2015年5月19日火曜日

自主避難者への住宅提供、2年後に終了へ 福島県が方針

 福島原発事故後に政府からの避難指示を受けずに避難した「自主避難者」について、福島県は避難先の住宅の無償提供を2016年度で終える方針を固めました。国の避難指示を受けて避難した人には引き続き無償提供を検討するということです
 因みに住宅無償提供打ち切りの対象者は約3万6千人、避難者の約3割に当たります。
 
 政府の避難指示は空間線量が20ミリシーベルト以上の地域の居住者に出されました。ということは20ミリシーベルト以下の地域の人たちは避難すべきではなく、「居住すべきだ」という意思に基いているといことになります。
 日本はいつから年間被曝限度を20ミリシーベルトに上げたのでしょうか。もし上げたいというのであれば、まず国会の審議を経たのち国内及び海外にそれを公表し、関係法令を改定することが必要になります※。
※ 5月16日 年間被曝限度 合意できるのは1ミリか20ミリか? 
 しかし国内においての合意は勿論なく、当然海外に対しても周知させていません。そうした合意や手続きが全く無しのままで、特定の人たちになぜそれが強制できるのでしょうか。
 住宅の無償提供を打ち切るのは法治国家のすることではありません。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
自主避難者への住宅提供、2年後に終了へ 福島県が方針
朝日新聞 2015年5月17日
 東京電力福島第一原発事故後に政府からの避難指示を受けずに避難した「自主避難者」について、福島県は避難先の住宅の無償提供を2016年度で終える方針を固め、関係市町村と調整に入った。反応を見極めた上で、5月末にも表明する。故郷への帰還を促したい考えだ。だが、自主避難者からの反発が予想される。
 
 原発事故などで県内外に避難している人は現在約11万5千人いる。このうち政府の避難指示の対象外は約3万6千人。津波や地震の被災者を除き、大半は自主避難者とみられる。
 県は災害救助法に基づき、国の避難指示を受けたか否かにかかわらず、避難者に一律でプレハブの仮設住宅や、県内外の民間アパートなどを無償で提供している。期間は原則2年だが、これまで1年ごとの延長を3回し、現在は16年3月までとなっている。
 今回、県はこの期限をさらに1年延ばして17年3月までとし、自主避難者についてはその後は延長しない考え。その際、終了の影響を緩和する支援策も合わせて示したいとしている。国の避難指示を受けて避難した人には引き続き無償提供を検討する。
 被災市町村の一部は「無償提供を続ける限り、帰還が進まない」とし、県に住宅提供の早期打ち切りを水面下で求めている。無償で住める家があることで、避難先での定着が進んでいるという事情がある。
 県幹部は「避難生活が長期化することで、復興の遅れにつながりかねない。国も早く終了を決めて欲しいと言ってきている」と話す。
 自主避難者には、放射線による子どもの健康への影響を気にした親子連れが多い。除染などで放射線量が下がっても、原発事故が収束していないとみて、元の市町村に戻ることに抵抗感のある人は少なくない。
 例えば、福島第一原発から30キロ圏の広野町では政府の避難指示は出ていないが、約5100人の町民のうち戻ったのは約4割にとどまる。これまで、自主避難者らの団体は「できるだけ長く続けて欲しい」と県に要望し、一部の市町村も配慮を求めている。