浜岡原発で起きた基準地震動の捏造は前代未聞の「データ不正」で、原発への信頼を根本的に揺るがす問題です。何よりもいま必要なのは適正の基準地震動が一体いくらになるのかです。それが1200ガルを越えて現行の原発がそれに堪えられないものであるなら即座に廃炉に向かうべきです。
もしも捏造前のデータが残っているのであれば規制庁は責任の追及と共に、適正の基準地震動の策定を信頼できる機関や大学に依頼すべきです。
真のデータが復元できないのであれば再度試験して求めるべきです。
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「安全規制に対する暴挙」 浜岡原発のデータ不正問題 原子力規制委は設置許可取消しの可能性にも言及 再稼働はどうなる
CBCテレビ 2026/1/31
浜岡原発で起きた、前代未聞の「データ不正」。原子力発電への信頼を揺るがす問題ですが、再稼働の行方はどうなるのでしょうか。
人類が作り出した中で、最も安全が求められる技術。その信頼は、崩壊の危機に。
静岡県御前崎市の海沿いに位置する、中部電力・浜岡原子力発電所。ここで起きた不正は、前代未聞の悪質なものでした。
問題が起きたのは、3号機・4号機の再稼働審査。審査に向けては地震が起きた際、原子炉に加わる揺れを想定して、それに耐えうる耐震補強を行うことになっていましたが、この揺れ「基準地震動」を意図的に小さくしていた疑いがあるのです。
■「非常に重大で誠に遺憾」「全てを台無しに」
(原子力規制委員会・山岡耕春委員)
「ねつ造または改ざんにあたると考えていて、非常に重大で誠に遺憾」
(原子力規制委員会・杉山智之委員)
「こういう不正行為があると、全てを台無しにしてしまう」
試験の合格ラインを勝手に下げるような不正工作で、原発の安全性を根底から揺るがすものでした。
■浜岡原発周辺の4市長から“原因究明”を求める声
1月21日、御前崎市をはじめ、浜岡原発周辺の4つの市の市長が原子力規制庁を訪れ、原因の究明を求めました。
(御前崎市・下村勝市長)
「地域の安全性にどのような影響があったかを公表し、事業者に対して、しかるべき指導と監視を行うことを強く要請する」
(原子力規制庁・金子修一長官)
「事実として何が行われて、背景にどういうことがあって、防止するとしたらどういう取り組みが必要か、しっかり確認をする。それが定着しないと、中部電力を信用するところまでいかないと思う」
■東日本大震災で全国の原発が一時ストップ
浜岡原発は、1976年に運転を開始し、5号機まで作られていました。しかし2011年。
(記者 2011年5月)
「浜岡原発5号機の発電量を示す値がゼロを示しました。浜岡原発からの電力供給が、完全に停止したことになります」
東日本大震災で起きた原発事故を受け、全国の原発が一旦ストップ。
その後、再稼働に向け耐震性の強化が国から指示されましたが、なかでも南海トラフ巨大地震の想定震源域にある浜岡原発では、巨額の費用を投じて地震対策が進められました。
■“地震対策に目処がたった”はずが…
(大石邦彦アンカーマン 2025年3月)
「無機質なコンクリートでできているので、より巨大に感じる」
海沿いに総延長約1.6キロメートルにわたり、高さ22メートルの「防波壁」を建設しました。
そして…
(中部電力・阪口正敏副社長 2014年当時)
「(4号機の)設置変更許可申請書など、申請書類が整いました」
原子炉建屋の地震対策に目処がたったことから、中部電力は再稼働に向けて2014年に4号機を、2015年に3号機の安全審査を原子力規制委員会に申請しました。この審査の中で、中部電力が説明していた「基準地震動」にデータの不正があったのです。
■燃料費高騰の中…原発再稼働は経営の至上命題に
一日も早い再稼働を目指した背景には、切実な事情が。
(中部電力・水野明久社長 2013年当時)
「本日、(電気料金の)値上げの申請をさせていただいた」
元々、火力発電への依存度が高かった中部電力では、原発の停止後、石油や天然ガスなど燃料コストの高い火力に一層頼る形に。
(中部電力担当者 2013年)
「2011年5月の浜岡原子力発電所の全号機停止以降、(中部電力の)火力燃料費は大幅に増加しました」
電気料金の値上げや合理化で対応してきましたが、燃料費の高騰が続いた中、原発再稼働は経営の至上命題となっていたのです。
■2025年2月 国は原子力発電を「最大限活用する」と明言
(中部電力・林社長 2025年3月)
「これから伸びる需要に対して、安定供給を確保していくこと。非常に現実的で大きな効果を持つのが、原子力発電だと思う」
国も2025年2月、これまで「依存度を低減」としていた原子力発電を「最大限活用する」と正式に打ち出し、2040年度に全電力の2割を原子力でまかなう見通しが示されました。
■浜岡原発の“設置許可取り消し”の可能性も…
こうした流れに水を差す形となった、データ不正問題。
(原子力規制委員会・山中伸介委員長 1月7日)
「安全規制に対する暴挙。審査そのものを全て見直す必要がある」
原子力規制委員会は、浜岡原発の設置許可を取り消す可能性にも言及し、立ち入り検査も行う予定で、再稼働は全く見通しが立たない状況です。
(中部電力・林社長)
「原子力部門の解体的な再構築に向けて、全力で取り組んでいく」
■地元住民は「裏切られた」「もう信頼できない」
発電所の隣にあるPR施設「浜岡原子力館」には、訪れる人もまばらな中、安全を強調する文字が並んでいます。
(地元・御前崎市民)
「ちょっと裏切られた感じ、期待していたので残念」
(地元・御前崎市民)
「中電を応援していた、原発を早く再開してもらいたいなと。もう信頼できない。廃炉にするといい、それが一番」
(中部電力・林社長 1月20日)
「深く心からおわび申し上げる。本当に申し訳ございませんでした」
各所でお詫びを続けてきた林社長は、1月20日に静岡県知事を訪問。
(静岡県・鈴木康友知事)
「今まで積み上げてきたことに水を差すことになってしまったのでは」
(中部電力・林社長)
「われわれ独自で会社の組織、風土含め、“解体的な再構築”を私中心に行う」
『解体的な再構築』とは何を意味するのか。浜岡原子力発電所に再び灯がともる日は来るのか、先行きは不透明です。
CBCテレビ「news X」2026年1月22日放送より
「災害について常に考えることが大事」浜岡原発の事故を想定した訓練 データ不正問題で揺らぐ信頼…多くの住民らが参加=静岡
静岡放送(SBS)2026/1/31
静岡県や静岡県御前崎市などが浜岡原発で事故が起きた想定の訓練を行い、住民や自治体の職員が対応を確認しました。
1月31日の訓練は浜岡原発で事故が起き、放射性物質が外部に放出された想定で行われ、自治体の職員のほか、浜岡原発から半径31キロ圏内で暮らす住民が参加しました。
今回は東名高速道路の浜名湖サービスエリアが放射線量の検査などを行う場所として設定され、バスで避難してきた住民に対し検査や簡易的な除染を行う流れを確認しました。
<参加者>
「実際の時に、ここに来れるのか心配という話をした」
<初めて参加した人>
「今までこういう災害のことについて知らなかったので、訓練を通じて災害について常に考えることが大事だと思います」
静岡県原子力安全対策課の神村典浩課長は「多くの住民の方に参加していただきまして、実際にやってみた中で工夫が必要なところが見えてきたので一つ一つ解決していきたい」と話しました。
県は参加者にアンケートをとって今後に生かす方針です。