2019年8月1日木曜日

第二原発廃炉が確定 知事 核燃料一時保管を容認

 内堀雅雄・福島県知事は30日、県庁で東電の小早川智明社長と面会し、福島原発の廃炉作業に伴う使用済み核燃料の敷地内への一時保管を容認する考えを伝え廃炉完了までに全ての使用済み核燃料を県外に搬出する方針を改めてただし、小早川社長はそれを確約しました。
 30日のこの合意を経て、東電は31日、福島第二原発を廃炉にすることを取締役会で正式に決めました。
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第二原発廃炉が確定 核燃料一時保管を容認 知事、福島県外搬出前提に
福島民報 2019/07/31
 内堀雅雄知事は三十日、県庁で東京電力の小早川智明社長と面会し、福島第二原発の廃炉作業に伴う使用済み核燃料の敷地内への一時保管を容認する考えを伝えた。廃炉完了までに全ての使用済み核燃料を県外に搬出する方針を改めてただし、小早川社長が確約した。県が東電の意向を受け入れたことで、同原発全四基の廃炉は事実上、確定した。
 
 内堀知事は冒頭、使用済み核燃料を貯蔵する施設の新設方針に対し「県民から恒久的な保管につながると心配する声が出ている」と指摘。敷地内保管は恒久的ではない点と、保管手法の安全性の評価について回答を求めた。小早川社長は「遅くとも廃止措置完了までに、なるべく早期に全量を県外に搬出する」と強調。貯蔵施設での保管においては速やかな搬出が可能な輸送・貯蔵兼用容器を使用し、安全性が高い乾式貯蔵方式を導入する意向を説明した。
 内堀知事は小早川社長の回答を受け、使用済み核燃料は県外搬出が大前提との見解を示した上で、「当分の間、一時保管されるのはやむを得ない」と容認する考えを伝えた。乾式貯蔵の必要性に理解を示し、貯蔵施設を整備する際は計画段階から県、立地町と協議するよう要請した。
 
 一方、東電が示していた「第二原発の廃炉に四十年超を要する」との工程に対しては、過酷事故を起こした福島第一原発の廃炉と並行作業が必要となる状況を考慮し、「可能な限り工程を短縮し、着実に進めてほしい」とした。福島第二原発が立地する楢葉、富岡両町と協議した結果として東電に伝えた。
 面会には松本幸英楢葉町長、宮本皓一富岡町長が同席した。廃炉作業に伴う地域振興について、松本町長は「資機材の調達を含め地元企業が最優先で参画できるよう求める」、宮本町長は「日本の廃炉産業の一大拠点となるよう取り組みを進めてほしい」と語った。
 小早川社長は二十四日に内堀知事らに第二原発の廃炉を正式表明し、使用済み核燃料の敷地内への一時保管などへの理解を求めていた。東電は三十日の面会を踏まえ、福島第二原発の廃炉に関して地元の理解が得られたと判断。三十一日に予定する取締役会で福島第二原発全四基の廃炉を正式決定する見通し。
 
 
福島第二原発の廃炉、正式決定…東電HD
読売新聞 2019年7月31日
 東京電力ホールディングスは31日、福島第二原子力発電所(福島県楢葉町、富岡町)を廃炉にすることを取締役会で正式に決めた。2011年の福島第一原発事故後、福島第一原発と同様に廃炉を求める地元の声に配慮した。
 
 東電の小早川智明社長は31日午後、福島県を訪れ、内堀雅雄知事や地元自治体に廃炉決定を報告する。
 既に廃炉を決めている福島第一原発の6基に、第二原発の4基を加えた計10基の廃炉作業には、40年以上かかると見込まれている。小早川社長は昨年6月、内堀知事に対し第二原発を廃炉とする方針を示していた。第一原発の廃炉作業と並行して進めることから、人員配分の検討などに時間がかかり、正式に決めるまで1年以上を要した。
 廃炉で生じる使用済み核燃料は、第二原発構内に新たに設けられる貯蔵施設で一時保管される。内堀知事や地元町長らは30日、貯蔵施設での安全確保や、将来的に燃料を県外搬出することを求め、東電の方針を容認した。
 東電は、廃炉計画の詳細を今後詰める。費用は約2800億円かかるとされ、資金面なども課題となる。