浜岡原発の耐震設計に関わる基準地震動を捏造していた問題で、捏造に関する内部通報が複数回寄せられていたことが4日、共同通信の取材で分かりました。
原子力規制委は2月に内部通報を把握しましたが、中電の動きがないので5月に確認したことで公にされました。それがなければ内部通報が握りつぶされた可能性もあり、企業倫理上の重大問題です。
中電は原発の安全設計上の基本事項を捏造したにもかかわらず、いまも再稼働ができる可能性が大きいと考えているようで、世界一困難な地域に立地する原発という自覚が感じられません。
併せて関連記事を紹介します。
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中部電に内部通報複数回 規制委指摘まで調査せず
共同通信 2026/2/4
中部電力が浜岡原発(静岡県)の耐震設計に関わるデータを不正に操作していた問題で、不正に関する内部通報が複数回寄せられていたことが4日、関係者への取材で分かった。外部から情報提供を受けた原子力規制委員会が昨年5月に指摘するまで調査しておらず、中部電が通報に適切に対処していなかった可能性がある。規制委は、通報の内容や当時の中部電社内での対応などを詳しく調べる。
中部電の問題公表から5日で1カ月となる。浜岡原発を巡っては昨年11月、安全対策工事で正式な契約変更や精算手続きを行わなかった不祥事も公表している。
中部電は「内部通報があったかどうかを含めコメントできない」としている。先月5日の記者会見では、不正に関わっていた部署内で過去に問題視する声が出ていたと説明した一方、詳細は明らかにしていなかった。
規制委は昨年2月に外部からの情報提供で問題を把握し、データの根拠資料を中部電に求めるなどして昨年5月に指摘した。
浜岡原発巡るデータ不正で立ち入り検査…中部電力の林社長 再稼働に向けた「スタートラインに立つこと」目指す考え
東海テレビ 2026/2/2
浜岡原発をめぐるデータ不正問題で、中部電力の林社長は2日、将来的な再稼働に向けた検討は進めていく考えを示しました。
中部電力の林欣吾社長:
「再稼働を目指して進むべくスタートラインにつくことだと思っております。事実解明と再構築を一生懸命やること、それで初めてスタートラインにつけるものだと思っております」
中部電力の林欣吾社長は2日の定例会見で、現時点で浜岡原発の再稼働は見通せないとしたものの、事実関係の調査などを進めたうえで、将来的な再稼働に向けての検討は進めていく考えを示しました。
浜岡原発をめぐっては、国の再稼働審査で、中電が原発周辺で想定される地震の揺れを意図的に小さく見せていた疑いがあり、原子力規制委員会が1月、中電本店に立ち入り検査を行っています。
また、2日に発表した2025年4月から12月までの決算では、不正問題を受け、再稼働審査に関連した資料作成などの委託契約を途中で解約したことで生じる費用として、117億円を計上しました。
浜岡再稼働時期「言及段階にない」と中部電
共同通信 2026/2/2
中部電力の林欣吾社長は2日、名古屋市で開いた決算記者会見で、データ不正が判明した浜岡原発の再稼働について「スケジュールに言及する段階にはない」と述べた。
中部電力社長 当面続投の意向…中期計画 浜岡再稼働を前提とせず
読売新聞オンライン 2026/2/3
中部電力の林欣吾社長が2日の記者会見で当面続投する考えを示したのは、浜岡原子力発電所のデータ不正操作問題の長期化が避けられないためだ。浜岡原発の再稼働を目指すと明言したものの、次期中期経営計画の策定では再稼働を前提とせずに検討する考えだ。(塩見尚之、中島幸平)
■白紙から検討
「原発をどう位置づけるのかなど、具体的に検討している。再稼働について言及できない不透明な中で、持続的な計画を示したい」。林氏は2日の記者会見で、今年4月以降の経営計画では、原発再稼働について、白紙の状態から検討していることを明らかにした。
浜岡原発の問題を巡っては、外部の弁護士などによる第三者委員会が、事実関係の調査や再発防止策について議論を始めている。中電では、社内の組織風土の改善や地元住民への説明会の実施など、第三者委の活動とは重ならない対応を並行して進めている。
しかし、中電が原発再稼働に向けて仕切り直すには、第三者委による報告書のとりまとめや、実効性のある再発防止策の実施が大前提となる。林氏は記者会見で、第三者委のとりまとめ時期について「独立して調査しており、スケジュールの具体的なことは説明を受けていない」と述べた。
■懸念の声
中電は近年、1月末~2月初旬に役員人事を発表し、新年度が始まる4月1日付で新体制をスタートしてきた。2月2日は、執行役員で原子力本部長と浜岡原発所長を兼務していた豊田哲也氏の兼務を解き、専任の所長を配置するなど、関連する人事を発表したのみだった。
この問題を受けた経済産業省への報告期限は4月6日で、原子力規制委員会の立ち入り検査も同時並行で行われている。規制委の検査は少なくとも数か月に及ぶ見通しだ。慣例となってきた新年度の節目で、社長ら主要役員の交代は難しいと判断したと見られる。
林氏は1月16日に、浜岡問題の対応に専念するとの理由で、電力大手10社でつくる電気事業連合会の会長を辞任した。ただ、中部経済連合会など他の経済団体の役員は継続している。
中経連では、今秋開催予定のアジア・アジアパラ競技大会や新興企業支援など、独自の事業を進めている。「問題対応に専念するとしながら役員を兼務するのは、会員企業から理解が得られないのではないか」(関係者)と懸念する声も出ている。
林氏は、この日の記者会見で、経済団体の役職について問われ「皆さんの意見もうかがいながら考えていきたい。今は何も決まっていない」と述べるにとどめた。
最終益21%増2025億円 4~12月期
中部電力が2日発表した2025年4~12月期連結決算は、売上高が前年同期比3・2%減の2兆5663億円、最終利益が21・2%増の2025億円となった。
国内の火力発電所の燃料調達費の減少などが増益につながった。国の制度で燃料価格の変動分が電気料金に反映され、減収となった。
一方で、浜岡原発のデータ不正問題では、再稼働の審査に関する業務などの委託契約を解約し、約117億円の損失を計上した。また、浜岡原発の工事の不正手続きに伴う取引先への未精算額などは、計20件で約60億円と見積もった。
「浜岡原発の重要性は変わらない」中部電力林欣吾社長 浜岡原発の必要性を強調
静岡朝日テレビ 2026/2/3
中部電力の林欣吾社長は2日の定例会見で浜岡原発の重要性は変わらないと述べました。
中部電力 林欣吾社長
「エネルギーの需要は増えてくる。安定供給を達成しないといけない。浜岡の重要性、必要については何ら変わるものではないと思っている」
林社長はこのように述べ、浜岡原発の重要性を強調しました。
不正発覚を受け、浜岡原発の審査は白紙に戻りました。
林社長は「浜岡原発の必要性に対するスタンスは変わらない。信頼回復に努める」と述べました。