2023年6月7日水曜日

川内原発の運転延長を巡り県当局が初めて要請書案示す 鹿児島

 鹿児島県は川内原発の運転延長を巡って5日、住民説明会後に県民から意見を募集した後に、規制委が運転延長の可否を判断する前に、県として厳正な対応を要請するとして規制委及び九州電力へ提出する要請書案初めて示ました
 要請書案では「劣化を調べる新しい検査の開発や高度な安全対策を目指す」となっていますが、これは「現行では劣化の度合いを調べられないこと」を前提としたもので、「それでも運転を認める」という矛盾乃至欺瞞に陥っていることを示すものです。
 テストピースがなければ破壊検査をするしかありませんが、原子炉は鋳鋼製(溶接構造ではない。肉厚は20cmほど)なので一部をくり抜けば復旧は不可能なため現行では劣化度を検査する手段はありません。それに関して「新たな検査手段が開発されることを期待する」というのは、「ないものねだり」であって要求自体が非現実的というしかありません。
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川内原発の運転延長を巡り県当局が初めて要請書案示す 鹿児島
                       鹿児島ニュースKTS 2023/6/5
鹿児島県薩摩川内市の九州電力川内原発の運転延長を巡って、鹿児島県が原子力規制委員会に提出する要請書の案が5日、初めて示されました。
5日は、川内原発の運転延長について県当局が県議会議員に対し、県の専門委員会が科学的・技術的に検証した結果を説明しました。
川内原発を巡っては、現行の制度で1号機が2024年、2号機が2025年に40年の運転期限を迎えることから、九州電力は20年の運転延長を国に申請しています。
県の専門委員会は5月26日、「九州電力の特別点検は適正」とする検証結果を塩田知事に報告しました。
県は、14日に薩摩川内市で住民説明会を実施した上で、県民から意見を募集する予定で、その後、原子力規制委員会が運転延長の可否を判断する前に、県として厳正な対応を要請します。
5日の県当局の説明では、原子力規制委員会や九州電力へ提出する要請書案が初めて示されました
要請書案は、県の専門委員会による検証結果を踏まえたものとなっていて、説明を聞いた県議からは県民投票の実施や住民説明会について質問が出ていました。

宇都恵子議員(県民連合)
「(署名活動開始の)このタイミングでなぜ、県民投票をしない方針になったのか」
県の担当者
「県民投票より、記述式の意見募集が適当だと判断した」
小川美沙子議員(無所属)
「(意見募集で)県民の不安が多かった場合、結果を覆す判断はあり得るのか」
県の担当者
「募集した意見をみて、どのような対応ができるか丁寧に検討する」


川内原発運転延長 九電・規制委への要請書案 賛否どうする?塩田知事は… 鹿児島
                         MBC南日本放送 2023/6/6
川内原発の運転延長を巡り、鹿児島県は6日、九州電力と原子力規制委員会に提出する塩田知事の要請書案をホームページで公表しました。
塩田知事は今後、賛否を明言するのか?取材しました。
九州電力は、再来年にかけて40年の運転期限を迎える川内原発の20年の運転延長を原子力規制委員会に申請しています。
運転延長を検証する県の専門委員会は先月、九電が行った劣化状況の評価を「適正」とする報告書をまとめていて、県は6日、これをもとにした規制委員会と九電宛ての要請書の案をホームページで公表しました
案では、劣化を調べる新しい検査の開発や高度な安全対策を目指すことなど、「厳正な対応を要請する」としています。運転の賛否は示されておらず、今後の対応について塩田知事は…。
塩田知事)「(劣化の評価などは)適正に行われているということで、その点については(運転延長へ)ひとつの条件満たしている。可否というのかどんな言い方をするかは、これから推移を見極め検討する」

塩田知事は、早ければ10月ごろとされる規制委員会の判断を待って県の考えを示すとし、賛否を示すかどうかは明言しませんでした。