2022年6月30日木曜日

「起きるべくして起きた電力ひっ迫」節電に頼るだけでいいのか?

 ABEMA TIMESが「起きるべくして起きた電力ひっ迫 ~ …節電に頼るだけでいいのか?」という興味深い記事を出しました。
 背景には電力自由化の問題があり、具体的には再エネが増えたことによって電気料金が下がったために電力の売上が落ち、電力会社が採算取れない古い石油火力から止めてきた結果、ピーク電力を賄えなくなったという問題のようです。
 電力の売り上げが落ちた中で、電力会社がそれまで大企業に電力の節減を要請していたことがなくなったことも実は決定的に大きいようです。その辺をまずクリアにすることが大前提で、経産省が必要な指導を何もして来なかった結果ということになります。
 また年間数日(または十数日)1日2時間程度の逼迫に対応するために、危険であるだけでなく発電量の調整が全く利かない原発を再稼働するのは基本的に間違いです。
 なお記事中で紹介されている動画は28日に収録されたABEMAニュース(約32分)です。
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「起きるべくして起きた電力ひっ迫」「原発再稼働がウクライナ支援につながるという考え方もある」…節電に頼るだけでいいのか?
                         ABEMA TIMES 2022/6/29
 厳しい暑さが続く中、政府は東京電力管内に対して連日の「電力需給ひっ迫注意報」を発出している。現状についてエネルギーアナリストの大場紀章氏は「ついにこの日が来たという感じだ。なるべくして起きたと思っている」と話す。
  動画電力ひっ迫「政策ミス」再エネ優遇→火力衰退が原因?

 「まず、残念ながら運が悪かった。通常、電気の需要のピークは8月頃なので、そこに向けて火力発電所を立ち上げていくが、その手前の6月にこれほど暑くなってしまうという想定はしていなかった。さらに、仕組みも悪かった。一部の専門家は“このままでは停電になる”と、電力不足にならないような仕組みを作るべきだと警鐘を鳴らしていた。ところが“そうはならない”という専門家もいて、そちらの意見に沿って今日まで来てしまった」。

 背景にあるのは気候変動問題というよりも、電力自由化の問題だったと言う。
 「ベースラインとして、数千万キロワットに及ぶ石油火力発電所が休止していたが、そもそも政府が脱炭素政策のためにフェードアウトしろと言っていたのは古い石炭火力であって、LNG(液化天然ガス)火力や石油火力に関しては減らせとは言っていなかった。つまり気候変動問題とはあまり関係がなく、単純に事業者が経済合理性の中でコストパフォーマンスが悪いとして休止の判断をすることになる。
 その背景にあるのが電力自由化だ。再エネが増えたことによって電力市場の価格、そして電気料金が下がったために売上が落ちる。そして再エネが増えた分だけ火力発電の出力、つまり稼働率が落ちていく。そこで採算が取れない、効率が悪く古い石油火力から止めていくという判断をするということだ。こうした火力発電を再稼働するためには数カ月かけて油を差したり、メンテナンスをしたりしなければならず、一度休止してしまうと年単位で動かせなくなってしまうということだ。

 また、事業者は必ずしも供給責任を負わない。最悪の事態に備えコストをかけてでも石油火力を維持する必要がないのであれば、当然、経営合理性の判断で切るだろう。これが電力自由化の結論だし、結論は見えていたことだ。お金を付ける仕組みが動き出すのは2024年からで、前倒しするべきだという議論もあったのに、“大丈夫だ”と後回しにしたため、みんな火力発電を維持しなくなってしまった。これを防ぐ仕組みがないままに、今に至っている」(大場氏)。

 大場氏の話を受け、環境エネルギー政策研究所の飯田哲也所長も「仕組みが悪かったという意見には同感だ。日本は先進国の中でも途上国型の、垂直統合のガチガチの電力体制だった。それを自由化しつつ再エネを普及するという新しいシステムを目指してきたが、間がぶち切れてしまった。しかも一言でいって安定供給に誰も責任を取ってない、これが最大の問題だ」と指摘。その上で、次のような見方を示した。
 「少し話はずれるが、あたかも悪いことかのように言われている節電が最も即効性がある。11年前の東日本大震災の後を思い出してほしい。あの時、東日本では原子力、石炭火力がボロボロに止まって、果たして夏に電気が足りるのかという話になった。当時の東京電力は牧歌的な垂直統合の会社だったものの、いざという時には需給を減らしてもらう、その代わり普段の料金を安くするという契約を大企業と結び、1割を減らした。そして国も指示を出して計画停電を実施した。
 この頃の“独占体制”から電力自由化の体制に移行する中で、こうした大企業との契約に基づく節電が消えてなくなった。つまりサービスは維持しながら節電する方法は山ほどあるのに、制度設計に失敗していると思う。今年3月にも寒さで電力不足が起きたが、経産大臣がテレビに出てきて謝っていた。途上国かという話だ。一部を犠牲にして全体を救うという事態は無いほうがいい。しかし全面的なリスクを避けるためには計画停電も用意しておかなくてはならない。今回、その話が政府からも一切出てきていない」。

■夏野氏「停電が現実におきない限りダメかもしれない」
 そこで議論に上がるのが原発再稼働の是非だ。松野官房長官は「安全性の確保を大前提に原子力規制委員会が新規制基準に適合すると認めた場合に、その判断を尊重し地元の理解を得ながら進めるというのが政府の方針だ」としている。
 近畿大学情報学研究所所長の夏野剛氏は「電力の問題については政治的な思惑もあると思う。世論の反発も予想される中、原発再稼働というのは特に選挙前は争点にしにくいし、今は触れなくてもいいという“他人事感”を政治家から感じる。そもそも今の再エネの制度は民主党時代に作られたものだし、脱炭素というのは聞こえがいい。もちろん、原子力規制委員会がOKを出したところしか動かせないし、夏には間に合わない。これからは冬に向けてどうするかという議論をすべきではないか」と問題提起。

 飯田氏は「安全性、避難がちゃんとできるか、といったことが俎上に載っていない。また、最高裁が“国に責任はない”という判断を示したが、それでは電力会社が全ての損害賠償の責任を取れということだ。東電が全部、国=国民におんぶにだっこ、という損害賠償はあり得ないということになる。こうした部分の責任が取れるのであれば、私は再稼働してもいいと思う」とコメント。
 「ただし今回の電力不足の1日のうちの2、3時間をどうするかが重要なので、それで原発を動かす、動かさないという議論をするのは短絡的だ。電力会社は未だ独占体制、要は計画経済を維持しているので、どの石炭火力をどこで定期点検するか需要を睨みながら計画しているが、ヨーロッパ型の完全にオープンな市場で、一定の予備力が常に使えるよう市場で維持しておけばこんなことは起きない」。

原発の稼働状況
 一方、大場氏は「飯田さんは原子力はあまり関係ないとおっしゃるが、廃炉が決まっていない発電所だけで30基近く、3000万キロワット分くらいあるのに、電気が足りないと言って喘いでいる国は他にはない。滑稽だ。特に東京電力管内は厳しく、冬にかけては西日本、沖縄、北海道も厳しくなっていく予想だ」と反論。
 「規制委員会の審査で合格が出ていない原発もたくさんあるが、この制度をいじるのには非常に時間がかかる。それから特定重大事故等対処等施設という、いわゆるテロ対策のための施設を5年以内に作らなくてはいけないという要件もある。ただし5年という期間には特段の根拠はないので、例えば1年に緩和すれば動かせる原発が5、6基はある。これを政治判断するという考え方はある。もちろん今の制度では総理が動かせと言えば動くという仕組みではないし、世論のこともあるのでなかなか言いづらいだろう。
 しかしウクライナ戦争が続けばロシアがガスを止めてくる可能性がある。そこに対して日本ができるのが、原子力を稼働させ、LNGをヨーロッパに融通することだ。そうすれば、西側諸国はロシアともう少し戦うことができる。つまり原発を動かした方がテロのリスクを下げ、世界の安全保障にも貢献できるという考え方もある」。
 夏野氏は「みんな危機だとは思っていないし、節電すればなんとかなると思っている。停電が現実におきない限りダメかもしれない」と話していた。(『ABEMA Prime』より)

猛暑で 相模原の城山発電所連日稼働 日本初の大規模純揚水式

 余剰な夜間電力を用いて津久井湖の水を城山湖に揚水して発電させる純揚水式発電所城山発電所(神奈川県相模原市)が、東電の要請を受けて活躍しています。最大出力は25万キロワットで、昨年は7~9月のうち、発電機4台がフル稼働した日は計8日間に上りました

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猛暑で電力逼迫 相模原の城山発電所、東電の要請受け連日稼働 日本初の大規模純揚水式
                            神奈川新聞 2022/6/30
 厳しい暑さで電力の逼迫(ひっぱく)が続く中、県営城山発電所(神奈川県相模原市緑区)がひそかに“活躍”している。東京電力の要請で梅雨明けとなった27日、翌28日と連日稼働した。暑さ次第で電力逼迫が続く可能性があり、同発電所を運用する県企業庁発電総合制御所は「例年以上に増えるかもしれない。心しておかなければならない」と話す。
 城山発電所は日本初の大規模な純揚水式発電所として1965年に建設された。夜間の電力を使って185メートル下の津久井湖から水をくみ上げて城山湖にため、電力が不足するときに水を落下させて発電する。最大出力は25万キロワット。昨年は7~9月のうち、発電機4台がフル稼働した日は計8日間に上った。

環境省 処理水の放出巡り事前に海水モニタリング開始 福島第一原発

 福島第一原発の処理水の放出を巡って、環境省による海水のモニタリング調査が今月17日から始まったことが分かりました。

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環境省 処理水の放出巡り事前に海水モニタリング開始 福島第一原発
                      テレビ朝日系(ANN) 2022/6/28
 福島第一原発の処理水の放出を巡って、環境省による海水のモニタリング調査が今月17日から始まったことが分かりました。
 政府は、2023年4月をめどに処理水を海水で薄めて海に放出する方針を決めています。
 これに先立ち、環境省は放出の前後で放射性物質の濃度を比較できるよう、今年春ごろから原発周辺の海域でのモニタリング調査を始めるとしていました。
 環境省によりますと、6月17日に福島県内の海水浴場1カ所で、21日には宮城県沖と茨城県沖のそれぞれ1カ所で海水を採取したということです。
 環境省が海水を採取するモニタリング調査は原発周辺の海域で33カ所、海水浴場で4カ所ほど予定していて、これを年4回程度行うとしています。

30- もんじゅ廃炉、設備解体着手へ 来年度にも

 原子力機構は28日、高速増殖原型炉もんじゅの廃炉について、23年度にも一部設備の解体に着手することなどを盛り込んだ計画を原子力規制委員会に申請しました。

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もんじゅ廃炉、設備解体着手へ 来年度にも 原子力機構
                             時事通信 2022/6/28
 日本原子力研究開発機構は28日、高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)の廃炉について、2023年度にも一部設備の解体に着手することなどを盛り込んだ計画を原子力規制委員会に申請した。
 もんじゅの廃炉作業は18年に開始し、47年度の完了を目指している。全体工程は4段階に分かれており、核燃料の取り出しなどを中心とした第1段階は来年3月までに終える予定。 

2022年6月29日水曜日

電力不足は原発稼働の根拠にならない(植草一秀氏)

 東電を中心に電力会社は猛暑に伴う電力不足を強調し、原発の再稼働につなげたい考えの様ですが、原発は海水を暖める度合いが火力発電の2倍程もあるのでとんでもない話です。

 夏場の電力不足は太陽光発電が普及していれば起きない筈なのに原発を再稼働したいがためにこれまで再生可能エネ発電に努力しないどころか、電線網を開放しないなどして逆に妨害して来ました。原発はそもそも耐震強度が不足しているのでその点からも動かせません。
 植草一秀氏が、「電力不足は原発稼働根拠にならない」とする記事を出しました。
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電力不足は原発稼働根拠にならない
                植草一秀の「知られざる真実」 2022年6月28日
6月27日(月)、関東甲信地方、東海地方、九州南部の梅雨明けが発表された。
各地とも平年より早い梅雨明けで、梅雨の期間は史上最短を更新した。
すでに日本列島の多くの箇所が酷暑に見舞われている。
熱中症のリスクが高まるため、水分補給、冷房使用などの対処が大切になる。
各地の降水量の不足が警戒される。今夏の水不足には十分な警戒が求められる。

気温上昇に伴い、電力使用量が増加し、電力の供給不足が懸念される。
ただし、日光の放射は拡大しており、太陽光発電が普及していれば、夏場の電力不足には対処できるはず電力不足のアピールは原発再稼働論議が背景にある。
岸田内閣は原発稼働推進のスタンスを保持している。
電力会社は採算のために原発稼働を切望している。
岸田内閣は大資本の利害を優先して原発稼働に前のめりの姿勢を示している。
だが、7月10日に参院選投票日を控えており、原発再稼働推進を前面に出すと得票が減る恐れがあると考えられており、このために原発稼働のアピールが差し控えられている。
参院選後にどのような変化が示されるか。警戒を怠れない。

酷暑以上に心配なのが地震の頻発。日本全国で地震が頻発している。
もとより日本は世界最大の地震国。日本の地下に4つのプレートがぶつかり合っている。
大地震はプレートの境界で発生することが多い。
巨大地震が日本列島をいつ襲来してもおかしくない。
震度5を超える地震が頻発している。活断層の存在は地震が発生してから確認されることが多い。日本の原発直下に活断層が存在するリスクを否定することができない。

5月31日には、北海道泊村にある北海道電力・泊原子力発電所の安全性が争われた裁判で札幌地方裁判所、「津波に対する安全性の基準を満たしていない」として北海道電力に3基ある原発すべてを運転しないよう命じる判決を言い渡している。
津波対策が不十分だとして原発の運転を認めない司法判断を示した。
訴訟は北海道電力・泊原発1~3号機周辺住民など1200人余りが「津波や地震への安全性が不十分だ」と主張して、運転の禁止や使用済み核燃料の撤去、原発の廃炉を求める訴えを起こしたもの。
津波対策が十分に取られているかどうかが争点になったが、札幌地裁は
「泊原発には津波防護施設が存在せず、津波に対する安全性の基準を満たしていない」と結論づけ、北海道電力に対し泊原発の1~3号機すべてを運転しないよう命じた。

関西電力大飯原発についても、かつて福井地裁が運転差止を命令する判断を示したが、これは原発の耐震対策が不十分であることを根拠とした。
日本の原発の耐震性能は極めて低い。福島事故以前、日本の原発の耐震設計基準はほとんどが400ガル程度に定められていた
福島事故を受けて基準が引き上げられたが、それでも耐震設計基準は450ガルから800ガルの水準までしか引き上げられていない

しかし、日本では1500ガルを超える地震の揺れが頻繁に確認されている。
そして、その1500ガルを超える揺れは日本列島のすべての場所で発生する可能性がある。
大飯原発等の運転差止命令を発した福井地方裁判所元裁判長の樋口英明氏は原発の耐震設計基準が不十分であることから運転差止命令を発した。当然の合理的な司法判断だ
しかし、このような適正な判断を示す裁判官は決して多くない。
多くの裁判官が政府の意向を忖度して「原発訴訟は高度の専門技術訴訟である」ことを理由に挙げて原発稼働を容認する司法判断を示している
しかし、1500ガル以上の揺れが頻繁に観測されるなかで、耐震設計基準が1000ガル以下の原発が危険であることは専門技術のない素人でも判断できる当然の論理
原発稼働を容認するひらめ裁判官は、原発の耐震設計基準が十分であるか否かは「高度の専門技術」によって判断されねばならず、政府の専門家委員会が審査して合格させたのであるから、その判断が尊重されるべきだとするが、この判断が適正でないことは誰にでも分かる
参院選では原発廃止を訴える政治勢力に投票することが必要。
国民民主党は原発推進であり、立憲民主党も原発推進の連合六産別の軍門に下っている。
日本共産党、れいわ新選組、社会民主党に投票を集中させる必要がある。

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小池知事 東電株主総会で電気料金引き下げ求める

 東京都の小池知事が、東電の株主総会に出席し、経営を効率化し電力料金を引き下げるよう求めたほか、運転可能な休止発電所の再稼働、確実な燃料調達や、洋上風力や太陽光発電を始めとする、再生可能エネルギーの利用を最大化するよう求めまし

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【速報】小池知事 東京電力に対して電気料金引き下げ求める 株主総会で提案
                     FNNプライムオンライン 2022/6/28
東京都の小池知事が、東京電力の株主総会に出席し、経営を効率化し電力料金を引き下げるよう求めた。小池知事が、取材に対して明らかにした。
東京都は、東京電力の第5位の株主で、小池知事は、きょう午前開かれた株主総会に、自ら出席したという。そして、都民や事業者にも強く節電を呼びかけている中、「東京電力は、より一層経営の効率化を図り、電力料金の引き下げに努められたい」として、経営を効率化し電力料金を引き下げるよう求めたという。
さらに、運転可能な休止発電所の再稼働、確実な燃料調達や、洋上風力や太陽光発電を始めとする、再生可能エネルギーの利用を最大化するよう求めたとのこと。株主総会後、取材に応じた小池知事は、「電気料金についても、引き下げについても、提案もいたしております。納得のいく電気料金の引き下げをお願いした」などと述べた。

「抜き打ちで東電社員の行動を観察」規制委が柏崎刈羽で

 原子力規制委は核セキュリティー上の不備が相次いで見つかった柏崎刈羽原発に対し、現地で原発所員の行動や会話などをチェックする「行動観察」を6月から抜き打ちで実施しています。

 柏崎刈羽原発の所員に安全を重視する姿勢が根付いているか確認するのが目的で6月は、3、4回行い、今後数か月程度続く見込みです。
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「抜き打ちで東電社員の行動を観察」規制委が柏崎刈羽で国内初実施
                         BSN新潟放送 2022/6/2
原子力規制委員会は核セキュリティー上の不備が相次いで見つかった柏崎刈羽原発に対し、現地で原発所員の行動や会話などをチェックする「行動観察」を6月から抜き打ちで実施しています。
 【写真を見る】「抜き打ちで東電社員の行動を観察」規制委が柏崎刈羽で国内初実施

28日に開かれた柏崎刈羽原子力規制事務所の会見。
渡邉健一所長は、柏崎刈羽原発に対する原子力規制委員会の「行動観察」が6月から始まり、これまでに3回から4回行われたことを明らかにしました。
【柏崎刈羽原子力規制事務所 渡邉健一所長】「東京電力の社員がどういった行動をとっているのか、行動をつぶさに見て、我々はそれを観察して評価をする」
核セキュリティー上の不備が相次いで見つかった柏崎刈羽原発について、東京電力は21年9月、一連の問題の背景に「核物質防護部門の風通しの悪さ」などがあったとして再発防止策をまとめ、意識改革を進めています
抜き打ちでの「行動観察」は東電の再発防止策を調べる追加検査の一環で、国内の原発では初めて実施されました。柏崎刈羽原発の所員に安全を重視する姿勢が根付いているか確認するのが目的です。
規制委は追加検査を終えた後、東電の対応が妥当か判断し、21 年4月に出した事実上の運転禁止命令を解除するかどうか決めることにしています。
「行動観察」で規制委は、5人前後で構成される検査チームを派遣して所員同士の会話や接し方などをチェックしていて、今後数か月程度続く見込みだということです。

29- 海洋放出「断固反対」 全漁連が申し入れ 原発処理水

 全漁連の坂本雅信会長は27日、経済産業省を訪れ、福島第1原発から出る放射性物質トリチウムを含む処理水の海洋放出について「断固反対はいささかも変わらない」とする要望書を提出しました。

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海洋放出「断固反対」 全漁連が申し入れ 原発処理水
                             時事通信 2022/6/27
 全国漁業協同組合連合会(全漁連)の坂本雅信会長は27日、経済産業省を訪れ、東京電力福島第1原発から出る放射性物質トリチウムを含む処理水の海洋放出について「断固反対はいささかも変わらない」とする要望書を提出した。
 要望では、政府の風評被害への対応について「具体策が示されていない」と批判。政府が既に設置した300億円規模の基金とは「別建て」で、燃料調達などを支援する超大型基金を創設することを求めた。

2022年6月27日月曜日

参院選茨城候補者 処理水の海洋放出に賛成3、反対2

 7月10日投開票の参院選で、茨城新聞社茨城選挙区の候補者8人に福島第1原発の処理水の海洋放出についてアンケートを実施した結果、「賛成」維新新人1人とNHK党の新人2人の3人、「反対」は、共産1人、無所属新人2人、「どちらでもない」3人でした。

 放出設備の本格着工には地元自治体の同意が必要で、風評被害を懸念する漁業関係者を中心に反対の声が根強いです。
     お知らせ
   都合により28日は記事の更新が出来ません。ご了承ください。
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参院選茨城候補者 福島第1処理水の海洋放出 賛成3、反対2
                       茨城新聞クロスアイ 2022/6/27
■「不可避」「別の手を」 
7月10日投開票の参院選で、茨城新聞社は茨城選挙区の候補者8人にアンケートを実施した。東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出について、「賛成」3人、「反対」2人、「どちらでもない」3人だった。安全性の確保や風評被害対策を課題としつつ、海洋放出は避けられないとする意見が多かった一方、タンク増設など別の手段を模索すべきとの主張があった。
アンケートでは、処理水の海洋放出について、「賛成」「反対」「どちらでもない」のいずれかを選んだ上、その理由を求めた。
賛成を選択したのは3人。維新新人の佐々木里加氏(55)は「処理水は十分に希釈することで環境や人体に無害となる。科学的根拠と国際ルールにのっとり速やかに」と回答。さらに「風評払拭に最大限配慮し、協力自治体を募り福島県外での海洋放出も検討する」と提案した。
NHK党の新人2人も賛成。丹羽茂之氏(30)は「廃炉を進めるに当たって避けては通れない」とし、基準以上の安全性と風評対策を講じることを前提に「海洋放出が現実的」との認識を示した。村田大地氏(45)は「海洋放出以外の手段がない」とした。

反対を選択したのは2人。共産新人の大内久美子氏(72)は「事故後10年にわたる復興の努力を台無しにしかねない」と懸念。茨城県漁業関係者らの反発に触れ、「タンク増設などの対策を取りつつ解決の道を探求すべき」と計画の見直しを訴えた。
無所属新人の仲村渠哲勝氏(80)は「そもそもこういうことが起こるので原発はやめるべき」とした。

どちらでもないを選択したのは3人。自民新人の加藤明良氏(54)は「他の処理方法があればいいが、国際原子力委員会が認める濃度で海に放出することはやむを得ない」との考え。
無所属新人の堂込麻紀子氏(46)は「増え続ける保管タンクが廃炉作業に影響を及ぼし対策が急務」「処理水はWHOの定める飲料水準の7分の1」とした上で、「風評被害の懸念がある。政府が正しい情報を国内外へ発信、説明すべき」と主張した。
諸派新人の菊池政也氏(37)は「本当に安全なのか見極めるとともに、感情論で『危険だ』と判断したり、『条約違反ではないから放出』という二元論ではなく、さまざまな方法を検討すべき」とした。

福島第1原発の処理水保管タンクは来夏にも満杯になるとされ、東電は来春の放出を目指す。原子力規制委員会は今年5月、安全性に問題はないとして、東電の放出計画を了承した。一方、放出設備の本格着工には地元自治体の同意が必要で、風評被害を懸念する漁業関係者を中心に反対の声が根強い。

東電幹部強制起訴裁判、審理再開求める

 福島第1原発事故で、業務上過失致死傷罪で強制起訴され一審は無罪となった東電の勝俣恒久元会長(82)ら旧経営陣3人の控訴審について、被害者参加代理人らが23日、審理の再開を求める上申書を東京高裁に出しました。6日に結審し来年1月の判決期日が決まりましたが、避難した住民らが起こした集団訴訟の最高裁判決についての証拠調べが必要としています。

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強制起訴裁判、審理再開求める 最高裁判決の証拠調べ要望
                            共同通信 2022/6/23
 東京電力福島第1原発事故で、検察審査会の議決を受け業務上過失致死傷罪で強制起訴され、一審は無罪となった東電の勝俣恒久元会長(82)ら旧経営陣3人の控訴審について、被害者参加代理人らが23日、審理の再開を求める上申書を東京高裁に出した。6日に結審し来年1月の判決期日が決まったが、事故で避難した住民らが起こした集団訴訟の最高裁判決についての証拠調べが必要としている。

 上申書の提出後、東京都内で記者会見した被害者参加代理人の大河陽子弁護士は「最高裁判決は長期評価の信頼性自体は否定していない。(強制起訴裁判で)一審判決を維持するのは困難だと思う」と述べた。

独原発 露天然ガス供給完全停止時の対応を検討

 ドイツはロシア産天然ガスの供給が完全にストップする場合に備え、原子力発電を含むあらゆる国内電源の活用を検討しています

 電力会社は、燃料棒と専門スタッフの手配に制約があるため、原子炉の運転期間延長は不可能だとしており、政府も3月、法律、安全、経済負担の問題に鑑みて運転期間延長を却下しました。
 ドイツはウクライナ戦争に関連して天然ガス輸入に占めるロシア産の割合を55%から推計35%に減らしました。
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情報BOX
独原発、運転期間延長は可能か 露天然ガス供給減
                            ロイター 2022/6/24
[フランクフルト 22日 ロイター] - ドイツはロシア産天然ガスの供給が完全にストップする場合に備え、原子力発電を含むあらゆる国内電源の活用を検討している。2011年に日本で起きた福島第1原発事故を受け、メルケル前首相は原発の利用停止を約束し、主要な電力会社は今年末までに残る原子炉3基の稼働を停止する準備を進めてきた。
電力会社は、燃料棒と専門スタッフの手配に制約があるため、原子炉の運転期間延長は不可能だとしている政府も3月、法律、安全、経済負担の問題に鑑みて運転期間延長を却下した
もっとも、社会民主党(SPD)率いる政権内の一部リベラル派と、野党・保守政党内の一部からは、環境上の理由で国が段階的脱却を進めてきた石炭の活用が再検討されている以上、原発も再検討すべきだとの声が出ている。
ショルツ首相は今のところ、原発の運転期間延長に反対している。

<天然ガス供給が縮小>
ロシアが2月24日にウクライナ侵攻を開始して以来、ドイツは天然ガス輸入に占めるロシア産の割合を55%から推計35%に減らしたが、今も依存は続いている。

27- 東電管内電力使用率 27日夕方99%になる見通し 

 厳しい暑さの影響で、東電管内の電力使用率が27日夕方に99%になる見通しとなりました。政府は、電力需給逼迫注意報を出して無理のない範囲での節電を呼び掛けています。

 今年3月の東北地方を中心に起きた地震で一部の火力発電所が被害を受けたことなどが背景にあります。
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電力使用率99%見通し 夕方の東電管内で需給ひっ迫
                         テレビ朝日ANN 2022/6/27
 厳しい暑さの影響で、東京電力管内の電力使用率が27日夕方に99%になる見通しとなりました。政府は、電力需給逼迫(ひっぱく)注意報を出して無理のない範囲での節電を呼び掛けています。
 東京電力管内では27日も猛暑が続くことから、午後4時半から5時にかけての電力使用率が99%に上昇する見通しです。
 夕方は電力の需要が大きいうえに太陽光発電の発電量が減り始め、電力の需給が逼迫するため、東京電力は揚水発電所を稼働させて電力供給を増やす予定です。
 政府は電力需給逼迫注意報を出して、午後3時から6時までは冷房を適切に使用しながら不要な照明を消すなど無理のない範囲での節電を呼び掛けています。


電力逼迫、初の注意報 東電管内、27日の需要増加
                             共同通信 2022/6/26
 経済産業省は26日、気温上昇に伴い東京電力管内の27日の電力需給が逼迫し、電力各社の需要に対する供給余力を示す予備率が5%を下回る見通しとなったとして、企業や家庭に節電を呼びかける「電力需給逼迫注意報」を初めて発令した。特に27日午後4~5時は需給が厳しくなるため、午後3~6時の時間帯は、使っていない照明を消すなど無理のない範囲で、できる限りの節電を呼びかけた。今夏は東電管内以外でも需給が厳しい見通しで、気温の推移によっては各地で注意報などが出る恐れがある。
   【表】全国10電力管内の電力見通し
 今年3月の東北地方を中心に起きた地震で一部の火力発電所が被害を受けたことなどが背景にある。

2022年6月26日日曜日

7年ぶりの節電要請 企業の取り組みが先行

 政府7日、全国の企業や家庭に対して7年ぶりに節電を要請したことを受けて、ATV青森テレビが、企業や住民の関心や節電への対応を報じました

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7年ぶりの節電要請 4時間で一般家庭10日分の電力削減 企業の取り組み先行
                         ATV青森テレビ 2022/6/22
政府は6月7日、この夏、電力の不足が見込まれるとして全国の企業や家庭に対して7年ぶりに節電を要請しました。
その理由は、電力の需要に対して供給力の余裕がどれくらいかを示す「予備率」です。
写真を見る7年ぶりの節電要請 4時間で一般家庭10日分の電力削減 企業の取り組み先行
青森県を含む東北電力の管内は7月が猛暑となった場合、予備率は、31%と見込まれ、安定して供給できる3%を下回りかねない厳しい状況。こうした中、県内でも節電が始まっています。
電力需要を左右するのが暑さ。気象庁が21日発表した3か月予報によりますと、7月から9月は、日本付近は暖かい空気に覆われやすく、北日本と東日本、西日本で気温が「高い」見込み。特に梅雨明け後は、厳しい暑さとなる日も多いため、熱中症に警戒が必要だといいます。

こうした中、政府が要請する節電。街の人はどのくらい関心があるのでしょうか。
※県民「特に意識していなかったですね。いま電力不足というのを初めて聞いたので。エアコンのつけっぱなしが多くて、それは気をつけたい」「使わないときはコンセントを抜いていますけど、それくらい」「(子どもが)赤ちゃんなので暑がりで(エアコンの)気温の設定が大変。どうにかこうにかちょっとでも節電できれば」
意識してもなかなか難しい節電。先行して取り組んでいる企業もあります。日没後、まだ営業中のショッピングモールへ行くと…
狩股直輝アナウンサーあちらのイオンモールの照明は落とされていますが、人が通るところの照明はきちんとついていて安全が確保されています
夜7時以降、屋外照明の一部と看板を消灯する「ライトダウンキャンペーン」です。たとえば、4時間消灯することで1店舗あたり64キロワット時(kWh)、一般家庭の約10日分の使用量に相当する電力を削減できるといいます。
※イオンモールつがる柏 川久保直威さん「政府の要請もあり、夏場の電力がひっ迫する懸念もありますので当社としても環境負荷低減のご協力を地域の皆さまとともに実施していきたい
企業の取り組みはほかにも。こちらの家電量販店では、陳列している液晶テレビのうち、半数の電源を切ることで消費電力を抑えています。
河村庸市キャスター「こちら電源が入っていないテレビについては、お客さん自身が電源を入れることによって画質を確認することができます
さらに、売り場にあるパソコンの一部は、「省エネモード」になっていました。
ケーズデンキ青森本店 三上佳恋さんパソコンはキーボードをタッチしてもらえれば電源がつくようになっていますので、お客さまに不便がないように心がけています。政府要請を考慮しながら企業としてこれからも節電に十分に取り組んでいきたい」
企業での取り組みをきっかけにこの夏、私たちも身近なところから節電することが求められてます。

企業でも取り組みが行われている中、家庭でできる節電はどんなことがあるのでしょうか。まず、夏に家庭で消費する電力の割合です。資源エネルギー庁のまとめではエアコンが6割近くに上り、次いで冷蔵庫が17%です。この二つを合わせると75%、4分の3を占めます。
ではそれぞれ、どのように使えば節電ができるのか。エアコンは自動運転で日中、外出する際も電源を入れたままにし、温度は28℃を目安に設定します。
温度を上げ下げする際に多くの電力を消費するため、それを防ぐことで節電につながります。
また、冷蔵庫は設定を「強」から「中」に下げ、食品を詰め込みすぎないことがポイントです。一つの取り組みは小さくても積み重ねることで節電の効果が高まるため、一人一人の心がけが大切です。

洋上風力発電「八峰町・能代市沖」についての協議会が始まる

 事業者選定の審査基準を見直すことなどで事業者の公募が延期されていた秋田県の「八峰町・能代市沖」の洋上風力発電事業に関する協議会が24日秋田市で開かれました。

 国の担当者からは、見直し案について「再エネ導入の加速は急務であり、実現性が高く、運転開始時期の早い計画の評価を高くする」ことや、発電する電気を県内企業が活用できるよう検討し、基金にまわす額を発電設備の出力に応じて算定することなどが示されまし
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地域共生策の基金 発電出力で算定へ 洋上風力発電「八峰町・能代市沖」 秋田
                           秋田テレビ 2022/6/24
 ウクライナ情勢などの影響で事業者の公募が延期されていた秋田県の「八峰町・能代市沖」の洋上風力発電事業に関する協議会が24日秋田市で開かれ、事業者の選定に向け、漁業振興などに使われる基金の算出方法を改めることなどを決めた
 秋田県の「由利本荘市沖」や「能代市から男鹿市沖」を含む国内3つの海域で進められている洋上風力発電事業については、全て大手商社を中心とした企業連合が落札した。
 この公募では、電気料金の引き下げにつながる売電価格の安さが落札できた要因の1つとされているが、事業者の売電収入から算出される、風車建設で影響が及ぶ地域や漁業振興などに使われる「地域共生策の基金」が減るのではないか、との懸念が高まっている。
 一方で、国は、事業者選定の審査基準を見直すためとして「八峰町・能代市沖」の公募開始を延期していた。
 協議会では、国の担当者が見直し案について「再エネ導入の加速は急務であり、実現性が高く、運転開始時期の早い計画の評価を高くする」と説明した。
 また、事業者が発電する電気を県内企業が活用できるよう検討することや、基金にまわす額を発電設備の出力に応じて算定することなどが示された
 経済産業省 風力政策室・石井孝裕室長:「この算定方法を使うと、地元からすると、大体いくらぐらいで地域共生策の基金ができるのかという予見性が高まるメリットがある」
 国は、協議の内容を踏まえ、夏以降に事業者の公募を実施することにしている。