2026年1月12日月曜日

12- 浜岡原発「規制委は審査却下を」 差し止め訴訟弁護団などが意見書

 浜岡原発の基準地震動の値を不正に操作していた問題で同原発の運転差し止めを求める訴訟の原告側弁護団などは8日、「データの捏造は、浜岡原発の安全性と中部電に対する信頼を根底から損なう」として、規制委に対し同原発の審査申請を直ちに却下することなどを求める意見書を送りました。規制委は不正を見抜けなかった責任を痛感した上で適正に処理すべきです。

・規制委の山中伸介委員長は浜岡原発3、4号機の安全審査は「白紙になる(と思う)」と発言しました。当然です。メディアが「再稼働の遅れ」と捉えているのは不見識で、到来する最大の地震に設備が堪えられなければ、再稼働は出来ないのは安全上当然の帰結です。規制委は不正を見抜く眼力を養う必要があります。
 40年度の原発比率を現在の1割弱から2割程度に引き上げるためには今の14基から30基超に増やす必要があるとしても安全を無視して行うことが出来ないのも当然です
 また原発が「脱炭素に資する」という考え方も間違いです。

浜岡原発が立地する御前崎市の市議会は9日、臨時の特別委員会を開き、中部電の豊田哲也・原子力本部長兼浜岡原発所長から経緯の説明などを受けました。冒頭で特別委の河原崎恵士委員長が「データの捏造(ねつぞう)は原発の安全性を揺るがす許しがたい暴挙で、地域住民の安全を脅かすものだ」と述べ、中部電に対する「強い非難」を表明。豊田本部長は「信頼を裏切った。原因を究明し、対策を示すことで再び支えていただける事業者になるよう努めるしかない」などと述べ謝罪しました。
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浜岡原発「規制委は審査却下を」 差し止め訴訟弁護団などが意見書
                            時事通信 2026/1/8
 中部電力が浜岡原発(静岡県)の地震想定に関するデータを不正に操作していた問題で、同原発の運転差し止めを求める訴訟の原告側弁護団などは8日、「データの意図的な捏造(ねつぞう)は、浜岡原発の安全性と中部電に対する信頼を根底から損なう」として、原子力規制委員会に対し、同原発の審査申請を直ちに却下することなどを求める意見書を送った
 意見書は「悪質なデータの捏造が明らかになった以上、中部電は原発事業者として求められる最低限の資質に欠ける」と指摘。早期に却下するよう求めた。
 また、NPO法人原子力資料情報室も同日、「直ちに審査不合格とすべきだ」とする声明を発表。規制委に対しても「規制体制の抜本的見直しが必要」とした上で、他社でも同様の事例がないか調査するよう求めた。


浜岡不正、国の原発政策に冷や水 審査「白紙」も、中部電に経営打撃
                           時事通信 2026/1/10
 中部電力による浜岡原発(静岡県)の地震想定に関するデータ不正は、原発の「最大限活用」を掲げる国のエネルギー政策に冷や水を浴びせるものだ。
 原子力規制委員会の山中伸介委員長は浜岡原発3、4号機の安全審査は「白紙になると思う」と発言再稼働の遅れは中部電の経営への打撃となるほか、電源構成に占める原発比率を高める国の目標達成も遠のく。
 政府は昨年2月に閣議決定したエネルギー基本計画で、2011年の東京電力福島第1原発事故を受けて掲げた原発への依存度を可能な限り減らす方針を転換し、急増する電力需要に対応するためフル活用する方向へかじを切った。40年度の電源構成での原発比率を現在の1割弱から2割程度に引き上げるのが目標で、実現には稼働原発を今の14基から30基超に増やす必要がある
 昨年末には東電柏崎刈羽原発(新潟県)や北海道電力泊原発(泊村)の再稼働に向けた地元同意が完了。今月20日には柏崎刈羽6号機が、東電の原発としては福島第1原発事故後で初めて、再稼働する見通しだ。

 山中委員長は、中部電以外の電力会社の原発について、同様の問題がないか調査する予定はないとの考えを示す。ただ、安全性への信頼が失われれば、今後の地元同意は難しさを増す。赤沢亮正経済産業相は9日の閣議後記者会見で「安全性に対する国民の信頼を大きく損なう。あってはならない」と批判。中部電による再発防止策の報告などを踏まえて、「厳正に対処する」と強調した。
 中部電にとって、審査が振り出しに戻れば経営への影響は深刻だ。同社は浜岡原発の再稼働で1基当たり年800億円程度、3~5号機全ての稼働で年2500億円程度の収益改善を見込む。三菱商事と進めていた国内3海域での洋上風力発電所の開発からの撤退も決めており、脱炭素化の取り組みも後退しそうだ。

 中部電の林欣吾社長は5日の記者会見で「責任は重大だ」と認めつつも、自らの進退は「総合的に考えていく」と述べるにとどめた。林氏は業界団体の電気事業連合会の会長も務める。今後、経営責任が厳しく問われそうだ。


「安全脅かす」静岡・御前崎市議から厳しい声 浜岡原発データ不正
                            毎日新聞 2026/1/9
 浜岡原子力発電所の再稼働に向けた審査を巡る中部電力の地震データ不正問題で、原発が立地する静岡県御前崎市の市議会は9日、臨時の原子力対策特別委員会を開き、中部電の豊田哲也・原子力本部長兼浜岡原発所長から経緯の説明などを受けた。市議からは「名古屋市に本拠を置く中部電には、原発が多くの住民に影響を与えることへの切実感がない」「利益至上主義の経営方針で再稼働を急ぐあまり、今回の事態になったのでは」など厳しい発言が相次いだ。
 冒頭で特別委の河原崎恵士委員長が「データの捏造(ねつぞう)は原発の安全性を揺るがす許しがたい暴挙で、地域住民の安全を脅かすものだ」と述べ、中部電に対する「強い非難」を表明。豊田本部長は「運転開始から半世紀、地域に支えられてきたにもかかわらず、信頼を裏切った。原因を究明し、対策を示すことで再び支えていただける事業者になるよう努めるしかない」などと述べ、謝罪した。
 浜岡原発を巡っては、再稼働に向けた安全性向上対策工事の一部で、正式な手続きを経ないまま工事の仕様を変更し発注する社内規定違反と取引先への未払いが判明。2025年11月に原子力部門トップの副社長らが引責辞任したばかり。市議からは「社内ガバナンスがなっていないのではないか」「再稼働への焦りを感じる」との声も上がった。
 また、林欣吾社長が地元を訪れて謝罪していないことも、多くの市議が非難した。臨時委員会自体も、市議会が中部電側に説明を求める形で実現したという経緯があり、河原崎委員長は「中部電が主体的、能動的に地域に説明の機会を求めることが必要だ」と苦言を呈した。
 臨時委員会は市民への状況説明も兼ね、地元のケーブルテレビで生中継された。10、11日も午後1時から再放送される。【藤倉聡子】