2016年3月6日日曜日

高浜4号機のトラブル原因 福井県議会原発対策特別委で追及

 緊急停止するなどトラブルが相次いだ関電高浜原発4号機に関して、福井県議会原発・防災対策特別委が4開かれ、安全性に対する責任の所在が問われました。
 
 県の安全部長は「原発の安全確保の第一義的責任は事業者で、規制は国が一元的に責任を負っている。県は国や事業者の対応を監視する」と説明しましたが、「国も県も悪くないという姿勢では国民、県民の信頼は得られない」、「事業者任せでは県民も不安だ」と追及しました
 県は、一次冷却水漏れについては、法令上は関電が国に報告する義務はない濃度レベルだったが、「県は異常事象として公表し、事業者に対応を求めた」と述べました。
 
 重大事故時の高齢者や障害者らの避難については、まだ三十キロ圏在宅や通所している人の人数把握ができておらず、避難手段が決められていないことが明らかになりました。これは重大な問題です。
 
 また、脱原発を目指す市民五団体4日、第三者検証委員会による原因究明や同3号機の運転停止などを関電に求めるよう西川一誠知事宛ての要請書を提出しました。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
高浜4号機のトラブル批判続く 県議会原発対策特別委 福井
中日新聞  2016年3月5日
 (福井)県議会原子力発電・防災対策特別委員会が四日あり、関西電力高浜原発4号機(高浜町)が発送電作業中に緊急停止するなどトラブルが相次いだことに、安全性に対する責任の所在をめぐって委員からは批判の声が上がった。
 
 佐藤正雄委員(共産)は、「(トラブルとなった箇所の点検は)原子力規制委員会の基準に入っていなかったのか、県原子力安全専門委員会の調査が抜けていたのか、事業者の点検が不十分だったのか、どこに原因があるのか」と詰問。「国も県も悪くないという姿勢では国民、県民の信頼は得られない」と責任の所在が宙に浮いていることを指摘した。
 斉藤新緑委員(自民党県政会)も「国が重視している部分は点検しているのかもしれないが、県が(全ての)点検具合をチェックすべきだ。国、事業者任せでは県民も不安だ」と主張した。
 桜本宏・安全環境部長は「原発の安全確保の第一義的責任は事業者で、規制は国が一元的に責任を負っている。県は国や事業者の対応を監視する」と従来の立場を説明。放射性物質を含む一次冷却水漏れについては、法令上は関電が国に報告する義務はないレベルだったが、「県は異常事象として公表し、事業者に対応を求めた」と述べ、理解を求めた。
 
 辻一憲委員(民主・みらい)は原子力災害時の高齢者や障害者らの避難について質問。原発から三十キロ圏で、在宅や通所している人の人数把握ができておらず、避難手段が決められていない現状に「しっかり対応してほしい」と求めた。
 健康福祉部の長谷川雅人企画幹は、入所施設に関しては施設ごとに避難計画を策定していることを説明。その上で、通所施設について「まだ具体的にどういった避難経路、手段かは検討中。何らかの対応をしていきたい」と述べた。(塚田真裕)
 
◆緊急停止原因究明を市民団体が要請
 関西電力高浜原発4号機(高浜町)が発電系統のトラブルによって緊急停止した問題で、脱原発を目指す市民五団体が四日、第三者検証委員会による原因究明や同3号機の運転停止などを関電に求めるよう西川一誠知事宛ての要請書を提出した。
 要請したのは「サヨナラ原発ネットワーク」や「福井から原発を止める裁判の会」など各団体の計十人。県庁では、代表して同ネットワークの若泉政人さんが県原子力安全対策課の職員に要請書を手渡した。
 若泉さんは「今回の事故が、大きな事故の前触れではないかという疑念を周辺住民は感じている」と説明。原因究明のほか、県が原発を考える公開討論会を県内全市町で開催することなど全八項目を求めた。(山本洋児)