2014年8月3日日曜日

津波対策を講じなかった東電幹部の刑事責任は重い

 第5検察審議会が東電幹部の起訴相当の議決を下したことに関連して、植草一秀氏が彼のブログで、東電のトップスは10mを越す津波が襲来する可能性を認識していた筈であることを、豊富な事例を挙げて説明しています。
 
 そして、「具体的に誰が責任を負うべきかという問題は残るが、過去の事実経過は、福島原発事故が人災であることを示しており、誰一人刑事責任が追及されてこなかったこれまでの警察・検察の行動は明らかに不当・不正である」と述べています。

 植草一秀氏のブログを紹介します。
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津波対策講じなかった東電幹部の刑事責任は重い
植草一秀の『知られざる真実』 2014年8月1日
 2011年12月2日付ブログ記事「NHKスペシャルシリーズ原発危機が隠蔽した重要部分」 http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2011/12/nhk-69af.html  
に、国と東電が巨大な津波の襲来が予想されるとの産総研の指摘を無視して津波対策を取らなかった事実を記述した。
 
 NHKは2011年11月27日にNHKスペシャル「シリーズ原発危機 安全神話~当事者が語る事故の深層~」「国・東電の歴代幹部150人がいま真相告白“原子力村”で何が?失敗の本質は?」と題する番組を放送した。
 この番組は、東電が2008年に10メートルを超える津波襲来の可能性を認識したが、その報告を政府に提出したのが東電福島第一原発が津波の襲来を受けた2011年3月11日の4日前であることを紹介した。
 この放送内容では、国が津波対策に不備があることを知ったのは原発事故の4日前ということになってしまう。事実はまったく違う。
 東電が問題を認識した2008年から2011年までの間に、あるいはそれ以前から、福島第一原発の津波対策が不十分であることが再三にわたって問題視されてきた事実が存在する。NHK番組はこれらの事実をまったく伝えなかった。
 
 広瀬隆氏は2010年に出版した『原子炉時限爆弾』(ダイヤモンド社)に、115年前の明治三陸地震津波の例を引いて、原発の津波対策が不十分であることを的確に指摘した。
 明治三陸地震津波程度の津波が襲来すれば、原発は全所停電に陥り、重大な原発事故=原子炉時限爆弾がさく裂することを警告した。
 
 2006年には国会で原発の津波対策の不備が指摘された。2006年3月1日、日本共産党の吉井英勝議員(京都大学原子核工学科卒業)は、国会質問で当時の経済産業大臣の二階俊博(自由民主党)に対、福島第一原子力発電所を含む43基の原子力発電所における津波対策の不備を指摘し、冷却水喪失による炉心溶融の危険性を警告した。
 二階経産相は対策を約束したが、実際には改善を行わなかった。
 
 吉井議員は同年12月13日にも、「巨大地震の発生に伴う安全機能の喪失など原発の危険から国民の安全を守ることに関する質問主意書」を内閣に提出し、原発の安全対策の不備に注意を喚起した。
 しかし、安倍晋三首相は、
「我が国において、非常用ディーゼル発電機のトラブルにより原子炉が停止した事例はなく、また、必要な電源が確保できずに冷却機能が失われた事例はない」
と回答した。
 
 東電は、2008年に、東大地震研究所による堆積物調査や、東北大学によって実施された宮城県沖地震における重点的観測調査および産業技術総合研究所によるその調査結果などにより、福島原発の津波対策の不備を認識した。
 活断層研究センターと東京大学地震研究所による、1100年前の連動型大地震である貞観地震による津波規模を、津波堆積物の分布状況をもとにコンピュータで精密に数値シミュレーションした「石巻・仙台平野における869年貞観津波の数値シミュレーション」
が、次の事実を明らかにした。
 貞観津波の規模が海岸線から内陸部に場所によっては3km以上の距離まで津波堆積物がある非常に大規模なものであること、地質調査からこの規模の大地震が約1000年規模で繰り返し発生していること、が明らかにされたのである。
 この事実を踏まえて、福島原発の津波対策の不備が指摘された。
 
 2009年6月24日開催の原子力安全・保安院ならびに東京電力との「耐震・構造設計小委員会」会議の席上で、産業技術総合研究所の活断層研究センター長(地質学)である岡村行信氏が、これらの研究報告に基づいて連動型大地震の危険性について強くその対策を求めた。
 「総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会 耐震・構造設計小委員会 地震・津波、地質・地盤 合同WG(第32回)」の議事録はいまもネット上に公開されている。
 ここでも、福島原発の津波対策の不備が厳しく指摘されている。
 
 国と東電は近い将来に発生する可能性のある地震による津波で原発が電源喪失に陥り、重大事故を発生させる恐れがあることを知りながら、津波対策を怠った。
 2011年3月11日に発生した原発事故は、国と東電が津波対策を怠ったことによって発生した人災である。
 その刑事責任が問われるべきことは当然だ。
 
 福島第一原子力発電所の事故をめぐり、業務上過失致死傷罪などで告訴・告発され、2013年9月に不起訴とされた東京電力の勝俣恒久・元会長ら旧経営陣について、住民グループが勝俣恒久元会長ら6人の不起訴が不当であるとして、検察審査会に審査を申し立てていた。
 
 この事案について、東京第五検察審査会は7月31日に、勝又元会長ら3人について「起訴相当」議決を行った。
 検察が再捜査して決定を示すが、検察再び不起訴とした場合に、検察審査会が再度「起訴相当」議決を行なうと、3名の旧経営陣は強制起訴される。
 
 具体的に誰が責任を負うべきかという問題は残るが、過去の事実経過は、福島原発事故が人災であることを示しており、誰一人刑事責任が追及されてこなかったこれまでの警察・検察の行動は明らかに不当・不正である。
 (以下は有料ブログのため非公開)
 

除染基準緩和~空間線量から個人被曝線量へ変換の不正

 環境省は1日、除染目標を、これまでの空間線量率:毎時0.23マイクロシーベルトではなくて、毎時0.3~0.6マイクロシーベルトに変更するという中間報告をまとめ、福島市、郡山市、相馬市、伊達市の4市の市長との会合で発表しました。
 
 この突然の変更は、多額な費用をかけながらも除染の効果が十分にあがらないことを受け、上記の4市が今年4月、環境省と会合を持ち、「毎時0・23マイクロシーベルト」を見直すよう要望したことがきっかけでした。4つの市はそれにより除染への出費を抑えて、復興予算を他の分野に振り向けたいとしたのでした
 しかし毎時0・6マイクロシーベルトという数値は、3カ月間で1・3ミリシーベルト(年間5・2ミリシーベルト)でまさに「放射線管理区域」に相当するレベルですから、そんな便宜的な理由で容認されるようなものではありません。
 
 もともと0・23マイクロシーベルトという基準値も、「1日のうち屋外で8時間、屋内で16時間過ごす」「家屋の遮蔽効果で屋内の線量は屋外の0.4倍」になる、というような仮定から誘導したものでした。それを今度は伊達市などでの個人線量計=ガラスバッチによる実測結果を前提にして、更に倍以上の値に上げようというものです。
 一体、空間線量率:毎時0・6マイクロシーベルト(年間5・2ミリシーベルト)がなぜ年間被曝量1ミリシーベルトに相当するのか、その関係が一向に明らかでありません。
 
 実際、東京新聞が以前に実測したところ屋外と屋内で線量に殆ど差がなかったという事例や、個人線量計による実測結果が予期したほど減量していなかったという情報が、これまで報じられています。
 
 OurPlanet-TVは、環境省が、伊達市などが実施していたガラスバッチの計測により、「毎時0.3から0.6マイクロシーベルトの地域平均的な年間追加被曝線量1ミリシーベルト程度になったと述べたことに対して、検出限の高いガラスバッチは公衆の被爆線量を計測するにはふさわしくないメーカーが述べていると指摘しています。
 
 またNPO子ども全国ネットワークは、1日、「個人被ばく線量に基づいた除染目安に関する抗議声明」を発表しました。
 そこでは、中間報告には何の法的根拠もないこと、子どもたち放射線からできる限り防護するとしている「原発事故子ども・被災者支援法」に反すること、ガラスバッチによる被曝測定には限界があること、「場」の線量と「個人」線量を恣意的混同させて数値アップさせていることなどに対して、強い懸念が表明されています。
 
 OurPlanet-TVの記事とNPO子ども全国ネットワークの抗議声明を紹介します。
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除染基準緩和〜空間線量から個人被ばく線量へ
OurPlanet-TV 2014年8月1日 
東京電力福島第1原発事故に伴う除染の目標をめぐり、環境省は福島市など4つの市とともに、空間の放射線量より個人の被ばく線量を重視して除染を進めるとする中間報告をまとめた。環境省の井上信治副大臣が1日、福島県内の4市長らと会合を開いて発表した。
  
「毎時0.23マイクロシーベルトは目標ではない」
 中間報告では、これまで年間1ミリシーベルトを達成するための指標とされてきた「毎時0.23マイクロシーベルト」は、除染目標や除染直後に達成すべき空間線量両立の目安ではなく、あくまでも「汚染状況重点調査地域を指定する際の基準」であると説明。伊達市などが実施していたガラスバッチの計測などを踏まえ、「空間線量率が毎時0.3から0.6マイクロシーベルト程度の地域に住む住民の平均的な年間追加被ばく線量は1ミリシーベルト程度になっている」として、空間線量より個人線量を重視する方針を示した。
  
 今回の除染目標に関する見直しは、多額な費用をかけながらも除染の効果が十分にあがらないことを受け、福島市、郡山市、相馬市、伊達市の4つの市が今年4月、環境省と会合を持ち、「毎時0・23マイクロシーベルト」を見直すよう要望したことがきっかけだ。4市は環境省と会合を重ね、空間線量よりも被爆線量が低く計測される個人線量の実測値を用いることで除染目標を緩和し、復興予算を他の分野に振り向けるための地ならしに取り組んできた。
  
 住民の不安解消に向けては、個人線量計の配布やリスクコミュニケーションの充実を進めていくとしている。会談後、井上環境副大臣は「福島県内のできるだけ多くの人に線量計を持ってもらい、データに基づいて防護対策を取りたい」と強調。記者から「福島県民全員に個人線量計をつけさせるのか」と追及されると、「できるだけ多くの方につけていただきたい」と否定せず、線量計の配布を増やす考えを示した。
  
 国は2011年6月、年間の追加の被ばく線量が1ミリシーベルト以上、空間の放射線量に換算して1時間当たり0.23マイクロシーベルト以上の場所がある市町村を「汚染状況重点調査地域」に指定。国が直接、除染を行う「避難区域」とは異なり、国の手順に従って市町村が除染することにしている。同地域に指定されている岩手県、宮城県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県の計102の市町村のうち、今年の春までに除染が終了しているのは16市町村にすぎない。今回の除染目標見直しが、4市以外にどのような対応をするのかについて、環境省は明らかにしていない。
  
専門家「場の管理に個人線量は使えない」
 個人線量をめぐっては、田村市や川内村などの避難指示解除をめぐり、内閣府の原子力被災者生活支援チームが去年8月以来、放射線医学研究所や日本原子力研究機構との協力のもと、空間線量率との関係について調査を実施。空間線量に0.7を乗ずることによって、大人の個人線量を推定することができると、今年3月に公表した。
 しかし公表の際、子どもは大人よりも遮蔽効果が低く、空間線量からの推計とあまり変わらないことや個人線量は「場の管理」には利用できないことなどが言及されていた。また支援チームが調査に使用したのは、公衆被曝を計測するために開発された新型の線量計であるのに対し、環境省と4市がモデルに使用したのは、検出限界の高いガラスバッチ。ガラスバッチと新型線量計の双方を販売している千代田テクノルの担当者は、OurPlaneTVの取材に対し、ガラスバッチは公衆の被爆線量を計測するにはふさわしくないと回答している
帰還の切り札「新型線量計」とは?〜被曝量を自己管理へ
 
 
個人被ばく線量に基づいた除染目安に関する抗議声明 
特定非営利活動法人 子ども全国ネット 2014年8月1日
 本日、環境省より公表された「市町村除染に関する国と4市の勉強会中間報告」に関し、個人被ばく線量に基づいた除染目安に転換することに強く抗議し、下記の通り、抗議声明を送りました。
 
石原伸晃 環境大臣 
井上信治 環境副大臣
個人被ばく線量に基づいた除染目安に関する抗議声明
 
 私たち「NPO法人子ども全国ネット」は、環境省による「市町村除染に関する国と4市の勉強会中間報告」に関し、個人被ばく線量に基づいた除染目安に転換することに強く抗議します。
 私たちは、今回公表された「毎時0.3〜0.6マイクロシーベルト」という目安は、がまん値を超えた受け入れられない数値「被ばく強要目安」であり、決して子どもたちを被ばくから守るための数値ではないと考えます。
 とりわけ、子どもたちへの放射線による被ばくの影響はわからないからこそ、できる限り、防護する必要がある、と「原発事故子ども・被災者支援法」では謳っていますこの4市の勉強会の中間報告が、何の法的根拠ももたないまま、福島県内外における除染の目安として広がるようなことになれば、子どもたちの被ばく防護がないがしろにされてしまうのではないか、不安を抱えたままの帰還を促されてしまうのではないか、という懸念があります。
 以下、その理由です。
1.個人線量計(ガラスバッジ)による被ばく測定の限界と弊害
2.「場」の線量と「個人」線量の混同による恣意的な数値のアップ
3.住民の意見を無視した、不透明なプロセスによるまとめ内容の決定
 
 現在使用されている個人線量計では、一人ひとりの正確な外部被ばく量を測定することが難しいという指摘があります。本来、一般公衆の被ばく限度は、追加被ばくが年間1ミリシーベルトであり、これは、外部被ばくのみならず、内部被ばくも合わせて考えられるべきです。にもかかわらず、外部被ばく線量のみで計算し、1ミリシーベルトまでは基準値内としていることには、あらためて矛盾を感じます。また、個人線量計の数値のみが重視される中で、被ばく防護についても自己責任が問われかねないという懸念も生じます。
 
 そもそも、個人線量計は、放射線管理区域における放射線業務従事者の個人被ばくを管理するためのものです。ですから、個人線量に依拠するのであれば、その地域の全ての住民を、放射線業務従事者と同様に被曝管理すべきであるのに対し、場の線量を管理するための指標として個人線量を使用するのみでは、何ら放射線防護にはなりません。このままでは、「場」の線量と「個人」線量の混同であると言わざるを得ません。
 
 また、4市勉強会の開催から今回の中間報告の公表に至るまで、すべてのプロセスが不透明であり、住民の声を聞く機会のないままに実施しています。これは、「原発事故子ども・被災者支援法」の理念である、被災当事者の意見を聞くことをまったく無視しています。
以上
 
2014年8月1日
特定非営利活動法人 子ども全国ネット 
 

2014年8月2日土曜日

東電元会長は大津波の恐れを認識 検察審議会

 これまで東電の説明では、原子力部門で試算された大津波の可能性についての認識は、武黒元副社長でとどまり、勝俣元会長などには知らされなかったとされていましたが、福島原発事故が発生する約3年前、勝俣氏が出席した社内の会議で、高さ14メートルの大津波が襲う可能性があると報告されていたことを、検察審査会が把握していました。
 
 それによって勝俣氏と2人の元副社長は、「東電の最高責任者として各部署に適切な対応策を取らせることが可能な地位にあった」として「起訴相当」とされました。
 
 今後検察が再捜査しますが、仮に再び不起訴としても、別のメンバーによる検審が再度起訴相当と議決すれば強制起訴されることになります。
 
 いまだに13万人以上の人たちが避難生活を続けているなかで、東電の旧幹部たちが今ものうのうと過ごしていることは、国民感情としてやはり納得はいきません。
 2013年8月7日付のブログ:「SUEの日記」に東電の旧幹部の現況が掲載されていましたのでご参考までに紹介します。勝俣氏の現在の年収は7,200万円で、世界の富豪が蝟集するドバイに超豪華マンションを所有しているということです。
 
       ※ 東電役員 ぬくぬくと海外に住みながら天下り
 
・勝俣恒久会長→日本原子力発電の社外取締役に再任 (現在家族と共に海外在住)
・清水正孝社長→関連会社・富士石油の社外取締役に天下り (現在家族と共に海外在住)
・武井優副社長→関連会社・アラビア石油の社外監査役に天下り (現在家族と共に海外在住)
・宮本史昭常務→関連会社・日本フィールドエンジニアリングの社長に天下り (現在家族と共に海外在住)
・木村滋取締役→関連会社・電気事業連合会の副会長に再任 (現在家族と共に海外在住)
・藤原万喜夫監査役→関連会社・関電工の社外監査役に再任 (現在家族と共に海外在住)
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大津波の恐れ報告 東電元会長出席の会議
東京新聞 2014年8月1日
 東京電力福島第一原発の事故が発生する約三年前、東電の勝俣恒久元会長(74)が出席した社内の会議で、高さ一四メートルの大津波が福島第一を襲う可能性があると報告されていたことが、三十一日に公表された東京第五検察審査会の議決で分かった。これまでの東電の説明では、勝俣氏は大津波の可能性を知らないとされ、本人も検察に同趣旨の供述をしていたが、検審は「信用できない」と否定、起訴相当と判断した。東京地検は同日、議決を受け、再捜査することを決めた。 (加藤裕治、加藤益丈)
 
 議決によると、この会議は二〇〇七年七月の新潟県中越沖地震で柏崎刈羽原発(新潟県)が被災したのを受け、〇八年二月に開かれ、福島第一の津波想定を七・七メートル以上に変更する資料が配布された。出席した社員から「一四メートル程度の津波が来る可能性があるという人もいて、考える必要がある」との発言もあった。
 検察側の捜査資料にあった会議のメモなどから、検審はより詳しい報告や議論もあったと判断。出席していた勝俣氏は大津波の可能性を知りうる立場にあり、「東電の最高責任者として各部署に適切な対応策を取らせることも可能な地位にあった」と結論付けた。
 
 これまでの東電の説明では、大津波の可能性は原子力部門で試算され、武黒一郎元副社長(68)でとどまり、勝俣氏や他部門の幹部には知らされなかった、としていた。
 この会議には武黒元副社長も出席。報告を聞き「(東北電力)女川(原発)や(日本原子力発電)東海(第二原発)はどうなっている」と尋ねていたことが議決から明らかになった。
 
 東海第二原発は〇七年に茨城県が公表した津波想定に基づき、ポンプ室の側壁の高さを四・九メートルから六・一メートルにかさ上げ。東日本大震災で五・四メートルの津波が襲ったが、冷却に必要な電源を確保でき、福島第一と明暗を分けた。
 
 歴代幹部のうち勝俣、武黒両氏と、武藤栄元副社長(64)の三人が起訴相当と議決された。津波の情報を知っても、判断する立場にない二人は不起訴相当、対策を決める権限がない一人は不起訴不当と議決された。
 
 起訴相当の三人については、仮に地検が再び不起訴としても、別の市民による検審が起訴議決すれば、強制起訴される。
 

2014年8月1日金曜日

ALPS本格稼働は早くて12月 計画より超大幅遅れ

 東京電力は31日、福島原発の汚染水から放射性物質を取り除ける「多核種除去設備(ALPS)」が、8カ月遅れの12月から本格稼働に移行する発表しました。
 これまで進めてきた増設機と高性能機の建設は、増設機9月、高性能機は10月に試運転に入り、12月に本格稼働するということです。
 しかし新設機も含めてトラブルへの懸念は残るので、12月の本格稼働が実現するかどうかは不透明です
 
 もともと既設のALPSは13年の3月に完成しましたが、その後一向に順調運転が出来ずに、途中から正式運転は1年後の14年4月からと公表されました。
 ところが1年経った4月以降も満足に動かないままで現在に至っています。8カ月遅れというのは「偽装」で、1年近いマイナスの下駄を履いた数字です。今度こそチャンと動いて欲しいものです。
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ALPS本格稼働は早くて12月 計画より8カ月遅れ
福島民友ニュース 2014年8月1日
 東京電力は31日、福島第1原発の汚染水からトリチウム以外の62種類の放射性物質を取り除ける「多核種除去設備(ALPS)」が12月から本格稼働に移行する計画を発表した。国と東電は、ALPSを汚染水対策の要として4月の本格稼働を目指していたが、試運転でフィルターに不具合が生じるなどのトラブルが相次ぎ、当初計画より8カ月遅れとなる見通しだ。
 東電は、試運転中の現行ALPSに加え、増設機と高性能機の建設を進めている。増設機は9月、高性能機は10月に試運転に入り、12月に本格稼働する計画だが、トラブルへの懸念は残り、12月の本格稼働が実現するかどうかは不透明だ。
 現行ALPSは全3系統合わせて1日当たり750トンの汚染水を浄化する能力がある。
 東電は9月まで、1日当たり560トンの処理能力でALPSを稼働、増設機などが試運転を始める10月以降は同1960トンに拡大すると見込んでいる。
 

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福島原発事故「東電元3幹部 起訴相当」 検察審査会

 福島原発事故の責任を問われた東電幹部、原子力安全委の幹部菅直人元首相らについて、東京地検昨年月、42人全員を不起訴処分にしました。
 それを不服として申し立てられた検察審査会の審査で、東京第五検察審査会は23日人を不起訴とした東京地検の処分に対し、勝俣恒久元会長ら人を業務上過失致死傷罪で「起訴相当」小森明生元常務は不起訴不当、別の元副社長ら人は不起訴相当と議決しました。 
 
 検察審査会は、東電が2008年に15m超の津波を試算しながら対策を取らなかったことについて、想定を大きく超える津波が来る可能性について報告を受けたとき、東電の最高責任者として各部署に適切な対応策をとらせることができたとして、業務上過失致死傷罪に当たるとしました。
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「東電元3幹部 起訴相当」 福島原発事故 検審議決 検察、再捜査へ
東京新聞 2014年7月31日
 東京電力福島第一原発事故は東電が津波対策を怠ったために起きたとして、福島県民ら約五千七百人が歴代の幹部六人の捜査のやり直しを求めている問題で、東京第五検察審査会は三十一日、六人を不起訴とした東京地検の処分に対し、勝俣恒久元会長(74)ら三人を業務上過失致死傷罪で「起訴相当」と議決したと公表した。議決は二十三日付。検察が再捜査するが、仮に再び不起訴としても、別のメンバーによる検審が再び起訴相当と議決すれば強制起訴される。
 
 福島第一の事故をめぐり、市民で構成する検審が関係者を起訴すべきだと判断したのは初めて。今も約十三万人が避難生活を送る未曽有の事故で、刑事責任を問われる可能性が出てきた。
 ほかに起訴相当となったのは、武藤栄元副社長(64)と武黒一郎元副社長(68)。小森明生元常務(61)は不起訴不当、別の元副社長ら二人は不起訴相当とした。
 
 捜査の最大の焦点は、東電が二〇〇八年に十五メートル超の津波を試算しながら対策を取らなかったことが過失に当たるかどうかだった。東京地検は「最も過酷な条件での試算で、数値通りの津波の襲来を予測することは困難だった」として過失を認めなかった。
 これに対し検審は「地震や津波が具体的にいつどこで発生するかは予見できない。想定外の事態が起こりうることを前提とした対策を検討しておくべきだ」と指摘。試算を受けた東電の対応を「時間稼ぎ」と断じた上で「容易に無視できないと認識しつつ、何とか採用を回避したいとのもくろみがあった」と批判した。
 勝俣元会長は事情聴取で「重要な点は知らなかった」と供述したが、検審は「信用できない」と一蹴。「想定を大きく超える津波が来る可能性について報告を受けたと考えられる。東電の最高責任者として各部署に適切な対応策をとらせることができた」とした。
 
 事故をめぐっては、福島県民らでつくる福島原発告訴団が一二年六月、「東電が津波対策を怠り事故を引き起こした」として東電や原子力安全委員会の幹部ら三十三人を業務上過失致死傷などの容疑で告訴・告発した。東京地検は昨年九月、告訴団と別の市民らが告発した菅直人元首相らを合わせ、四十二人全員を不起訴処分にした。
 告訴団は不起訴を不服とし翌十月、対象を東電幹部六人に絞り検察審査会に審査を申し立てていた。
 菅元首相ら当時の政権幹部三人を不起訴とした東京地検の処分については、別の検審が今年四月に不起訴相当と議決している。
 
 <検察審査会> 
 選挙権のある国民からくじで選ばれた11人の審査員で構成。審査は非公開。検察官による容疑者の不起訴処分について、11人中6人が納得できなければ「不起訴不当」、8人以上が納得できなければ「起訴相当」と議決する。従来は議決に拘束力がなかったが、2009年5月施行の改正法では、起訴相当と議決された事件を検察官が起訴しなかった場合、自動的に再審査。再び起訴相当と議決すると、裁判所が選んだ検察官役の指定弁護士が容疑者を強制的に起訴し、公判を担当する。再審査時は必ず審査補助員の弁護士が立ち会い、検察官の意見を聴く。 
 
 

小泉元首相 川内再稼働を批判 「どこが安全か。矛盾している」

 31日、小泉元首相は、細川護熙元首相と東京都内で開かれた太陽光発電などに関する展示会を視察後、安倍政権が川内原発を再稼働させる方針を示していることについて「ちょっと感覚がおかしい。どこが安全なのか」などと批判しました。
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川内再稼働 小泉元首相「どこが安全か」
東京新聞 2014年7月31日
 小泉純一郎元首相は三十一日午前、安倍政権が九州電力川内(せんだい)原発を再稼働させる方針を示していることについて「ちょっと感覚がおかしい。どこが安全なのか」と批判した。都内で細川護熙元首相=同左から2人目=と太陽光発電の展示会を視察した後、記者団に語った。
 
 原子力規制委員会は今月十六日、川内原発が新規制基準を満たしていると判断。安倍政権は再稼働させようとしているが、規制委の田中俊一委員長は記者会見で「基準への適合は審査したが、安全だとは言わない。再稼働の判断に私たちは関与しない」と述べた。
 
 小泉氏は田中氏の発言を踏まえ「政府は『安全だから(再稼働を)進める』と言っているが、矛盾している。責任があいまいだ」と指摘した。
 
 
原発再稼働 小泉元首相「原発はあきらめるしかない」
毎日新聞 2014年07月31日
 小泉純一郎元首相は31日、九州電力川内原発1、2号機の再稼働に関連し「政府が安全だから(再稼働を)進めると言うが、原子力規制委員長が安全とは言えないとしており、矛盾している。おかしい」と述べ、安倍政権が進める原発再稼働を強く批判した。細川護熙元首相と東京都内で開かれた太陽光発電などに関する展示会を視察後、記者団に語った。
 
 小泉氏は「原発はあきらめるしかない。夢のある(再生可能)エネルギーは政治次第でうんと伸びる」と強調、原発ゼロと再生可能エネルギーの推進を改めて訴えた。