2019年7月5日金曜日

05- 復興庁 現体制維持 政府与党提言へ

復興庁、現体制維持へ 政府与党 専任の担当相設置調整
福島民報 2019/07/04 
 政府、与党は二〇二〇(令和二)年度末以降の復興庁の後継組織について、首相をトップとして専任の担当相を置く現体制を維持する方向で最終調整に入った。被災自治体からの要請を踏まえた対応で、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故からの中長期的な復興には、首相直属で政策を進める現体制の継続が必要と判断した。 
 
 復興庁で三日に開かれた政府の復興推進委員会で、福島、岩手、宮城の被災三県の代表者らは来年度までの復興・創生期間の後を見据え、現体制の維持などを求めた。福島県の内堀雅雄知事は後継組織に専任の担当相を設置するよう、渡辺博道復興相らに初めて要請した。復興財源についても現行制度と同様の枠組みで安定的に確保するよう求めた。 
 委員会は非公開で開かれた。会議後、内堀知事は報道陣の取材に応じ「福島の復興は十年間では終わらない。県民が安心して復興に取り組むことができる体制、財源を国が前面に立って確保することが極めて重要」と強調した。 
 
 政府は三月に見直した復興基本方針で、福島の復興には中長期的に責任を持つと明示し、後継組織に担当相を置くとした。これまでの政府、与党内での議論では、後継組織を内閣府の外局とする案、災害対応と復興を一元的に担う「復興・防災庁」を新設する案などが検討されてきた。 
 ただ、復興・創生期間後にも住民の生活再建、帰還環境の整備、被災者の心のケア、原発事故による風評対策などの課題が残る。このため、被災自治体などからは復興庁の改組ではなく、各省庁を束ねて総合調整する司令塔機能と復興財源の維持を求める声が上がっていた。
 
 こうした要望を踏まえ、自民党と公明党の東日本大震災復興加速化本部は現行の体制と財源の維持に向けた第八次提言を八月にも政府に提出する見通し。提言を受けた政府は年内をめどに、復興・創生期間後の復興基本方針に反映させる。 
 復興庁は復興庁設置法に基づき、二〇一二(平成二十四)年二月十日に内閣直属の機関として発足した。二〇二一年三月末までが設置期間。首相を主任大臣とし、事務を統括する専任の復興相を置き、震災と原発事故に関する復旧・復興事業に対応している。