2020年6月28日日曜日

原発ゼロへ金曜デモ400回 福井県庁前

 毎週金曜夕、福井市の県庁前交差点付近で原発ゼロを訴える市民行動が6月26日、400回を迎えました。主婦や元教員、嶺南住民らさまざまな立場の参加者がプラカードを持ち、マイクを握ってきました。
 12年7月1日、関西電力大飯原発3号機が再稼働した12日後の13日に県庁前交差点付近で市民行動が始まりました。
 原発銀座と呼ばれる地域柄か、デモ行進では罵声を浴びたり、空き缶を投げられたりしたこともあったということです。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
原発ゼロへ金曜デモ400回、思いは 福井県庁前「敵を作りたいわけじゃない」
福井新聞 2020年6月27日
 毎週金曜夕、福井県福井市の県庁前交差点付近で原発ゼロを訴える市民行動が6月26日、400回を迎えた。主婦や元教員、嶺南住民らさまざまな立場の参加者がプラカードを持ち、マイクを握っている。
 2012年7月1日。関西電力大飯原発3号機が再稼働した。東京電力福島第1原発事故後、定期検査で停止していた国内原発の再稼働は初めてだった。12日後の13日。県庁前交差点付近で市民行動が始まった。

 現在は▽午後4時~同6時50分にスピーチと県庁の周囲をデモ行進▽午後6時~7時半にスピーチや歌の集会―の2グループが活動し、毎回計20~30人が参加している。
 400回目となった26日夕、中心メンバーで福井市の林広員さん(60)は訴えた。「原発のない社会を一日も早く実現するために、一層の力を結集しよう」
 参加者はどんな思いでアピールを続けているのか。「古里を追われた福島を見て恐ろしさを感じた」と話すのは若狭町の主婦(68)。「原発関連の仕事をしている知り合いもいるけど、心の奥には事故の不安があると思う。地元では声を上げられない。でもここでなら」。「原発のない福井をつくろう」と書かれたプラカードを静かに掲げた。

 「退職した今、福島の次は福井かもしれないと思って参加している」と語るのは坂井市の元小学教諭、高岡ひとみさん(64)。福井市の自営業男性(69)は母親の介護のため半周の行進で帰宅しているものの、毎週参加している常連だ。
 2017年3月には「音量が大きく不快」「美観上好ましくない」などの声が寄せられているとして、県が活動自粛を要請した。当時文書を受け取った坂井市の石森修一郎さん(73)らは憲法21条の「表現の自由」に反すると抗議した。今も常に胸ポケットに憲法の冊子を入れ、マイクを握る。「組織や党派は関係ない。自由闊達(かったつ)に議論することで新たな視点が生まれる。敵を作りたいわけじゃない」。石森さんはそう力を込める。
 デモ行進では、罵声を浴びたり、空き缶を投げられたりしたこともあると語るのは越前市の若泉政人さん(53)。「自分の意見を自由に街頭で言える文化をつくりたい」と先頭に立ってきた。原発推進の学生が議論しに来たこともあるという。「うれしかった。賛成でも反対でも、意見を交わすことが大事だから」

福島県 復興事業費1・1兆円 県試算 国に要望

 福島県は、原発事故の復興・創生期間後の21年度から25年度までの5年間に県内で必要になる復興事業費は、1兆1千億円程度と見込み、国に十分な予算の確保を継続的に求めることとしました。
 復興庁の担当者は福島民報社の取材に対し、「被災自治体からの要望などを踏まえ、関係省庁と調整を進める」と述べました。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
復興事業費1・1兆円 福島県試算、国に要望
福島民報 2020/06/27
 東日本大震災と東京電力福島第一原発事故の復興・創生期間後の二〇二一(令和三)年度から二〇二五年度までの五年間に県内で必要になる復興事業費は、一兆一千億円程度となる。県が二十六日、試算を示した。政府の新たな復興基本方針では福島県、岩手、宮城三県を含む被災地全体における五年間の復興事業規模を「一兆円台半ば」としている。県は原発事故からの復興という福島県特有の中長期的な課題を踏まえ、震災から十年が過ぎた後も大幅な財源が必要と判断し、国に十分な予算確保を継続的に求める。

 二十六日の六月定例県議会代表質問で内堀雅雄知事が自民党の西山尚利議員(福島市)の質問に明らかにした。 
 試算に含まれる主な事業は【表(1)】の通り。県は各市町村からの聞き取りなどを基に、事業費の概算を積み上げた。事業費の内訳や詳細について、復興庁と交渉を進めている。 
 被災地での心のケアや地域コミュニティーの再生に取り組んできた被災者支援、インフラ復旧など避難区域の復興を盛り込んだ。 
 県内全域に及ぶ観光業や農林水産業への影響を考慮し、風評払拭(ふっしょく)、風化防止対策も重要だとして組み込んだ。 
 ロボット研究開発拠点「福島ロボットテストフィールド(南相馬市・浪江町)」の開所などの福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想も含めた。 

■中長期の予算も求める
 県は一兆一千億円程度の事業とは別に、新たな課題に対応する中長期的な予算の確保を国に求めていく。 
 今後必要になる事業は【表(2)】の通り。避難指示解除の時期が明示されていない帰還困難区域の対応や国際教育研究拠点の構築、改正福島復興再生特措法に基づく移住・定住の促進は現段階で算定が難しく、さらに事業費が膨らむとしている。 

 復興庁は二〇二一年度から五年間の復興事業費の事業規模と財源の枠組みの詳細を、夏ごろに示す予定。復興庁の担当者は福島民報社の取材に対し、「被災自治体からの要望などを踏まえ、関係省庁と調整を進める」としている。 
 内堀知事は答弁で「復興・創生期間後も安心感を持って復興に専念できるよう、中長期的な視点からの財源の確保が不可欠だ」との認識を示し、「国が最後まで前面に立って福島の復興に責任を果たすようしっかり求めていく」と強調した。 
 政府は震災から十年間の事業財源として三十二兆円を確保し、二〇一一(平成二十三)年度から二〇一八年度までに二十八兆七千億円の使途が固まっている。

28- 新型コロナウイルス感染拡大中の今、原子力発電所の即時運転停止を求める

 日本科学者会議幹事会と日本科学者会議原子力問題研究委員会は、4月23日、「新型コロナウイルス感染拡大中の今、原子力発電所の即時運転停止を求める」とする声明を出しました。
 遅くなりましたが紹介します。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
【声明】
新型コロナウイルス感染拡大中の今、原子力発電所の即時運転停止を求める 

新型コロナウイルスとのたたかいは全人類的な課題 
 日本では新型コロナウイルス感染拡大を食い止めることができず 4 月 16 日に全国に緊急事態宣言が だされた。4 月 23 日現在、懸命な医療従事者達の尽力にもかかわらず感染者 11,919 人、死者 287 人を 出した注1)。今や、感染爆発、医療崩壊の危機に総力を挙げた対応が求められている。いうまでもなく、 日本にとどまらず、アメリカやヨーロッパを含む 180 を超える国で感染が急速に拡大している。世界の 感染症専門家達、医療従事者達、製薬研究者達の奮闘が続けられてはいるが、今なお、新型ウイルス「災 害」を制圧・収束する見通しは立っていない。世界では累計感染者数 258 万人超、死者数 18 万 2 千人 に及ぼうとしており(4 月 23 日現在注1))、この新型コロナウイルスとのたたかいは全人類的な課題と なり国際的な連携も強く求められている。 

感染拡大の中での自然災害避難は万全か 
 さて、濃厚接触による感染を未然防止するために、もっか「3密」(密閉、密集、密接)を回避する ことが求められている。「新型コロナ感染拡大の中での災害避難 75%が‘行動に影響’」(防災専門家 のアンケート結果)注2)によると新型コロナウイルス感染拡大の中で自然災害が発生した時、避難所へ の行動に大きな影響が出ると報道されている。頻繁に起きている洪水、震災等自然災害時の避難所の多 くは「3密」である。今後はこの問題を視野に入れた万全の自然災害対策が求められる。 

感染拡大の中での原発事故の危険性
 原子力施設がひとたび事故を起こせば、放射性物質の防護のために屋内退避が不可欠で、「密室」 をつくらなければならない。社会的距離(または身体的距離)を確保しなければならない新型コロナ ウイルス対応とは相反する条件となる。原発事故からの避難が極めて困難であることは、福島第一原 発事故で浮き彫りになった。ましてや、コロナ禍のもとでの原発事故からの避難となると、仮に避難 できたとしても、避難場所そのもので感染爆発、修羅場となりかねない。また、当然ながら正常な運 転の阻害要因に直結するとともに、原発を直接支える100~200社を超える地元の工事会社・技術支援 会社(計1,000~3,000人超)の一つにでもクラスターが起きれば原発の操業に大きな影響を与えること になる。高浜原発を例にとると「重大事故時の発電所の緊急時対応体制」として、関西電力が初動対 応要員(常駐)70人、緊急安全対策要員48人、地元工事会社の支援要員110人、技術支援会社:炉心・ 安全評価支援、放射線測定等40人を想定している注3)」が、先ごろ発生した「玄海原発のテロ対策施設 ‘特定重大事故対処施設’(特重施設)の工事では4月14日、請負業者・大林組の50代男性社員の感染 が判明、17日には同じ事務所に勤務していた40代男性社員も感染が確認された。九電や大林組、関連 会社の社員ら合わせて約510人が一時自宅待機注4)」と膨大な人数の作業員が自宅待機を迫られた。こ れは原発内ではなかったというが、閉鎖空間で働かなければならない上述の緊急安全対策要員の総勢2 68人を軽く飲み込んでしまい、機能不全に陥る危険性を孕んでいる。原発内では、原子炉運転員、巡 視点検員、設備メンテナンス員・保守点検員、放射線管理業務員、警備員等が昼夜を分かたず作業に 取り組んでおり、感染が発生すれば勤務体制がたちどころに崩壊し、クラスターが発生する。原発従 業員の減少傾向注5)の中で熟練した従業員の補充は困難な状況にあり注6)。医療崩壊ならぬ緊急時対応 体制ばかりか「安全運転体制」の崩壊につながりかねない。 
稼働中の原発の即時運転停止を求める 
 日本科学者会議は脱原発を掲げているが、新興感染症の危機にある今、喫緊の対応として、現にある 原子力発電所についてはリスク対策とともに、そのリスク対策にあたる要員の感染対策や、感染症が発症した場合の対策がいかに立てられているのかを明らかにすることを求める。
 加えて、感染対応を含む リスクコミュニケーションの確立を周辺住民や関連企業群等々との間で早急に進めることを求める。 
 日本科学者会議は、このような緊急事態であるがゆえに、原子力発電施設に内在する上記の破局的な リスクが「万が一にも」発生しないために以下のことを求める。
 ・電力会社および政府が、正確かつ安全側に余裕のある、予防的観点からのリスクアセスメントに基 づいて、その危険が顕在化しないためのリスクマネジメントを実施すること。
 ・いったん危険事象が発生した場合には、その危険事象が「絶対に」外部に漏出しない対策をとるこ と。
 ・そしてその対策状況を、周辺住民等にも時々刻々と正確に情報提供すること。
 ・したがって、最低でも運転中の原発 6 基(関西電力 3 基、九州電力 3 基)の運転の停止を求める。 私たちは、人類と社会への責任を果たすことを願う科学者組織として、このことに重大な懸念を表明 し、緊急の対策を政府と関係機関に求めるとともに、広く社会に訴える 
2020 年 4 月 23 日 
日本科学者会議幹事会 
日本科学者会議原子力問題研究委員会 

注1)厚労省 HP「新型コロナウイルス感染症の現在の状況と厚生労働省の対応について」(2020 年 4 月 23 日)日本の検査数が少ないこと、国によって感染者の定義もことなっていることに留意しておきた い。 
注2) https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200418/k10012394431000.html(2020 年 4 月 18 日 17 時 22 分) 
注 3)「原子力技術・人材の維持について」電気事業連合会、2018 年 3 月 6 日 
注4)佐賀新聞 Live  https://www.saga-s.co.jp/articles/-/515233 
注5)「原子力発電に係る産業動向調査 2019 年報告書」一般社団法人 日本原子力産業協会、2019 年 11 月 

2020年6月27日土曜日

再処理工場の有様が示す原発の現状(田中弁護士の“つれづれ語り”)

 田中淳哉弁護士が、新規制基準に適合するとされた六ケ所村の使用済み核燃料の再処理工場について、「再処理工場の有様が示す原発の現状」を明らかにしました。
 当ブログの様に「再処理工場」は無意味と頭ごなしにけなすのではなく、いつもながら限られた字数の中でその問題点を簡潔に分かりやすく説明しています。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
つれづれ語り(再処理工場の有様が示す原発の現状)
田中弁護士のつれづれ語り 2020年6月24日
『上越よみうり』に連載中のコラム、「田中弁護士のつれづれ語り」
2020年6月24日付に掲載された第86回は、「再処理工場の有様が示す原発の現状」です。
破綻していることが明らかな核燃料サイクルがどうして続けられているのか、それにはどのようなリスクや弊害があるのかといったことについて、書きました。
私は個人的に、核燃料サイクル、辺野古新基地、イージスアショアを、「日本三大無駄遣い」と呼んでいます。イージスアショアに続いて、他の2つも見直すべきではないかと思います。

再処理工場の有様が示す原発の現状
先月、原子力規制委員会が、日本原燃の六ケ所再処理工場について、新規制基準に適合するとの審査書案を了承した。

当初の想定が狂う
再処理工場は、使用済み核燃料からウランとプルトニウムを分離・抽出するための工場である。抽出されたウランとプルトニウムは燃料加工工場で加工され、再度原発で使用される。こうした「核燃料サイクル」によって、核燃料を節約できる、との説明がなされていた。
計画当初、核燃料の「再利用」は、高速増殖炉で行うことが想定されていた。ところが、高速増殖炉の原型炉である「もんじゅ」は、ナトリウム漏れ事故を起こしたこと等から、2016年に廃炉となることが決まった。その後継にあたる実証炉、実用炉の見通しはまったく立っていない。

撤退できない事情
本来なら、高速増殖炉の見通しが立たなくなった時点で再処理工場の計画自体を断念すべきだったが、電力業界としては簡単に撤退を決められない事情があった。
日本原燃は地元自治体との覚書で、「再処理事業が著しく困難になった場合は、使用済み燃料の施設外への搬出などの措置を講ずる」ことを約束している。再処理事業を断念すれば、再処理工場のプールに運び込まれている約3000トンの使用済み核燃料が各地の原発に戻されることとなる。各原発の使用済み燃料プールは、ただでさえ満杯に近い状態であるから、再処理工場から使用済み核燃料が戻されれば原発内のプールはたちどころに容量オーバーとなり、原発は即時停止せざるを得ない。
つまり再処理工場は、「燃料を再利用するための施設」ではなく、「原子力発電を続けていくために辞められない施設」となっているのだ。

フル稼働できない事情
他方で、再処理工場が完成しても、フル稼働できない事情もある。
日本はこれまで、イギリスやフランスの工場で使用済み核燃料を再処理してもらっており、これにより抽出されたプルトニウムを約47トン保有している。これは核兵器6000発分にも相当する量だ。軍事転用を企図しているのではないかとの国際的な批判や懸念の高まりを受けて、原子力委員会は、2018年7月、「プルトニウム保有量を減少させる」内容の基本指針を決定・表明した。
保有量を減らすためには消費しなければならないが、その要と位置づけられていた高速増殖炉は暗礁に乗り上げてしまった。それに代わるプルトニウム消費手段としてひねり出された苦肉の策が、プルサーマルだ。プルサーマルでは、通常の原子炉(軽水炉)でウランとプルトニウムを混合したMOX燃料が使用されるため、プルトニウムを消費することとなるのだ。
しかし、プルサーマルは、ウラン燃料のみを使用する通常の原発と比べ、技術的な困難が多く危険性も高いことから、現在4基しか実施されていない。プルトニウムの消費量は、4基分を合計しても年間で約2トン程度に過ぎない。
これに対し六ケ所村の再処理工場がフル稼働すると、年間約7トンのプルトニウムが抽出されることとなる。プルトニウム保有量を増やさないためには、稼働を制限せざるを得ない。

問題の先送り
再利用のあてはないが、ゴミが戻ってくると困るので再処理をする。でも再処理しすぎるのもマズイので、再処理の分量を制限せざるを得ない。こんな馬鹿げた有様では、事業の破綻は明らかだ。
しかし、政府と電力業界は、問題を取り繕い、ごまかしを重ねながら、必要性が失われた事業を継続するようだ。

2つの重大問題
再処理事業を継続することには、看過できない重大問題が多々あるが、紙幅の関係で2点のみ指摘する。
1つ目は、再処理工程の危険性だ。再処理工場では、高レベルの放射性物質が硝酸等の化学物質とともに、広大な施設内の至るところに行き渡ることとなる。「放射性物質の化学プラント」とも呼ばれ、原発以上に未熟で危険な技術とされている。実際、イギリスやロシア等、海外の再処理工場では、臨界事故・爆発事故・火災事故が度々起こっている。
六ケ所再処理工場は1993年に着工し、当初は97年に竣工予定だった。しかし、設計ミスや施工ミス、管理不備による事故やトラブルが相次いだため、実に24度にわたって工期が延長され、未だに完成に至っていない。日本原燃に、危険な施設を管理する能力があるとは到底思われない。
2つ目は、費用の問題だ。再処理事業全体にかかる費用は約14兆円と試算されている。この費用は最終的には、電気料金に上乗せされる形で国民が負担することとなる。
原子力発電をやめれば、このように高度の危険を抱える必要も、高額の費用を負担する必要もない。原子力発電はそこまでして維持しなければならないものなのだろうか。冷静な判断と、勇気ある決断が求められている。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
『上越よみうり』に連載中のコラム「田中弁護士のつれづれ語り」が電子書籍になりました。
販売価格は100円。こちらのリンク先(amazon)からお買い求めいただけます。スマートフォン、パソコン、タブレットがあれば、Kindleアプリ(無料)を使用して読むことができます。

処理水の海洋放出断固反対 福島県漁連が決議

 福島県漁連は26日、いわき市で通常総会を開き、福島原発にたまり続けるトリチウム汚染水の処分方法について「海洋放出に断固反対する」とする特別決議を全会一致で承認しました。
 海洋放出は風評被害のさらなる拡大を招き、「わが国の漁業の将来にとって壊滅的な影響を与えかねない」とするとともに、「国民全体で議論すべき重要な問題が一部の関係者で進められていることに強い不信と憤りを禁じ得ない」と、政府の進め方を強く非難しました。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
処理水の海洋放出断固反対 福島県漁連が決議
河北新報 2020年06月27日
 福島県漁連は26日、いわき市で通常総会を開き、東京電力福島第1原発にたまり続ける処理水の処分方法について「海洋放出に断固反対する」とする特別決議を全会一致で承認した。
 決議では、政府の議論の進め方に関して「新型コロナウイルスの感染拡大防止に国民が努力する中、国民全体で議論すべき重要な問題が一部の関係者で進められていることに強い不信と憤りを禁じ得ない」と強く非難した。
 海洋放出は風評被害のさらなる拡大を招くと指摘し「わが国の漁業の将来にとって壊滅的な影響を与えかねない」と懸念を表明。これまで国が示してきた「関係者の理解なしに放出は行わない」との方針を守るように求めた。
 野崎哲会長は取材に「コロナ禍で十分な議論ができているかどうか疑問だ。決議をしたことでより確固たる立場で反対していく」と述べた。総会で承認された本年度の事業計画にも「反対の立場を堅持する」と盛り込んだ。
 処理水の海洋放出を巡っては、全国漁業協同組合連合会(全漁連)が23日の通常総会で反対を特別決議している。

27- 東北電力と北陸電力 株主総会詳報

 既報の通り大手電力9社は25日、定時株主総会を一斉に開きました。
 河北新報が東北電力の、北國新聞が北陸電力の株主総会について報じましたので、詳報として紹介します。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
原発再稼働方針重ねて強調 脱原発議案は否決 東北電株主総会
河北新報 2020年06月26日
 東北電力は25日、仙台市青葉区の本店で株主総会を開いた。東日本大震災と東京電力福島第1原発事故以降、9年余り停止している女川原発(宮城県女川町、石巻市)と東通原発(青森県東通村)の再稼働を目指す方針を重ねて強調。市民団体「脱原発東北電力株主の会」が原子力発電の禁止などを求めた6議案は、いずれも否決された。
 東北電が保有する原発4基のうち、女川2号機は2月、原子力規制委員会の審査に合格した。会社側は2020年度を計画していた安全対策工事の完了時期を22年度に見直したことを説明。安全対策工事費は資材調達の工夫や効率化などにより、3400億円程度で変わらないと報告した。
 女川、東通両原発の安全対策工事費として19年度末現在、計2460億円を支出したことも示した。東通原発については現時点で21年度の安全対策工事完了を目指している。
 4月に就任した樋口康二郎社長は「安全確保を大前提に、地域のご理解を頂きながら早期再稼働を目指す」と述べた。

 株主提案に絡み、株主からは「炉心溶融時の対策が不十分で安全性が保証されない」として再稼働に反対する意見が出たほか、原発に関する膨大なコストが経営を圧迫することを懸念する声が相次いだ。採決では宮城県美里町などが賛成したが、全て90%以上の反対で否決された。
 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、東北電は総会を初めて本店で開催した。入り口で検温を実施したほか、受付には飛沫(ひまつ)を防ぐパーティション(間仕切り)を設置。株主の座席は間隔を空けた。
 快適で安全安心なサービスを提供する「スマート社会」の実現に向けた定款の一部変更など、会社提案の6議案は可決された。出席した株主は1989年以降で最も少ない141人、所要時間は震災以降で最短の2時間だった。


志賀原発廃炉議案を否決 北電株主総会 出席者少なく、時間も短縮 
北國昭電 2020/06/26
 北陸電力の株主総会は25日、富山市の同社本店で開かれ、志賀原発の廃炉などを求めた株主提案の6議案はいずれも否決された。新型コロナの感染防止対策として、北電が事前の議決権行使を呼び掛けたところ、出席者は前年の3分の1以下となる105人(確定値)で過去4番目に少ない人数だった。総会は前年より約50分短い約1時間半で終了した。

 株主からは志賀原発の廃炉を求める意見が相次ぎ、金井社長は「志賀原発の再稼働に向けて鋭意取り組んでいく」と回答した。株価の低下や株主数の減少について指摘を受けると、「大変ご迷惑をお掛けしている。業績改善に努め、期待に応えたい」と話した。
 取締役の選任など会社側が提案した4議案は全て可決された。
 「北陸電力と共に脱原発をすすめる株主の会」が本店前で原発の廃炉を訴えた。

2020年6月26日金曜日

<否決 県民投票 東海第二原発再稼働>(下)(東京新聞)

 東京新聞のシリーズ<否決 県民投票 東海第二原発再稼働>の最終版です。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
<否決 県民投票 東海第二原発再稼働>(下) 
署名の重み、受け止めて
東京新聞 2020年6月26日
 「署名集めで多くの人の意見を聞き、県議会に届けたいと思っていたのに、議論は結論ありきに見えた」 
 日本原子力発電東海第二原発(東海村)の再稼働の賛否を問う県民投票条例案が二十三日の県議会であっさりと否決され、石岡市の主婦羽田(はだ)香織さん(36)はそう悔しさをにじませた。 
 今年一月上旬から二カ月間、投票条例制定を大井川和彦知事に直接請求するための署名を集める「受任者」の一人として奔走した。 
 活動のきっかけは、都内に勤務していた頃に、二〇一一年の東京電力福島第一原発事故を経験した知人から聞いた話だった。地域間で補償に差があったり、事故でなりわいを失ったりした話を聞き、「同じことがここでも起こり得る」と感じた。 
 昨年五月に生まれた長女の存在も大きかった。幼い子どもは、素足で外に出たり、土や草も口にしたりするが、「事故があったら、全部駄目と言わなければならず、不自由だと思った」。そうした問題意識が芽生え、東海第二原発について詳しいことは知らなかったが、「いばらき原発県民投票の会」の活動に加わった。 

 仲間たちと一緒に、石岡市内のスーパーや公民館、市役所、農産物直売所の前に立った。近所の商店街では、娘を背負いながら戸別訪問し、計六カ所で五十筆ほどを集めた。 
 「原発の署名集め」と言うと、再稼働反対運動と捉えられ、断られることもあった。署名は拒否しつつも、再稼働への考えを話し始める人もいた。そうした人たちに「県民の考えを反映させるための活動なんです」と説明すると、一転して署名してもらえたケースもあった。 
 「再稼働に対して、みんな思っていることはあるが、なかなか言う機会がない。自分の気持ちを聞いてもらいたい人が多いと感じた」と振り返る。 
 羽田さんら受任者三千五百五十五人が県内を駆け巡り、法定必要数の一・七八倍に当たる八万六千七百三筆の有効署名を集めた。だからこそ、県議会には署名した多くの人の思いを受け止め、真摯(しんし)に向き合ってほしかったが、実質的な審議はわずか一日だった。 
 羽田さんは「否決は想定していたが、多くの人が原発について意見を言える機会をつくることができ、活動が無駄だったとは感じない」と前を向く。ただ、「参考人招致では、私たちのテーマとずれた人が呼ばれていた」とわだかまりは残る。 
 ひたちなか市で署名を集めたデザイナー徳光千春さん(40)も「意見を聞いてもらえると信じて取り組んできたのに」と県議会に不満を募らせる。「どうしたら、私たちの意見を聞いてもらえるのか」。今も答えを求めている。 
 県民投票の会の徳田太郎共同代表(47)は、県議会の議論について「非常に多くの事実誤認や、論理的に筋が通らない、きちんとした理由を伴わない主張があった」と指摘する。 

 審議経過を検証するため、県民投票の会は二十四日、全県議を対象に賛否の理由を尋ねるアンケートを始めた。 
 七月一日までに記名式で回答を求め、五日に水戸市千波町のザ・ヒロサワ・シティ会館(県立県民文化センター)で開催するシンポジウムで結果を発表する。条例案に反対した最大会派のいばらき自民をはじめ、全会派の議員に参加を呼び掛ける。 
 徳田さんはこう訴える。「これだけ県民の関心が高かった条例案。どういう思いでその結論に至ったか、全ての議員に説明責任を果たしてほしい」
(この連載は宮尾幹成、松村真一郎が担当しました)