2013年3月21日木曜日

原発・放射能ニュース 13.3.21~25

 

3.25 

電力業界:原子力委員NPOに1800万円 震災後
毎日新聞 20130325
 原子力委員会委員の秋庭(あきば)悦子氏(64)が設立したNPO法人に、東京電力や電気事業連合会など電力業界側が毎年多額の事業資金を提供していたことが分かった。原子力委員を巡っては東電出身の尾本(おもと)彰氏(64)が福島第1原発事故後も東電から顧問料を受領していたことが判明、安倍晋三首相が「国民の理解を得るのは難しい」と述べ、尾本氏は委員を辞任。秋庭氏が設立したNPO法人は原発事故後、東電や電事連から少なくとも1800万円受領しており、議論を呼ぶのは必至だ。
 このNPO法人は「あすかエネルギーフォーラム」(東京都中央区)。消費生活アドバイザーだった秋庭氏が01年に設立し、03年にNPO法人格を取得。101月の原子力委員就任に伴って秋庭氏は理事長を退き、顧問となったが、現在もNPO運営の相談にのっているという。
 東京都に提出されたあすかの事業報告書によると、0911年度に20004000万円余の事業収入があり、あすか関係者らによると、この多くは東電や、電力10社でつくる業界団体の電事連などからの提供だったという。このうち原発事故後の11年度は2283万円の収入があり、うち600万円余を電事連から受領し、東電から163万円余、日本原子力文化振興財団(原文振)から約250万円受け取っていた。
 原文振は原子力の知識普及を目的に、原子力産業界と学会を中心に設立された財団法人で、現在、中部電力出身者が理事長を、関西電力出身者が専務理事を務めている。
 あすかは12年度にも電事連から600万円余、原文振から約150万円を受領し、これらを合わせると、原発事故後に電力業界側から少なくとも1800万円を受領していた。非営利のNPOにもかかわらず、11年度末時点で3800万円余の正味財産がある。
 これらの資金を元に、あすかは主婦層を対象に原発や放射線などの勉強会開催や機関誌発行などの事業を展開。東電からは消費者アンケート事業を委託され、115月まで毎月80万円余受領し、0910年度は同事業で年間960万円余受け取っていたという。
 あすかはこの他、高レベル放射性廃棄物について国民の理解を得るための経済産業相認可法人の事業を下請け受注し、11年度には約1000万円が支払われた。この事業受注についてはある程度公開されているものの、東電と電事連、原文振からの資金受領は公開していない。
 あすかの事務局は「相手のある話なのでうちから名前は出せないが、私たちから『こういう事業をしたい』と言って、事業報告書を出している。あくまで中立に勉強する場を作るということで、電力業界の意向に沿った活動ではない」と説明。「秋庭氏は無報酬。情報や人脈があるので困った時に相談している」と話す。原文振は「提供資金の範囲内で活動してもらう『事業委託』という認識」、東電と電事連は「個別取引については回答を差し控えたい」と答えた。秋庭氏には再三取材を申し込んだが、応じていない。【杉本修作、町田徳丈、向畑泰司】
◇原子力委員会
 1956年設立。委員長と委員計5人で構成され、「原子力政策大綱」を策定する。福島第1原発事故後、組織の見直しが政府内で議論されている。原子力規制委員会の委員らには、過去3年間に原子力事業者から年間50万円以上の報酬を受け取っていない 研究室などへの寄付は公開する−−などの基準があるが、原子力委員にはない。

3.24 

電力9社、原発維持に1兆2千億円 12年度稼働は2基
朝日新聞 2013324
 【渡辺淳基、津阪直樹】東京、関西電力など原発を持つ9電力会社が2012年度に原発維持のために合わせて約1兆2千億円をかける見通しになった。国内の原発50基は関電大飯原発(福井県)の2基しか動いていないにもかかわらず、中国電力の1年間の売上高に匹敵する。原発はいったんつくると巨額の維持費がかかるためで、これらは電気料金に上乗せされて家庭や企業が負担している。
 原発のない沖縄電力を除く9電力の決算を朝日新聞が調べた。電力会社には「原子力発電費」という費用があり、原発を動かさなくても必要な維持・管理のための修繕費、そのための人件費などが盛り込まれている。9電力が12年4~12月に使った原子力発電費は計7876億円に達した。
 さらに東京、関西、中部、北陸、東北の5電力は原発専業会社の日本原子力発電(東京)から電気を買い、「購入電力料」として12年4月から半年間で計757億円を支払った。
 日本原電の原発3基は12年度はすべて止まっている。それでも5電力は長期契約を結んでいるため、日本原電の原発維持などのために払い続けている。


断層データ 電力頼み 規制委 独自調査 足踏み状態
東京新聞 2013324
 「四億円あれば、下北半島を輪切りにして調べられます」
 昨年暮れ、原子力規制委員会委員長代理の島崎邦彦(67)のもとに一通のメールが届いた。東北電力東通(ひがしどおり)原発の断層を調べる専門家チームの一人で、深い地下の構造調査を専門にする東京大地震研究所教授の佐藤比呂志(57)からだった。
 就任時に「自然の声に素直に耳を傾ける」と決意を述べた島崎。これまでのような電力会社の調査だけでは、都合のいいデータを集める危険性が高い。思惑が交じったのでは、とても「自然の声」を聞く調査にはならないと感じていた。
 青森県の下北半島には、六ケ所村の核燃料サイクル施設群をはじめ、数多くの原子力施設がある。学会では、半島東沖の長大な大陸棚外縁断層などの危険性が指摘されていた。
 そこで、島崎は佐藤に調査方法の検討を頼んでいた。半島をまたぐように東西五十キロにわたって陸と海から調べれば、半島全体の地下構造が解明できるとの心強い答えだった。島崎は「良い内容だ」と思った。
 島崎が独自の調査にこだわるようになった背景には、規制委の委員になる一週間前、自らが会長を務めていた地震予知連絡会の学者仲間から送られた言葉がある。
 「理学の代表として原子力政策を正しい方向へ導いてほしい」
 送り主は東大准教授の池田安隆(61)。一般的な激励のようにも見えるが、旧原子力安全委員会(廃止)の委員の一人として味わった怒りや無念を晴らしてほしい、との意味が込められていた。
 池田は二〇一〇年、安全委による東通原発の耐震審査に参加。大陸棚外縁断層の危険性を何度も指摘したが、東北電は聞く耳を持たなかった。安全委は、東北電のデータだけで判断し、形ばかりの審査だったという。
 島崎は規制委独自の下北半島の調査ができないか、規制委事務局内を回った。
 だが、事務方からは「予算がない」「本来は事業者がやるべき調査をこちらがやるのはどうか」など後ろ向きな返事が多く、島崎は壁に突き当たってしまった。調査方法を検討してくれた佐藤に、はっきりとした返事ができないでいる。
 島崎の構想が足踏みする中、東京電力福島第一原発事故後も、電力会社の体質は変わっていないことを世間に知らしめる出来事が起きた。
 二月十八日、東通原発をめぐる専門家チームの評価会合で、東北電は、初会合のときから開示を求められてきた地層データを催促されたが、「検討中」を繰り返して出そうとしなかった。
 さらには、敷地内に多数の活断層があることを前提に原発の安全性強化を図るべきだと指摘されたのに、会合後、東北電副社長の梅田健夫(63)は「活断層を否定するデータを追加調査で集める」と言い放った。
 都合の悪いデータは出さず、集めたいデータだけ集める-。電力会社の体質とともに、電力会社の調査頼みの規制委の限界をもまざまざと見せつける瞬間だった。
 島崎は下北半島の独自調査をあきらめてはいない。「(規制委として)自ら調べる力を持ちたい」とも言う。ただ、このままうやむやになるようでは、規制委もかつての甘い規制機関に逆戻りする。島崎に自然の声が聞こえる日も来ない。 (敬称略)
<大陸棚外縁断層> 下北半島の東方沖にあり、全長100キロを超える長大な断層。半島を西側に押し、地下深部に潜り込む活断層との指摘がある。断層が広い範囲で動いた場合、マグニチュード(M)8級の地震が起きる可能性が指摘されている。下北半島には、地下から押し上げられて隆起したとみられる海岸段丘など、断層が活断層である可能性を示す地形が多くある。

3.23 

セシウム17兆ベクレル流出か 原発港湾内濃度から試算
東京新聞 2013323
 東京電力福島第1原発の港湾内で海水の放射性セシウムの濃度が下がりにくい状態が続いていることに関し、汚染水の海への流出が止まったとされる2011年6月からの約1年4カ月間に、計約17兆ベクレルの放射性セシウムを含む汚染水が海に流れ込んだ恐れがあるとの試算を、東京海洋大の神田穣太教授がまとめた。 (日量約350億ベクレル 事務局
 東電は、11年4月に1週間で意図的に海に放出した汚染水に含まれる放射性物質の総量を、約1500億ベクレルと推計しているが、その100倍以上に当たる。
 神田教授は「現在も地下水や配管を通じて流出が続いている可能性がある。すぐに調査すべきだ」と指摘している。(共同)
 
使用済み核燃料税:柏崎市と東電、課税継続で合意 来年度から5年間/新潟
毎日新聞 20130323
 柏崎刈羽原発が保管する使用済み核燃料に対して柏崎市が課税している「使用済み核燃料税」について、市と東京電力は、来年度から5年間、課税を続けることで合意した。
 この税は市が03年度に創設し、毎年、使用済み核燃料1キロあたり480円を課税している。同原発には使用済み核燃料が2370トンあるが、課税対象は、このうち柏崎市内に位置する同原発14号機で保管されている1197トンで、税額は年約5億7500万円になるという。
 この税制度は条例の付則で5年ごとに見直すとされており、今年度で創設10年が過ぎるため、市と東電が交渉していた。市は「従来同様の課税をお願いした」。東電は「税の使途などで完全には見解が一致しなかったが、地域との共生を考えて継続に同意した」と話している。【高木昭午】




柏崎刈羽原発:重大事故を想定 1500人参加し初の訓練
毎日新聞 20130323
 東京電力柏崎刈羽原発(新潟県柏崎市、刈羽村)での重大事故を想定した初の大規模な原子力防災訓練が23日、行われた。約1500人が参加。原発から5キロ圏内の住民約350人が80100キロ離れた同県新発田市、糸魚川市、湯沢町の3カ所にバスなどで避難した。県の担当者が避難者を検査し、放射性物質汚染の有無を確認する訓練も実施した。
 福島第1原発事故を受け、県と原子力規制庁、東電、県内全30市町村などが共同で行った。震度6強の地震で原発が外部電源を喪失、原子炉1基が放射性物質の人為的な放出(ベント)に追い込まれ、5キロ圏内に避難指示が出されると想定した。
 原発から約7キロの原子力規制庁柏崎事務所のある建物には午前8時半、県や同庁職員、市町村関係者らが集まり、臨時の現地対策本部を設置した。実際の避難指示に代わる「訓練実施中」などと知らせる連絡が柏崎市、刈羽村内に電子メールや防災無線で流れた。県庁には原子力災害対策本部が設置され、泉田裕彦知事らが事態の進展に合わせて対策会議を開いた。【高木昭午】


4521時間のデータ未公表 県のモニタリングポスト
福島民友ニュース 2013年3月23日
 (福島)県が東京電力福島第1原発事故直後に大熊町の避難所に設置した可搬型モニタリングポストの測定データを消去していた問題で、事故直後から一昨年9月までの約半年間で、県内で計4521時間のデータが未公表だったことが22日、県の調査で分かった。このうち、38時間はデータ自体が未回収だった。
 県は同日、事故初期に他県から支援を受け県内に設置していた計14台の可搬型モニタリングポストの取り扱いについての調査結果を公表した。
 調査結果によると、未公表だったのは、川内村の2カ所の計4087時間分などで、同村のほか、田村市、飯舘村、いわき市、葛尾村の9カ所に設置されていた可搬型ポストのデータ。このうち、未回収だったのは、葛尾村役場に設置したポストで、一昨年4月10~14日の38時間分。
 データの未公表や未回収の原因について、県は他県から導入されたポストの記録や回収したデータの公表など、取り扱いに関するマニュアルや調査実施計画が整備されておらず、記録や保存が不十分だったこと、通信障害への対応の不備などを挙げている。


断層調査遅れ 4月末に…志賀原発で北陸電力
                                                                                                読売新聞 2013323
北陸電力は22日、志賀原発(志賀町)1号機原子炉建屋直下の破砕帯(断層)「S―1」に関する調査が、4月末へ1か月間遅れると発表した。当初、3月末までに計画分の調査を済ませ、追加調査が必要か判断する予定だったが、「現段階で判断や最終報告の時期のメドは立たない」としている。
 メーンとなる断層調査では、1号機原子炉建屋横に設けた深さ約40メートルの縦穴から、建屋下手前まで長さ約30メートルの横穴を断層に沿って掘りながら、直接S―1を観察する。調査が不十分と判断すれば、原子炉建屋下へ掘り進め、6月末までに最終報告を出す計画だった。
 22日までに掘り進んだ横穴は22メートル。1メートルごとに試料採取やスケッチを行い、掘り出した試料はCTスキャンなど新しい方法を取り入れて分析もしているため、予定より大幅に時間がかかっているとしている。原子力規制委員会にも遅れは伝えているという

3.22 

浜岡原発訴訟 「テロ、飛来物の対策は?」
中日新聞 2013322
原告側 中電に釈明求める
 静岡県内の弁護士らが中部電力に浜岡原発(御前崎市)の廃炉などを求めた訴訟は二十一日、静岡地裁で第八回口頭弁論があった。原告側は浜岡原発へのミサイル攻撃や航空機の墜落、隕石(いんせき)の落下に対する安全対策などについて中電側に釈明を求める準備書面を陳述し、弁論後の記者会見で「想定すべきリスクだ」と主張した。
 国の原子力規制委員会は、航空機衝突などによるテロ行為を想定し原発の新安全基準案で「格納容器の破損による多量の放射性物質の放出を抑制するため、頑健な特定安全施設を設置する」などの対策を盛り込んでいる。
 中電側も弁論後に記者会見し、原告側からの求釈明に対し五月二十三日の次回期日までに準備書面を提出する方針を示した。これまで原発への落下物や飛来物の対策が争点になったことは「記憶にない」といい、中電側の釈明が注目される。
 浜岡原発をめぐっては、ほかに住民らが中電などに運転差し止めを求めた訴訟が東京高裁と静岡地裁浜松支部で争われており、東京高裁では七月に証人尋問が始まる見通しだ。
◆「原告の視察は今後も拒否」
 この日の弁論で原告側は、原告に名を連ねている袋井市の男性が浜岡原発の視察に参加しようとしたところ、中電から拒否されたことについて抗議した。中電の寺田修一法務部長は弁論後の会見で、今後も原告の視察を原則受け入れない方針を示した上で「原告とは法廷外でやりとりすべきでないと考えている」と述べた。

3.21 

高浜原発3号機MOX燃料を輸送 福島事故後は初
共同通信 2013321
 関西電力は21日、プルトニウムを燃料として使うプルサーマルを導入した高浜原発3号機(福井県高浜町)向けのプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料が、フランスから日本に輸送されると発表した。
 東京電力福島第1原発事故後、MOX燃料が輸送されるのは初めて。
 関電によると、東日本大震災後、フランスでMOX燃料が長期保管されている状況を解消するよう、同国側から要請があったためという。実際に装荷するかどうかは未定としている。
 
福島第一原発 停電、ネズミ原因か
東京新聞 2013321
 東京電力福島第一原発の使用済み核燃料プールの冷却などが同時多発の停電でストップした事故で二十日、問題の仮設配電盤の内部の壁に、焦げた跡が見つかった。その近くには、感電死したネズミらしき小動物もいた。東電は、小動物が配電盤に入り込んで端子に触れ、異常な電流が流れて事故につながった可能性があるとみて、さらに詳しく調べている。
 冷却装置など九つの装置が、二十日午前零時すぎまでにすべて運転再開した。約二十九時間も複数の重要装置が停止し続け、福島事故の発生後、最悪のトラブルとなった。
 東電は復旧を受け、社員ら約二十五人で本格的な調査を始めた。
 同日午後零時半ごろ、トラック荷台上の大きな金属箱に入った配電盤の扉を開け、内部に設置された端子などを確認したところ、箱中央付近の上部の内壁に焦げ跡があり、その下には、毛がちりちりに焦げた小動物の死骸が横たわっていた。
 小動物が配電盤内に入り込み、端子に触れて感電、異常が起きた可能性が高まった。
 仮設の配電盤は、二〇一一年三月の事故発生間もないころに設置された。応急的に用意した仮設だけに、箱の下部から3、4号機などに延びる電源ケーブルがじゃまをし、扉は密閉できない。薄いゴム状の幕をケーブルと扉の隙間に張り、雨風を防いではいるが、隙間は残る。ここから小動物が入り込んだとみられる。
 一方、1号機のプール冷却装置は、3、4号機とは別の送電網、別の配電盤から電気を受ける仕組みで、本来なら影響を受けないはずだった。
 しかし、仮設配電盤がつながっている送電網は、別の工事で使えない状態だったため、1号機側の送電網に一時的につながれていた。このことが事故の影響を広げた。
 東電は今後、プールの冷却装置など重要な装置は独立した二つの送電網に接続し、片方でトラブルが起きても停電しないように備えるとしている。
◆「事故でなく事象」東電、重大事の認識欠く
 東京電力は、福島第一原発で起きた停電事故のことを、発生当初から「事象」と呼び続けている。使用済み核燃料プールの冷却が二十九時間も止まるという重大事は、単なる出来事や自然現象なのだろうか。
 二十日の記者会見で東電の尾野昌之原子力・立地本部長代理に問うと、「『事象』か『事故』かは神学論争的な話」とした上で、「原子力の世界では、外部に放射性物質が出て、影響を与えるようなら事故だが、そうでなければ事故とは呼ばない」と言い切った。
 ただ、二年前、1、3号機の原子炉建屋で水素爆発が起き、土煙とともに放射性物質をまき散らした際にも、東電も政府も「爆発的事象」と言い続けていたのも事実。
 「事象」は深刻な事態を小さく見せようとする原子力関係者特有の言葉と受け止められることが多い。にもかかわらず東電がこの言葉を安易に使い続けていては、信頼を回復する日は遠い。 (加賀大介)
 

原発事故紛争 和解は1900件余り
NHK NEWS web 2013321
原発事故の損害賠償で、被害者と東京電力との和解を仲介する国の紛争解決センターにはおととしの設立からこれまでにおよそ5800件の申し立てがあった一方で、和解が成立したのは1900件余りにとどまっていることが分かりました。
国の「原子力損害賠償紛争解決センター」は、原発事故で被害を受けた人と東京電力の和解を仲介する目的で設立され、おととし9月から申し立てを受け付けています。
センターによりますと設立から今月18日までにおよそ5800件の申し立てがあった一方で、和解が成立したのは1900件余りにとどまっていて、審理期間は平均で8か月程度かかっています。
また、ことし1月は申し立てが240件だったのに対し、和解などで審理を終えた件数は331件で、初めて申し立て件数を上回りましたが、センターは今後、不動産の賠償が本格的に始まれば再び申し立ての件数が増えると予想しています。
センターは「今後、体制を強化して平均的な審理期間を4、5か月に短縮できるよう努力し、迅速な解決を目指したい」としています。