2015年9月23日水曜日

福島 甲状腺がん患者(女性)の実態

 週刊フライデー25日号が、甲状腺がんに冒された20歳の女性の悲痛な現状を報じました。
 
 女性は、高1のときにがんの疑いがあると分かり高3の夏休みに手術を受け、甲状腺の右半分と転移していた周囲のリンパ組織を切除しました。しかし大学に進学し最初の夏休みに福島県立医大で診てもらうと「ガンが再発」していて、10月の再手術で残っていた左半分の甲状腺とリンパ組織を切除しました(甲状腺は全摘出)。
 
 更に肺への転移も判明し、治療に専念するため大学も退学せざるを得ませんでした。
 女性の居住区は甲状腺がんの発生率が10万人当たり43人と、通常の100倍もの発生率で、彼女の2人の弟も甲状腺にのう胞があるということです。
 それでも県立医大の医師は発病と原発事故との因果関係は「考えにくい」としか言わないということです。
 女性は現在でも治療費は月に6万円も掛かっていて、「東電には退学した大学の学費ぐらい賠償してほしい」と語っています。
 
 福島の甲状腺がん調査の結果が報告されるたびに、国=県=医大は常に「がんの発病と原発事故との因果関係は考えにくい」と説明してきました。
 何故医大は科学的な公正さを捨ててひたすら国策に殉じようとするのでしょうか。
 相手が国であれ、企業であれ、個人であれ、そうした加害に見合う慰謝料乃至賠償金は「億」の桁を下回ることはあり得ません。
  国側に立つことがそうした被害者の権利を無に帰させているという事実に、なぜ医大は無関心なのでしょうか。
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(甲状腺がん リンパや肺に転移〜20歳女性 FRIDAYより) 
2度の手術も、リンパや肺に転移。弟2人も甲状腺にのう胞が…
福島原発事故後に甲状腺ガン 20歳女子の悲痛な日々
2015.9.25日号 フライデー
取材・文 明石昇二郎 
「小児甲状腺ガンという診断をうけたときは、『えっ!? なにそれ』という感覚でした。それまでなんの自覚症状もなかったんですから。ガンがリンパや肺にも転移し、その後2回も手術を受けることになるとは思っていませんでした」
こう明かすのは福島県中部(中通り地方)に住む、20歳の女性Aさんだ。
 
8月31日の福島県の発表によると、11年3月の福島原発事故発生当時18歳以下だった県民36万7685人のうち、甲状腺ガン、またはその疑いがあるとされた人は137人。発症率は10万人あたり37・3人で、通常の100倍近くも高い。とくに左ページ下の地図(不添付)で示した「汚染17市町村」の発症率は10万人あたり42・9人で、ガンが見つかったAさんも同地区内で悲痛な日々を過ごしている。
 
東日本大震災が起きた当日は、Aさんの中学校の卒業式だった。原発事故直後の3日間は外出をひかえていたものの、その後は通常の生活を続けていたという。
「県立高校への進学が決まっていました。事故から1週間後には、制服を注文するため母と一緒にJR福島駅前にあるデパートに出かけたんです。高校入学をひかえた子供たちが押しかけ、デパートは超満員。建物の外にまで行列がのび、私たちも30分ほど屋外で待たされました」(以下、ことわりのない発言Aさん)
当時は県内の空間放射線量が非常に高く、福島市内では毎時10マイクロシーベルトを記録していた。そうした事実をしらされず、Aさんはマスクをつけずに外出していたのだ。
 
通い始めた大学も再発で退学
翌年の夏休み。自宅近くで行われた県の甲状状検査で、Aさんに異常が見つかる。県からは「福島県立医大で精密検査をお願いします」との通知が届く。
「ノドが少し腫れていましたが、自分で気づかなかった。県立医大で2回目の精密検査を受けたときに医師から『深刻な状態だ』と告げられ、ガンであることがわかったんです。高校3年の夏休みに手術を受け、甲状腺の右半分と転移していた周囲のリンパ組織を切除しました」
 
だが、これで終わりではなかった。高校で美術部に所属していたAさんは「ウェブデザイナーか学芸員になりたい」という夢を持ち、卒業後、県外の芸術系大学に進学。入学後の健康診断で「血液がおかしい」との結果が出たのだ。
「夏休みに帰郷し、県立医大で検査を受けると『ガンが再発している』と言われたんです。治療に専念するため、通い始めたばかりの大学も退学せざるをえませんでした。10月の再手術では、残っていた左半分の甲状腺とリンパ組織を切除。甲状腺は全摘出することになったんです。肺への転移も判明し、術後しばらくはかすれた声しか出ず、キズの痛みを」こらえながらリハビリを続けていました」
 
生理不順にもなりホルモン剤を投与。今年4月には肺がん治療のため「アイソトープ治療」も受けた。放射性ヨウ素の入ったカプセルを飲み、転移したガン細胞を破壊するという療法だ。
「カプセルを飲む2週間ほど前から食事制限があり、大好きなお菓子も食べられません。飲み物は水だけ。カプセルを飲んだ後も3日間の隔離生活を強いられます。強い放射能のため周囲の人が被曝する可能性があるからです。お風呂に入るのも家族で最後。医師からは『トイレの水も2回流すように』と言われました」
 
Aさんは4人兄弟の長女で、第2人も「甲状腺に嚢胞がある」との診断を受けている。だが県立医大の担当医は発病と原発事故との因果関係は「考えにくい」としか言わない。
 
疫学と因果推論が専門の岡山大学大学院、津田敏秀教授が解説する。
「最も空間線量が高かった時期に、福島県では県立高校の合格発表が屋外で行われていました。生徒も線量の高さを知らされず無用な被曝をしていた。Aさんが暮らしている場所は、住民が避難していない地域で最大のレベルの甲状腺癌多発地域です。Aさんのケースも原発事故の影響である確率が非常に高い」
 
東京電力の回答はこうだ。
「事故で大変なご迷惑をかけていることを深くお詫び申し上げます。(病気に対する補償や謝罪のお問い合わせには)個別に伺い適切に対応します」(広報室)
 
現在Aさんは小康状態を保っているが、手のしびれや動悸が起きることもあり、月に一度の血液検査を継続している。

2015年9月22日火曜日

広野 国際フォーラムが閉幕 富岡町一部業務再開へ始動

 広野町で開かれていた国際フォーラム「『被災地・広野町から考える』~"幸せな帰町・復興"に向けて~」は最終日の20日、取りまとめのシンポジウムを行い閉幕しました。
 
 富岡町は町内での一部業務再開に向けて、20日、当面の事務所を置く町保健センターへの引っ越し作業を開始しました。
 10月1日に「復旧課」と「復興推進課」の業務を再開します。
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広野国際フォーラムが閉幕 古里の復興誓う
福島民報 2015年9月21日
 広野町の国際フォーラム「『被災地・広野町から考える』~"幸せな帰町・復興"に向けて~」は最終日の20日、取りまとめのシンポジウムを開き、「世界の多様な目で学び合うことが有意義であることを学んだ。今回得られた結果を発展させ、多様な交流を進める努力を続ける」とするメッセージを発信し、閉幕した。
 
 海外から招いた専門家や日本の研究者、ボランティア、町民ら約100人が出席した。期間中に開かれた15のワークショップの代表がそれぞれの成果を発表した後、「震災、原発事故の教訓」「今後、自分たちに何ができるか」をテーマに意見を交換した。
  メッセージでは、復興に向け必要な取り組みとして(1)可能な限り情報収集し、その情報を誰もが閲覧できる環境を整備する(2)より良い社会の在り方を住民と共に模索し、解決策を見つけ出す(3)住民の意見を適切に反映し実行するシステムを構築する-などを挙げた。国際フォーラムの成果も盛り込んだ。
  遠藤智町長は「国際フォーラムで新たなコンセプトを見いだすことができた。私たちは自立自助の精神で愛する古里を守り、必ず復興再生することを誓う」とあいさつし、メッセージを読み上げた。
  国際フォーラムは、広野の復興やまちづくりについて考えようと、国際フォーラム企画・運営会議が主催した。14日に開幕し、ワークショップや交流イベントなどを繰り広げた。
 
 
富岡町、地元で一部業務再開へ 引っ越し作業開始
福島民報 2015年9月21日
 富岡町は20日、東京電力福島第一原発事故で町内全域が避難区域になってから初めてとなる町内での一部業務再開に向けて、当面の事務所を置く町保健センターへの引っ越し作業を開始した。
  10月1日に業務を再開する「復旧課」と「復興推進課」の事務所がある楢葉町の双葉地方水道企業団内から専門の運送業者が机や椅子、パソコン、段ボール箱に詰めた書類などをトラックで搬送した。21日は電気・通信関係の配線作業を行う。
  町民への影響を最小限に抑えるため、大型連休中に作業を終える。10月1日には業務再開のセレモニーを開く。
  町保健センターは町役場に隣接している。現在、町は本庁を郡山市の町役場郡山事務所に置いている。

2015年9月21日月曜日

原発再稼働 反対が58% 74%が「避難できない」と

 東京新聞が加盟している日本世論調査会が12、13日に実施した全国面接世論調査で、政府が進める原発再稼働に反対の人が58%で、賛成の37%を大幅に上回りました。
 原発で事故が起きた場合、住民が計画通りに避難できるかどうかについては「できるとは思わない」「あまりできるとは思わない」が合わせて74%に上りました。
 再稼働に反対の理由は「原発の安全対策、事故時の住民避難などの防災対策が不十分」(39%)が最も多く、「原発から出る核のごみの処分方法が決まっていない」「福島第一原発事故が収束していない」が続きました。
 2030年時点で総発電量に占める原発の比率を20~22%にするとした政府目標について、41%が「もっと下げるべきだ」、22%が「ゼロにするべきだ」としたのに対し、「もっと上げるべきだ」は5%にとどまりました。
 太陽光や風力などの再生可能エネルギーが占める比率を22~24%にするとの目標については、55%が「もっと上げるべきだ」と答えました。
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全国世論調査 原発再稼働 反対が58% 74%「避難できない」
東京新聞 2015年9月20日 
 東京電力福島第一原発事故を踏まえた新しい規制基準を満たした原発について政府が進める再稼働に反対の人が58%で、賛成の37%を上回ったことが、本社加盟の日本世論調査会が十二、十三日に実施した全国面接世論調査で分かった。
 
 再稼働した原発で事故が起きた場合、住民が計画通りに避難できるかどうかについて「できるとは思わない」「あまりできるとは思わない」が計74%に上り、「ある程度」を含め「できる」とした計25%を大きく上回った。八月に九州電力川内原発1号機(鹿児島県)が再稼働したが、事故への備えに懸念が強いことが浮き彫りになった。
 
 再稼働に反対の理由は「原発の安全対策、事故時の住民避難などの防災対策が不十分」(39%)が最も多く、「原発から出る核のごみの処分方法が決まっていない」「福島第一原発事故が収束していない」が続いた。賛成の理由は「電力不足が心配」(34%)が最多。若年層(二十~三十代)で賛成の割合が高く、地域別では近畿と四国で賛成が反対を若干上回った。
 福島第一原発の廃炉に向けた作業に関しては、「どちらかといえば」を含めて計87%が「順調でない」とした。
 
 二〇三〇年時点で総発電量に占める原発の比率を20~22%にするとした政府目標について、41%が「もっと下げるべきだ」、22%が「ゼロにするべきだ」としたのに対し、「もっと上げるべきだ」は5%にとどまった。一方、太陽光や風力などの再生可能エネルギーが占める比率を22~24%にするとの目標については、55%が「もっと上げるべきだ」と答えた。
 
 電源構成比率を考える上で最も重視することは「再生可能エネルギーの普及」が34%と最多。「電気料金」は最も少なく6%だった。
 【注】小数点一位を四捨五入した。
 
◆避難対策軽視に不信感
 政府が進める原発再稼働に58%が反対し、事故時に周辺住民が計画通りに避難できないと考える人が74%に上った。再稼働への反対理由でも住民避難の問題を挙げた人が多く、避難対策を軽視した再稼働に対する不信感がうかがえる。
 
 東京電力福島第一原発事故で住民避難が大混乱した教訓を踏まえ、国は防災対策の重点区域を原発の十キロ圏から三十キロ圏に拡大し、圏内の自治体に避難計画の策定を義務づけた。事故時にはまず五キロ圏の住民が避難し、五キロ圏外では測定される放射線量に応じて避難の判断をするとしている。
 こうした避難手順の実効性や、福島事故で死者を出してしまった入院患者らの避難対策に対する懸念は根強いが、八月の九州電力川内原発1号機(鹿児島県)再稼働前に県などが定めて国が了承した避難計画に基づく訓練は行われなかった。
 再稼働が見込まれる四国電力伊方原発(愛媛県)をめぐっては、原発と海に挟まれた半島に住む約五千人の避難などに不安の声が上がっている。再稼働の前提となる審査をした原子力規制委員会も「絶対安全とは言わない」としている以上、避難対策の充実は欠かせない。安易な再稼働は許されず、政府は住民らの声に真摯(しんし)に耳を傾けるべきだ。 (共同・宮崎雄一郎)

2015年9月20日日曜日

9月の例会は22日(火)です


22日(火)は9月の例会です

  下記により「原発をなくす湯沢の会」の9月の例会を行います。
 どうぞお出でください。
  
 と き   9月22日(火) 19:00~21:00 
 ところ  湯沢公民館 3階 会議室 または 1階 研修室 
         (詳細は事務室前の表示板をご覧ください)
 
 学習会のテキストは、「脱原発社会へ-電力をグリーン化する」長谷川公一(岩波新書) で、今回は第2章 「グリーン化」は21世紀の合言葉 の後半3~4です。
 
 会員外の方でも ご関心・ご興味がありましたら、どうぞお出でください。

原発運転40年ルールについて (小出裕章ジャーナル)

 今回の小出裕章ジャーナルは原発運転の40年ルールについてです。
 
 原子炉の鋼材は強烈な中性子照射を受けるので急速に劣化します。
 しかし中性子劣化の特性はまだ定量的に把握されていない(経験値がない)ので、実際の原子炉内に試験片を置いてその「脆性遷移温度」を測定することで、本体の劣化度を推定しています。
 
 鋼は低温になると延性(靭性)を失い脆くなりますが、新品の原子炉鋼ではその遷移温度はマイナス16℃です。それが中性子を浴びると急速に遷移温度が上昇し、九電玄海1号機での実測によれば、1年後⇒35℃、5年後⇒37℃、18年後⇒56℃、34年後⇒98℃でした。
 
 使用可能限度は業界基準で93℃なので34年後(2009年)で限度を大きく超えていますが、九電は試験片の位置が燃料により近いため実際の缶体はまだ大丈夫だと言うのみで、詳細については40年目の高経年化評価時にデータを公表するとして明らかにしていません。
 なお遷移温度が上昇するということは、緊急冷却で急激に温度を下げた場合、遷移温度に到達すると原子炉圧力容器が壊れる可能性があるいうことなので、何故93℃までなら支障がないのかも不明です。
 
 以下に小出ジャーナルの記事を紹介します。原文では「小出さん」となっていますが、ここでは「さん」は省略しました。
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原発運転40年ルールについて「正確な科学的な根拠というのはもとからなかったし、今でもないのです」
第141回小出裕章ジャーナル 2015年09月19日
谷岡理香: 原発の運転に関して、原則40年とするルールが見直される動きが出てきました。自民党の原発推進派議員で作っています電力安定供給推進議員連盟っていうのですが、この議員連盟が、原則40年の原発運転期間が妥当なのかどうか。再検討すること等を求める提言案をまとめました。理由がですね、運転期間の化学的な根拠が不透明、不明確だからということなですがどうなんでしょうか? 今日は、この原発運転40年のルールについて、小出さんに伺います。
    小出さん、宜しくお願い致します。
小 出 : よろしくお願いします。
谷 岡 : 早速ですが、この原発運転40年ルールの見直しを小出さんはどう受け止めておられますか?
小 出 : はい。もともと原子力発電所の原子炉が何年間使えるものなのか、実は科学的にはわからないことだったのです。原子力発電所を動かしていくと、原子炉圧力容器という原子炉の中心部分が中性子という放射線を被ばくし続けますので、どんどんどんどん私達、消費者脆化と呼んでいるのですが、脆くなっていってしまうのです。
    皆さんわかって頂けると思いますが、身の周りにある物で、例えば原子力発電所の原子炉もそうですけれども、金属というのは叩いたらへっこんだり、ギュッと曲げれば曲げたりすることができるわけですけれども。ガラスのように、バリンって割れてはしまわない物なんですね。そういう物を私達、延性、延びる性質と呼んでいます。ガラスのような物は脆性、脆い性質というふうに呼んでいるのですが、どんな物でも温度を低くしていくと、もともと延性だった物も脆性に変わってしまうという、そういう性質を持っています。
    原子力発電所の原子炉も含めて、鋼鉄というのは通常の状態であれば、通常の温度であれば、延性という状態なわけですけれども、原子炉が運転されて中性子に被ばくされていくと、どんどんどんどん脆性に近づいていくという、そういう性質を持っていて、常温で脆性になってしまう、ガラスのような状態になってしまうということになるということがわかっていたわけです。
    しかし一体、どれだけ中性子に被ばくをすると常温でガラスになってしまうのかということが、実はわからなかった。原子力発電所をやりながら、実際の原子力発電所を使ってテストをしているという、そういう状態で今日まで来ているわけです。ただ、原子力発電所を運転しようと思った当初は、たぶん40年だろうと思ったのです。
    ですから米国などは、初めから原子力発電所の寿命は40年と決めてずっとやってきました。そして、運転しながら、どこまで脆性に近づいてきたかという事をテストしながらきたわけです。そして米国では、なんとかまだもう少しはいけるだろうというように考えるようになって、40年を超えた原子力発電所もさらに20年間運転を続けてもいいというようなルールをつくって、確かもう10年ぐらい前だと思いますけれども、次々と40年を超えた原子力発電所の運転期間を延長するということをやっていたのです。
    日本の場合は、米国の私は属国と言ってますけれども、米国のやるようにやってきたわけですけれども。でも40年という数字を明確には決めていなかったのです。しかし福島第一原子力発電所の事故を受けて、原子炉等規制法を手直ししまして、原発の運転期間は基本的には40年と記しました。そして1回に限って、20年以内であれば運転延長を認めてもいいというような書き方にしたのです。むしろ、米国がもともとやっていたものに近づけたということになっています。
    たぶん、このまま私は続くと思いますけれども、今後また原子力をすすめるという勢力がどんどん巻き返しを図ってきて、例えば1回に限り、20年以内の延長ができるというような記載をもっと多数回にわたって運転延長ができるというようなことに書き換えるかもしれませんし、「20年以内ではなくて、いや、30年でもいいだろう」というようなそんな話にもなるかもしれないと、私は警戒しています。
    現に、経済産業省が4月に2030年の電源構成で原子力発電所が20%〜22%を占めるというような案をまとめたわけですけれども、それをもし実現しようとするならば、40年で原子力発電所を廃炉にするなんていうことでは到底できませんので、どんどんどんどん運転の延長を認めていくということになるだろうと、私は思います。
谷 岡 : ですけれども、その何となく40年のその見直しの理由として、科学的根拠が不明確っていうのは、小出さんはどういうふうに見ておられますか?
小 出 : はい。要するに、科学的根拠はもともと不明確なのです。
谷 岡 : ですよね。はい。
小 出 : 実際の原子力発電所を使って、どこまで脆くなっていくかということを実験してきているわけで、正確な科学的な根拠というのはもとからなかったし、今でもないのです。だんだんだんだん脆くなっていくという、その脆くなっていく程度を調べながらきてきましたし、これからもそうやっていくことになるわけです。
    ただし、確実に脆くなっていくということだけは確かなのです。ですから、どこまで脆くなれば我慢して運転していいのかということになってしまいますので、それも科学的な判断というよりは、むしろ社会的な判断、あるいは、政治的な判断で決まると思って頂くのがいいと思います。 
谷 岡 : まさに、その最後の政治的判断という言葉が重くこちらにのしかかってきましたが、その科学的じゃないっていうのであれば、まずは、科学的に原発の安全性について議論してもらいたいっていうのが、私達の気持ちですよね?
小 出 : そうですね。当然、原子力発電所がどこまで安全なのか、あるいは危険なのかということは、きちっと科学的に議論をしなければいけなかったのですが、福島第一原子力発電所の事故が起きるまでは、「とにかく原子力発電所だけは安全だ」と国も電力会社も言い続けてきたわけです。
    挙句の果てに、福島第一原子力発電所の事故が起きてしまったわけで、本当であれば科学的な議論をして、その科学的な議論の上に、どこまでなら本当に許容できるのかというような議論までする。そして科学的なテクニカルな議論だけではなくて、原子力というものに手を染めることによって、その他の社会的な問題、あるいは世代間を超えた危険の押し付けの問題とか、倫理的な問題がたくさんあるわけで、そういう問題というものも、この日本という国できちっと本当は考えるべきものだと私は思います。
谷 岡 : はい。小出さん、どうもありがとうございました。
小 出 : はい。ありがとうございました。
谷 岡 : 私達の暮らしや命を実験材料に使われたら、本当にたまったもんではありません。やはり当事者として声を挙げていかなければって思いますね。
    小出裕章ジャーナルでした。

福島第一原発の現状 : 地下水を海洋放出 (週報)

 東京新聞は福島第一原発の現況について、毎週1週間分をまとめて記事にしています。
 12日~18日の分が掲載されましたので紹介します。
 画像が小さくて読みにくい場合は記載のURLをクリックして原記事にアクセスして下さい。
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【福島第一原発の現状】 地下水を海洋放出
東京新聞 2015年9月19日
東京電力福島第一原発では、原子炉建屋周辺の井戸(サブドレン)からくみ上げて浄化した地下水の海洋放出を、十四日から始めた。高濃度汚染水がたまる建屋への地下水流入が大幅に減ると期待されるが、建屋周辺にあった水だけに汚染の厳重な監視と浄化が欠かせない。
 十八日までの放出量は、昨年試験的にくみ上げてあった約四千トンのうち計約三千三百十トン。今後、今月三日からくみ上げている水も浄化して放出する。
 井戸からのくみ上げにより建屋周辺の地下水が減り、建屋が浮き上がりにくくなったとして、東電は4号機前だけ未完成にしていた海側遮水壁を閉じる作業を再開した。東電は事故やトラブル時の通報基準や公表方法の改正案をまとめ、規制委員会に諮った。 (12~18日 週報) 
 
 
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2015年9月19日土曜日

甲状腺検査の助成、陳情を採択 那須塩原市議会

 下野新聞 2015年9月18日
 【那須塩原】市民団体「那須塩原 放射能から子どもを守る会」(手塚真子(てづかまこ)代表)が市議会に提出した市に甲状腺エコー検査の費用負担を求める陳情について、市議会放射能対策検討特別委員会(相馬義一(そうまよしかず)委員長、11人)は17日、賛成多数で採択した。陳情は28日の市議会本会議で採決される。
 
 東京電力福島第1原発の事故後、県内では日光市や那須町が甲状腺エコー検査費用の全部または一部を負担しているが、那須塩原市は地元医師会の意見などを基に負担を見送っている。
 一方で、守る会は原発事故で子どもの健康を懸念する保護者の不安などを軽減するため、市内の5歳以上の子どもを対象に2014年から独自の甲状腺検査を実施している。