2014年9月27日土曜日

原発コスト支援策は脱「原発依存」に反し、自由化の流れゆがめる

 原発の電気料金を優遇する経産省の政策に対し、東京新聞、愛媛新聞などに続いて宮崎日日新聞も、26日、それは脱「原発依存」の方針に反するものでおかしいとする社説を掲げました。
 
 経産省の方針は、原発の発電コストが割高であることを認めたものであり、原発の建設や使用済み核燃料の処分、廃炉などに巨額の費用がかかり、さらに立地地域に投入される交付金や、事故に備えたコストなどを合算すると、原子力発電が経済的に成り立たないことは明らかであると述べています。
 
 26日の京都新聞も同趣旨の社説を載せました。
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(社説)原発支援策 脱「依存」の方針と逆方向だ
宮崎日日新聞 2014年9月26日
 政府は2016年の電力小売りの全面自由化に向けて、電力会社が原発で発電した電気に一定の価格を保証する制度を検討している。原発を特別に支援する仕組みで、政府の脱原発依存の方針と矛盾する上に、原発の発電コストが割高であることを認めた形だ。折しも東京では川内原発の再稼働をめぐって大規模な反対運動があった。事故時の避難計画の実効性を懸念する声は強く、直線距離で約50キロしか離れていない本県でも政府の支援策には無関心でいられない。
 
消費者に新たな負担
 経済産業省は、原発政策を議論する有識者会議で「基準価格」という制度を提案した。廃炉や使用済み燃料の処分などを含む原発の発電コストに基づき、電気料金の基準価格を定める。市場価格が基準価格を下回った場合は、差額を消費者が払う電気料金に上乗せすることを認める。逆に上回った場合は、消費者に差額を還元する。
 基準価格は政府と電力会社が決める。原発の発電コストが高くなっても電力会社は損を出さない。
 16年以降の電力自由化で、大手電力会社以外の異業種からの新規参入が進めば、電気料金の値下がりが期待できる。そうなれば、原発の建設や使用済み核燃料の処分、廃炉などに巨額の費用がかかる原子力エネルギーは、コスト面で立ちゆかなくなる恐れがある。電力会社は原発の維持が難しくなると訴えており、基準価格はこの事態を回避するのが狙いだ。
 経産省は同時に、原発の廃炉による経営への影響を緩和するための新たな制度も検討している。実現すれば、電力会社は安心して原発を稼働でき、原発の新増設や建て替えもしやすくなる。しかし、なぜ消費者に新たな負担を強いてまで、原発への手厚い優遇措置を導入しようとするのだろうか。
 
膨大なコストは明白
 政府が4月に閣議決定したエネルギー基本計画は「原発依存度は、省エネルギー・再生可能エネルギーの導入などで可能な限り低減させる」と明記している。だが基準価格などの制度は逆方向だ。
 立地地域に投入される交付金や、事故に備えたコスト、使用済み核燃料の処分や廃炉のコストを考慮すると、原発は火力発電などに比べてむしろ割高だといわれてきた。政府はそれを自ら認めたといえる。過酷事故が起きた後の事故処理や賠償などの膨大なコストを考えると、原子力発電が経済的に成り立たないことは明らかだ。
 原発維持を前提として特別扱いするのは、電力自由化を否定するものであり時代に逆行している。
 九州電力が再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度に基づく契約の受け付けを25日から中断し、県内では事業者や推進する自治体から困惑の声が上がる。九電は川内原発とは「関連性はない」と強調するが、自然エネルギーの普及に水を差し、結果として原発依存に回帰しないか注視したい。
 
 
国の原発優遇案  自由化の流れゆがめる 
京都新聞 2014年09月26日
 原発を優遇し、将来に向けて維持していこうとする政府の姿勢があからさまになってきた。
 電力の完全自由化後も電力会社が原発の新増設や建て替えを容易にできるよう、発電した電気に一定の価格を保証する制度の導入を経済産業省が提案し、総合資源エネルギー調査会原子力小委員会で議論している。
 だが、価格保証は料金競争を促す自由化の趣旨に反するだけでなく、「原発は安価」としてきた従来の政府の見解とも矛盾する。原発をなぜ特別扱いするのか、納得のいく説明をすべきだ。
 電力会社は発電費用を電気料金に転嫁させる総括原価方式と地域独占の制度に守られ、原発に必要なコストを回収してきた。しかし2016年度に予定される電力小売りの完全自由化で地域独占は失われ、将来は総括原価方式も撤廃される。
 そうなれば、電気の市場価格が下がり、廃炉や建て替えなど原発関連の巨額投資を電力会社が回収できなくなる可能性がある。このため原発を保有する電力会社が新しい支援制度の整備を要請し、経産省が応じる形となった。
 経産省によると、廃炉や使用済み核燃料の処分に必要な費用を含む基準価格を設定し、自由化が進んで市場価格が下回った場合、差額を電気料金に上乗せするなどして補うという。
 だが、電力システム改革は大手電力の地域独占をなくし、料金競争を促すのが目的のはずだ。原発による電気を価格保証することになれば、公平な競争を妨げ、消費者に新たな負担を強いることになる。国民的な議論と合意なしに進められる問題ではない。
 そもそもエネルギー基本計画は原発依存度を可能な限り低減させるとし、小渕優子経産相も就任後にそう明言している。その基本方針とも整合性がとれない。
 「発電コストが安い」という原発の優位性は、既に過去のものとなりつつある。米国の実績のあるエネルギー問題調査機関によると、福島第1原発事故後の安全規制強化などで原発の発電コストは、世界的には太陽光発電とほぼ同レベルになっている。
 安全性に加え、こうしたコストの変化にも目配りするなら、原発に固執しなければならない特別な理由はないはずだ。国民世論の多数は脱原発である。少なくとも原発に肩入れし、自由化が進む電力市場をゆがめるようなことはすべきでない。
 

2014年9月26日金曜日

九電が再生可能電力の購入を中断

 九州電力は25日、太陽光発電など民間で行っている再生可能エネルギー発電による電力の買取の受付を中断しました。太陽光発電の急増で供給力が需要を大幅に上回ると、自動的に発電所の発電が停止するなどの支障が出る恐れがあるので、今後他の電力管内への送電などを検討し、再生エネをどの程度受け入れられるか見極めるとしています。
 
 中断には、新規受入とともに申請済みの約7万件が含まれるということで、これまで電力の買取を予定して進めてきた民間企業等にとっては大問題です。
 
 太陽光発電は高価格ですが、買取分は全て電力料金に均して転嫁できるので電力会社に不利はなく、送電容量や夜昼の変動、需給のバランスなどの問題とされています。
 しかしそうした要素は当初から分かっていたことで、太陽光発電などの比率が外国に比べてまだ桁外れに低い段階で、本当に支障が生じているというのでしょうか。再生可能エネルギー発電量を抑制したいというのが本心であれば、許されないことです。
 
 東北電力も、再生可能エネルギー発電受け付けの中断を検討しているということです。
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九電、再生エネ購入中断 企業は多額投資 自治体も推進
東京新聞 2014年9月25日
 九州電力は二十五日、再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度に基づく契約の受け入れを、九州全域で中断した。対象は新規受け入れに加え、申請を済ませたが契約に至っていない約七万件も含める。十キロワット未満で自家消費している家庭用の太陽光などは対象外とした。
 九電によると、電力の安定供給には需要とのバランスを保つ必要があるが、太陽光発電の急増で供給力が需要を大幅に上回ると、自動的に発電が停止するなど支障が出る恐れがあるという。今後他の電力管内への送電などを検討し、再生エネをどの程度受け入れられるか見極めるとしている。
 太陽光発電は全国的に増えており、北海道電力や沖縄電力も購入に上限を設けている。今回の九電の中断を受け、政府は買い取り制度の見直しを加速させる可能性が出てきた。
 二十四日の記者会見で九電の山崎尚(たかし)電力輸送本部長は「電力を安定供給する責任があり、このまま無制限に受け入れられない。ご理解いただきたい」と述べた。申請中の事業者が計画見直しを迫られることが想定されるが、金銭面の補償はしないとしている。川内(せんだい)原発(鹿児島県)の再稼働と中断は「関連性はない」と強調した。九電は十月一日から七県で順次説明会を開く。
 九電によると、二〇一四年度から買い取り価格が下がったため、今年三月だけで過去一年分に当たる約七万件の申し込みが殺到した。
 買い取り制度では国の認定も必要で、九州の太陽光・風力発電の認定状況は五月末で千七百八十七万キロワット。鹿児島が四百三十四万キロワットと最も多く、次いで熊本、宮崎、大分と、この四県で九州全体の四分の三を占めている。
 
◆「川内原発より送電網を」
 再生可能エネルギーを使う発電事業や計画は九州各地で進んでおり、九州電力が買い取り契約の受け入れを中断した影響が広がりそうだ。買い取りを前提に多額の投資をしてきた企業や、導入促進を掲げる自治体もあり、関係者は「今更買い取れないなんて」と困惑している。
 長崎県佐世保市の宇久島では、京セラ(京都市)や九電工(福岡市)など五社が世界最大規模となる四十三万キロワットの大規模太陽光発電所(メガソーラー)建設を検討。二〇一五年度中の着工が目標で、受け入れの中断が長引けば影響を受ける可能性がある。
 京セラは今後開かれる九電説明会に出席する予定で、広報担当者は「情報収集を急ぎたい」と話す。
 四千キロワットのメガソーラー建設を目指している鹿児島市の男性(50)は会社を設立しことし三月、九電に新規契約を申請した。既に土地代などに約一億円を投資。男性は、再稼働へ手続きが進む川内原発を引き合いに「原発への投資ではなく、送電網に投資するべきだ。多くの企業が反発するだろう」と語気を強めた。
 二〇年度までに県内全家庭の電力消費量相当分を省エネで減らした上ですべてを再生可能エネルギーで賄う目標を立てているのが熊本県。県によると、着工していないメガソーラー計画が六件残ったままだ。村井浩一エネルギー政策課長は「全体の目標に大きな変更はない」とする一方で「県として再生エネ導入の旗振り役を担ってきたが、電力需給のバランスまで考えが及ばなかった」と肩を落とした。
<再生可能エネルギー> 太陽光や風力、水力などで生まれるエネルギーを指す。石油などを燃やす火力発電、ウランを燃料とする原発と異なり、資源が枯渇せず繰り返し使えるのが特徴。地球温暖化の原因になる二酸化炭素(CO2)の排出量も極めて少ない。ただ、政府によると、発電コストは火力や原子力より高い。政府は2012年、電力会社が再生エネによる電気を買い取る制度を義務化、普及を後押ししている。
 
 
東北電も受け付け中断検討 再生エネ買い取り
東京新聞 2014年9月25日
 東北電力の海輪誠社長は25日の記者会見で、再生可能エネルギーの電力を買い取る契約の受け付け中断を検討する考えを示した。これらの電力を優遇する「固定価格買い取り制度」が始まって以降、太陽光発電を中心に導入計画が急増。天候による出力変動に対応できず、電気の安定供給に支障が出る恐れがあると説明している。
 
 再生可能エネルギーでは九州電力が25日から九州全域での契約受け付けを中断しており、問題は各地に広がりそうだ。
 
 海輪社長は中断時期には言及しなかったが、太陽光や風力の伸びに関し「かなり厳しい状況で、対応策の検討を急ぎたい」と述べた。
 

学術会議が核ごみ放置は無責任と|楢葉の高線量箇所追加除染|甲状腺の医療費負担解消求める|もんじゅ年度内再開めざす

 日本学術会議は25日、「核のごみ」の最終処分に関し、高レベル放射性廃棄物の対策があいまいなまま、原発を再稼働するのは無責任などと指摘する二つの分科会の報告書を正式に公表しました。
◇      ◇
 環境省は24日、楢葉町の高線量箇所の追加除染を10月に開始する方針を明らかにしました。町議会議員は追加除染の基準の明確化を求めましたが、同省担当者からは明確な回答はありませんでした。松本幸英町長は「今後も毎時0.23マイクロシーベルト以上は徹底的な除染を求めていく」と述べました。
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 福島県で行われている18歳以下の甲状腺検査は無料ですが、19歳以上になると医療費は自費負担になります。このため福島県は、今後19歳以上になっても無料で検査や治療が受けられるように国に要求していくことを明らかにしました。
◇      ◇
 原子力開発機構は25日、事実上の運転禁止命令が出ている高速増殖炉もんじゅについて、これまで9月末までとしていた集中改革期間を来年3月まで延長する方針を明らかにしました。2014年度内の命令解除を目指すことになります。
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核ごみ対策放置は無責任 学術会議が報告書
東京新聞 2014年9月25日
 日本学術会議は25日、原発から出る「核のごみ」の最終処分に関し、新たに生じる高レベル放射性廃棄物の対策があいまいなまま、原発を再稼働するのは「将来世代に対し無責任」などと指摘する二つの分科会の報告書を正式に公表した。
 
 学術会議は2012年、廃棄物を回収可能な場所で「暫定保管」し、その間に最終処分の進め方で国民の合意を得るべきだと国に提言。今回の報告書を踏まえ、今後、この提言の具体化に向けた新たな提言をまとめる。
 報告書は、12年に提言した廃棄物の暫定保管や総量を管理する方針について、中立公正な組織を設けて社会的な合意形成を図る必要があると強調した。(共同)
 
 
環境省が楢葉の高線量箇所「追加除染」を10月開始へ
福島民友ニュース 2014年9月25日
 環境省は24日、楢葉町で行った直轄除染で効果の薄かった高線量箇所の追加除染を10月に開始する方針を明らかにした。いわき市で同日開かれた町議会全員協議会で示した。議員からは追加除染を行う際の基準の明確化を求める声が相次いだが、同省担当者は「一定の線量で一律に決めることはできず、局所的に線量の高い場所から取り組む」と述べるにとどめた。同省は今年3月末までに約2400世帯で除染を完了。4月から除染効果を確認する事後モニタリングを行っている。
  協議会で、同省は宅地の事後モニタリングの速報値を報告。8月13日までに終えた約4割の宅地の数値の測定結果をまとめた。高さ1メートルの空間線量は除染前の平均値毎時0.83マイクロシーベルトから0.34マイクロシーベルトに約59%低減し、「面的な除染効果はおおむね維持されている」と評価した。一方、松本幸英町長は協議会終了後、報道陣に「今後も毎時0.23マイクロシーベルト以上は徹底的な除染を求めていく」と従来の主張を繰り返した。
 
 
甲状腺検査の医療費負担解消へ 国に財政支援求める 県が方針
福島民報 2014/09/25
 東京電力福島第一原発事故を受け、当時18歳以下だった37万人を対象に実施している甲状腺検査で、県は経過観察診療などで生じた医療費を県民が負担することがないよう国に財政措置を求めていく。県は18歳以下の医療費を無料化しているが、19歳以上になった受診者の経済的負担が課題となっていた。鈴木議員の質問に鈴木淳一保健福祉部長が示した。
 甲状腺の結節やのう胞の大きさが一定以上で「B」と「C」と判定されれば、2次検査で血液や細胞を調べる。6月末現在、2次検査が必要な人は2237人で、検査結果が確定した人は1848人。このうち1225人が6カ月後または1年後の通常診療(保険診療)での経過観察となっている。
 現行の甲状腺検査では1次、2次検査の個人負担はないが、その後に通常診療に移行した人が19歳以上になれば原則として受診者が負担している。2次検査時点で18~21歳は計57人で、そのうち30人前後が自費で医療費を負担したと県はみている。
 県は甲状腺検査で生じた経済的負担を解消するよう環境省と復興庁に求めている。同省は「専門家会議の中で検討していく」と回答するにとどめている。
 甲状腺検査は6月末までに約30万人が受診した。甲状腺がんやその疑いと診断された人は104人で、がんと確定した子どもは57人。1人は手術の結果、良性だった。がんの疑いは46人。
 
 
原子力機構もんじゅ改革期間延長 年度内の命令解除目指す
東京新聞 2014年9月25日
 日本原子力研究開発機構は25日、大量の機器の点検漏れにより、事実上の運転禁止命令が出ている高速増殖炉もんじゅ(福井県敦賀市)について、9月末までと位置付けた集中改革期間を来年3月まで延長する方針を明らかにした。2014年度内の命令解除を目指し、今年11月に保安規定変更などを申請する。
 
 原子力機構は当初、9月末までの命令解除を目指していたが、原子力規制委員会が昨年5月、安全管理体制が整うまで運転再開に向けた準備を見合わせるよう命じた後も、機器の新たな点検漏れや、点検記録の不適切処理が判明するなど、トラブルや不祥事が相次いでいた。 (共同)
 

2014年9月25日木曜日

「今やっても遅くない」と新組織設立を提言

原子力規制委を退く委員の”重い言葉”
「今やっても遅くない」と新組織設立を提言
中村 稔 東洋経済  2014年09月23日
                                                  (編集局記者)
退任する委員とはいえ、非常に重みのあるメッセージだった。
 
原子力規制委員会委員(規制委)としての2年の任期を終了した島崎邦彦、大島賢三の両氏が18日、それぞれ退任会見を開いた。大島氏は原子力発電所周辺の自治体が策定する防災・避難計画について、規制当局と国家の防災専門組織が連携して積極関与している米国に比べ、「日本は(腰が)引けている」とし、日本でも同じような仕組みをつくって避難計画の実効性を高めるべきとの考えを示した。
 
元外交官である大島氏は、福島第1原発事故の国会事故調査委員会の委員も務め、規制委では海外規制当局との協力強化などを担当してきた。
 
日本と米国の違い
日本では現状、内閣府が防災・避難計画を所管し、各周辺自治体が策定している。規制委は策定において技術的サポートを行っているものの、原発の運転を許可する際の審査対象にはしていない。規制委の審査が最も進んでいる九州電力・川内原発周辺自治体の避難計画を含め、その実効性には専門家や住民などから多くの不備、不安が指摘され、「自治体へ実質丸投げ」の弊害として問題視されている。
 
避難計画の実効性を高めるには何が必要かとの記者団の問いに対し、大島氏は次のように答えた。
 
「米国では、原子力災害に限らず竜巻など自然災害も含めて所管しているFEMA(米連邦緊急事態管理庁)という組織があり、NRC(米原子力規制委員会)と協力しながら、自治体が策定する避難計画に相当突っ込んで関与して支援している」
 
日本版「FEMA」の設立を提言
大島氏は、「米国では一歩進んで、(原発運転の)ライセンスを出すときに、その避難計画が訓練も含めてきちんと行われることをFEMAと協力して確認する。そういう米国のやり方と比べると、日本は確かに(腰が)引けている」とも述べた。
 
そして、「日本でも規制委が(避難計画の)指針を作っているが、国のあり方とすれば、もっともっと突っ込んで関与したほうがいいのではないかと思う。“日本版FEMA”のような組織をつくってプロが関与していくことが、原子力災害だけでなく、今後激甚化が予想される自然災害、複合災害への対応としても必要ではないか。今やっても遅くはない」と、新組織の立ち上げを提言した。
 
原子力施設の安全性向上に必要な条件を、大島氏は3輪車にたとえる。前輪が「規制基準」、後輪が「事業者の安全文化」と「防災・避難計画」の2つだ。同様に、田中俊一委員長もかねてより「規制基準と防災は車の両輪」と表現し、防災・避難計画の重要性は強調しているものの、現状の法体系上、避難計画の実効性を評価する立場にはないとしてきた。
だが、米国を参考に現状の仕組み自体を見直すべきとする大島氏の発言は、規制委委員としての経験を踏まえたものだけに、重く受け止める必要があるだろう。
 

総被ばく線量、大きく減らず=13年度の福島第1作業員-規制委

時事通信 2014年9月24日
 原子力規制委員会は24日、原子力施設における2013年度の作業員被ばく状況などをまとめた報告書を公表した。事故対応が続く東京電力福島第1原発の作業員の総被ばく線量を示す集団線量は77.44人・シーベルトで、12年度と比べて2%弱の減少にとどまった。
 報告書によると、13年度に福島第1原発で被ばくした作業員は東電社員で延べ1693人、協力企業従業員らが同1万3053人に上った。個人で最大の被ばく線量は東電社員の41.9ミリシーベルト。平均被ばく線量で見ると、東電社員は3.2ミリシーベルトだったのに対し、協力企業従業員らが5.5ミリシーベルトと上回った。
 規制委事務局は「まだ下げられる余地があると思うが、東電の被ばく対策が不十分なのではないか」と指摘している。
 

トレンチ水の凍結止水は断念、地下水の浄化後法流もOKされず

 難航していたトレンチと建屋との接続部分のトレンチ内の水を凍結させる作業は、遂に完成の見込みが立たないのでギブアップすることになりました。
 今後はトレンチ内に水を張ったままセメントを流し込んで止水するということで、11月中旬からセメントを流し込み始め来年1月には作業を終えたいとしています。
 信じられないような長い回り道でしたが、山側の凍土壁工事を優先的に進めていたので、全体の工程には影響しないということです。
 
 それとは別に東電は、将来完成する凍土壁よりも外側の、護岸から海側に2m行ったところに直径約1mの鋼管杭を並べて打って、全長800m弱の遮水壁をほぼ完成させました。これを有効に機能させるためにはその内側の地下水をドレンとして抜いて、浄化後海に放流する必要があるのですが、それはまだ漁業者からOKが得られていません。
 本来であれば着工前に全体の構想を説明して、予め了解を得ておくのが筋なのですが、反対されて着工が出来なくなるのをおそれて、完成間近になってから相談をかけたのでした。しかし東電の作戦は上手く行かずにOKが得られないまま頓挫しています。 
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トレンチ汚染水対策 方針転換へ
NHK NEWS WEB 2014年9月23日
東京電力福島第一原子力発電所で「トレンチ」と呼ばれる地下のトンネルに流れ込んだ汚染水の対策が難航している問題で、東京電力は汚染水を抜き取ったうえで、トレンチをセメントで埋めるとしていたこれまでの方針を転換し、汚染水が入ったまま、セメントを流し込むことを検討していることが分かりました。
汚染水の抜き取りを並行して行うため、「汚染水が漏れるリスクは小さい」としています。
 
福島第一原発では、「トレンチ」と呼ばれる地下のトンネルに高濃度の汚染水が流れ込み、地下水と混ざって海に流れ出していると見られています。
東京電力は当初、汚染水の一部を凍らせて止水したうえで、ことし7月から汚染水を抜き取る作業を始め、その後トレンチをセメントで埋める計画でしたが、現在も十分に凍らず、汚染水が抜き取れない状態です。
このため東京電力はこれまでの方針を転換して新たに開発した特殊なセメントを汚染水が入ったままのトレンチに流し込み、トレンチを埋める作業と汚染水を抜き取る作業を並行して行うことを検討しています。
東京電力は「この作業によって汚染水が漏れるリスクは小さい」と説明していて近く、この方針を原子力規制委員会に示したうえで11月中旬からセメントを流し込み始め、来年1月には作業を終えたいとしています。
一方、福島第一原発では汚染水対策の一環として1号機から4号機の周囲の地盤を凍らせて建屋への地下水の流入を防ぐ「凍土壁」の建設が進められていて、トレンチの対策の遅れが建設に影響することも懸念されていますが、東京電力は「凍土壁の建設に影響はない」としています。
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海側遮水壁、月内運用困難 地下水放出、理解得られず
福島民報 2014年9月24日
 東京電力福島第一原発の汚染水対策の柱である海側遮水壁は98%まで完成したが、東電が目標とする今月中の運用開始は困難な状況になっている。「サブドレン」と呼ばれる陸側の井戸などからくみ上げた地下水を浄化して海洋放出することが運用開始の前提条件だが、漁業者の理解が得られていない。東電は放出への理解を求め、遮水壁完成を急ぎたい考えだが、先行きは不透明だ。
■根強い風評懸念
 海側遮水壁の運用開始を控えた東電は18、19の両日、くみ上げた地下水を浄化後に海に流す計画を、いわき、相馬両市で開いた説明会で初めて一般の漁業者に示した。しかし、出席者からは「浄化水とはいえ一度は汚染された水。風評対策は大丈夫か」「万一のトラブルはないのか」など反発する声が相次いだ。各会場とも、漁業者の理解を得ることはできず、次回の説明会の日程も未定となっている。
 東電は、サブドレンからの排水基準を地下水バイパスと同様に厳しくする方針だ。地下水バイパスでは、トリチウムの排出基準を法定放出基準(1リットル当たり6万ベクレル)の40分の1に当たる1500ベクレル未満に設定している。8月に行われたサブドレンの地下水の浄化試験では、トリチウムやセシウムなどの核種が地下水バイパスの排出基準を下回った。
 ただ、建屋に入る前の地下水バイパスと異なり、サブドレンからくみ上げる「一度汚染された水」への不安は根強い。東電福島復興本社福島広報部の担当者は「理解が得られるまで、丁寧に説明を重ねるしかない」と厳しい表情を浮かべる。
■前提条件
 政府、東京電力が放射性物質の海洋流出を大幅に防げると期待する海側遮水壁を完成させるには、遮水壁の内側(陸側)の地下水をくみ上げる必要がある。地下水をくみ上げずに遮水壁を閉じてしまうと、行き場を失った地下水の水位が上昇し、土壌に含まれる放射性物質と混じり合って汚染水が増加する懸念があるためだ。
 東電は運用開始が目前に迫った7月末、くみ上げた地下水を浄化後に海に流す計画を唐突に県漁連の幹部に示した。県原子力安全対策課は、漁業関係者らから理解を得られない背景には、東電の場当たり的な対応や見通しの甘さがあるとみている。同課の担当者は「汚染水対策は長期的な視点に立った計画策定が不可欠。丁寧な説明がなされていない」と指摘する。
■見えない国の姿
 漁業者への説明会には経済産業省の担当者が出席した。しかし、漁業者から上がった抜本的な風評被害への対策を求める声に、担当者が具体案を示すことはなかった。
 「全て東電任せで、政府の姿が見えない」。県や漁業者の間では、汚染水対策の柱の成否を左右する事態にもかかわらず、前面に出ない経産省に対する不信感も募る。
 県や漁業関係者からは、経産省が東電とともに地元への迅速な情報提供や説明を続けるよう求める声も上がった。
 一方、小渕優子経産相は7日、就任後初めて福島第一原発を視察し、廃炉や汚染水対策について「全体としてコントロールされている」との政府の認識をあらためて示した。だが、海側遮水壁をはじめとする対策の実施には、課題が山積しているのが現状だ。
【背景】
 東京電力は平成24年4月、福島第一原発港湾内に全長780メートルの海側遮水壁を設置する工事に着手した。護岸から海側2メートルの位置に長さ約20~30メートル、直径約1メートルの鋼製の円筒を海底に打ち込み、つなぎ目をゴムなどで埋める。最後は4号機の海側に円筒を並べ、護岸前に砕石を積み壁を閉じる計画だ。東電によると、港湾は現在、シルトフェンスと呼ばれる幕を張り、外洋への放射性物質の流出を防いでおり、周囲の海水の放射性物質に大きな変動は確認されていない。海側遮水壁の設置で、汚染水の港湾に流れ出るのを、より強力に防げるとしている。
 



2014年9月24日水曜日

<原発再稼働>反対集会で大江さん呼び掛け 亀戸中央公園

毎日新聞 2014年9月23日
 「さようなら原発全国大集会」が23日、東京都江東区の亀戸中央公園であり、九州電力川内(せんだい)原発(鹿児島県薩摩川内市)の再稼働反対などを訴えた。当初は東京都渋谷区の代々木公園を予定していた会場を、デング熱感染者の発生で急きょ変更したが、1万6000人(主催者発表)が集まった。
 
 川内原発を巡っては、原子力規制委員会が10日、再稼働の前提となる審査書を決定した。これに対し集会では、呼び掛け人の一人のノーベル賞作家、大江健三郎さんが「国民的な抵抗の声を上げねばならない」と呼び掛けた。また、反原発・かごしまネット代表の向原祥隆(むこはら・よしたか)さんが「一歩も引くことなく、再稼働を断念させよう」と述べると、大きな拍手が湧いた。
 集会後は「原発はいらない!」と書かれたプラカードを掲げて行進。長男(3)、長女(1)を連れて参加した練馬区の会社員、武井芙由子(ふゆこ)さん(31)は「福島の事故は人ごとではなく、再稼働などありえない」と話した。【大迫麻記子】
 
 
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       (本写真は「真実を探すブログ」から転載)