2015年5月9日土曜日

美浜原発「活断層でない可能性高い」 有識者会合

 原子力規制委の有識者会合は、関電美浜原子力発電所の3号機の直下を通る4本の断層について、「活断層ではない可能性が高い」と結論づけました。
 3号機運転開始から38年経ちますが、関電は運転期間を40年を超えて延長することを目指して、5月中旬から原子炉の劣化状況などを調べる「特別点検」を行う方針です。
 
 12~13万年前以降に動いた形跡がなければ活断層と看做さないというのは、原発規制における日本独自の基準であり、一般的にはこの数十万年間に動いた形跡のあるものは活断層とされています。
 新規制基準が決められるときも、期間を数十万年間に拡大し動いた形跡が否定されなければ活断層とみなす、と見直す方針であることが島崎委員(当時、現在は他の委員に交代)などから語られていましたが、いざ動き出すと以前と全く同じ基準に戻っていました。
 運転期間の40年超への拡大といい今度の活断層の評価といい、全ては危うさを無視して再稼動に向かって進んでいます。
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美浜原発「活断層でない可能性高い」 有識者会合案 
日経新聞 2015年5月8日 
 原子力規制委員会の有識者会合は8日、関西電力美浜原子力発電所(福井県)の敷地内にある断層について「活断層ではない可能性が高い」と結論づける評価書案を公表した。関電は稼働から40年を超えた1、2号機の廃炉を決め、3号機については稼働40年以降の運転延長を目指している。規制委は今後、延長の前提となる3号機の安全審査を本格化する。
 美浜原発の敷地内には9本の断層(破砕帯)があり、うち4本が3号機の直下を横切る。敷地から約1キロメートル東にある活断層「白木―丹生(にゅう)断層」で地震が発生したときに連動する可能性が指摘されていた。関電は粘土鉱物を分析した結果などから、12万~13万年前以降に断層が動いた形跡はなく、活断層ではないと主張していた。
 
 評価書案では、関電の主張を大筋で妥当と認定。「12万~13万年前以降に活動していない可能性が高い」と判断した。一方で鉱物の年代の詳細な把握などについて検討が必要との認識も示した。
 
 規制委は4月、敷地内の断層に活動性はないとの方向性が出たとし、3号機の安全審査を本格化することを決めている。