2023年6月24日土曜日

柏崎刈羽原発 「4つの改善事項は7月中に仕組みを整える」と東電社長

 東電の小早川智明社長が22日午前に開かれた「原子力規制委員会」の会合に出席し、運転禁止命令が続く『柏崎刈羽原子力発電所』で指摘されている“4つの改善事項”について「来月中をめどに仕組みを整える」と方向性を示しました

 社長が退出した後に引続き行われた規制委員会で、東電に原発を運転する“資格”があるかどうか「適格性」について、改めて判断することになりました。
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柏崎刈羽原子力発電所の再稼働を巡り「今後、東京電力の“適格性”についても再論議したい」原子力規制委員会
                         BSN新潟放送 2023/6/22
東京電力の小早川智明社長が22日午前に開かれた「原子力規制委員会」の会合に出席し、運転禁止命令が続く『柏崎刈羽原子力発電所』で指摘されている“4つの改善事項”について「来月中をめどに仕組みを整える」と方向性を示しました
東京電力・柏崎刈羽原子力発電所では「テロ対策の不備」が相次いで見つかっていたため、原子力規制委員会は核燃料の移動を“禁止”する事実上の運転禁止命令を出し、追加検査を行ってきました。
5月に行われた会合では、規制委員会が東京電力に対して指摘した27項目のうちの4項目がまだ改善できていないと判断され、検査の継続が決まっていました。
【東京電力 小早川智明社長】「トップが自ら、現地・現物を自分ごと化することで、現場の管理側と担当者や協力企業との距離を近づけることが大事だと考えている。まさにそれが私のミッション…」
小早川社長は今後の対応について説明するとともに、改善できなかった4項目については「7月中をめどに形を作っていきたい」と、不要な警報を減らすための訓練を行うなどの方向性を示しました。
【東京電力 小早川智明社長】「改善していく中身について説明を申し上げて、大きな方向性については原子力規制委員会の先生方と同意を得られたんだろうと…」

また、小早川智明社長が退出した後に引続き行われた原子力規制委員会の議論では、東京電力自身に原子力発電所を運転する“資格”があるのかどうかを問う、いわゆる「適格性」を改めて判断をすることになりました。
【原子力規制委員会 山中伸介委員長】「設置変更許可当時の適格性に関わる判断が維持できるかという観点から、『東京電力の適格性に対する判断』についての議論も行う必要もあると考えている」
2017年12月に原子力規制委員会は、東京電力の“適格性”について「運転を的確に遂行するに足りる技術的能力がないとする理由はない」と判断したうえで、柏崎刈羽原発の再稼働の前提となる審査合格を判断していました。

規制委員会は今後、東京電力が残り4つの項目を改善した場合、現在出されている「事実上の運転禁止命令」の解除の議論と合わせ、いわゆる「適格性」に関する当時の判断についても再び議論することも決定しました。
「適格性」の“再議論”については改めて評価するようにと、新潟県の花角英世知事からも直接、原子力規制委員会には求められています。