2026年7月6日月曜日

東電が新潟県に1千億円拠出 県の配分案に30市町村長の評価さまざま

 東電から今後10年程度で拠出される1千億円規模の資金の使途について県が示した配分案を巡り、県内の市町村長からは賛否を含めさまざまな意見が上がっています。
 柏崎市の桜井雅浩市長は、UPZへの電気代補助について、県の配分案で300億円程度が充てられることに強く反発し、「電気代補助は東電の拠出金からではなく法改正で実現すべきで、一律の単価にするのはおかしい」主張しました。
 一方、刈羽村の品田宏夫村長は「県に拠出されて県が配るもの。配分は知事に任せる」としました。
 UPZに含まれる6市1町の評価には温度差があるのに対して、UPZ圏外にある21市町村は、県の配分案について「妥当」「異論なし」との受け止めが目立ちました。
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原発再稼働で東電が新潟県に1千億円拠出 県の配分案に30市町村長の評価さまざま、賛同や理解の一方、「県民の分断あおる」の声も…
                             新潟日報 2026/7/5
 東京電力柏崎刈羽原発の再稼働に伴い、東電から今後10年程度で拠出される1千億円規模の資金の使途について県が示した配分案を巡り、県内の市町村長からは賛否を含めさまざまな意見が上がっている。おおむね県の配分案に賛同する声が多い一方で、安全・防災対策に関する費用を増やすべきだとの要望や電気代補助への充当に疑問を投げかける向きもある。全30市町村長の受け止めをまとめた。
    【東電拠出金に関する市町村コメント】の一覧

◆【原発立地地域】UPZの電気代補助、柏崎市長は反発
 原発が立地する柏崎市の桜井雅浩市長は、原発から半径5〜30キロ圏の緊急防護措置区域(UPZ)への電気代補助について、県の配分案で300億円程度が充てられることに強く反発している。電気代補助は東電の拠出金からではなく法改正で実現すべきだと主張する。
 県は、小千谷市や見附市などUPZ圏でありながら電源立地地域対策交付金の対象外となっている地域の電気代を補助し「不合理を是正する」としている。補助額は旧長岡市の地域などと同額の1契約につき年間9456円とする方向だ。
 これまで国の電源三法交付金制度を通じ、柏崎市、刈羽村など原発立地自治体や周辺地域の家庭、企業の電気代が補助されてきた。一方、小千谷、見附、燕、十日町のUPZ圏4市などは東電福島第1原発事故後、UPZ内で一様に原子力防災対策が義務付けられたものの、制度の対象外で支援は受けられず「リスクばかり背負わされている」との不満が根強くあった。
 花角英世知事も現状を「不合理」だとして政府に見直しを要望している。ただ、法改正には時間がかかるため、短期的な対応として、東電の拠出金を活用してこの格差を埋める方針を示していた。
 桜井市長は立地地域が原発と長く向き合ってきた結果として、電源立地地域対策交付金の制度があると強調。「同じ単価はおかしい」との考えを繰り返し示している。
 2025年10月に東電が資金を拠出すると表明してから半年余りで配分案を決めた県のプロセスも批判する。再稼働是非を決断するのに長い時間をかけた花角知事の姿勢を引き合いに「対極的な拙速感」と指摘している。
 一方、同じ立地地域でも、刈羽村の品田宏夫村長は「県に拠出されて県が配るもの。配分は知事に任せる」とし、桜井市長とは一線を画した。

◆【UPZ圏内】6市1町の首長、評価に温度差
 原発から半径5〜30キロ圏の緊急防護措置区域(UPZ)に含まれる6市1町の評価には温度差がある。電源立地地域対策交付金など制度の不均衡を是正するよう求めてきた経緯があり、東電の拠出金で当面の対応にめどがつくことを歓迎する声は多い。一方で、補助額の妥当性を疑問視する意見や全市民が対象にならず苦慮する実態も浮かぶ。

◆【UPZ圏外】「妥当」「異論なし」目立つ
 原発から半径5〜30キロ圏の緊急防護措置区域UPZ)の圏外にある21市町村は、県の配分案について「妥当」「異論なし」との受け止めが目立った。県から配分案の説明をまだ受けていないため、現時点でのコメントを控えるとした自治体も多かった。一方、原発の安全対策の充実や、地域・産業振興の費用と裁量権を求める声などもあった。