している原発7基を追加で再稼働させることも目指す。脱炭素化を進めながら安定した電力供給を図るため、原発を推進する構え。
 松原氏は「大きな背景にはウクライナ(へのロシアの侵攻)で電力不足ということが叫ばれた。その中で“原発動かさなきゃだめだよね”という声が物凄く産業界含めて上がってたということが大きかったと思うんですが、ただ電力不足がなぜ起きたか、その本質を考えると、福島第1原発の後に1回全部止めた。でもせっかく(原発が)あるから動かそうよと。やっぱり原発だよねという考えが消えなかった。それに固執したからこそ再生エネルギーの開発が遅れたわけですよね、欧州に比べると大きく。これが電力不足の本質なんだと思う」と指摘した。
 そして、「それなのに今、原発に戻ろうよというのは議論のすり替えのように思えます。確かに原発廃炉のためにも原子力を残すことはとても大事だと思う。だからといって新設までということになると、これは原発事故を経験した前に戻ることだと思う」と言い、東日本大震災について触れ「私も取材しましたけど、本当に思い出すとあの時、東日本壊滅のほとんど手前まで本当に行ってるんですよね。本当によくぞそうならなかったと今でも思います。だから喉もと過ぎれば、ではなくて、日本は世界有数の地震大国であることを忘れてはいけないんだと思います」と自身の考えを述べた。


目加田説子教授 政府の原発新増設への方針転換に「検討委員会が非公開...広く開かれて議論できるように」
                     スポーツニッポン 2022年8月28日
 中央大学総合政策学部の目加田説子教授が28日、TBS系「サンデーモーニング」(日曜前8・00)に出演。政府が24日に将来的な電力の安定供給に向けて次世代型原発の建設を検討する方針を公表したことに言及した。
 東京電力福島第1原発事故以降、原発の新増設やリプレース(建て替え)は想定しないとした従来のエネルギー政策の基本方針の転換となる。最長60年としてきた原発の運転期間の延長も検討する。来年以降には、既に新規制基準の審査に合格している原発7基を追加で再稼働させることも目指す。脱炭素化を進めながら安定した電力供給を図るため、原発を推進する構え。
 目加田氏は「原発を考える上で最優先しなければいけないのは安全性だと思う。福島の原発の事故があって以降というのは、安全性を担保するために規制委員会が独立して安全性については判断するということを決めたにもかかわらず、こうやって政治的な判断で再稼働しますということを言ってしまうと、政治が規制委員会の判断に影響を及ぼしかねないという状況になります」と指摘。

 その上で「本当に安全性を考慮しているのか、最優先しているのかなと、今回のウクライナの原発を見ても、有事の際には原発がターゲットになってしまうってこともある。日本は災害国家で地震もあります。ですから安全性を最優先に本当にどこまで考慮したのかなと」と政府の方針転換に疑問を投げかけ、「この検討委員会についても全面的に非公開ということで、一般に議論の様子というのは知るすべがない。こういうことは広く開かれて議論できるようにすべき。それが3・11の教訓だったのではと思うので、それがどこまで生かされているんだろうと凄く疑問を抱きます」と自身の見解を述べた。 

福島・双葉 30日に11年5カ月の全町避難解消

 福島県双葉町は、特定復興再生拠点区域(復興拠点)の避難指示が30日に解除され11年5カ月ぶりに居住が可能となります。これで住民が1人も暮らしていない自治体は解消します(ただし昨年の調査で「戻らないと決めている」60.5%「戻りたいと考えている」11.3%)。

 双葉町はそれに合わせて役場の本体機能も帰還させ、伊沢史朗町長をはじめ職員約100人が同県いわき市の仮役場から移り、9月5日に業務を始めます
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福島・双葉、30日に居住再開 11年5カ月の全町避難解消
                            共同通信 2022/08/28
 2011年3月の東京電力福島第1原発事故で全町避難が続く福島県双葉町は、帰還困難区域のうち特定復興再生拠点区域(復興拠点)の避難指示が30日午前0時に解除される。11年5カ月ぶりに居住が可能となり、これで住民が1人も暮らしていない自治体は解消する
 第1原発5、6号機が立地する双葉町は、避難指示が出た11市町村で唯一、県外(埼玉県)への集団避難と役場機能の移転を経験した。最後発で住民帰還が始まるが、町面積の8割超は帰還困難区域として残る。
 昨年の調査で「戻らないと決めている」と答えた世帯は60.5%と「戻りたいと考えている」の11.3%を大きく上回った。


福島・双葉町、新役場が開庁 本体機能11年ぶり帰還
                            共同通信 2022/08/27
 東京電力福島第1原発事故で全町避難が続く福島県双葉町は27日、町内のJR双葉駅東口前に建てた役場新庁舎で開庁式を行った。30日に帰還困難区域の一部で避難指示が解除され、11年5カ月ぶりに町民が居住を再開するのに合わせ役場の本体機能も帰還。伊沢史朗町長をはじめ職員約100人が同県いわき市の仮役場から移り、9月5日に業務を始める。
 式典には約80人が出席。伊沢町長は「町民に親しまれ交流が深められる街づくりの拠点になるように努めたい」とあいさつ。11年の仕事始めに片目を入れた後、東日本大震災で半壊した旧庁舎に残されていた「双葉だるま」のもう片方に目を入れた。