中部電力は31日に原子力規制委員会に提出した報告書で、浜岡原発(静岡県)の耐震設計に関わる不正なデータ操作は原子力土建部で遅くとも12年ごろに始まったと明らかにしました。
中部電と規制委は再稼働審査で、作成した地震動の中から最も平均に近いものを「代表彼」にしていることを了承したようですが、それは想定される最大強度を「基準地震動」とすることと整合するのでしょうか
また規制委には計算条件を変えて20組作成した地震動の中から最も平均に近いものを「代表彼」にしていると説明しましたが。実際には地震動と代表彼の組み合わせを多数作成し、1セットを選ぶ方法を遅くとも東京電力福島第1原発事故の翌年の12年ごろから行っていて、その不正は12年から21年度までに少なくとも105事例で行われ、18年以降は、意図的に代表彼を選び、つじつまが合うように残りの地震動を定める不正も始まり、18年度に少なくとも3事例(80事例の証言も)あったということです。
不正の行われた原子力土建部内で18年以降、審査資料と異なる方法での地震波選定を問題視する指摘が繰り返しありましたが、審査資料などが改められることはなかったとしています。
御前崎市議は「第三者委員会の結果が出ない限り、確実な情報を聞くことができない状況で、今回のような報告は意味があまりないのではないか」と述べました。
経産省は中都電に電気事業法に基づく追加の報告徴収命令を出し、改めて報告するよう求めました。
この問題は、最終的に現行の浜岡原発が予想される最大強度の地震時に「強度的にもつのかどうか」に尽きます。それについての明快な結論を明らかにして欲しいものです。
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浜岡原発データ不正 中部電12年から操作 18年以降社内指摘、改めず
規制委に報告書
新潟日報 2026年4月1日
中部電力は31日に原子力規制委員会に提出した報告書で、浜岡原発(静岡県)の耐震設計に関わる不正なデータ操作は原子力土建部で遅くとも2012年ごろに始まったと明らかにした。不正事例は100を超える。18年以降は社内で問題視する指摘が繰り返しあったが、改められなかった。林欣吾社長は名古屋市の本店で記者会見し、改めて謝罪した上で再発防止に向けた組織改革に「不退転の覚悟を持って全力で取り組む」と述べた。
規制委は今年1月、中部電に原子炉等規制法に基づく報告徴収命令を出し、3月末までに報告を求めていた。
報告書によると、中都電は再稼働審査で、耐震設計の目安となる「基準地震動」を決める際、計算条件を変えて20組作成した地震動の中から最も平均に近いものを「代表彼」にしていると説明した。だが実際には、地震動と代表彼の組み合わせを多数作成し、1セットを選ぶ方法を遅くとも東京電力福島第1原発事故の翌年の12年ごろから行っていた。この不正は12年から21年度までに少なくとも105事例で行われた。
18年以降は、意図的に代表彼を選び、つじつまが合うように残りの地震動を定める不正も始まった。18年度に少なくとも3事例あった。
これらの対応は原子力土建部内で問題視されたが、説明を改めるなどの是正はされなかった。他部署を含む行為者、関与者の具体的な範囲は確定できていないという。
基準地震動策定に関する具体的な要求事項や手順を明確にした業務計画を作っておらず、代表彼の選定根拠も文書化していないなど、記録が残っていない点があった。
中部電は31日に経済産業省にも報告書を提出。経産省は中都電に電気事業法に基づく追加の報告徴収命令を出し、改めて報告するよう求めた。
中部電は今年1月、基準地震動を決める際に、データを意図的に操作した疑いがあると公表した。不正は昨年2月、規制委への外部通報がきっかけで判明していた。
中部電力の浜岡原発データ不正に関する報告書のポイント
■ 不正なデータ操作は遅くとも2012年ごろに開始。審査での説明と異なり、地震動と
代表波の組み合わせを多数作成
■ 18年以降に代表波の意図的な選定を開始。つじつまが合うように残りの地震動を選定
■ 不正の事例は100を超える
■ 18年以降に社内で不正を問題視する指摘が繰り返しあったが、改められず
耐震不正12年から 中部電力規制委に報告書
しんぶん赤旗 2026年4月1日
中部電力が浜岡原発3、4号機(静岡県)の審査で想定される地震動の揺れ(規準地震動)の評価についてデータ不正を行っていた問題で中部電は31日、原子力規制委員会に経緯などについての報告書を提出しました。規制委の1月の報告徴収命令を受けたもの。
報告書によると、遅くとも2012年ごろ以降、その後の規制委の審査で説明する方法とは異なる方法で地震波の選定を行っていたとしています。中部電が3、4号機の新規制規準適合性審査を申請したのは14~15年です。
また、規制委の審査で厳しい条件の考慮が求められたことから18年以降、より恣意(しい)的で悪質な方法が行われるようになります。基草地震動の選定では断層の条件などを変えて多くのケースを検討していますが、より悪質性の高い手法は、少なくとも3ケース行われていたと認定。聞き取りによれば80ケースで行われた可能性があるとしています。
また、不正の行われた原子力土建部内で18年以降、審査資料と異なる方法での地震波選定を問題視する指摘が繰り返しありましたが、審査資料などが改められることはなかったとしています。
中部電は、弁護士などからなる調査委員会を設置しており、調査委員会の報告書の内容を踏まえて改めて報告をするとしています。
不正指摘する社内の声生かされず…中部電力・浜岡原発の再稼働審査巡るデータ不正で報告書 始まったのは「遅くとも2012年以降」
FNNプライム 2026/4/1
浜岡原発を巡るデータ不正問題で3月31日、中部電力が社内調査の結果をまとめた報告書を国に提出しました。会見で明らかになったのは、不正を指摘する社内の声が生かされていなかったことでした。
中部電力の林欣吾社長:
「当社が現在保有している文書や記録等の調査結果などを踏まえて、現時点で事実として認定・報告できる事項と、当社の対応の方向性を報告するものであります」
浜岡原発の再稼働審査で、耐震設計に必要な地震の揺れのデータを、中部電力が意図的に小さく見せていた疑いが発覚。原子力規制委員会が審査を白紙とし、経緯などを報告するよう求めていました。
報告期限の31日、中電は社内調査の結果をまとめた報告書を提出しました。
その内容について会見で説明した林社長らは、意図的に小さく見せていたという地震の揺れは、原子力部門の少人数で選定していたこと、選定した根拠も文書化されていなかったことなどを事実認定したと説明しました。さらに…。
林欣吾社長:
「問題視する指摘が複数回にわたって繰り返されていましたが、審査資料などが改められることはありませんでした」
2018年以降、審査資料の記載内容を問題視する声が、社内から繰り返し上がっていたことを明らかにしました。「データの算定プロセスが明確になっていない」と、その内容に異を唱える指摘もあり、不正を食い止めるチャンスは何度もありましたが、結局、正されることはありませんでした。
もし、組織内で指摘が受け止められていたら、今回の不祥事は防げたのでしょうか。
林欣吾社長:
「防げるようなチェック体制を構築すべきだと考えております。解体的な再構築を目指して、二度とこういうことが起こらないようにすべきだと考えております」
調査の結果、不正が始まったのは「遅くとも2012年以降」とはしたものの、関与した人物などは具体的には確定できていないと説明しました。
林社長は自らの進退について…。
林欣吾社長:
「私が今やらなきゃいけないのは、一日も早い徹底的な事実解明、それに対する全面的な協力、再構築に向けた強力なリーダーシップをもって、会社を変えていく方向性を見出すことが使命だと思っております。明らかに不正だったのか、何が不正だったのか、どういう不正だったのか、不正がどこまでまん延していたのかについては、これからの評価を待とうと思っております」
浜岡原発データ不正問題 中電が報告書を国に提出 地元からは報告内容が不十分と厳しい意見=静岡・御前崎市
静岡放送(SBS) 2026/3/31
浜岡原発の再稼働審査をめぐるデータ不正問題で、中部電力は3月31日、事実関係をまとめた報告書を国に提出しました。一方で、第三者委員会の調査結果はまだ出ておらず、地元の御前崎市議会からは、報告内容が不十分と厳しい意見が上がりました。
<中部電力原子力本部豊田哲也本部長>
「ご報告申し上げます。よろしくお願いします」
浜岡原発の再稼働審査をめぐっては、中部電力が耐震設計のデータを不正に操作して、地震の揺れを意図的に小さくみせた疑いが発覚しています。
中部電力は今回の問題の報告書を提出期限の31日、原子力規制委員会に提出しました。
<中部電力林欣吾社長>
「現時点で事実として、認定・報告できる事項と当社の対応の方向性を報告するものであります」
報告書の提出後、中部電力の林社長が会見を行いました。
データ不正は遅くとも2012年以降に始まり、2018年に内部通報があったにもかかわらず、2021年まで行われたと説明しました。
<中部電力林社長>
「再び信頼される企業へ生まれ変わるため、不退転の覚悟を持って、全力で取り組むことこそが信頼回復につながるものと考えており、広く社会の皆様からの強い不信を招いていることについて心より深くお詫び申し上げる」
信頼回復に向けた対応の方向性については、▼意識・行動の変革、▼組織・風土の変革、▼ルール・仕組みの強化の3つの柱を挙げました。
地元の御前崎市には中部電力の幹部が訪れ、市議会に対して今回の報告内容を示しました。
説明を聞いた御前崎市議からはー
<御前崎市議>
「第三者委員会の結果が出ない限り、確実な情報を聞くことができない状況で、今回のような報告は意味があまりないのではないかと感じました」
<御前崎市議>
「丁寧な言い訳にしか聞こえないですよ。対応の方向性として『意識・行動の変革、組織・風土の変革、ルール・仕組みの強化』こんなの今までやってなかったんですか」
県庁では、中部電力静岡支店が県危機管理部に概要を報告しました。
<酒井浩行県危機管理監>
「中部電力の行った不正行為は、県民の信頼を損なう非常に重大な事案である。今回の報告が限定的だということですので、重大性に鑑み、引き続き、事実関係や原因の究明、再発防止策の検討を」
中部電力の信頼回復に向けた道のりは、険しい状態が続きそうです。
【浜岡原発】再稼働への審査データ不正操作は100件以上で遅くとも2012年頃から…中部電力が明かす(静岡)
静岡第一テレビ 2026/4/1
浜岡原発のデータ不正問題を巡り、中部電力は3月31日、100件以上のデータを不正に操作していたことを明らかにしました。不正行為は遅くとも2012年ごろから行われていたということです。
中部電力は31日、浜岡原発のデータ不正問題に関する報告書を原子力規制委員会に提出しました。
報告書によりますと、中電は、耐震設計の基準となる「地震の揺れ」を策定する際、225ケースのうち少なくとも108ケースでデータの不正を行っていたということです。
また、不正行為は2012年ごろから行われていたことも明らかにしました。
社内では、2018年以降、データの計算方法を問題視する指摘が複数回あったにもかかわらず、改めることはなかったということです。
一方、中電は、不正の原因や動機などについては「自社で設置した第三者委員会が調査中」と説明しています。
中部電力 浜岡原発めぐる不正 規制委「安全文化が欠如している」 夏ごろに対応決める方針
中京テレビNEWS 2026/4/1
浜岡原発を巡る中部電力の不正。原子力規制委員会が「安全文化が欠如している」と指摘しました。
この問題は、中部電力が浜岡原発の再稼働に向けた審査で、耐震設計の基礎となる地震の揺れのデータを不適切な方法で算出し、意図的に揺れを小さく見せていた疑いなどがあるものです。
3月31日、中部電力は国に自社で調査した報告書を提出。不正について、2018年以降、社内で複数回、問題視する声があったにもかかわらず改められることはなかったということです。
報告書の提出後、原子力規制委員会が初めての定例会見を開き、山中委員長が中部電力の体制について厳しく指摘しました。
原子力規制委員会 山中伸介 委員長:
「内部の申告制度、公益通報制度が機能していなかったことを報告書の中で触れられているということは、まさしく安全文化の欠如だ」
原子力規制委員会は今後も調査を続け、夏頃にも対応を決めたいとしています。
浜岡原発のデータ不正 計算手法に疑問の指摘、複数回…中部電力報告書 業務透明性確保へ
読売新聞 2026/4/1
浜岡原子力発電所(静岡県)の再稼働審査で「基準地震動」のデータが不正操作されていた問題を巡り、原子力規制委員会に報告書を提出した中部電力では、不正事案が相次いでいる。組織の立て直しが急務となっている。
中電が31日に示した報告書によると、2018年以降、地震動を策定する原子力土建部内から、データの選定手法が審査資料に記載されなかったことや、計算手法に疑問を持つ指摘が複数回あったことが明らかになった。策定時の詳細な個別業務計画を明確にしていなかった。
記者会見で、中電の林欣吾社長は「浜岡原発を運営する原子力事業者の適格性を問われる問題だと痛切に感じている」と述べ、陳謝した。今後、原子力部門以外の部門や社外との人事交流や、業務の透明性を確保する取り組みなどを強化する。
これとは別に、中電は同日、浜岡原発で行われた工事の不正手続きを巡り、不正の経緯や再発防止策などをまとめた報告書を経済産業省に提出した。昨年11月、原子力部門が工事の契約を担当する調達部門を経ず、取引先に工事の仕様変更を依頼し、正式な契約変更などを行っていなかったと発表した。
報告書では、不正の原因として、調達部門が仕様変更を把握する仕組みが不十分だったことなどをあげた。相次ぐ不正について問われた林社長は、「組織風土に問題がある。二度と起こらないようにしたい」と述べた。