2018年11月16日金曜日

東海第2原発の避難計画は虚構と塩川議員 衆院内閣委で

 共産党の塩川鉄也衆院議員は14日の内閣委員会で、東海第2原発事故時の広域避難計画の問題点を追及しました。
 塩川氏は、茨城県がバス3270が必要としていることに対し、「同県バス協会は『運転手の安全確保のためにバスは出せないと県に伝えている』が、本当に運転手を確保できるのか」と追及しました。政府は「バス協会と調整する」と繰り返すのみでした
 塩川氏はまた、寝たきりや車いすの人などの福祉車両の確保の問題や、放射線量をチェックするスクリーニングで生じる渋滞などを挙げ、「96万人の避難計画そのものが虚構でしかない」と批判し、東海第2原発の廃炉を求めました。
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原発避難計画は虚構 塩川議員 東海第2の問題点追及 衆院委
しんぶん赤旗 2018年11月15日
 日本共産党の塩川鉄也衆院議員は14日の内閣委員会で、28日に運転開始から40年を迎える日本原子力発電東海第2原発(茨城県東海村)についての広域避難計画の問題点を追及しました
 首都圏に立地する同原発は、原発から30キロ圏内だけでも96万人が居住しています。圏内44市町村のうち34自治体の議会で再稼働等に反対する意見書が採択され、海野徹那珂市長も反対を表明しています。
 
 塩川氏は、茨城県がバス3270台で15万人の避難を想定していることに対し、「同県バス協会は『放射能が放出された時点で、運転手の安全確保のためにバスは出せないと県に伝えている』と述べている。これは当然のことだ」と指摘し、「運転手を確保できるのか」と追及。内閣府の荒木真一大臣官房審議官は「バス協会と調整する」と繰り返すのみ
 塩川氏はまた、寝たきりや車いすの人などの福祉車両の確保の問題や、放射線量をチェックするスクリーニングで生じる渋滞などを挙げ、「どう考えても避難計画は成り立たない」と強調しました。
 
 塩川氏は、避難計画の妥当性について、計画作成にかかわる国や自治体が評価する仕組みでは実効性が担保できないとして、「96万人の避難計画そのものが虚構でしかない」と批判。日本原子力発電と東京電力の役員に経産省出身者がいることも示し「危険な原発の再稼働の大本には国と電力会社による官民癒着がある」として東海第2原発の廃炉を求めました。

<核のごみ 漂流する処分策> 河北新報

 河北新報が、<核のごみ 漂流する処分策>シリーズの4つの記事(電子版ベース)を載せましたので紹介します。
 原記事には「科学的特性マップ」の図等も掲載されていますので、興味のあるかたは、記載のURLからアクセスしてください。
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<核のごみ 漂流する処分策>NUMOの科学的特性マップ説明会 
              東北で懸念や反発相次ぐ
河北新報 2018年11月15日
 NUMOは、核のごみの最終処分地の選定や建設、運営を担う。手始めに科学的特性マップの説明会を各地で展開する。東北では懸念や反発を招いた。
 「なぜ釜石でこの時期に開くのか」。釜石市岩手県で10月21日にあった説明会は、序盤から紛糾した。
 市内では1988年から10年間、旧動力炉・核燃料開発事業団が地層処理の基礎研究を実施。市議会は最終処分地の拒否宣言を決議した歴史がある。
 
 マップでは、岩手県沿岸は全て輸送面でも好ましい地域。しかも当日は一大行事「釜石まつり」と重なり、不信と疑問が噴出した。NUMOの担当者は「県庁所在地は一巡し、交通の利便性などから釜石を選んだ」「旧動燃の経緯は知っているが、別組織だ」などと釈明に追われた。
 会場からは「なぜ原発を再稼働し、最終処分が大変な核のごみを増やすのか」との意見もあった。市内の会社員の男性(48)は「地域の感情は分かるが、原発の恩恵を受けたわれわれの世代が解決に進まないといけないのでは」と話した。
 
 日本原燃が核のごみを一時貯蔵する青森県。事あるごとに、知事が経済産業相に最終処分地にしない約束の順守を求める光景が定着した。青森が最終処分場化される不安が消えないからだ。核のごみは2045年に最初の保管期限を迎えるが、最終処分場は建設まで約30年かかるとされ、単純計算では間に合わない。青森市で7月に開かれた説明会でも「本当に間に合うのか」「どこの自治体も手を挙げなかった場合はどうなるのか」などの指摘が出た。
 マップが公表された17年7月、世耕弘成経済産業相は青森県と原発事故に遭った福島県を候補地から外す考えを示した。
 
 
<核のごみ 漂流する処分策> 幌延深地層研究センター 近づく実験期限
河北新報 2018年11月15日
 東京電力福島第1原発事故後、原発が再稼働する一方で高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分に向けた動きは停滞したままだ。日本原子力研究開発機構(JAEA)の幌延深地層研究センター(北海道幌延町)は、核のごみを地中深く埋める「地層処分」(最終処分)の実験場。研究期限が近づく中、地元では予定通り終了を求める声と経済効果を期待して延長を求める声が交錯する。最終処分実施主体の原子力発電環境整備機構(NUMO)は、候補地となり得る地域を示した「科学的特性マップ」の住民説明会を各地で開催しPRに躍起だが、関心は総じて低い。「トイレのないマンション」から、いつ抜け出せるのか。(東京支社・瀬川元章)
 
◎地下350m閉じ込め性能試験「さらに深い所理想」
 国内最北端の稚内空港から南へ40キロ。2300人が暮らし、酪農が盛んな幌延町にJAEAの幌延深地層研究センターがある。
 西立て坑からエレベーターで降りて約4分。地下350メートル、水平に掘った8の字形の調査坑道(全長757メートル)に着いた。
 トンネルの掘削現場に似ている。海に近く、軟らかい堆積岩の地質。壁には1メートル間隔でアーチを支える鋼材が食い込む。塩気のある水があちこちで染み出し、道端の排水溝にたまる
 湧水量は1日60トン。ぷくぷく浮かぶ気泡はメタンガスを含む。2013年には湧水が急増。メタンガス濃度が基準値を超え、作業員が避難する事態が起きた
 
 坑道の一角で、核のごみの「模擬」埋設試験が15年から行われている。
 垂直に掘った穴に、ガラス固化体を収納する金属容器(高さ173センチ、直径82センチ、重さ6トン)を置き、ブロック状の緩衝材で覆う。穴を埋め、坑道をふさぎ、厚さ3メートルのコンクリートでふたをした
 地下深部は酸素がほぼなく、水の動きは極めて遅いという。容器の内蔵ヒーターを100度まで加熱し、ガラス固化体から出る熱を再現。周囲を水で満たすため、圧力をかけて注水する装置がガタガタ音を立てる。
 試験は少なくとも19年度まで続け、放射性物質を閉じ込める性能を確かめる。センターの佐藤稔紀深地層研究部長は「施工は想定通りクリアした。千年万年後の現象を予測するシミュレーションに使う熱や水、応力、化学のデータを取っている最中」と説明する。
 
 センターは01年に調査を開始。本年度末までの総事業費は566億円に上る。現在は約100人が働く。
 研究期間は20年程度で終期が迫る。佐藤氏は「もう少し深い所で亀裂や断層がない領域が出てきそうだ。研究の場として、より理想的な条件に近づく」と指摘。「350メートルでの研究を継続するか、(当初計画の)500メートルまで掘るか、埋め戻すか。19年度末までに方針を示したい」と話した。
 
[高レベル放射性廃棄物(核のごみ)]
 使用済み核燃料を再処理し、プルトニウムなどを取り出した後に残る廃液で、高温のガラスと混ぜて固めたものを「ガラス固化体」と呼ぶ。極めて強い放射線を出す。日本の使用済み核燃料は約1万8000トンあり、既に再処理した分も含めるとガラス固化体で2万5000本相当になる。2000年成立の特定放射性廃棄物最終処分法で、ガラス固化体を地下300メートルより深く埋める「地層処分」が決定。埋設後の取り出しは想定せず、事実上の最終処分地となる。岐阜県には、硬い結晶質岩で地層処分を研究する日本原子力研究開発機構(JAEA)の瑞浪(みずなみ)超深地層研究所がある。
 
[科学的特性マップ]
 火山や活断層が周囲になく、安定的な地層や地質と期待される地域を「好ましい特性が確認できる可能性が相対的に高い」(黄緑色)と判断。このうち船による搬入を想定し、海岸から約20キロの範囲を「輸送面でも好ましい」(緑色)と強調する。
 活断層の周辺、火山の中心から半径15キロの範囲などを「好ましくない特性があると推定される」(オレンジ色)と指摘。油田やガス田、炭田がある地域も将来掘り起こされる可能性から「好ましくない」(灰色)と分類した。
 
 
<核のごみ 漂流する処分策> 幌延町長、センターの必要性強調 
              住民組織は研究と処分の一体化懸念
河北新報 2018年11月15日
 幌延深地層研究センターは、完成まで紆余(うよ)曲折をたどった。原子力施設の誘致に動いていた幌延町に1984年、核のごみの貯蔵管理、最終処分を研究する「貯蔵工学センター」構想が浮上。道内の反対運動で、核のごみを持ち込まない研究機関に機能を限定し、2001年に開所した。
 核燃料サイクル開発機構(当時)と道、町は(1)放射性廃棄物の持ち込み、使用はしない(2)最終処分を行う実施主体への譲渡、貸与はしない(3)研究終了後は地下施設を埋め戻し、閉鎖する-との3者協定を締結。町は放射性廃棄物の搬入を認めない条例も制定した。
 
 「原発事故以来、最終処分の研究は重要性を増している」。野々村仁町長(63)は強調した上で「大量の使用済み核燃料が地表で中間貯蔵の形で生き永らえている。ここまで来たのは大変なツケ。原発の再稼働と一緒に、処分の議論も進めるべきだ」と訴える。
 センターの立地で、町には一般会計3%相当の1億6000万円が交付金として毎年入り、経済効果は推計3億円。町農協、雪印メグミルク幌延工場と並ぶ町内3大企業の位置付けだ。
 計画では研究期間は「20年程度」。終期が近づく。「私の主観では、この研究は必要。国の方針がそうなれば、新しいステージを考えることになる」。野々村町長はセンターの操業延長を提案された場合、容認の姿勢をにじませた。
 
 町に加え、道も「核のごみは受け入れがたい」との宣言条例を作り、最終処分地化を防ぐ二重三重の構えを取ったが、周辺住民の不安は消えない。「原子力に頼るまちは飲み屋と旅館しか残らない」と経済効果を疑問視する声も漏れる。
 「核廃棄物施設誘致に反対する道北連絡協議会」の久世薫嗣(しげつぐ)代表委員(74)=豊富(とよとみ)町=は「僕らにとってセンターは迷惑施設。基幹産業の農業や漁業、観光にきちんと取り組むことがこの地域を守ることになる」と研究終了を求める。
 東道(おさむ)代表委員(68)=稚内市=は「火山や地震が多く、活断層もどこにあるのか分からない日本で、地層処分がいいと決めた国はそもそも無責任」と指摘。最近の国の動向から、研究と処分の一体化を懸念する。
 
 
<核のごみ 漂流する処分策> 後始末 国内で責任を/伴英幸氏に聞く
河北新報 2018年11月15日
(以下は伴英幸氏の主張です 湯沢ブログ事務局註)
 幌延深地層研究センターは地元との約束を絶対に守り、研究を終わらせないといけない。国もJAEAもNUMOも信頼されていないことが最大の問題。研究者は続けたいだろうが、別の場所を探すべきだ。
 核のごみの地層処分の研究自体は続けるべきだ。地下深部での地下水の流れ、地震など自然現象による変化がよく分かっていない。やめてしまえば、より安全な処分の技術開発につながらない。日本では将来的に地層処分するしかないと思う。国内で後始末することが、原発を57基も造った国際社会に対する責任だ。研究期間を100年単位で長く取り、使用済み核燃料の中間貯蔵も延長する必要がある
 
 核のごみの発生量の上限、つまり脱原発を決めて最終処分場を1カ所だけ造るという政策の方向性がはっきりすれば、将来世代に影響を極力残さないという意味で、意見が異なる人たちも同じテーブルに着けるのではないか。
 (必要性は認めるが、居住地に造られるのは困るという)NIMBY(ニンビー、Not In My Back Yard )は尊重した上で、みんなの問題として、長い間コツコツと話し合っていくしかない。(談)

16- 伊方原発3号機 運転停止申し立て 退ける決定 高松高裁

 愛媛県の住民が伊方原発3号機を運転しないよう求めた仮処分申請対して、高松高裁はそれを退ける決定を出しました。
新規制基準の下で原子力規制委が行った審査には合理性がある」という型通りのものでした。一方、住民の避難計画については「民間のバス会社に協力を要請できないことや海上輸送能力に懸念がある」等の住民の主張を認めていますが、米国の様にそのことをもって「再稼働を止める要因」とは見做しませんでした。
 
 火山リスクについては、「阿蘇カルデラで運用期間中に破局的噴火が起きる根拠は不十分」なので、再稼働を取り止める理由にならないとしましたが、当初から火山学会が「噴火の予知は不可能」とした中で作られた「火山条項」なのに、「破局的噴火が起きる根拠」が示されなければダメということであれば、「火山条項」は永久に生かされることはありません。
 また地裁で、「約九万年前の阿蘇カルデラ噴火の火砕流が、同原発がある佐田岬半島で確認されたとの知見がない」からと申し立てを却下したのも、火砕流が常に同じコースを通ることを前提にした誤りですが、それも正されませんでした。
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伊方原発3号機 運転停止申し立て 退ける決定 高松高裁
NHK NEWS WEB 2018年11月15日
愛媛県の住民が伊方原子力発電所3号機を運転しないよう求めた仮処分の申し立てについて、高松高等裁判所は退ける決定を出しました。伊方原発3号機は広島高裁が出した運転を認める決定を受けて先月再稼働し、今後も運転が続くことになります。
 
愛媛県内の住民11人はおととし5月、四国電力に対して伊方原発3号機を運転しないよう求める仮処分を申し立てました。
審理では地震に対する安全性やおよそ130キロ離れた阿蘇山で巨大噴火が起きた場合の影響などが争われ、去年7月、松山地方裁判所が申し立てを退けたため住民側が抗告していました。
15日の決定で高松高等裁判所の神山隆一裁判長は「新しい規制基準の下で原子力規制委員会が行った審査には合理性がある」として、松山地裁に続いて住民の申し立てを退けました。
 
一方で、住民の避難計画については「民間のバス会社に協力を要請できないことがあると明記されている点、海から避難する場合の輸送能力に懸念がある点、屋内退避の施設が不足している点で不十分だと思われる」と指摘しました。
伊方原発をめぐる仮処分では去年、広島高等裁判所が運転を認めない決定を出しましたが、四国電力が異議を申し立て、ことし9月、広島高裁の別の裁判長が決定を取り消しました。
これを受けて伊方原発3号機は先月27日、およそ1年ぶりに再稼働し、今後も運転が続くことになります。
 
住民側「いつの日か伊方原発を止めて廃炉に」
決定を受けて裁判所の前では、住民側が「不当決定」とか「司法は福島原発事故を忘れたか」と書かれた紙を掲げました。
仮処分を申し立てた住民の1人で「伊方原発をとめる会」の松浦秀人事務局次長代行は、「10万年以上、核の廃棄物を管理しなければならない原発を止めることができない裁判所に怒りを覚えている。この決定を乗り越えて、いつの日か必ず伊方原発を止めて廃炉にしていきたい」と話していました。
 
四国電力「妥当な決定」
(中 略)
 
 
伊方3号機 停止認めず 「破局的噴火 根拠不十分」
東京新聞 2018年11月15日
 四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の運転差し止めを求め、愛媛県の住民が申し立てた仮処分の即時抗告審で、高松高裁は十五日、申し立てを退けた松山地裁決定を支持し、運転を認める決定をした。四国電は十月二十七日に3号機を再稼働させており、運転を継続する。
 
 神山隆一裁判長は火山リスクについて、伊方3号機から約百三十キロ離れた熊本県・阿蘇カルデラで運用期間中に「破局的噴火」が起きる根拠は不十分で「立地が不適とは考えられない」とした原子力規制委員会の判断を追認した。また規制委が策定した新規制基準のうち、耐震設計の目安となる地震の揺れ(基準地震動)に関する定めに合理性があると判断。3号機は基準に適合し「最新の科学的、専門技術的知見に照らしても相当」とした。
 一方で避難計画について「住民の輸送能力や放射線防護施設の規模が不十分」と指摘し、改善を求めた。
 
 伊方3号機を巡っては広島高裁が昨年十二月の仮処分決定で、阿蘇カルデラで破局的噴火が起きた際の火砕流到達のリスクを指摘し、運転禁止を命令。しかし今年九月の異議審決定で同高裁が覆し再稼働を認めた。昨年七月の松山地裁決定は、国内最大級の活断層「中央構造線断層帯」の近くに立地する伊方原発の基準地震動について、震源モデルを適切に考慮するなどし不合理な点はないと指摘。火山についても約九万年前の阿蘇カルデラ噴火の火砕流が、同原発がある佐田岬半島で確認されたとの知見はなく、運用期間中に危険性がないことは相当の資料で立証されたとし、申し立てを却下した。
 
<伊方原発> 四国電力が愛媛県伊方町に持つ計3基の加圧水型軽水炉。1977年に運転を始めた1号機、82年開始の2号機(いずれも出力56万6000キロワット)は、巨額の安全対策投資に採算が合わないとして廃炉が決まった。3号機は94年に運転を開始。プルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料によるプルサーマル発電を行う。

2018年11月15日木曜日

日米が原発推進で協力の覚書、時代に逆行

 日米両政府は13日、原発の推進に向けて協力する覚書に合意しました。
 コスト高で劣勢にある原発を、何とか盛り返したい思惑からですが、クリーンで安価な電源として再生可能エネルギーが世界的に広まる中、両国の狙い通りには進みそうにありません。
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日米が原発推進で協力 覚書合意、時代に逆行
こちら原発取材班 東京新聞 2018年11月14日
 日米両政府は13日、原子力について温室効果ガスを排出しない「クリーン」なエネルギーとして位置付け、推進に向けて協力する覚書に合意した。安全対策などのコスト高で苦境に立つ原発を、地球温暖化対策に役立つ電源として評価することで盛り返したい思惑がある。だが、クリーンで安価な電源として再生可能エネルギーが世界的に広まる中、両国の狙い通りには進みそうにない
 覚書では、革新的な原子炉を含む研究開発 ▽廃炉や核廃棄物の管理 ▽安全性の向上-などの分野で協力することを確認した。具体的には、東京電力福島第一原発の廃炉作業や除染でも引き続き協力するほか、高レベル放射性廃棄物の最終処分について、安全に管理する方法を共同研究するため、話し合いを進める。 
 また、今年5月に始まった原子力推進の国際的な取り組み「NICE Future(ナイス フューチャー)」を支持するとした。日本は米国、カナダとともに発案国で、これまでに英国やロシアなど計9カ国が加盟している。(伊藤弘喜)
 
【解説】原発はクリーンエネルギー? 温暖化対策で存在感高める狙い
 日米が原子力推進で協力する覚書に合意したのは、世界的に存在感を失いつつある原発を地球温暖化対策に欠かせない電源として位置付ける機運をつくりたいためだ。 
 米国の原発では、シェールガス革命による安価な天然ガス発電や再生可能エネルギーに押され、寿命がくる前の早期閉鎖が目立つ。日本では再稼働が進まず、新設の見通しは立たない。他国の原発新設事業でも、安全対策に費用がかさみ、工期の遅れが相次ぐ。
 
 こうした状況を変えようと始まったのが、覚書に盛り込まれた原子力推進の取り組み「NICE Future」だ。13日に日本では初めてとなる関連イベントが開かれ、世界原子力協会(WNA)やOECD原子力機関(NEA)の幹部などが出席。いわば国際的な原子力ムラが後押しするキャンペーンといえる。 
 だが、東京電力福島第一原発事故の長引く影響や、原発の使用済み燃料の行き場が見つからない状況を考えれば、日本が原発をクリーンな電源として推進する資格があるのか疑問だ。 
 世界各国で再生エネがコストを急速に下げ、拡大を続ける流れは止まらない。脱原発を推進する市民団体「原子力資料情報室」の松久保肇事務局長は「原子力はコストもリスクも高すぎることは明らかで、支援する意味はない」と指摘する。

原発事故「責任曖昧なまま。両親返して」 東電強制起訴遺族陳述

 福島原発事故を巡り、強制起訴された旧経営陣3人の公判が14日、東京地裁で開かれ、事故後の避難に伴って亡くなった被害者遺族の意見陳述がありました。
 遺族たちは、「事故がなければ、故郷を追われることも両親を亡くすこともなかった。悔しくて、悲しくて、腹立たしい」「みんなの人生が大きく変わった。責任を取ってほしい」「放射能がなければ、ここまで苦労することはなかった。東電は誰一人責任を取っておらず、死んでも許せない」などと、言葉を詰まらせた人もいました
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原発事故「責任曖昧なまま。両親返して」 東電強制起訴公判 遺族陳述
東京新聞 2018年11月14日
 東京電力福島第一原発事故を巡り、業務上過失致死傷罪で強制起訴された旧経営陣三人の公判が十四日、東京地裁(永渕健一裁判長)であった。事故後の避難に伴って亡くなった被害者遺族の意見陳述があり、両親を亡くした女性は「事故がなければ、故郷を追われることも両親を亡くすこともなかった。悔しくて、悲しくて、腹立たしい」と言葉を詰まらせた。
 公判は今後、十二月二十六、二十七日に検察官役の指定弁護士による論告求刑があり、弁護側が来年三月十二、十三日に最終弁論し、結審する予定
 
 指定弁護士によると、業務上過失致死傷罪の被害者は、原発から約四・五キロ離れた双葉病院と、隣接する系列の老人介護施設「ドーヴィル双葉」(いずれも福島県大熊町)の患者らで、死亡したのが四十四人、けがが十三人。
 原発事故によりバスでの長時間の避難を余儀なくされ、二〇一一年三月十五日~二十九日、移動中のバス車内や避難先で死亡したなどとされる。死因は脱水や衰弱による心機能不全、急性心筋梗塞などだった。
 
 この日は遺族二人が出廷して意見陳述し、別の遺族三人分の陳述書が読み上げられた。出廷した女性は、両親が施設からの避難中に亡くなり、二人の死を知ったのは事故から約二週間後だったと証言。福島県いわき市の臨時の霊安室で遺体と対面したときの心情について「怒りで心がいっぱいになり、体が震えた」と声を詰まらせた。
 さらに「両親を元に戻して返してほしい」と訴えると、傍聴席からはすすり泣きが漏れた。東電に対しては「責任が曖昧なままだ。死んでも許すことはできない」と怒りを吐き出した。
 
 強制起訴されているのは、東電の勝俣恒久元会長(78)ら旧経営陣三人。大津波を予測できたにもかかわらず対策を怠ったまま原発の運転を続け、四十四人を移動中のバスの車内や避難先で死亡させたなどとされる。 (蜘手美鶴)
 
<東京電力旧経営陣の刑事裁判> 2011年3月の東京電力福島第一原発事故を巡り、東電の勝俣恒久元会長(78)、武黒一郎元副社長(72)、武藤栄元副社長(68)が業務上過失致死傷罪に問われた刑事裁判。福島県民らの告訴・告発を東京地検は不起訴としたが、検察審査会は二度にわたり「起訴すべきだ」と議決。3人は16年2月に強制起訴された。17年6月に始まった公判で、3人は「大津波は予測できなかった」などと無罪を主張している。
 
 
遺族「責任取って」 福島第1原発事故で避難中死亡 東電公判
時事通信 2018年11月14日
 東京電力福島第1原発事故で、業務上過失致死傷罪で強制起訴された旧経営陣3人の公判が14日、東京地裁(永渕健一裁判長)であった。原発近くの介護施設に入所し、避難中に死亡した夫婦の遺族が意見陳述し、「みんなの人生が大きく変わった。責任を取ってほしい」などと訴えた。
 夫婦の娘は「長時間の過酷な移動で死亡した。どんな思いだったか考えると、心が押しつぶされそう」と声を絞った。納骨できたのは約5年後だったといい、「放射能がなければ、ここまで苦労することはなかった。東電は誰一人責任を取っておらず、死んでも許せない」と述べた。
 孫の男性は「想定外では済まされず、責任者は誰なのか知るため裁判に参加してきた。遺族は突然、死という現実を突き付けられたことを忘れないでほしい」と語った。
 
 法廷では、ほかに遺族3人の陳述書も朗読された。元会長勝俣恒久被告(78)らはうつむき気味で聞き入り、傍聴席からはすすり泣く声が漏れた。 

原子力施設のテロ対策 大学などにも導入へ

原子力施設のテロ対策 大学などにも導入へ 原子力規制委
NHK NEWS WEB 2018年11月14日
原子力施設のテロ対策として義務づけられている、作業員の犯罪歴などの確認を求める制度について、原子力規制委員会は、研究用の原子炉を運営する大学などにも導入するとした規則の改正案を取りまとめました。
 
原子力関連施設のテロ対策について、原子力規制委員会は去年11月、原発や使用済み核燃料の再処理工場で働く作業員の犯罪歴や病歴などの個人情報の確認などを義務づける制度を導入しました。
14日開かれた規制委員会の会合では、研究用の原子炉を運営する大学などでも同じように個人情報を確認するなどの制度を導入することを求める規則の改正案が示され、全会一致で決定しました
 
対象となるのは、京都大学や近畿大学、東京大学をはじめ、企業や研究機関などの合わせて13の事業者で、24時間いつでも1人で施設に入ることがある人について個人情報を確認するほか、監視カメラの設置なども義務づけられます。
この制度をめぐっては、大学などから「学生を疑うという心理的な影響がある」とか「外部の研究者も施設を利用する特殊性を理解してほしい」といった運用面の課題が指摘され、今後、個人情報を確認する手続きの面で配慮することが確認されました
規制委員会は15日から1か月間、一般から意見を募集し、正式に取りまとめる予定です。

15- IAEAが 汚染水処理水問題 迅速に解決策をと

IAEA 福島第一原発の汚染水処理後の水 迅速に解決策を
NHK NEWS WEB 2018年11月13日
東京電力福島第一原子力発電所の廃炉作業を検証したIAEA=国際原子力機関の調査団が記者会見し、敷地内にたまり続ける汚染水を処理したあとの水について、政府に対し、迅速に解決策を決定し、実践してほしいと求めたことを明かしました。
 
IAEAの調査団が福島第一原発の廃炉作業を検証するのは4回目で、今回は今月5日から調査を行い13日、磯崎経済産業副大臣に結果を報告しました。
調査団は作業員の労働環境の改善や地下水対策などで作業の進捗(しんちょく)が見られるとする一方で、たまり続けている汚染水を処理したあとのトリチウムなどを含む水の処分方法の決定が喫緊の課題だとしています。
このあと記者会見したクリストフ・グゼリ団長はこの処分について、政府に対し迅速に解決策を決定し、実践してほしいと求めたことを明かしました。
処分方法については「現状を鑑みて日本政府が決定する事項だ。決定にあたっては関係者の関与を得ながら行ってほしい」と述べました
 
また、トリチウム以外の放射性物質が環境に放出する際の濃度基準を上回って大量に含まれていた問題については「東京電力には、常に透明性を確保するようアドバイスしてきた。受け手側がわかりやすい形で情報を提供するべきだ」と述べました。
IAEAの調査団は来年1月までに正式な報告書をまとめることにしています。