2025年6月30日月曜日

柏崎刈羽原発の避難計画了承 豪雪時の事故想定 政府

 政府は27日の原子力防災会議で、柏崎刈羽原発の事故に備えた住民の避難計画を了承しました。これで再稼働に向けた国の手続きがほぼ完了し、今後の焦点は“地元同意”に絞られました。

 しかし避難計画では「実効性がある」ことが肝要です。5~30キロ圏内では「屋内退避」とされていますが、能登半島地震時には石川県内で全壊8221棟、半壊16584棟等全部で8万棟を超える住宅被害が報告されています。
 豪雪時に地震が起きれば、積雪荷重でさらに住宅の被害が増大するので、5~30キロ圏内で屋内退避することが果たして現実的なのか(窓ガラス1枚の被害でも放射線に被爆)について十分に検討されているのか疑問です。
 それに加えて、避難道路増設の完了、降雪時の道路除雪設備の完了、避難バスの調達の保障などの「再稼働の必要条件」の確保が、再稼働の「大前提事項」になります。
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再稼働の“手続き”進む東京電力 柏崎刈羽原発 事故時の『住民避難計画』を政府が了承 残るは「地元同意」に
                        BSN新潟放送 2025/6/27
政府は27日の原子力防災会議で、柏崎刈羽原発の事故に備えた住民の避難計画を了承しました。これで再稼働に向けた国の手続きがほぼ完了し、今後の焦点は“地元同意”に絞られました
27日午前に政府が開いた原子力防災会議で、石破茂総理は「本日、柏崎刈羽地域の緊急時対応を了承しました」と述べ、東京電力が再稼働を目指す柏崎刈羽原発の事故に備えた住民の避難計画を了承しました。
計画は原発の半径30キロ圏内にある柏崎市、刈羽村、長岡市など9市町村が対象で、豪雪などの「自然災害」と「原発事故」が重なる複合災害に備え、複数の避難経路を設定することや除雪体制などが盛り込まれています。
石破総理は「関係自治体、事業者と緊密に連携して、この計画を継続的に検証・改善していくことが重要」だと述べました。
避難計画の了承は事実上、再稼働の手続きの一つで、今後は地元の同意を得られるかが焦点となります。
その鍵を握る新潟県の花角英世知事は27日、原発立地県の知事らとともに関係省庁を回り、原発の立地地域の振興を要請しました。
政府の避難計画了承について、花角知事は
新潟県 花角英世知事
「複合災害時の避難の安全性の確保というあたりも随分踏み込んで緊急時対応をまとめていただけたと思う。しかしこれで終わりではなくて、より安全を、実効性を高めるためにも新しい知見が出れば見直していく、そうした不断の取り組みを続けてもらいたい」
東京電力は、これまで目指してきた7号機の再稼働を先送りし、6号機の再稼働を優先する方針に転換していて、その6号機は、8月にも技術的には再稼働できる状態となる見通しです。
「再稼働に関する県民の受け止めを見極めたい」としている花角知事。
住民の意見を聞く公聴会は6月28日を皮切りに8月末まで、また市町村長との意見交換は夏頃までに終える予定で、その先にどんな結論を出すのか注目されます。


柏崎刈羽原発の避難計画了承 豪雪時の事故想定 政府
                            時事通信 2025/6/27
 政府の原子力防災会議は27日、東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)で事故が発生した場合の周辺住民の避難について関係自治体などがまとめた対応計画を了承した。
 同原発6、7号機は既に原子力規制委員会の審査に合格しており、東電はテロ対策施設の設置期限などを理由に6号機の再稼働を優先する方針を表明。計画が了承されたことを受け、再稼働に向けて残された焦点は地元同意だけとなった。
 計画では、豪雪時に事故が起きる複合災害を想定。自然災害に対応する対策本部と原子力災害の対策本部が連絡体制を整え、情報収集や意思決定を一元化することや、放射性物質放出の恐れなどで民間事業者などによる避難経路の除雪が困難になった際には、自衛隊や警察などが実施することなどを明記した。

柏崎刈羽原発の再稼働問題めぐり新潟県が初の公聴会、賛否分かれる

 柏崎刈羽原発の再稼働の是非について、県民の意見を確認するための新潟県主催の公聴会が29日、新潟県庁を拠点に開催されました。公聴会は8月末までに計5回開かれます。初回となる今回は、柏崎市と刈羽村の住民計16人が再稼働への意見を述べ、賛否両論が出されました。
 反対派からは「安心できる避難計画がまだできていない」、「計画に盛られている避難道路がない限り再稼働してはいけない」などの指摘が出されました。
 実効性が担保されていない計画は意味がないので再稼働は出来ません。
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柏崎刈羽原発の再稼働問題めぐり新潟県が初の公聴会、賛否分かれる 知事の判断材料に
                            産経新聞 2025/6/29
東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働の是非について、県民の意見を確認するための同県主催の公聴会が29日、新潟市の県庁を拠点に開催された8月末までに計5回開かれる公聴会の初回となる今回は、同原発が立地する同県柏崎市と刈羽村の住民計16人が再稼働への意見を述べ、賛否両論が出た

公聴会には、公募で選ばれた住民8人と、新潟経済同友会など県内6団体から推薦された8人が公述人として出席。柏崎市内の施設などに待機した公述人は、一人ずつ別々に意見を述べていった。
16人のうち、再稼働に賛成の意見は7人、条件付き賛成が2人、反対5人。賛否を明かさずに不安を訴えた人と、疑義を述べた人がそれぞれ1人ずつだった。
賛成した人は、原発活用によるエネルギーの安定供給や地球温暖化対策などを理由に挙げた。また、県商工会議所連合会の推薦で意見を述べた柏崎市在住の60代男性は「柏崎刈羽原発が立地することで新潟に核燃料税が入る。また、同原発構内では約6300人が働いているが、8割ほどが新潟県民だ」と経済的なメリットを強調した。
条件付きで賛成した柏崎市の40代男性は「再稼働で柏崎、刈羽両市村の電気料金が安くなるなら賛成」と述べた。
反対した人は、事故時の安全な避難が難しいことや福島第1原発事故の経験などを理由に挙げた。公募で公述人になった柏崎市の男性(78)は「安心できる避難計画がまだできていない」と指摘。刈羽村の80代女性は「不祥事が相次ぐ東電には、原発を運転する適格性がない」と述べた。
同原発の再稼働問題は、地元の同意を得られるかどうかが最大の焦点。同県の花角英世知事は、再稼働への県民の考えを確認した上で是非を判断するとしており、公聴会は知事が是非を判断する際の重要な材料の一つになる。知事は公聴会に出席しなかった


柏崎刈羽原発の再稼働めぐり県民の意見を聞く公聴会 公述人の半数が姿隠して意見
                         BSN新潟放送 2025/6/29
柏崎刈羽原発の再稼働に関して県民の意見を聞くための公聴会が29日に、始まりました。
【再稼働条件付き賛成(40代)】
「使っていない電気のために原発を再稼働しても何もメリットはありません。柏崎市と刈羽村の電気をなるべく安く提供してもらいたいと思います」
再稼働に関する県民の意思を見極めたいと話す花角知事が「その手法の一つ」としている公聴会。
初回の29日は原発立地地域の住民らから公募などで選ばれた16人が参加しました。
プライバシー保護の観点から会場は非公開でオンラインのみで公開され半数の公述人は姿を隠して意見を述べました
【再稼働反対(70代)】
(避難)道路はいつできるのでしょうか。計画があっても計画に盛られている避難道路がない限り再稼働してはいけないんではないでしょうか
【再稼働賛成(70代)】
「雇用においてこれだけ地域に貢献している企業は、地元を見ても他に例はありません。これこそが地域共生そのものと思います」
公聴会は対象エリアを変えながら8月31日まで全部で5回開催されます。


「経済を回すことに直結する」「核のごみ残すわけにはいかない」柏崎刈羽原発再稼働問題巡る“公聴会”始まる
                      NST新潟総合テレビ 2025/6/29
東京電力・柏崎刈羽原発の再稼働問題を巡り、1回目の県の公聴会が開かれました。
柏崎刈羽原発を巡っては、27日、政府が重大事故が発生した際の避難計画や対応方針を定めた「緊急時対応」を了承し、再稼働に向け地元同意を残すのみとなっています。
こうした中29日に開かれた県の公聴会。
花角知事が県民の意見を集約する方法の一つとして挙げているもので、県庁と公述会場をオンラインで繋ぎリアルタイムで配信されました。
1回目の今回は柏崎市を会場に、公募で選ばれた8人と団体から推薦された8人がそれぞれ音声のみの公開や、顔を映しての公述などの方法を選び、10分程度で賛否の意見を述べました。
【公述人(賛成)】
「柏崎刈羽原発で発電された電気によって首都圏の経済を下支えすることは、私たち新潟県の経済を回すことに直結します」
【公述人(反対)】
「これ以上原発のごみ、核のごみを後の世代に残すわけにはいきません。続く後の世代のためにも再稼働には反対です」
県は8月末まで会場を変え、計5回の公聴会の開催を予定しています。

東北電力8月請求分電気料金 一般家庭モデルで「624円値下がり」

 東北電力の8月請求分の電気料金は、一般的な家庭のモデルで前の月に比べ624円値下がりします。燃料価格が前の月に比べ下がったことに加え国の支援事業による値引きが要因です。
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東北電力8月請求分電気料金 一般家庭モデルで「624円値下がり」
                          tbc東北放送 2025/6/27
東北電力の8月請求分の電気料金は、一般的な家庭のモデルで前の月に比べ624円値下がりします。燃料価格が前の月に比べ下がったことに加え国の支援事業による値引きが要因です
東北電力によりますと、8月請求分の一般的な家庭のモデルの電気料金は、規制料金のプランで8095円となり7月の請求分よりも624円値下がりします。石炭や石油などの燃料価格が前の月より下がったことに加え、8月請求分からは国の電気・ガス料金支援事業の対象となり、低圧電力の場合1kwhあたり2円が値引きされることが要因です。
一方で今後の電気料金について東北電力は「為替レートの変動やイランとイスラエルの関係など国際状況の変化で燃料価格が上下する可能性があり依然、不透明な状況が続く」とコメントしています。

電力3社、海域活断層評価受け原発への影響確認

 東京電力(⇒柏崎刈羽原発)、北陸電力(⇒志賀原発)、関西電力(⇒美浜原発、高浜原発、大飯原発)3社は原子力規制委員会の指示を受け、日本海沿岸にある5原発について地震や津波への対応を見直す必要性があるか確認を進めています。
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電力3社、海域活断層評価受け原発への影響確認
                           時事通信 2025/6/27
 海域活断層の今後30年以内の地震発生確率が公表された日本海中南部周辺には、複数の原発が立地している。断層の位置や想定されるマグニチュード(M)などが先行して示された昨年8月以降、東京、北陸、関西の電力3社は原子力規制委員会の指示を受け、日本海沿岸にある5原発について地震や津波への対応を見直す必要性があるか確認を進めている。

「浜岡原発」再稼働への質問相次ぐ 中部電力株主総会

 26日に開かれた中部電力の株主総会で、株主から浜岡原発の再稼働に関する質問が相次ぎました。
 原子力発電事業からの撤退を求める株主提案は反対多数で否決されました。
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「浜岡原発」再稼働への質問相次ぐ 中部電力株主総会
中電側は早期の再稼働に向け取り組む姿勢 撤退求める株主提案は否決
                          CBCテレビ 2025/6/26
原発再稼働への質問が相次ぎました
中部電力の株主総会がきょう名古屋で開かれ、株主からは静岡県にある浜岡原発の再稼働に関する質問が相次ぎました。これに対し中電側は、去年12月から原子力規制委員会によるプラント関係の審査が始まったことなどを説明し、早期の再稼働に向けて取り組んでいくとしました。原子力発電事業からの撤退を求める株主提案は反対多数で否決されました。
(株主 60代)
「どちらかというと原子力はちょっと(反対)と思う」
「やっぱり通り一遍(の説明)だった」
(株主 60代)
「原油の価格が上がれば(発電)コストも上がる」
「早く再稼働に向けて話を進めてほしい」

また株主総会後の会見で、林欣吾社長はこの夏の電力需給について触れ、最も需給が厳しくなる8月の供給力の余裕を示す「予備率」が7.6パーセントと安定供給に最低限必要とされる3パーセントを上回る見通しを示しました。 

3- 米原発で冷却水4トン超漏れ 23年、手順無視し虚偽報告

 米イリノイ州のクアッドシティーズ原発で2023年、原子炉の停止作業中に運転員が手順書を無視し、冷却水約4500リットルが漏れて炉の水位が低下するトラブルがありました。現場責任者は上司の叱責を恐れ虚偽の報告をするなど6件の違反がありました。
 漏水があと9分続けば冷却水が核燃料の上端まで低下する恐れがあったということで、科学者らでつくる「憂慮する科学者同盟」は、「炉心損傷や放射性物質の放出の可能性がある大事故の前兆だった」と批判しました。
 共同通信が独自取材・報道しました。
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【独自】米原発で冷却水4トン超漏れ 23年、手順無視し虚偽報告
                            共同通信 2025/6/28
【ワシントン共同】米中西部イリノイ州のクアッドシティーズ原発で2023年、原子炉の停止作業中に運転員が手順書を無視して弁が閉じているか確認せず、冷却水約4500リットルが漏れて炉の水位が低下するトラブルがあったことが28日、原子力規制委員会(NRC)の報告書で分かった。NRCは今年5月、現場責任者が上司の叱責を恐れ「ホースの損傷が原因」と虚偽報告するなど6件の違反があったと通知、処分を検討している。
 個人にとどまらず組織として安全を軽視する体質が露呈した形。こうした姿勢は東京電力福島第1原発事故でも指摘された。

 漏れは6分後に止まったが、あと9分続けば冷却水が核燃料の上端まで低下する恐れがあった。科学者らでつくる米団体「憂慮する科学者同盟」は「炉心損傷や放射性物質の放出の可能性がある大事故の前兆だった」と批判している。
 クアッドシティーズ原発は電力大手コンステレーション・エナジーが運用。福島第1と同じ沸騰水型が2基あり、1973年に運転開始した。

2025年6月26日木曜日

柏崎刈羽、有識者らが安全運転監視へ 新会議創設を経産相に報告

 東電HDの小早川智明社長は23日、武藤経済産業相と会談し、外部有識者らを入れて安全運転を監督する「柏崎刈羽原発・運営会議」を創設する考えを報告しました。

 同会議は、発電所の運営に問題がある場合に取締役会に直接提言する権限を持ち、提言は最大限尊重されるというもので、小早川社長は「地域の皆さまにもじかに入ってもらう」と語りました。
 会談では新たな防災支援の実施も報告され、除排雪体制の強化や屋内避難所の一層の環境整備に向けた支援などが含まれています。
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柏崎刈羽、有識者らが安全運転監視へ 新会議創設を経産相に報告
                       毎日新聞 2025年6月23
 東京電力ホールディングスの小早川智明社長は23日、武藤容治経済産業相と会談し、外部有識者らを招いて柏崎刈羽原発(KK、新潟県)の安全運転を監督する「KK運営会議」を創設する考えなどを報告した。会議の設置時期は再稼働後を想定している。
 会議は、発電所の運営に問題がある場合に取締役会に直接提言する権限を持つ提言は最大限尊重されるという。議長には元東北電力東通原子力発電所長の佐藤敏秀氏を据え、社外委員には元中部電力浜岡原子力総合事務所長の水谷良亮氏ら5人を選任した。

昨年9月の原子力閣僚会議で、安心安全の確保につながるガバナンス体制の強化が課題に挙げられていた。小早川社長は会談後、記者団に「地域の皆さまにもじかに(運営に)入ってもらい、外部の血を取り入れて生まれ変わる必要がある」と語った
 会談では、新たな防災支援を実施することも報告された。除排雪体制の強化や屋内避難所の一層の環境整備に向けた支援など四つの取り組みが含まれ、武藤経産相は「政府としても再稼働の理解が進むよう、しっかりと取り組みを進めたい」と述べた。【中島昭浩】

柏崎刈羽原発 避難道路整備、県は「6方向幹線道路」に続く第2弾要望を検討

 新潟県議会6月定例会は24日、厚生環境委員会で柏崎刈羽原発の避難道路の整備が議論され、6方向に広がる幹線道路に続く第2弾の要望について、県は「市町村から意見を聞いた上で要望について国と協議していく」との考えを示しました。
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柏崎刈羽原発事故時の避難道路整備、県は「6方向幹線道路」に続く第2弾要望を検討
                            新潟日報 2025/6/25
 県議会6月定例会は24日、4常任委員会での審議を始めた。厚生環境委員会では、東京電力柏崎刈羽原発で事故が起きた際の避難道路の整備が議論された。原発から6方向に広がる幹線道路に続く第2弾の要望について、県は「市町村から意見を聞いた上で要望について国と協議していく」との考えを示した
 国と県は今年1月、6方向の幹線道路に関して、橋の耐震化や道路の拡幅などを国費で実施することで合意。県は国の交付金5億7200万円で整備に向けた調査に着手している。自民の柄沢正三氏はさらなる整備が必要だとして、早期の要望実施を求めた。

 県原子力安全対策課の金子信之課長は...

   (以下は会員専用記事のため非公開 残り 54文字 全文:330文字) 

【柏崎刈羽原発】「公聴会の一般傍聴」などを長岡の市民団体が県に要望

 県が行う柏崎刈羽原発の再稼働に関する公聴会について、長岡市の市民団体が、公聴会の会場での傍聴を可能にすること、『公述人』の選定基準を明らかにすることそして知事の出席を求めるなどを求める要望書を16日に県庁に提出したことを報告しました。

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【柏崎刈羽原発】「公聴会の一般傍聴」などを長岡の市民団体が県に要望
                        UX新潟テレビ21 2025/6/24
柏崎刈羽原発の再稼働に関する公聴会について、長岡市の市民団体が一般傍聴などを可能にするよう県に要望書を出しました。
  【動画】【柏崎刈羽原発】「公聴会の一般傍聴」などを長岡の市民団体が県に要望
公聴会は、29日の柏崎市を皮切りに8月末までに5カ所での開催を予定していますが、意見を述べる『公述人』が発言する様子は動画配信でのみ公開され、公述人の意向によっては音声のみの公開となります。また、知事は出席しない予定です。
これについて、市民団体『原発再稼働について考える会・長岡』は23日に集会を開き、公聴会の会場での傍聴を可能にすることや知事の出席を求める要望書を16日に県庁に提出したことを報告しました

■原発再稼働について考える会・長岡 山田秋夫さん
(公聴会で)公述した内容が県民にきちんと伝わるように公開性を担保してほしいとせっかく要請に行ったのに、(担当者が)受け取るとも何も言わずすごく残念な形で帰ってきた。」
また、団体は『公述人』の選定基準を明らかにすることも求めています
1回目の公聴会の公述人は先週、3人の有識者が選定しましたが-

■原発再稼働について考える会・長岡 小林茂共同代表
(選定委員の)3人が公聴会に誰を出すか意図的に選択できる。1カ所10人程度で県内何カ所か、全くナンセンスに近い。」
団体は、今後も県民の意見のとりまとめが公正に行われるよう要望していく方針を確認しました。

柏崎刈羽原発 規制委・伴氏「避難は最小限に」 柏崎市で防災セミナー

 東電HDの小早川智明社長は23日、武藤経済産業相と会談し、外部有識者らを入れて安全運転を監督する「柏崎刈羽原発・運営会議」を創設する考えを報告しました。

 同会議は、発電所の運営に問題がある場合に取締役会に直接提言する権限を持ち、提言は最大限尊重されるというもので、小早川社長は「地域の皆さまにもじかに入ってもらう」と語りました。
 会談では新たな防災支援の実施も報告され、除排雪体制の強化や屋内避難所の一層の環境整備に向けた支援などが含まれています。
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柏崎刈羽、有識者らが安全運転監視へ 新会議創設を経産相に報告
                       毎日新聞 2025年6月23
 東京電力ホールディングスの小早川智明社長は23日、武藤容治経済産業相と会談し、外部有識者らを招いて柏崎刈羽原発(KK、新潟県)の安全運転を監督する「KK運営会議」を創設する考えなどを報告した。会議の設置時期は再稼働後を想定している。
 会議は、発電所の運営に問題がある場合に取締役会に直接提言する権限を持つ提言は最大限尊重されるという。議長には元東北電力東通原子力発電所長の佐藤敏秀氏を据え、社外委員には元中部電力浜岡原子力総合事務所長の水谷良亮氏ら5人を選任した。

昨年9月の原子力閣僚会議で、安心安全の確保につながるガバナンス体制の強化が課題に挙げられていた。小早川社長は会談後、記者団に「地域の皆さまにもじかに(運営に)入ってもらい、外部の血を取り入れて生まれ変わる必要がある」と語った
 会談では、新たな防災支援を実施することも報告された。除排雪体制の強化や屋内避難所の一層の環境整備に向けた支援など四つの取り組みが含まれ、武藤経産相は「政府としても再稼働の理解が進むよう、しっかりと取り組みを進めたい」と述べた。【中島昭浩】

26- 原発1基稼働で利益1000億円? 柏崎刈羽6号機先行稼働へ

  東電は柏崎刈羽原発について6号機から先行して再稼働する方針に転換しました。これは7号機のテロ対策施設の設置猶予期限が10月13日のため、それ以降はテロ対策施設が完成するまで運転ができないからです(6号機の設置猶予期限は29年9月)。


 因みに関電の美浜原発3号機は、21年6月に再稼働しましたが、テロ対策施設設置猶予期限が同年10月23日に迫っていたため運転を停止しました(テロ対策施設完成後の22年9月に再稼働)。テロ対策施設の設置猶予期限は、原発本体の安全対策工事の詳細設計が認可されてから5年以内と定められています。本来は稼働時に完成しているべきものなのですが、福島原発事故後に新たに定められた施設なので猶予期限を設けたものです。
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現実路線に舵を切った東電 原発1基稼働で利益1000億円 柏崎刈羽6号機先行稼働へ
                           産経新聞 2025/6/25
東京電力は新潟県の柏崎刈羽原発について6号機から先行して再稼働する方針に転換した。今夏の再稼働を目指した7号機はテロ対策施設の工事が遅れ、地元同意も見通せず、現実路線にかじを切った。経営再建中の東電にとって、原発稼働で見込める利益を優先した「苦渋の決断」とも言えるが、道は険しい。
国と東電はこれまで、電力需要が高まる今夏以降、7号機を再稼働させる方向で準備を進めてきた。ただ、原子力規制委員会が認めたテロ対策施設の設置期限が10月13日に迫り、仮に今夏の再稼働が実現した場合でも、わずかな時間しか稼働できない。
今月21日に燃料装荷が完了した6号機は、技術的に稼働できる状態となる健全性の確認が8月ごろに終了する。地元同意が得られれば、テロ対策施設の設置期限となる令和11年9月まで運転が可能となる。
柏崎刈羽原発の再稼働は東電の経営を左右する。福島第1原発事故で巨額の賠償責任を負う東電にとって、柏崎刈羽6、7号機の再稼働は再建計画の柱だ。6、7号機が再稼働すれば火力発電の燃料費が減るため、1基につき年間約1000億円の収支改善を見込む。赤字が続く経営好転の一手に同原発の稼働は欠かせない。
同原発の稲垣武之所長は25日の記者会見で「7号機を再稼働できなかったことは私どもの力不足だが、地元には6号機が今度どうなるのかを丁寧に説明したい」と述べた。当初目指した7号機の早期稼働を断念してでも、「まずは1基でも動かす」という経営判断に迫られたことは想像に難くない。
ただ、6号機の先行稼働に方針転換しても、地元同意がハードルとして立ちはだかる。再稼働について県民の意思を見極める新潟県の公聴会は8月末まで続く。花角英世知事が判断を示すのは9月以降になるとみられ、先を見通すのはまだ難しい。(白岩賢太)


東京電力が再稼働めぐり方針転換 柏崎刈羽原発は6号機を優先 
    ー 7号機のテロ対策施設の建設遅れで
                           福島テレビ 2025/6/25
東京電力は柏崎刈羽原発の再稼働をめぐり、6号機を優先させることに方針転換した。
東京電力は6月25日、柏崎刈羽原発について、先行して準備が進んでいた7号機ではなく、6号機を優先して再稼働させると表明した
柏崎刈羽原発では2024年4月、東京電力の原発としては震災後初めて7号機の原子炉に核燃料が入ったが、テロ対策施設の建設遅れで再稼働したとしても10月から4年ほどは運転ができない
再稼働に向けた新潟県知事の判断は、早くても秋以降となる見通しで、東京電力はテロ対策施設の設置期限に余裕のある6号機に集中するとしている。


【速報】7号機の核燃料取り出し検討と柏崎原発所長
                        共同通信 2025年06月25日
 東京電力柏崎刈羽原発の稲垣武之所長は25日の記者会見で、7号機の原子炉に装填した核燃料を取り出し、使用済み核燃料プールに戻すことを検討すると明らかにした。

2025年6月23日月曜日

柏崎刈羽、6号機優先を公表へ 再稼働で東電

 東電は柏崎刈羽原発再稼働の優先順序について7号機を先送りし、6号機を優先する方針を近く公表するということです。東電と国は 電力需要が高まる今夏以降に再稼働させる方針だということですが、原発事故時の避難対策ソフト面(避難方針、避難手順等)でもハード面(避難道路、避難バス、避難用ハウス施設など)でも、何一つ完成乃至担保されていない中での再稼働など、あり得ないことです

 別掲の記事で大井川和彦・茨城県知事が述べているように、まずは避難計画の実効性を検証する委員会を設立すべきです。
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【独自】柏崎刈羽、6号機優先を公表へ 再稼働で東電
                        共同通信 2025年06月21日
 東京電力が福島第1原発事故後、同社として初となる再稼働を目指していた新潟県の柏崎刈羽原発7号機を先送りし、6号機を優先する方針を近く公表することが21日、複数の関係者への取材で分かった。7号機は昨年6月に技術的な準備を整えたが、地元同意が見通せず、今夏の再稼働が困難となった。
 7号機は、新規制基準で設置が義務付けられたテロ対策施設の建設工事完了が2029年8月に遅れている。そのため今夏に再稼働しても設置期限の今年10月以降は停止する。
 6号機は今年6月10日に核燃料の装填作業を始め、21日に完了。8月にも技術的な準備を整える方針で、テロ対策施設の設置期限の29年9月まで運転が可能となる。
 東電と国は電力需要が高まる今夏以降、7号機を再稼働させた上で、さらに6号機も動かすことで常に1基が運転している状況を目指していた
 6号機の再稼働にも自治体の同意は必要で、花角英世知事は態度を明らかにしていない。県民の意向を見極める必要があるとし、市町村長との懇談会を今年5月から始めた。


【速報】東電、柏崎刈羽6号機への核燃料装填完了
                        共同通信 2025年06月21日
 東京電力は21日、再稼働を目指す新潟県の柏崎刈羽原発6号機への核燃料装填を完了したと発表した。

原子力災害指針で改定案 新たに屋内退避解除要件 規制委了承(詳報)

 しんぶん赤旗に掲題の記事が載りました。
 改定案については19日付記事()で紹介済みですが、「詳報」として紹介します。
   6月19日)規制委、原災対策指針の改正案を了承 屋内退避の実現は課題残す

 本記事は「複合災害の具体化なし」の中見出しを立て、「世界的に見ても地震、津波などが多い日本では原子力災害は自然災害を起因とする確率が高く、原子力災害時の計画の実効性を考える上では、自然災害との複合災害の想定は不可欠」と述べています。
 単に「自然災害対策との連携の強化が必要」と指摘するだけでは何の役にも立ちません。能登半島地震からもう1年半が経過しているのに、この体たらくです。規制委はもっとまじめに取り組むべきです。
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原子力災害指針で改定案 新たに屋内退避解除要件 規制委了承
                       しんぶん赤旗 2025年6月19日
 原子力規制委員会は18日、原子力事故時に被ばくを低減するために行う屋内退避の運用について、その解除要件などを新たに盛り込んだ原子力災害対策指針(原災指針)の改定案を了承し、30日間の意見募集を行うことにしました
 原災指針では、近隣住民へ放射線の影響が及ぶ可能性が高い状態と判断された場合、原発から5キロ圏内の住民はすぐに避難となります。5~30キロ圏内の住民は被ばくを低減するため屋内退避し、その後、空間の放射線量などに応じて避難等に移行することになっています。
 規制委が設置した屋内退避の運用に間する検討チームは、約1年間の検討結果を報告書にまとめ、4月に規制委に報告しました。規制委は、それを受けて原災指針の改定を原子力規制庁に指示していました。
 改定案は、屋内退避について、
 ▽継続可否の判断は屋内退避実施後3日目を目安に、それ以降、日々行う
 ▽生活の維持が困難と判断される場合など、避難へ切り替える考え方
 ▽新たなプルーム(放射能雲)、が到来する可能性がなく、かつ、既に放出されたプ
  ルームが滞留していないことが確認できれば解除が可能
 ▽一時的な外出が実施できること
-などを盛り込んでいます。実効性が懸念されている、事故と自然災害が重なる複合災害に関しては改定の対象にしていません
 規制庁は原災指針改定後に自治体向けの関連資料を作成するとしています。

複合災害の具体化なし
 原子力規制委員会は、原発事故の際の屋内退避に関して、検討チームの報告を反映した原子力災害対策指針(原災指針)の改定案を了承しました。しかし、同改定案は、避難計画などの実効性が特に懸念されている原発事故と自然災害が同時発生する複合災害について具体化はありません
 昨年1月に発生した石川県の能登半島地震では、断水や家屋の倒壊、避難路の寸断、さらに一部の放射線施設が損傷し利用できない事態となり、同県に立地する志賀原発で事故が起きていれば、多くの住民が屋内退避も避難も困難でした。
 世界的に見ても地震、津波などが多い日本では原子力災害は自然災害を起因とする確率が高いとされています。原子力災害時の計画の実効性を考える上では、自然災害との複合
災害の想定は不可欠です。
 今回の改定の元となった報告書をまとめた検討チームの会合でも、複合災害時の災害対策の実効性についての懸念や具体的対策の検討の必要性について言及がありました。しかし、報告書では自然災害対策との連携の強化」が必要といった指摘にとどまりました

 規制庁の担当者は、複合災害に関して関係省庁との意見交換を始めたとしていますが、「自然災害でどういうことができているのか聞く、まだ第1段階」と説明しており、具体的な連携自体は始まっていません。   (松沼環) 

避難場所確保に数年 東海第2、茨城県知事見通し

 東海第2原発の重大事故に備える広域避難計画を巡り、大井川和彦・茨城県知事は20日の定例記者会見で不足する避難場所を確保するのに数年を要するという見通しを示しましたそして避難計画の実効性を担保するため、県が昨年10月に設置した検証委員会各種対策の妥当性の検証を進めると述べました

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避難場所確保に数年 東海第2、茨城県知事見通し
                        茨城新聞 2025年6月21日
日本原子力発電東海第2原発(茨城県東海村白方)の重大事故に備える広域避難計画を巡り、大井川和彦県知事は20日の定例記者会見で、不足する避難場所を確保するのに数年を要するという見通しを示した
県は2023年1月、県地域防災計画を改定し、感染症対策として避難所1人当たり面積を2平方メートル以上から3平方メートル以上とした。このため、事故時に避難を想定する原発30キロ圏の約91万6000人のうち、9万4000人分の避難所が不足しており、県は福島、群馬、栃木、埼玉、千葉の5県と調整している。
同計画策定が必要な県内14市町村のうち、完成したのは8市町村。大井川知事は、避難所確保のめどは立っていないとしつつ、「鋭意確保を進めている。今後数年で、ある程度の見通しは出てくるのではないか」と述べた。
その上で、同計画の実効性を担保するため、県が昨年10月に設置した有識者でつくる検証委員会で、各種対策の妥当性の検証を進めるとした。山田修村長が10日に条件付きで再稼働を容認したことについては、「個人的なスタンスを明確にしたのでコメントは差し控えたい」と述べるにとどめた。