2018年2月28日水曜日

28- 大震災7年 ボランティアは減少 緊急雇用創出事業打切                                          

被災地支援は減少 長期化、変わるニーズ 東日本大震災7年
時事通信 2018年2月28日
 甚大な被害をもたらした東日本大震災と東京電力福島第1原発事故から7年。被災地でのボランティアらによる支援活動は、減少の一途をたどっている。復興が長期化し、被災者のニーズも変わる。資金不足に嘆く団体がある一方、被災地に移り住んで貢献を続ける人もいる。

 岩手、宮城、福島3県の社会福祉協議会を経由して支援活動をした人数は、2011年5月の1カ月間の延べ18万2346人がピーク。その後は減少し続け、17年12月は延べ1751人まで落ち込んだ。ボランティアの活動は、がれき撤去や避難所での炊き出しなどの緊急支援から、コミュニティー維持のための仮設住宅などでの集会開催など日常生活の支援へと移行しているという。
 行方不明者の捜索とボランティアの受け入れ事業を行っている宮城県気仙沼市の一般社団法人「気仙沼復興協会」は、16年度に国からの緊急雇用創出事業が打ち切られ、職員を10人から3人に減らした。17年度からは県の助成金や寄付金で運営するが、綱渡り状態だ。事務局長の千葉貴弘さん(43)は「利益確保のための事業を企画したくても、人手が足りない」と頭を抱える。

 勤め先だった市内のホテルが被災した千葉さんは「復興は道半ば。何か手伝いたいと来てくれる方々を受け入れる窓口は今後も必要だ」と指摘し、「協会を通じてできた地域の人やボランティアとのつながりは財産。これからも人のつながりを生み出す場でありたい」と語った。
 大学時代にボランティア団体で活動していた東京都出身の西崎芽衣さん(25)は、「今しかできない」と大手広告会社の内定を断り、昨年4月から福島県楢葉町のまちづくりを支援する一般社団法人「ならはみらい」で働き始めた。「町民になって、ものすごく先のことを考えるようになった。町に意味があることを確実にやっていきたい」と意気込む。
 支援団体による全国規模の連絡組織「東日本大震災支援全国ネットワーク」の栗田暢之代表(53)は「どこまで続けるかだが、まだ7年。応えるべき課題はたくさんあるのでは」と指摘。「被災地は、原発や過疎化など日本全体が抱える課題を解決しようとする先進地でもある。関心ある人にどう提示し、議論を高めていくかを考えるべきだ」と話している。