トランプ政権は、新たなマイクロリアクター(小型原子炉)の承認を迅速化するための規則策定プロセスを開始し、企業に原子力発電への投資を促す新たな1歩を踏み出しました。AIのデータセンターへの電力供給を念頭に置いたものです。
記事は2800字ほどで比較的細部にわたり書かれているのですが、当方には知識がなくて理解できません。知識のある人にはお分かりになるでしょうから紹介します。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
トランプ政権、小型原子炉「マイクロリアクター」の承認を迅速化──背景にデータセンター需要
Forbes JAPAN 2026/5/3
トランプ政権は、新たなマイクロリアクター(小型原子炉)の承認を迅速化するための規則策定プロセスを開始し、企業に原子力発電への投資を促す新たな1歩を踏み出した。
■米国エネルギー省と原子力規制委員会、マイクロリアクター開発で相次ぎ施策を打ち出す
米国エネルギー省(DOE)と原子力規制委員会(NRC)は、ともにマイクロリアクターの開発促進に向けて重要な施策を講じている。マイクロリアクターとは、20メガワットの熱エネルギーを生成するよう設計されたコンパクトな原子炉である。
DOEは、民間投資家がマイクロリアクターを迅速に開発・試験・実証できる「前例のない」テストベッド(試験基盤)施設を立ち上げた。アイダホ国立研究所に設置されたこのテストベッドは「DOME(Demonstration of Microreactor Experiments:マイクロリアクター実験実証施設)」と呼ばれている。
米国時間4月8日にDOMEが事業利用可能になったことが発表された後、民間産業を引きつけるための政府によるもう1つの重要な施策が示された。
●NRC新規則案では、6カ月から12カ月の許認可期間短縮を見込む
NRCのホー・K・ニエ委員長は4月24日、5月の連邦官報で「画期的な」規制枠組み案を公表すると発表した(編注:連邦官報には2026年5月1日付で公表された)。この枠組みは、規制の無駄を削減し、新型マイクロリアクターに対して柔軟でリスク情報に基づく許認可オプションを提供するものだ。
「マイクロリアクターおよび同等のリスクプロファイル(リスク特性)を持つその他の原子炉に関する許認可要件」と名付けられたこの新規則は、公衆衛生と安全保障の保護措置も維持するとされている。
「このマイクロリアクター向け規制枠組みは、先進原子炉の許認可プロセス近代化に向けた大きな1歩となる」とニエ委員長は述べた。提案される変更は「安全性、規模、スピードを兼ね備えたマイクロリアクターの展開を目指して設計されている」と付け加えた。
今後公表される規則とガイダンス案は、プロジェクトのコスト削減によりマイクロリアクター開発を促進すると期待されている。
「NRCと産業界は、主に適用除外申請の削減と審査の効率化により、37億6000万〜118億4000万ドル(割引率による。約5866億円~約1.85兆円。1ドル=156円換算)の節約を見込んでいる。NRCは、建設許可について6〜12カ月の許認可・展開期間の短縮が可能と予測している」と委員会は説明している。
新規則案により、マイクロリアクター開発者は以下のことが可能になる。
・同一仕様の原子炉群(フリート)の一括承認を申請すること
・独自の原子炉運用に対し、代替の設計基準やプログラムを認めること
・一部プロジェクトの環境審査を簡素化すること
・NRCの許可取得前に、一部の建設を開始できるようにすること
■データセンターや遠隔地など、想定用途は多岐にわたる
DOEとNRCはともに、データセンターの増大する電力需要への対応や、より強靭なエネルギー供給の実現に向けて、マイクロリアクター開発への関心が高まると予測している。
「マイクロリアクターおよび同等のリスクプロファイルを持つその他の原子炉は、現行の商用原子炉と比較して小型で低出力、可搬性があり、運用が簡素であることが見込まれる。そのため、遠隔地のコミュニティ、非電力型の産業プロセス(熱利用など電力以外の用途)、軍事基地、海事用途、災害救援、その他送電網への接続が不安定または存在しない用途に有用となる可能性がある」と規則案は述べている。
NRCは、将来のマイクロリアクターは量産を可能にする標準設計を備え、最小限の現場準備や建設で済むコンテナで輸送可能になると予測している。
■アイダホ国立研究所のDOMEは、世界唯一の試験施設
アイダホ国立研究所(INL)のハイテクなテストベッドは、実際には高さ約30メートル、直径約24メートルの大きなドーム型施設である。INLの国立原子炉イノベーションセンター(NRIC)によって建設された。
「DOMEは、米国の原子力復興が求める大胆かつ創造的なインフラ投資を体現している」とINLのジョン・ワグナー所長はDOEの発表で述べた。「われわれは、次世代の原子力イノベーターを構想から実証まで、業界がここ数十年で見たことのないスピードで加速させている」。
DOEによると、DOMEは熱または電力として使用される最大20メガワットの熱エネルギーを生成する燃料装荷済みマイクロリアクター実験を扱うために特別に設計された、世界唯一の施設だという。
「NRICは、革新的なコンセプトを迅速に実用的な実証へと転換できる施設を求める産業界のニーズに応えるため、このテストベッドを建設した」とNRICのブラッド・トーマー所長は述べた。「DOMEでの試験から得られた情報により、原子炉開発者は先駆的なアイデアを検証済み技術へと発展させ、原子力エネルギーを前進させることができる。この能力を提供できることを非常に誇りに思っており、原子力産業に与えるインパクトを見届けるのが待ち遠しい」。
■軍事や宇宙分野でも高まる、マイクロリアクターへの期待
現政権は、米国のエネルギーミックスにおいて比較的小さな役割にとどまってきた原子力発電の開発に向けて、次々と施策を打ち出している。
エネルギー情報局(EIA)による2023年の米国発電量データを見ると、原子力は7750億キロワット時(18.6%)を発電したのに対し、化石燃料は60%のシェアだった。
マイクロリアクターの利用拡大は、データセンターの増大する電力需要を満たすうえで大きな可能性があると見込まれている。これらの先進原子炉は、将来の軍事・宇宙分野の電源としても注目されている。
3基地での運用に向けて、米空軍が開発企業3社を選定
最近、米空軍は国防イノベーション部門(Defense Innovation Unit)と連携し、基地でのマイクロリアクター開発・運用を担う可能性のある3社を選定した。
・コロラド州バックリー宇宙軍基地:カリフォルニア州エルセグンドのRadiant Industries
・モンタナ州マルムストロム空軍基地:Westinghouse Government Services
・テキサス州サンアントニオ統合基地:カリフォルニア州トーランスのAntares Nuclear
「航空宇宙における優位性の未来は、強靭なエネルギーによって支えられる」と空軍のエネルギー・施設・環境担当次官補マイケル・ボーダーズは4月26日の声明で述べた。「先進原子力技術を統合することで、われわれは単に電力を維持するだけでなく、最も重要な国家安全保障任務が停電によってリスクにさらされることが決してないよう保証している。これは空軍省にとって極めて重要な瞬間である」。
マイクロリアクターの迅速な展開を促進するこれらの連邦政府の施策は、より多くの試験が可能になり、先進的な発電装置への需要が拡大するにつれて、全国規模での開発を大きく後押しすることになるだろう。