2025年8月28日木曜日

川内原発 設置許可取り消し認めず 福岡高裁判決 火山リスクの評価基準めぐり

 川内原発1、2号機の再稼働差し止め請求の控訴審は、火山リスクを巡るもので「火山噴火の予知は出来ない」という火山学者の常識に反し、巨大噴火は予知できることを前提とした「火山ガイド」の妥当性が争われました。
 福岡高裁は「巨大噴火の頻度は低く、危険性が相応の根拠をもって示されない限り、再稼働は容認される」と判断しましたが、それは国際的な「予防原則」に反するもので、逆に「噴火しないことを証明」する責任は再稼働を強行する発電所側にあります。
 こうした転倒した判断が司法の場で常用されるのは問題です。
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川内原発 設置許可取り消し認めず――福岡高裁判決、火山リスクの評価基準めぐる住民訴訟
                          南日本新聞 2025/08/27
 九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)の火山リスクを巡り、新規制基準に適合するとした原子力規制委員会の判断は誤りだとして、住民らが国に原発設置許可の取り消しを求めた訴訟の控訴審判決で、福岡高裁(松田典浩裁判長)は27日、一審福岡地裁判決に続き、住民側の訴えを退けた
 主な争点は、規制委の審査基準「火山ガイド」や適合性審査の合理性だった。住民側は噴火の時期や規模を予測するのは困難であるのに、予測を前提とした火山ガイドは不合理で、噴火が起きる可能性も低頻度ではないと主張していた。
 川内原発は2015年8月、福島第1原発事故後に全国で初めて1号機が再稼働した。16年6月に周辺住民らが火山リスクの検討が不十分だとして、国を相手に設置許可の取り消しを求める訴訟を福岡地裁に提訴。19年6月に棄却され、福岡高裁に控訴した。


川内原発の設置許可取り消し、2審も認めず 福岡高裁が控訴棄却
                            毎日新聞 2025/8/27
 九州電力川内(せんだい)原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)が新規制基準に適合するとした国の判断は火山リスクの検討が不十分だとして、鹿児島県や熊本県の住民らが原子力規制委員会の設置変更許可を取り消すよう求めた行政訴訟の控訴審判決で、福岡高裁(松田典浩裁判長)は27日、取り消しを認めなかった2019年6月の1審・福岡地裁判決を支持し、住民側の控訴を棄却した。
 川内原発1、2号機は、それぞれ1984年と85年に営業運転を開始。11年の東京電力福島第1原発事故を受けて運転を停止したが、14年に規制委の新規制基準の適合性審査に全国の原発で初めて合格し、翌15年に再稼働した。
 訴訟は鹿児島、福岡、東京など10都県の33人が16年6月に提訴。新規制基準に基づき、規制委がまとめた指針「火山影響評価ガイド」の内容や審査の合理性が争点となった。
 1審は火山ガイドについて「科学的知見が確立していない疑いが残る」と疑問を投げかけたものの、不合理とはいえないと指摘。破局的噴火(巨大噴火)の頻度は低く、危険性が相応の根拠をもって示されない限り、合理的に予測される範囲を超えてまで対策を講じていなくても容認されると判断した。国の設置変更許可を違法とする証拠はないとして請求を棄却したため、住民側が控訴していた。
 住民側は控訴審で、川内原発の160キロ圏内には五つの巨大噴火の跡(カルデラ)があるとし「巨大噴火のリスクを十分検討していない」と主張。国側は巨大噴火が差し迫った状態ではないなどとして控訴棄却を求めていた。【森永亨】


川内原発 設置許可取り消し認めず――福岡高裁判決、火山リスクの評価基準めぐる住民訴訟
                           南日本新聞 2025/8/27
 九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)の火山リスクを巡り、新規制基準に適合するとした原子力規制委員会の判断は誤りだとして、住民らが国に原発設置許可の取り消しを求めた訴訟の控訴審判決で、福岡高裁(松田典浩裁判長)は27日、一審福岡地裁判決に続き、住民側の訴えを退けた。
 北は阿蘇から南は諏訪之瀬島まで〉南九州の主な火山の位置が一目で分かる地図を見る
 主な争点は、規制委の審査基準「火山ガイド」や適合性審査の合理性だった。住民側は噴火の時期や規模を予測するのは困難であるのに、予測を前提とした火山ガイドは不合理で、噴火が起きる可能性も低頻度ではないと主張していた
 
 川内原発は2015年8月、福島第1原発事故後に全国で初めて1号機が再稼働した。16年6月に周辺住民らが火山リスクの検討が不十分だとして、国を相手に設置許可の取り消しを求める訴訟を福岡地裁に提訴。19年6月に棄却され、福岡高裁に控訴した。

東京電力、柏崎刈羽原発と本社で秘密管理の手順誤り2件 組織的問題は否定…原子力規制庁が管理状況を検査

 東電が、柏崎刈羽原発と東電本社で核物質防護に関する秘密の管理に手順から外れた取り扱いがあったとして、原子力規制庁に2件の事案を報告しました。
 核物質を守るため外部には出さない事柄が盛り込まれた「核物質防護秘密文書」の取り扱いを巡り、何らかの手順の誤りがあったものとみられます。
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東京電力、柏崎刈羽原発と本社で秘密管理の手順誤り2件 組織的問題は否定…原子力規制庁が管理状況を検査
                            新潟日報 2025/8/27
 東京電力が、柏崎刈羽原発と東電本社で核物質防護に関する秘密の管理に手順から外れた取り扱いがあったとして、原子力規制庁に2件の事案を報告していたことが26日、分かった。規制庁が管理状況などの実態を調べている。東電と規制庁はいずれも新潟日報社の取材に対し、「テロ対策の観点から、詳しい内容は言えない」としている。
 2事案は、20日に非公開で行われた原子力規制委員会の会合で示された。
 規制庁によると、東電が6月12日と17日にそれぞれの事案を規制庁へ報告。核物質を守るため外部には出さない事柄が盛り込まれた「核物質防護秘密文書」の取り扱いを巡り、何らかの手順の誤りがあったとみられ、規制庁が管理状...
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福島県民 実効性に疑問 除染土最終処分候補地決定2035年めど

 政府が福島第1原発事故に伴う除染土壌の福島県外最終処分の新たな工程表を作成(26日)したことについて、県民から2035年ごろをめどとしたことに 残された時間は限られ、間に合うのかとの声が上がりました。中間貯蔵施設への除染土壌の搬入が始まってからの10年間、県外の候補地選定は遅々として進まず、政府の姿勢に不信感を募らせてきたため、実現するための方策の具体化や計画の着実な実施など、責任ある姿勢が政府に求められました。

 また交付金制度を設け搬出先が受ける利点を提示するなど、国が本気度を示す必要性にも言及されました。
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福島県民 実効性に疑問 除染土最終処分候補地決定2035年めど 「スケジュールありき」 政府に具体化求める
                           福島民報 2025/08/27
 政府が26日公表した東京電力福島第1原発事故に伴う除染土壌の福島県外最終処分の新たな工程表について、候補地決定の目標時期が示されたことに、県民は一定の評価をしつつも、「本当に実現できるのか」と実効性に疑問を呈した。2035(令和17)年ごろをめどとしたが、残された時間は限られ、「スケジュールありきではないか」との声も上がる。法律で定められた中間貯蔵施設から県外への除染土壌搬出に向け、実現するための方策の具体化や計画の着実な実施など責任ある姿勢を政府に求めた。
「(法律で定めた)2045年の期限まで本当に搬出できるのか」。大熊、双葉両町の地権者有志でつくる「30年中間貯蔵施設地権者会」会長の門馬好春さん(68)=東京都=は新たな工程表に疑問を投げかける。
 中間貯蔵施設への除染土壌の搬入が始まってからの10年間、県外の候補地選定は遅々として進まず、政府の姿勢に不信感を募らせてきた。除染土壌の搬出先決定までさらに10年をかける方針について、「最初に着手し、解決すべき課題なのに具体性がない」と憤り、早期着手を求める。交付金制度を設けるなど搬出先が受ける利点の提示がないなど国の「本気度」も不十分に映る。
 双葉町で暮らす無職国分信一さん(75)は「復興や最終処分の道筋が見えてきたのは一歩だろう」との見方を示す。一方、理解醸成策は最終処分だけでなく、再生利用の推進にも重要となるが、新味のない施策に物足りなさを感じる
 被災地からは中間貯蔵施設の土地の返還や活用など県外最終処分後の復興を描くため、着実な取り組みを求める声が上がる。大熊町に暮らす無職伏見明義さん(74)は「復興を遅らせないためにも計画をしっかりと実行してほしい」と工程表の順守を国に強く訴えた

■官民再利用で課題山積
 県外最終処分の実現性を高める再生利用について、政府は東京都霞が関の中央省庁の花壇などでも進め、国民に安全性を周知していく。ただ、住民の生活圏でない場所での利用でどれだけ理解が広まるかは不透明だ。
 工程表では、民間企業の土地造成や埋め立てなどで除染土壌活用の先行例を創出する方針も示された。ただ、建設業界からは慎重な声も。白河市の鈴木建設取締役営業部長の鈴木信也さん(37)は「土壌の安全性への理解が浸透していなければ、率先して手は挙げられないだろう」と語る。再生利用だけでなく、作業や工事後の安全確保など知見がない中、「何らかの形で実証を積み上げてもらわないと厳しい」と話した。
 飯舘村で花苗を生産・販売しながら再生利用事業の案内や広報も担う菅野みゆきさん(50)は「安全性に関する情報発信が不足していると感じる。少しずつでも着実に理解醸成につながる取り組みを進めてほしい」と国に注文した。

28- 泊原発3号機再稼働へ 北電の住民説明会始まる

 北海道電力による泊原発3号機の再稼働に向けた住民説明会が26日夕刻から始まりました。泊原発は停止から13年が経過していて、住民からはヒューマンエラーを心配する声が上がりましたが、北電は「他社が稼働する原発へ社員を出向し人為ミスを防ぐ教育を行っている」などとして理解を求めました。
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泊原発3号機再稼働へ 北電の住民説明会始まる
                  テレビ北海道 2025/8/27(水) 17:32配信
北海道電力は昨夜、泊原発3号機の再稼働に向け住民説明会を始めました。再稼働の必要性や安全対策を強調し地元住民の理解を図ります。
北電は泊原発がある後志の泊村から説明会を始めました。海抜19メートルの防潮堤や水素爆発を防ぐ設備の設置といった安全対策のほか、核燃料輸送船が出入りする新港の建設計画も説明しました。その上で、電力需要の増加などを理由として再稼働の必要性を訴えました。
泊原発は停止から13年が経過しています。このため参加した住民からはヒューマンエラーを心配する声が上がりましたが、北電は「他社が稼働する原発へ社員を出向し人為ミスを防ぐ教育を行っている」などとして理解を求めました
説明会は、泊原発周辺の20市町村を中心に10月26日まで各地で開かれます。

2025年8月25日月曜日

柏崎刈羽原発の再稼働は東電の経営にどれだけの効果?巨額投資に見合うのか

 柏崎刈羽原発が再稼働すると東電の経営にどれだけの効果があるのだろうかの視点から、新潟日報は、東電は単年度黒字を維持しているものの「フリーキャッシュフロー」は7年連続で支払い超過で24年度はマイナス幅が約5千億円に上り、原発事業を経営再建計画の柱に据え続けることは妥当なのか″と疑問を呈しました。「会計学」の知識がないと理解しにくいのですが…
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柏崎刈羽原発の再稼働は東京電力の経営にどれだけの効果が?巨額投資に見合うのか、経営再建の柱に据え続ける妥当性は  原子力深考
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 東京電力柏崎刈羽原発が再稼働すると、東電の経営にどれだけの効果があるのだろうか。厳しい経営状態にあるとされる東電だが、福島第1原発事故に伴う賠償の費用には政府による支援もある。再稼働の是非を巡り本県の議論が続く一方で、東京電力ホールディングスは単年度黒字を維持している。原発事業を経営再建計画の柱に据え続けることは妥当なのか。(東京支社・小林千剛)

 東電の2024年度連結決算をみると、一定水準は確保しているように映る。売上高は前期比1・6%減の6兆8103億円、純利益は同じく39・8%減の1612億円と、燃料費変動などの影響で減収減益となったものの、黒字は確保した。
 それでも、東電は新潟日報社の取材に対し、現状を「厳しく受け止めている」とする。
 福島第1原発の廃炉に8兆円ともされる莫大(ばくだい)な費用が見込まれることを踏まえれば、十分な収益とはいえないだろう。中でも東電が深刻に捉えているのは、手元の現預金の流出だ。
 柏崎刈羽原発の安全対策費をはじめとした設備投資費が膨らみ、営業活動で得るお金と設備投資で出ていくお金の合計「フリーキャッシュフロー」は7年連続で支払い超過となった。24年度はマイナス幅が約5千億円に上る損益が黒字でも、手元の現金が尽きれば経営は継続できない。東電が「厳しい」とするのが、この点だ
 東電は柏崎刈羽原発の再稼働に向け巨額投資を続けてきた。現時点の工事費は公表されていないが、19年時点で見込み額は1兆1690億円に上った。その後もテロ対策施設の建設などが続いており、設備投資はさらに膨らむとみられる。
 その中で東電は、柏崎刈羽原発の再稼働による収支改善に期待する。東電が火力発電などに比べ「安価」だとする原発で経費削減を図り、再稼働で年1千億円の利益改善を見込む。
 しかし、莫大な設備投資額に対し、再稼働で得られる年1千億円の効果は見合うのかどうか。素朴な疑問が浮かぶ
 柏崎刈羽原発は12年3月を最後に一度も動いていない。地元同意の議論が続き、再稼働できるかさえも見えない中で、再稼働を経営再建の柱に据え続ける判断は果たして妥当なのか。

再稼働議論が続く東京電力柏崎刈羽原発。多くの費用と年月をかけて安全対策工事が行われてきた=5月
 東京電力ホールディングスの小早川智明社長への取材でその妥当性を問うと、「原子力エネルギーの活用は資源のない日本にとって重要だ」と語り、質問には直接答えなかった。

東電は「良好な業績」 立命館大・金森絵里教授
 経営難の訴えは電力会社の「常とう手段」東電の経営と原子力事業の関係について、専門家はどう見るか。原発会計に詳しい立命館大の金森絵里教授は、...
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原発事故時避難ムリ 東海第2原発廃炉へ 茨城大集会

 東海第2原発の廃炉を求め「STOP!東海第2原発再稼働いばらき大集会」が23日、同村で開かれ約600人が参加しました。
 茨城県生活協同組合連合会の鶴長義二会長は「事故が起こればコントロールできないのが原発。避難は到底不可能で、再稼働は中止すべきだ」と訴え、同原発運転差し止め訴訟団の大河陽子弁護士は講演で、国は「屋内退避」を前提にしながら、県が地震被害で約3万~4万棟もの家屋倒壊を想定していると指摘し「住民が避難できないまま、放射性物質にさらされる計画になっている」と強調しました。
「屋内退避の不都合」の問題は能登半島地震で俄かに注目されましたが、東海第2原発ではそれ以前の問題として「避難計画の実効性がない」という理由で地裁が再稼働を認めない判決を出しています。
 避難道路の混雑やバスの必要台数手配の困難さなどは全国の原発に共通した問題なのに、他の地裁が見過ごしているのは、裁判が如何にいい加減であるかを示しています。
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原発事故時避難ムリ 東海第2原発廃炉へ 茨城大集会
                      しんぶん赤旗 2025年8月24日
 日本原子力発電東海第2原発(茨城県東海村)の廃炉を求め「STOP東海第2原発再稼働いばらき大集会」(同実行委員会主催)が23日、同村で開かれ約600人が参加しました。
 主催者を代表し小川仙月氏は「地域の安全を客観的に見るのが村長だ」と指摘し、同原発の再稼働は必要だと表明した東海村の山田修村長を批判。「(原発推進の)暴走は立ち止まる必要がある」と訴えました。
 茨城県生活協同組合連合会の鶴長義二会長理事は「事故が起こればコントロールできないのが原発。避難は到底不可能で、再稼働は中止すべきだ」と訴え。宮嶋謙かすみがうら市長、中島栄美浦村長、村上達也元東海村長が廃炉に向けた連帯を呼びかけました
 同原発運転差し止め訴訟団の大河陽子弁護士が講演。国が、原発事故時に住民が家屋などにとどまる「屋内退避」を前提にしながら、県が地震被害で約3万~4万棟もの家屋倒壊を想定していると指摘し「住民が避難できないまま、放射性物質にさらされる計画になっている」と強調。避難経路の渋滞や避難先の駐車場不足が懸念されるとし、「避難も屋内退避もできないことが容易に想定される」と述べました。
 集会後に参加者らはデモ行進し、日本共産党の江尻加那県議、大名美恵子東海村議ら県内の党議員が参加しました。

原発ゼロ台湾 再稼働不成立 住民投票で賛成多数も条件満たさず

 台湾では、与党・民進党が東日本大震災の福島第一原発事故などをきっかけに「脱原発」を掲げ、今年5月に唯一稼働していた3基目の原発(運転期間40年)を停止し「原発ゼロ」が実現しました。
 しかし、野党側は電力の安定供給に原発は不可欠だと主張し、野党側の要望で8月23日、原発の再稼働の是非を問う住民投票が始まりました。再稼働を可能にする条件は「賛成票が反対を上回り、有権者の4分の1以上」でした。
 開票の結果は、再稼働への賛成が430万票余りと反対の150万票余りを大幅に上回りましたが賛成は500万票を超えず、有権者の4分の1以上という条件を満たさなかったことから成立しませんでした。
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原発ゼロ台湾 再稼働不成立 住民投票で賛成多数も条件満たさず
                     NHK NEWS WEB 2025年8月24日
すべての原子力発電所が運転を停止し「原発ゼロ」が実現した台湾で、再稼働の賛否を問う住民投票が行われ、賛成が反対を上回ったものの必要な条件を満たさず成立しませんでした。
台湾では東京電力福島第一原子力発電所の事故などを受けてことし5月、南部 屏東県にある原発が運転を停止し、民進党政権が進めてきた「原発ゼロ」が実現しました
これに対し野党側は半導体などの生産に必要な電力の供給が不安定化するなどと批判し、この原発を再稼働するかを問う住民投票案を野党が多数を占める議会・立法院で可決しました。
23日に行われた住民投票では、中央選挙委員会の集計で再稼働への賛成が430万票余りと反対の150万票余りを大幅に上回りました。ただ賛成は500万票を超えず、有権者の4分の1以上という条件を満たさなかったことから成立しませんでした
結果を受けて頼清徳総統は「社会がエネルギーの多元的な選択を期待していることは十分理解している」と述べ、賛成の立場にも一定の理解を示しました。
また23日は台湾で「中国に融和的」とされる最大野党・国民党の議員7人を対象にしたリコール=解職請求の賛否を問う住民投票も行われ、すべて不成立になりました。
7月にも国民党議員24人に対するリコールの住民投票が不成立になっていて、少数与党・民進党はリコールとその後の補欠選挙によって議会での単独過半数の確保を目指しましたが実現できませんでした。

柏崎刈羽原発の再稼働問題 公聴会4回目は新潟市の住民を中心に意見

 柏崎刈羽原発の再稼働問題を巡り県民の意見を広く聞く4回目の公聴会が開かれました。公聴会は新潟市を中心に佐渡市や燕市などから公募と推薦で選ばれた20人が参加し、新潟市の公述会場などと県庁をオンラインで結び、再稼働の賛否について意見を述べました。
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柏崎刈羽原発の再稼働問題 広く県民から意見を聞く公聴会 4回目は新潟市の住民を中心に意見
                      NST新潟総合テレビ 2025/8/24
東京電力柏崎刈羽原子力発電所の再稼働問題を巡り県民の意見を広く聞く4回目の公聴会が開かれました
24日の公聴会は新潟市を中心に佐渡市や燕市などから公募と推薦で選ばれた20人が参加し、新潟市の公述会場などと県庁をオンラインで結び、再稼働の賛否について意見を述べました。
【公述人(賛成)】「特に人口減少や高齢化が進む地域において(原発の再稼働は)経済活動の発展に不可欠な要素」
【公述人(反対)】「どこに処分するのか決まっていない核のゴミ。それを押しつけ合う問題をこれ以上後世に残してはいけないと考えている」
このほか原発に関する情報不足への不安や電力の安定供給を期待する声など、多様な意見が寄せられました。公聴会は残り1回です。花角知事が県民などの意見を聞いて再稼働の是非をどのように判断をするのかその行方が注目されます。

25- 敦賀原発2号機 日本原電が大規模な調査に着手へ 2年がかり地下にトンネル

 敦賀2号機については原子力規制委が去年、原子炉近くの断層が活断層の可能性があり、原子炉の真下を通る断層が引きずられて、将来的に動く可能性を否定できないとして、再稼働審査を不合格としています。日本原電は再申請に向けて大規模な調査を2年がかりで行い、再稼働を目指す方針です。
 具体的には原子炉近くの地下30メートルに長さおよそ200メートルのトンネルを掘り、周辺の地質を調べることで、原子炉の真下の断層が近くを通る断層とつながっていないことなどを示すとしています。
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敦賀原発2号機 再稼働の再申請に向け日本原電が大規模な調査に着手へ 2年がかり地下に200メートルトンネル
                          FBC 福井放送 2025/8/21
再稼働審査で不合格となった敦賀原発2号機について、日本原電は、再申請に向けて大規模な調査を2年がかりで行い、再稼働を目指す方針です。
日本原電の坂井毅志敦賀事業本部長は21日、県の坂本防災安全部長と面談し、敦賀原発2号機の再申請に向け、追加調査をする方針を伝えました。
敦賀2号機をめぐっては、原子力規制委員会が去年、原子炉近くの断層が活断層の可能性があり、原子炉の真下を通る断層が引きずられて、将来的に動く可能性を否定できないとして、再稼働審査を不合格としています。
調査の一つとして、原子炉近くの地下30メートルに長さおよそ200メートルのトンネルを掘り、周辺の地質を調べることで、原子炉の真下の断層が近くを通る断層とつながっていないことなどを示すとしています。
日本原電は、調査に向けた準備を9月から始め、追加調査は2年ほどかかる見通しということです。
なお原子力規制委員会への再申請の時期は未定としています。


敦賀原発2号機・再稼働の再申請へ9月にも調査開始 断層や破砕帯の評価など約2年かけて実施へ 日本原電が調査計画を福井県に提示
                           福井テレビ 2025/8/21
日本原子力発電は、原子力規制委員会が2024年11月に再稼働を認めない判断を下した敦賀2号機について、再申請に向けた調査を早ければ9月にも開始することを福井県に報告しました。調査は約2年かけて実施する計画です。
日本原電の坂井毅志・敦賀事業本部長が21日、県庁を訪れ、坂本裕一郎・防災安全部長に敦賀2号機の追加調査計画の概要を示しました。
   
調査は約2年かけて実施する計画で、原子炉建屋近くにあるK断層」の活動性や原子炉建屋の直下に続く破砕帯との連続性などについて、ボーリングや掘削などを行ってデータを取得し、評価を進めるとしています。
日本原電が追加調査について具体的に示したのは、再稼働申請の不合格後、初めてです。

2025年8月21日木曜日

柏崎刈羽原発運転差し止め訴訟・原告側「大量被ばくの可能性ある」避難計画の不備や問題点を主張

 柏崎刈羽原発の周辺住民らが東電を相手取り、全7基の運転差し止めを求めた訴訟の第48回口頭弁論が20日、新潟地裁であり、原告側は避難計画に不備や問題点があると主張し、原発から半径5キロ圏で屋内退避が必要な場合には「大量の被ばくを強いられる可能性がある」などと指摘しました。
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柏崎刈羽原発運転差し止め訴訟・原告側「大量被ばくの可能性ある」避難計画の不備や問題点を主張
                             新潟日報 2025/8/20
 東京電力柏崎刈羽原発の周辺住民らが東電を相手取り、全7基の運転差し止めを求めた訴訟の第48回口頭弁論が20日、新潟地裁(鈴木雄輔裁判長)であった。原告側は避難計画に不備や問題点があると主張し、原発から半径5キロ圏で屋内退避が必要な場合には「大量の被ばくを強いられる可能性がある」などと指摘した

 原発の重大事故と大雪などが重なった場合、...
    (以下は会員専用記事のため非公開 残り295文字 全文:464文字

原発事故影響山林整備停滞要因か 「ナラ枯れ」福島県内急増 地域資源への打撃懸念 初期防除の徹底急務

 原発事故影響山林整備停滞要因か 「ナラ枯れ」福島県内急増 地域資源への打撃懸念 初期防除の徹底急務


 カシノナガキクイムシが媒介する菌でミズナラなどが枯れる「ナラ枯れ」が福島県内で前年度比1・8倍に急増しています。全国でワースト2位です。
 本来は初期に防除を徹底する必要があったのですが、原発事故発生後に立ち入りできず、管理が困難だった山林があった上、放射性物質の影響でシイタケ用原木などが出荷できないまま長い年月が経過するなど福島県特有の事情が被害の拡大に拍車をかけた可能性があるということです。
 林業・観光の危機と指摘されています。
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【真相深層】原発事故影響山林整備停滞要因か 「ナラ枯れ」福島県内急増 地域資源への打撃懸念 初期防除の徹底急務
                        福島民報 2025/08/20



 東京電力福島第1原発事故の影響による山林整備の停滞や温暖化などを受け、カシノナガキクイムシが媒介する菌でミズナラなどが枯れる「ナラ枯れ」が福島県内で急増している2024(令和6)年度の被害量は前年度比1・8倍の約2万1千立方メートルとなり、全国ワースト2位となった。県南地方の棚倉森林管理署管内では初めて確認されるなど被害範囲も拡大。関係者は「ナラ枯れ」による山林の荒廃が景観や森林資源、山の保水機能などに影響を与えかねないと危機感を募らせる。初期の防除の徹底は急務で、県は市町村とともに啓発を含めた対策を強める。

 


■全国ワースト2位
 林野庁と県がまとめた県内でのナラ枯れの被害量の推移は【グラフ】の通り。令和に入ってから増加傾向にある中、2024年度(速報値)は前年度の2倍近くまで増えた。都道府県別に見ても青森県の3万1800立方メートルに次ぐ規模で被害の広がりが際立つ。
 民有林に限定すると被害木は1万5900立方メートルで過去最大規模に及ぶ。民有林の方部別の被害量の内訳は【表】の通り。昨年度に県南で初めて被害が生じているほか、会津と南会津で増加が顕著だ。
 太く成長した老木が被害に遭いやすいとされる。県や林業関係者によると、原発事故発生後に立ち入りできず、管理が困難だった山林があった上、放射性物質の影響でシイタケ用原木などが出荷できないまま長い年月が経過するなど福島県特有の事情が被害の拡大に拍車をかけた可能性があるという。

■林業・観光の危機
 ナラ枯れの拡大によって倒木などの危険性が増す上、貴重な木材やキノコ類などの産出量が減少し、林業や観光業が打撃を受ける事態も懸念される。天栄村の二岐山では昨年度からナラ枯れが確認されており、今年も近隣の山林で変色などの兆候が見られるという。周辺の温泉地で旅館を営む50代男性は旅館で提供するマイタケをナラの木などから収穫しており「マイタケが採れなくなると困る」と不安を抱く。
 同山には幹回りが日本最大級のミズナラの巨木があり、「こぶなら」の愛称で親しまれている。保全活動に携わる同村の湯本森・里研究所の星昇さん(46)は「貴重な巨木であり強い危機感を抱いている」と地域の宝を守る方策が必要と訴える。

■行政だけでは限界
 林野庁の担当者は「まん延すると手に負えないというのが実情。初期で防除を徹底するしかない」と早期の対策の重要性を強調。県は2021(令和3)年度から防除対策のための費用の4分の3を市町村に対して補助している。
 ただ、林業関係者によると、行政で林業に精通した人材の不足が進んでいることなどもあり、ナラ枯れの兆候を察知しても費用対効果の面から迅速に対策を講じることが難しいケースも多いという。
 県森林保全課は「市町村だけでは初期の対応に限界がある」とし、発見した際の早期連絡を呼びかけるとともに農林事務所などを通じて薬剤を使わずに個人でも行える防除法などを広く周知していく構えだ。

玄海原発停止 県に要望 九州の14市民団体ドローン疑いで

 玄海原発で7月にドローンとみられる光る物体が目撃された問題を受け、九州4県の14の市民団体は18日、玄海原発の即時運転停止を求める要望書を山口祥義知事宛てに提出しました。市民団体側は、「原発が外部からの攻撃に対して全く無力だと露呈した」と指摘し、詳細な情報公開や抜本的な安全対策なども求めました。
 また2020年までの約20年間に所属不明の航空機が110回以上、玄海原発の上空を飛んだと指摘し、所属不明の航空機の飛来実態やこれまでに講じてきた対策を明らかにするよう求めました。
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[佐賀県]玄海原発停止 県に要望 九州の14市民団体ドローン疑いで
                          西日本新聞 2025/8/19
 九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)で7月にドローンとみられる光る物体が目撃された問題を受け、佐賀など九州4県で活動する14の市民団体は18日、玄海原発の即時運転停止を求める要望書を山口祥義知事宛てに提出した。市民団体側は今回の問題で「原発が外部からの攻撃に対して全く無力だと露呈した」と指摘し、詳細な情報公開や抜本的な安全対策なども求めた
 要望書では、2020年までの20年間に所属不明の航空機が110回以上、玄海原発の上空を飛んだと指摘。九電や国、県について「住民を不安と危険にさらしてきた責任は重大」と批判し、所属不明の航空機の飛来実態やこれまでに講じてきた対策を明らかにすることも訴えた。
 県庁で担当者に要望書を手渡した「玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会」の石丸初美代表は「運転継続は到底許容できない」と主張した。今後、九電などにも要望書を提出する方針。 (田中早紀)

21- 泊原発 再稼働に向けた説明会26日から

 北海道や北海道電力などは、泊原発周辺の安全や環境保全について話し合う協議会を18日、札幌で開きました。北電は3号機の再稼働に向けた説明会を今月26日から2カ月で30回開催します。
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泊原発3号機の再稼働に向けて…周辺の環境放射線や排水について自治体間で情報共有 今後、のべ30市町村で説明会開催へ
                    HBCニュース北海道 2025/8/18
 7月、再稼働に向けた安全審査に合格した北海道電力の泊原発3号機。18日、原発周辺の放射線などについて、自治体間でモニタリング結果を共有する協議会が札幌市で開かれました。

    【画像を見る】札幌市で開かれた協議会のようす 

18日開かれた泊原発に関する協議会。 周辺の環境放射線や排水などについて北海道や地元の4町村などでモニタリング結果を共有し、住民の安全確保について話し合うため、毎年開いています。 現在はいずれの原子炉も動いておらず、学識経験者らは周辺の環境放射線や排水についていずれも異常はなかったと報告しました。 泊原発3号機は7月、原子力規制委員会による安全審査に合格し、北電は2027年のできるだけ早い時期に再稼働させたい考えです。 北電は8月26日から後志地方のすべての市町村のほか、札幌市や旭川市なども含めのべ30市町村で説明会を開く予定です。


泊原発 再稼働に向けた説明会26日から
                         テレビ北海道 2025/8/18
北海道や北海道電力などは、泊原発周辺の安全や環境保全について話し合う協議会を今日、札幌で開きました。
協議会には泊村、共和町、岩内町、神恵内村の町村長などおよそ50人が参加しました。泊原発から発生する放射線や冷却に使った海水について「異常なし」との調査結果を報告しました。協議会会長に選任された濱坂副知事は「北海道電力は事業者としての説明責任を果たすよう、道民に分かりやすい説明を丁寧にお願いしたい」と話しました。
北電は3号機の再稼働に向けた説明会を今月26日から2カ月で30回開催します。

2025年8月18日月曜日

原発事故でも逃げちゃダメ? 半径5~30キロ“屋内退避の原則”とは 「子どもだけでも」「避難後の生活が…」子育て世帯が抱える不安

 福島第1原発事故の際、放射線から子どもを守ろうと、自主的に避難した子育て世帯が多くいました。
 柏崎刈羽原発から半径5〜30キロ圏の長岡市などの住民は、事故時にはすぐに逃げず「屋内退避」をすることが原則となっています。しかし子どもを抱える親たちはその通りにとどまる積りでしょうか。
 新潟日報が子どもを抱える親たち実際にどうする積りなのかを聞きました。共通して言えることは親たちは木造家屋では放射能を防護できないことを自覚しているということです。
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原発事故でも逃げちゃダメ? 半径5~30キロ“屋内退避の原則”とは 「子どもだけでも」「避難後の生活が…」子育て世帯が抱える不安
                            新潟日報 2025/8/16
 2011年の東京電力福島第1原発事故の際、放射線から子どもを守ろうと、自主的に避難した子育て世帯が多くいた。東電柏崎刈羽原発から半径5〜30キロ圏の長岡市などの住民は、事故時にはすぐに逃げず「屋内退避」をすることが原則となっている。子どもを抱える親たちはその通りにとどまるのか、遠くへ逃げるのか-
    【地図】柏崎刈羽原発の避難準備区域(UPZ)などの範囲
 7歳と4歳の子を育てる長岡市の主婦、河内沙苗さん(45)は、 家族4人分の安定ヨウ素剤を、防災グッズや備蓄用の水と一緒に自宅に保管する。ヨウ素剤は、県が柏崎刈羽原発から半径30キロ圏内の希望する住民に事前配布した。河内さんは県の説明会に参加して受け取った。「原発で何かあったら、影響のある地域なんだなという意識はある」と話す。
 事故が起きたら、まずは屋内退避という原則も知っている。だが、子どもは大人に比べて放射線の感受性が高いとされている。
 河内さんは「どんな影響が出るか分からない。それなら安全性の高い方を選ぶ」。放射性物質が拡散する事態になれば、国からの避難指示がなくても、県外にある実家に避難する決断を下すだろうと考えている

▽「屋内退避の原則」に不満
 福島第1原発事故後に定められた国の原子力災害対策指針では、原発から半径5キロ圏内の即時避難区域(PAZ)、5〜30キロ圏の避難準備区域(UPZ)を設定。重大事故の際には、UPZの住民が屋内にとどまり、PAZの住民をスムーズに避難させる体制を取っている。
 「つまり、(UPZの)私たちは逃げては駄目だということですよね」。長岡市で子育て中の自営業女性(41)は、屋内退避の原則に不服そうな表情を見せた。
 木造の自宅にとどまることで被ばくから身を守れるとは思えず「気持ち的には逃げたい」と思う。ただ、「専門用語や数字を聞いても分からない。行政の指示を聞くしかない」と語る。
 PAZの住民が、放射性物質の放出が始まる前から避難を行うのに対し、UPZの住民が避難するのは、屋内退避後に放射性物質が拡散し、空間放射線量が上がった場合だ。長岡市の50代男性は「とどまって被ばくするくらいだったら、子どもと妻だけでも逃がすと思う」と語った。

▽「逃げた先」の生活に不安
 国は、福島第1原発事故の教訓として、病気の人や小さい子を連れての避難行動は、心身に負担を伴うといったリスクを説明する。一方で、内閣府の原子力防災の担当者は、原発事故時に屋内退避を求められているUPZ住民で避難を望む人がいることについて、UPZ外に避難することを必ずしも禁止してはいない」と語る。
 長岡市と同様にUPZに入る出雲崎町で地域おこし協力隊員として働き、2歳と0歳の娘を育てる北谷美穂さん(27)は「自分の判断で避難したとして、避難所に入れる保証もない」と話し、自宅にとどまることが現実的だと考える。
 福島第1原発事故で自主的に避難した人たちには、10年以上たっても故郷を離れて暮らす人もいる。北谷さんは「逃げて終わりではなく、その先の生活がある。逃げた方が不安だ」と話す。

〝革新軽水炉″ とは

 しんぶん赤旗の〝知りたい 聞きたい″のコーナーに「革新軽水炉って?」という記事が載りました。
革新型と称されていますが基本的な設計は従来のPWR(加圧水型子炉)と変わりはなく、新たな設備としては欧州で採用されているコアキャッチャーが追加される程度で、その他は上空からのミサイル攻撃に堪えるように屋根の部分を強化することなどが考えられます(それらはBWR(沸騰水型原子炉)においても全く同様です)。
 建設には1兆円100万KW)規模が必要とされていますが、欧州の実績では2兆円超で 地元はすさまじい電気代の値上げに見舞われているということです。
  注.日本はまだ詳細設計に入っているわけではないので、最終的には欧州並みのコス
    トが掛かるものと思われます。
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知りたい 聞きたい 革新軽水炉って?
                       しんぶん赤旗 2025年8月17日
 関西電力が美浜原発(福井県美浜町)の敷地で新増設を検討しているとされる「革新軽水炉」は、どんなものですか。(東京都・読者)

既存技術の延長上
 関電の森望社長は先月、会見で美浜原発の敷地での後織機設置の検討のため調査を開始すると発表しました。判断にあたって「革新軽水炉」の開発状況や規制の方針なども考慮するとしています。
 現在、日本にある発電用原子炉はすべて軽水炉です。軽水炉は核燃料の冷却や中性子の減速を普通の水(軽水)で行い、西日本を中心に運転している加圧水型炉(PWR)と東京電力福島第1原発のような沸騰水型炉(BWR)があります。
 森社長は会見で、検討中の革新軽水炉について「PWRの新しくなったもの」と説明しました。
 関電などPWRを利用する電力会社4社と三菱重工業は、革新軽水炉の一種とされる「SRZ-1200」の共同開発を進めており、基本設計はおおむね完了したといいます。これは、20万kw級の大型PWRで、建屋の耐震性を向上させ重大事故で炉心が溶融した場合に原子炉容器外に溶け落ちた炉心を捕捉する設備(コアキャッチャー)を備えるなど安全性を高めたとうたっています。しかし、基本的な設計は従来のPWRと変わりません。動かせば使用済み核燃料も増え続けます。
 原子力規制委員会は、革新軽水炉の規制の予見性を高めたいという、電力事業者などからなる団体の要請を受け、昨年、実務レベルの意見交換会を設置。SRZ-1200を対象に、検討を進めています。しかし、規制委はこの原発を「建て替え炉」と呼び、その理由を規制委の山中仲介委員長は「本質的には既存の技術の延長上にある」と説明。また、「現行の規制基準の枠内で審査ができるもの」との認識を示しています。
 建設には、1兆円規模が必要とされています。海外では、原発建設の長期化、高コスト化が顕著です。米国のボーグル3、4号機は昨年2基とも稼働しましたが、建設費は2基で4兆円を超え、地元はすさまじい電気代の値上げに見舞われています

 関電の森社長は会見で、原発建て替えには巨額となる投資回収の予見性確保が重要だとして、国に「事業環境整備」を求めていました。