2013年3月16日土曜日

原発・放射能ニュース 13.3.16~20


3.20 
 
断層評価は新基準審査中に 柏崎刈羽原発・東電の申請見通せず
新潟日報 2013320
 原子力規制委員会は19日、東京電力柏崎刈羽原発の原子炉建屋直下にある断層が活断層かどうかの評価について、新たな安全基準に基づく審査の中で行うとの方針を示した。東電が審査を申請する見通しは立っておらず、規制委の評価は当面先送りされそうだ。
 新基準では、活断層の直上に重要施設を設置することを禁じる予定。直上にあると評価されれば再稼働できなくなる。
 新基準は7月以降に施行予定で、東電が審査を申請するのもそれ以降になる。しかし、柏崎刈羽は新基準で義務付けられる「フィルター付きベント」が未設置で、申請の時期は見通せない。
 規制委は19日の定例会合で、旧原子力安全・保安院から敷地内断層の追加調査を指示されていた関西電力大飯原発など6原発については、規制委による断層評価を「審査開始の前提」とする方針を確認した。
 一方、6原発以外で柏崎刈羽など直下断層が問題視されている原発については「新基準に基づく審査の中で評価する」(原子力規制庁次長)とした。具体的な調査方法は未定だが、6原発と同様に現地調査をする場合もあるという。
 東電は現在、柏崎刈羽の直下断層の活動時期を特定するための調査を行っている。当初、2月末にも結果を規制委に報告する予定だったが、調査場所を増やすなどした影響でずれ込み、所長は「4月中に報告できる」としている。

福島原発、29時間ぶり全面復旧 燃料冷却
東京新聞 2013320
 東京電力福島第1原発の停電をきっかけに使用済み燃料プール代替冷却システムなど9設備が停止した問題で、20日未明までに1、3、4号機の冷却システムなど計7設備が新たに運転を再開。停電の影響を受けたすべての設備が約29時間ぶりに全面復旧した。
 東電は復旧作業に約80人を投入し、最後に残った燃料6377体を保管する共用プールの冷却を20日午前0時すぎまでに再開させた。
 最も水温が高い4号機では、停電前に比べて水温が約6度上昇し、19日夜の冷却再開時には31度になっていた。(共同) 
3.19

大飯原発の7月停止求めず 規制委、新基準すぐ適用せず
  朝日新聞 2013319
 【小池竜太】国内で唯一稼働中の関西電力大飯原発3、4号機(福井県)について、原子力規制委員会は19日、現在策定中の原発の新安全基準が施行される7月には、審査のために停止を求めないとする方針を決めた。定期検査に入るために9月に停止した後、国が新安全基準に適合しているかを審査する。関電は電力需給が逼迫(ひっぱく)する今夏も運転できる見通しが出てきた。
 原発を再稼働するには、7月に施行される新安全基準に適合しているか規制委の審査を受ける必要がある。規制委が1月末に示した骨子案によると、新基準では電力会社の過酷事故対策を義務化し、地震や津波対策も強化を求める。
 既存の原発も新基準に適合させる「バックフィット」が再稼働の条件。規制委がこの日の定例委員会で示した方針では、「(新基準)施行と同時に混乱なく運用できるものでなければならない」とし、7月の新基準導入時点で稼働中の原発は定期検査終了後に審査するとした。 

福島第1原発で停電 使用済み燃料プール冷却が停止
東京新聞 2013319
 東京電力は18日、福島第1原発で午後7時前に停電があったと発表した。1、3、4号機の使用済み燃料プール代替冷却システムなどが停止し、19日午前0時25分時点で復旧のめどは立っていない。事故対応に当たっている免震重要棟も一時的に停電したが、すぐに復旧した。
 原子力規制庁によると、1~3号機の原子炉への注水に問題は生じていない。燃料6377体を保管する共用プールの冷却も停止した。
 東電は「配電盤か、接続されたケーブルが原因の可能性がある」としているが、規制庁、東電とも原因を特定できていない。東電が停電を公表したのは、発生約3時間後の午後10時すぎだった。 (共同) 

3.18

【福島第1原発の現状】 地下水、来月にもくみ上げ 汚染水増加食い止め
 共同通信 2013年3月18日
 東京電力は福島第1原発で増え続ける汚染水を減らすため「地下水バイパス」と呼ばれる新たな設備の試運転を来月にも開始する。地下水が原子炉建屋などに流入して汚染水となる前に井戸でくみ上げる仕組みで、既に1~4号機の西側に井戸が完成。東電はくみ上げた地下水を海に流す配管の工事を進めている。
  地下水は原発の西の山側から1~4号機がある海側に向かって流れ、放射性物質で汚染された原子炉建屋、タービン建屋の地下に1日約400トンが流入、新たな汚染水となる。東電は敷地内に汚染水をためるタンクを増設して対応しているが、保管スペースも限界に近づいている。
 このため、東電は12本の井戸を建屋西側に掘り、地下水を1日100トン程度くみ上げて建屋への流入量を減らす計画だ。
 くみ上げた地下水は、新設した9基の一時貯留タンクへ移し、セシウム137の濃度が1リットル当たり1ベクレル以下であることを条件に、配管を通して海へ放出する。他の放射性物質についても3カ月に1回程度調べる。
 一方、くみ上げによって地下水位が下がることで、建屋地下にたまっている汚染水が周辺に漏れ出すことが懸念されている。東電は「建屋の水位が周辺の地下水位を上回らないようにコントロールを徹底する」としている。

3.17
 
東電、自宅帰還世帯に井戸設置 沢水に代え、初の現物賠償
東京新聞 2013317
 東京電力は17日、福島第1原発事故で避難した福島県葛尾村の住民が自宅に帰還する際、沢水を利用した水道に代わる井戸を各世帯に設置する賠償案を住民説明会で提示し、村は受け入れた。
 東電によると、金銭ではなく現物での賠償は初めて。担当者は「工事発注の手間など住民の負担を軽減するため一歩踏み込んだ。他の自治体からも同様の要望があり、協議する」としている。
 対象は、葛尾村に帰還する意思があり、井戸の設置を希望する世帯。東電が業者に委託して、各世帯の自宅付近に井戸を掘る。葛尾村は22日に避難区域が再編される。 (共同)

原発30キロ圏、避難計画策定29自治体止まり
読売新聞 2013317
 東京電力福島第一原発事故後に示された国の原子力災害対策指針で、地域防災計画の策定を求められた原発半径30キロ圏内の全国156自治体のうち、避難先や移動手段を記した避難計画を策定できた自治体は、29自治体にとどまることが、読売新聞の取材で分かった。
 福島第一原発事故を教訓に、多数の住民を避難させる手立てを模索しているが、広域避難になるため、他の自治体との調整や避難先の確保が難航している。
 原子力規制委員会は、対象となる21道府県と135市町村に対し、18日までに地域防災計画を策定するよう求めている。読売新聞が策定担当者に取材したところ、74自治体は、防災計画自体の策定は18日の期限に間に合うと回答。放射性物質による被曝ひばく医療体制の方針などが盛り込まれる。 

3.16

東電、来月にも地下水くみ上げ 汚染水増加食い止め
東京新聞 2013316
 東京電力は福島第1原発で増え続ける汚染水を減らすため「地下水バイパス」と呼ばれる新たな設備の試運転を来月にも開始する。地下水が原子炉建屋などに流入して汚染水となる前に井戸でくみ上げる仕組みで、既に1~4号機の西側に井戸が完成。東電はくみ上げた地下水を海に流す配管の工事を進めている。
 地下水は原発の西の山側から1~4号機がある海側に向かって流れ、放射性物質で汚染された原子炉建屋、タービン建屋の地下に1日約400トンが流入、新たな汚染水となる。東電は敷地内に汚染水をためるタンクを増設して対応しているが、保管スペースも限界に近づいている。(共同) 

「戻らぬ」42% 「戻りたい」11% 大熊町民の住民意向調査 復興庁まとめ
NHK 福島 NEWS web 2013316
 復興庁は15日、東京電力福島第一原発事故で全住民が避難している大熊町の2回目の住民意向調査結果を発表した。災害公営住宅への入居意向については24・7%が「希望する」と答えた。入居希望地はいわき市が66・2%で、役場機能がある会津若松市の9・2%を大きく上回った。
 災害公営住宅は他の市町村に生活拠点を形成する町外コミュニティー(仮の町)の拠点となる。災害公営住宅への入居意向は「現時点では判断できない」が37・2%で最多。次いで「希望しない」が36・6%で、「希望する」を11・9ポイント上回った。
 入居希望地はいわき市が最も多く、郡山市が12・2%、広野町2・3%、福島市1・2%などとなった。入居に必要な機能(複数回答)は「医療施設」が最多の89・9%に上り、「商店」が80・1%、「介護・福祉施設」が45・7%と続いた。入居に当たっては「生活利便性の高さ」を重視する傾向が見られた。
 町への帰還は42・3%が「戻らない」と答えた。「戻りたい」は11・3%、「判断がつかない」は43・5%だった。戻らないは前回調査(昨年9月)よりも3・3ポイント下がり、戻りたいは0・3ポイント増えた。
 調査は1月に、全世帯5246の世帯主が対象で、3445世帯が回答した。回答率は65・7%。