2026年1月8日木曜日

中部電力“不正行為”は外部から規制委への「公益通報」がきっかけで発覚(続報1)

 中部電力が、浜岡原発の再稼働に向けた審査で、基準地震動が意図的に評価されるデータに作り直して、規制審査に臨んだことが明らかにされました。
 これは昨年2月、事情を知る関係者と思われる人からの外部通報が切っ掛けとなって確認されたもので、もしもそれがなければ過小な耐震性のままで(それに気づかずに)認可され最終的に再稼働に至ったものと思われます。
「(机上の操作で)データを捏造した」ことの確認までに中電(と規制委)が10ヵ月も要したのは不自然で、なぜそれほどの時間を要したのかを明らかにすべきであり、安全性に欠ける原発の再稼動が阻止されたから「結果オーライ」で済まされるようなものではありません。
 また最も重要な耐震性の審査において、ストッパーであるべき規制委の審査をそのまま通過したことも大問題で、世界一危険な地域に立地する原発の基準地震動が僅か1200ガルであることを良しとした規制委の結果責任も大いに問われるべきです(少なくとも2000ガル以上になるのではと思われます)。
 装置の耐震強度の設計はコンピュータを用いるので、構造計算とコンピュータ・プログラムの両方の知識を要するのでその解析は困難です。しかし基準地震動の決定はそうした知識を必要としないので規制委の姿勢が問われます。今回は結果責任も問われるので、再発防止策を明らかにすることは必須です。
 7日に紹介しなかった記事を、浜岡原発データ捏造関連「続報1」としてお届けします。
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中部電力“不正行為”は外部から規制委への「公益通報」がきっかけで発覚――原子力規制庁
                       日テレNEWS NNN 2026/1/6
中部電力が、浜岡原発の再稼働に向けた審査で地震の揺れの大きさに関して意図的に過小評価した疑いがあるデータを国に報告していた不正行為について、発覚したきっかけは、去年2月、原子力規制委員会への外部からの通報だったことがわかりました。

この問題は静岡県にある浜岡原発3・4号機について、中部電力が、再稼働を目指して国の審査を受ける中で、耐震設計の基礎となる地震の揺れの大きさを不適切な方法で算定し、意図的に過小に評価していた疑いがあるデータを国に報告していたものです。
原子力規制庁によりますと、今回の不正行為については、去年2月に原子力規制委員会に対して外部からの通報があったことで把握したということです。
その後、中部電力が社内調査をおこない、先月18日に原子力規制委員会に報告したということです。
この不正行為を受け、原子力規制委員会は現在、再稼働に向けた審査を中断していて、7日の定例会で今後の対応について協議をする予定です。


浜岡原発で想定される地震の揺れを過小評価し報告した疑い 経産省が中部電力に再発防止策等の報告求める
                            東海テレビ 2026/1/6
 中部電力が再稼働を目指す静岡の浜岡原発で、想定される地震の揺れを過小評価して報告していた問題を受け、経済産業省は5日、再発防止策などを報告するよう求めました。
 【動画で見る】浜岡原発で想定される地震の揺れを過小評価し報告した疑い 経産省が中部電力に再発防止策等の報告求める
 再稼働に向けて原子力規制委員会の審査が続く浜岡原発3・4号機をめぐり、中部電力は5日、想定される地震の揺れの大きさの算定で、意図的に過小評価したデータを報告した疑いなどを明らかにしました。
 問題を受けて、経済産業省は中部電力に対して、電気事業法に基づいて事実関係の調査や、原因を特定した上での再発防止策をとりまとめるなどし、今年4月6日までに報告するよう求めました。
 中部電力は外部の弁護士で構成する第三者委員会を設置して、調査を進めるとしています。


「ちょっとあり得ない」規制庁憤り 再稼働への道さらに険しく 審査不正の浜岡原発 
                           産経WEST 2026/1/5
中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)の再稼働審査が長期化する中、基準地震動の策定過程で発覚した「不正行為」。同原発は南海トラフ巨大地震の想定震源域直上に立地する。津波対策で防潮堤のかさ上げを繰り返し、一度クリアした審査で出直しを余儀なくされる可能性も浮上し、再稼働への道はさらに険しくなった。
「ちょっとあり得ない話だ。事業者への信頼が根底から覆される。適格性が疑われる事案だ」。原子力規制庁幹部は5日、中部電の発表を受け憤った。別の規制庁職員は「基準地震動の審査は白紙。今のまま続けるのは厳しい」と指摘した。
中部電にとって浜岡原発は唯一の原発で、東京電力福島第1原発事故後の平成23年5月、当時の菅直人首相の要請で運転を停止。既に廃止が決まっていた1、2号機の廃炉作業を進める一方、中部電は26~27年、3、4号機の再稼働審査を原子力規制委員会に申請した。
耐震設計の目安となる「基準地震動」の審査では、最大1200ガル(5号機周辺は2094ガル)とする方針で、規制委は令和5年9月に「おおむね了承」とした。
規制委は、これを踏まえ施設の設計審査を進めていた。今回の問題で想定が見直される事態となれば、議論の前提が崩れ、やり直しとなる可能性がある。