2025年8月18日月曜日

原発事故でも逃げちゃダメ? 半径5~30キロ“屋内退避の原則”とは 「子どもだけでも」「避難後の生活が…」子育て世帯が抱える不安

 福島第1原発事故の際、放射線から子どもを守ろうと、自主的に避難した子育て世帯が多くいました。
 柏崎刈羽原発から半径5〜30キロ圏の長岡市などの住民は、事故時にはすぐに逃げず「屋内退避」をすることが原則となっています。しかし子どもを抱える親たちはその通りにとどまる積りでしょうか。
 新潟日報が子どもを抱える親たち実際にどうする積りなのかを聞きました。共通して言えることは親たちは木造家屋では放射能を防護できないことを自覚しているということです。
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原発事故でも逃げちゃダメ? 半径5~30キロ“屋内退避の原則”とは 「子どもだけでも」「避難後の生活が…」子育て世帯が抱える不安
                            新潟日報 2025/8/16
 2011年の東京電力福島第1原発事故の際、放射線から子どもを守ろうと、自主的に避難した子育て世帯が多くいた。東電柏崎刈羽原発から半径5〜30キロ圏の長岡市などの住民は、事故時にはすぐに逃げず「屋内退避」をすることが原則となっている。子どもを抱える親たちはその通りにとどまるのか、遠くへ逃げるのか-
    【地図】柏崎刈羽原発の避難準備区域(UPZ)などの範囲
 7歳と4歳の子を育てる長岡市の主婦、河内沙苗さん(45)は、 家族4人分の安定ヨウ素剤を、防災グッズや備蓄用の水と一緒に自宅に保管する。ヨウ素剤は、県が柏崎刈羽原発から半径30キロ圏内の希望する住民に事前配布した。河内さんは県の説明会に参加して受け取った。「原発で何かあったら、影響のある地域なんだなという意識はある」と話す。
 事故が起きたら、まずは屋内退避という原則も知っている。だが、子どもは大人に比べて放射線の感受性が高いとされている。
 河内さんは「どんな影響が出るか分からない。それなら安全性の高い方を選ぶ」。放射性物質が拡散する事態になれば、国からの避難指示がなくても、県外にある実家に避難する決断を下すだろうと考えている

▽「屋内退避の原則」に不満
 福島第1原発事故後に定められた国の原子力災害対策指針では、原発から半径5キロ圏内の即時避難区域(PAZ)、5〜30キロ圏の避難準備区域(UPZ)を設定。重大事故の際には、UPZの住民が屋内にとどまり、PAZの住民をスムーズに避難させる体制を取っている。
 「つまり、(UPZの)私たちは逃げては駄目だということですよね」。長岡市で子育て中の自営業女性(41)は、屋内退避の原則に不服そうな表情を見せた。
 木造の自宅にとどまることで被ばくから身を守れるとは思えず「気持ち的には逃げたい」と思う。ただ、「専門用語や数字を聞いても分からない。行政の指示を聞くしかない」と語る。
 PAZの住民が、放射性物質の放出が始まる前から避難を行うのに対し、UPZの住民が避難するのは、屋内退避後に放射性物質が拡散し、空間放射線量が上がった場合だ。長岡市の50代男性は「とどまって被ばくするくらいだったら、子どもと妻だけでも逃がすと思う」と語った。

▽「逃げた先」の生活に不安
 国は、福島第1原発事故の教訓として、病気の人や小さい子を連れての避難行動は、心身に負担を伴うといったリスクを説明する。一方で、内閣府の原子力防災の担当者は、原発事故時に屋内退避を求められているUPZ住民で避難を望む人がいることについて、UPZ外に避難することを必ずしも禁止してはいない」と語る。
 長岡市と同様にUPZに入る出雲崎町で地域おこし協力隊員として働き、2歳と0歳の娘を育てる北谷美穂さん(27)は「自分の判断で避難したとして、避難所に入れる保証もない」と話し、自宅にとどまることが現実的だと考える。
 福島第1原発事故で自主的に避難した人たちには、10年以上たっても故郷を離れて暮らす人もいる。北谷さんは「逃げて終わりではなく、その先の生活がある。逃げた方が不安だ」と話す。

〝革新軽水炉″ とは

 しんぶん赤旗の〝知りたい 聞きたい″のコーナーに「革新軽水炉って?」という記事が載りました。
革新型と称されていますが基本的な設計は従来のPWR(加圧水型子炉)と変わりはなく、新たな設備としては欧州で採用されているコアキャッチャーが追加される程度で、その他は上空からのミサイル攻撃に堪えるように屋根の部分を強化することなどが考えられます(それらはBWR(沸騰水型原子炉)においても全く同様です)。
 建設には1兆円100万KW)規模が必要とされていますが、欧州の実績では2兆円超で 地元はすさまじい電気代の値上げに見舞われているということです。
  注.日本はまだ詳細設計に入っているわけではないので、最終的には欧州並みのコス
    トが掛かるものと思われます。
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知りたい 聞きたい 革新軽水炉って?
                       しんぶん赤旗 2025年8月17日
 関西電力が美浜原発(福井県美浜町)の敷地で新増設を検討しているとされる「革新軽水炉」は、どんなものですか。(東京都・読者)

既存技術の延長上
 関電の森望社長は先月、会見で美浜原発の敷地での後織機設置の検討のため調査を開始すると発表しました。判断にあたって「革新軽水炉」の開発状況や規制の方針なども考慮するとしています。
 現在、日本にある発電用原子炉はすべて軽水炉です。軽水炉は核燃料の冷却や中性子の減速を普通の水(軽水)で行い、西日本を中心に運転している加圧水型炉(PWR)と東京電力福島第1原発のような沸騰水型炉(BWR)があります。
 森社長は会見で、検討中の革新軽水炉について「PWRの新しくなったもの」と説明しました。
 関電などPWRを利用する電力会社4社と三菱重工業は、革新軽水炉の一種とされる「SRZ-1200」の共同開発を進めており、基本設計はおおむね完了したといいます。これは、20万kw級の大型PWRで、建屋の耐震性を向上させ重大事故で炉心が溶融した場合に原子炉容器外に溶け落ちた炉心を捕捉する設備(コアキャッチャー)を備えるなど安全性を高めたとうたっています。しかし、基本的な設計は従来のPWRと変わりません。動かせば使用済み核燃料も増え続けます。
 原子力規制委員会は、革新軽水炉の規制の予見性を高めたいという、電力事業者などからなる団体の要請を受け、昨年、実務レベルの意見交換会を設置。SRZ-1200を対象に、検討を進めています。しかし、規制委はこの原発を「建て替え炉」と呼び、その理由を規制委の山中仲介委員長は「本質的には既存の技術の延長上にある」と説明。また、「現行の規制基準の枠内で審査ができるもの」との認識を示しています。
 建設には、1兆円規模が必要とされています。海外では、原発建設の長期化、高コスト化が顕著です。米国のボーグル3、4号機は昨年2基とも稼働しましたが、建設費は2基で4兆円を超え、地元はすさまじい電気代の値上げに見舞われています

 関電の森社長は会見で、原発建て替えには巨額となる投資回収の予見性確保が重要だとして、国に「事業環境整備」を求めていました。 

「最終処分場になりかねない」川内原発内の施設整備に市民団体が反対 鹿児島

 反原発の市民団体が、九州電力などに対して、川内原発での施設整備を行わないよう申し入れました。核燃料サイクルが稼働していない中で乾式貯蔵庫をを作れば、事実上の最終処分場になりかねないとして、川内原発敷地内で「乾式貯蔵庫をつくらない」「3号機や次世代革新炉を建設しない」ことなどを求めています。
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「最終処分場になりかねない」川内原発内の施設整備に市民団体が反対 鹿児島
                         KKB鹿児島放送 2025/8/15
原子力発電所に反対する市民団体が、九州電力などに対して、川内原子力発電所での施設整備を行わないよう申し入れました
【脱原発鹿児島フォーラム 下馬場 学・副代表】
「地震大国の日本や鹿児島県においては、事故が起こった場合にはリスクがあるのは分かっている」
九州電力は「核のゴミ」を保管する乾式貯蔵庫について、川内原発内での整備が技術的な検討の最終段階にあるとしています。
また5月には「次世代革新炉」の開発と設置の検討を表明しました。
市民団体は、核燃料サイクルが稼働していない中で乾式貯蔵庫を作れば、事実上の最終処分場になりかねないとして、川内原発敷地内で「乾式貯蔵庫をつくらない」「3号機や次世代革新炉を建設しない」ことなどを求めています。

玄海原発でドローンとみられる飛行物 九州電力が国に改善策示す

 7月に佐賀県の玄海原発でドローンとみられる3つの光が確認されたことを受け、九州電力が8月12日、対応の改善策を原子力規制庁に示したことが分かりました。
 九州電力は飛行物の発見から原子力規制庁への通報までに50分あまりかかっていて、改善策には、通報までの対応時間の目安を設けることなどが盛り込まれているということです。
 迅速な通報は勿論必要ですが、より重要なことは不審な飛行体の侵入時に原発が守れる体制になっているかの方でそちらを急ぐべきです。
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玄海原発でドローンとみられる光 九州電力が国に改善策示す
                          RKB毎日放送 2025/8/14
今年7月、佐賀県の玄海原子力発電所でドローンとみられる3つの光が確認されたことを受け、九州電力が対応の改善策を原子力規制庁に示したことが分かりました。
7月26日夜、佐賀県の玄海原発の上空で警備員4人がドローンとみられる3つの光を確認しました。
当時、九州電力は飛行物の発見から原子力規制庁への通報までに50分あまりかかっていて、連絡体制に課題があるとの指摘も出ていました。
九電は事前に定められた手順で通報したものの、課題があったとして、8月12日、原子力規制庁に改善策を示しました。
改善策には、通報までの対応時間の目安を設けることなどが盛り込まれているということです。
九電は「今後も関係機関と協議しながら事業所として対策を進めていく」とコメントしています。


玄海原発の上空に三つの飛行体、九州電力が7項目の検討課題を原子力規制庁に提示…緊急時の連絡態勢など
                            読売新聞 2025/8/15
 九州電力玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)の上空でドローンとみられる三つの飛行体が確認された問題で、九電が緊急時の連絡態勢など改善が必要な課題をまとめ、原子力規制庁に提示したことが分かった。
        【地図】玄海原発
 飛行体は7月26日午後9時頃、発電所の正門付近で警備員が確認したが、「原子力施設の運転に影響を及ぼす恐れがある」として、原子力規制庁に通報するまでに45分ほどかかった。
 九電が12日付で規制庁に提示した資料によると、通報までの即時性を改善するため対応時間の目安を設定することや、確定した情報かどうかを明確に伝えることなど、7項目の検討課題をあげた。今後、具体的な対策の検討を進める
 同庁の担当者は「ドローンかどうか、情報が二転三転してしまったことなど、情報発信の仕方も精査したい」と話した。
 九電によると、ドローンとみられる飛行体は発見できていないという。


玄海原発上空にドローンと思われる3つの光 九州電力が国に通報するまでの流れについて改善策示す
                        TBS NEWS JNN 2025/8/14
先月下旬、佐賀県にある玄海原発の上空でドローンと思われる3つの光が確認されたことについて、九州電力は国に通報するまでの対応に課題があったとして、改善策を原子力規制庁に示したことが分かりました。
先月26日、佐賀県玄海町にある九州電力の玄海原発の上空でドローンと思われる3つの光が確認されました。
九州電力は、当時、警備員4人が飛行物を確認、原発の運転に影響を及ぼす可能性がある核物質防護に関する情報にあたると判断し、原子力規制庁に通報していました。
飛行物の発見から通報までにおよそ50分かかっていましたが、原子力規制庁によりますと、九州電力は事前に定められた手順で通報したものの、課題があったとして、改善策を示したということです
九州電力は改善策として、▼通報までの対応時間の目安を設けることや、▼情報収集を強化する必要があるか判断するための基準を明確化することなどを示していて、原子力規制庁は通報や情報共有などの流れを検証するとしています。

18- 福島原発 28年度内までに高線量ガレキを屋内保管 11棟目の建設へ

 福島第一原子力発電所の屋外に置かれている高線量ガレキなどの廃棄物について、東京電力は「水処理で出た廃棄物など一部を除き、2028年度内までに屋外保管を解消」するとしています。東京電力はこれを屋内で安定的に管理するため、11棟目の施設の建設計画を原子力規制委員会に申請しました。これで必要量は確保できるとのこと。
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<福島第一原発>2028年度内までに高線量ガレキを屋内保管 “容量確保”11棟目の建設へ
                           福島テレビ 2025/8/14
福島第一原子力発電所の屋外に置かれている高線量ガレキなどの廃棄物について、これを屋内で安定的に管理するため、東京電力は11棟目の施設の建設計画を原子力規制委員会に申請した。
東京電力は「水処理で出た廃棄物など一部を除き、2028年度内までに屋外保管を解消」を目標として掲げていて、屋内保管に必要な容量はこの11棟目で確保できる見通しとしている。
福島第一原発には、2011年の水素爆発で発生した金属やコンクリートなどのガレキに加え、廃炉作業を進めるうえで発生した廃棄物などが屋外保管されている。東京電力は2028年度末の時点で約28万立方メートルの廃棄物を屋内施設へ保管する計画。
この全体量に対し、3分の1以上の容量を持つ「固体廃棄物貯蔵庫」の11棟目は、“地上5階・地下1階” で整備される計画で、2027年度以降の完成が予定されている。

2025年8月14日木曜日

11人死傷の美浜原発事故から21年 関西電力の社長らが再発防止誓う

 関西電力の美浜原発3号機21年前、11人の死傷者を出す熱水+蒸気噴出事故が発生しました。関電の幹部らは9日、現地で黙とうを捧げ、再発防止を誓いました。
 事故が起きたのは2004年8月9日、発電機を回した後の復水を通す配管の流量計オリフィス下流部が、水流作用により徐々に薄くなって破損したもので、約140℃の熱水と蒸気が噴出し作業員5人が死亡し、6人が重傷を負いました。
 同原発は運転開始以来28年間 一度も配管の検査をせず、配管が減肉していることを把握していませんでした。この事故をきっかけに原発の高経年化対策老朽化対策)の重要性確認され、機器・配管類の定期的な検査が励行されるようになりました。
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11人死傷の美浜原発事故から21年 関西電力の社長らが再発防止誓う 敷地内では“建て替え”に向けた地質調査の再開を表明
                    FNNプライムオンライン 2025/8/12
日本で最多の原発が立地する福井。関西電力の美浜原発では21年前、11人の死傷者を出す蒸気噴出事故が発生した。関電の幹部らは2025年8月9日、現地で黙とうを捧げ、再発防止を誓った。その美浜原発では現在、関電が新たな原発の建設のための地質調査の再開に向けて準備を進めている。2011年の福島第一原発事故以降、初めての動きとなる。
  【画像】美浜原発3号機の11人死傷事故は“ずさん”な管理体制が原因だった

事故を機に「安全の誓い」を刻む
美浜原発3号機で蒸気噴出事故が起きたのは、2004年8月9日。タービン建屋内で2次系配管が破損し、熱水と高温の蒸気が噴出。作業員5人が死亡し、6人が重傷を負った。
この事故では、運転開始以来28年間、一度も配管の検査をしていなかった関西電力のずさんな管理体制が浮き彫りに。この事故をきっかけに原発の高経年化対策、いわゆる老朽化対策が大きな課題となるなど、原発の安全性に対しての議論が高まった。
事故から21年がたった2025年8月9日、関西電力の森望社長らが「安全の誓い」が刻まれた石碑の前で黙とうを捧げた。
事故発生の1年後に、社員の目に入るようにと正門横に建てられた石碑には、次のような誓いの言葉が刻まれている。
【安全の誓い】
平成十六年八月九日、ここ美浜発電所三号機において 二次系配管が減肉管理の不備により破損に至り 十一名の方が被災されました
この事故の犠牲となり尊い命を亡くされた五名の方々に衷心より哀悼の意を捧げるとともに 事故の反省と教訓を深く心にとどめ 二度とかかる事故を起こさないよう 会社一丸となって取り組むことを誓います
                               平成十七年八月
                                関西電力株式会社

敷地内では原発“建て替え”の動き
美浜原発をめぐって関西電力は、敷地内での建て替えに向け、地質や地形などの調査を再開する意向を県や美浜町に伝えた。福島第一原発事故後に策定された原発の「新規制基準」に適合するかを確認することになる。
関電の方針を受け、中村保博副知事は「調査にあたっては、地元・美浜町に丁寧に説明しながら進めてもらいたい」と注文を付けた。
関電は、周辺住民に対しては直接説明すると共に、町民全体へはケーブルテレビなどを使って広報し、調査の詳細が決まったら全世帯を訪問して説明するとしている。

美浜原発は1号機と2号機の廃炉が決まり、稼働しているのは3号機のみその3号機も2025年12月には運転開始から49年を迎え、老朽化が進んでいる
関西電力は、廃炉が決まった1号機の建て替えに向けて2010年12月には町内の山道で動植物の調査を、2011年1月には敷地内を含む発電所北側の約0.5キロ平方メートルでボーリング調査などを行っていたが、福島第一原発の事故を受けて中断していた。
いま、なぜ地質調査が再開されるのか。背景には将来、増加が見込まれる電力需要への安定供給や脱炭素社会の実現に向けて原発の新増設が必要との意見が出ているからだ。
政府は2023年2月、GX=グリーントランスフォーメーションの実現に向けた基本方針を閣議決定し“化石燃料をできるだけ使わない方針”を示したことを皮切りに、2025年2月に改訂した第7次エネルギー基本計画では「原子力を最大限活用していくことが極めて重要」とし、廃炉を決めた原発のある発電所内で建て替えを進める方針を示している。
福島第一原発事故から14年。原発建設に向けた国内で最初の一歩となる。

「事故の反省と教訓を深く心にとどめ」どのように安全性の向上に取り組み続けるかも問われている。 

福島第一原発 敷地内のデブリ分析施設 完成1年あまり遅れ

 福島第原発の敷地内に初めて建設される燃料デブリの分析施設は、当初予定していた26年度中の完成から1年あまり遅れ、28年4月に完成する見通しとなりました。分析設備の一部について寸法や構造など設計の変更をすることで完成が遅れるということです。
 同施設では握りこぶし大の燃料デブリを最大で年間12回受け入れることができるということです
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<福島第一原発>敷地内のデブリ分析施設 完成1年あまり遅れ
                           福島テレビ 2025/8/13
福島第一原子力発電所の敷地内に初めて建設される燃料デブリの分析施設は、当初予定していた2026年度中の完成から1年あまり遅れ、2028年4月に完成する見通しとなった。
東京電力は2025年8月8日付でこの変更を原子力規制委員会に申請していて、申請内容によると、分析設備の一部について寸法や構造など設計の変更をすることで完成が遅れる見通し。2028年の運用開始を計画している。
福島第一原子力発電所の構内には、燃料デブリや放射能濃度が高い廃棄物の分析・研究を行う施設として「放射性物質分析・研究施設第2棟」の建設が計画されていて、この施設の整備・運用を行う日本原子力研究開発機構(JAEA)は、2025年3月31日にこの施設の建設工事に着工したと公表している。
施設の建設をめぐっては、3月25日に福島県が「検討の結果、適切に計画されていると評価した」として、東京電力に対して、安全協定に基づく建設の事前了解を通知した。
燃料デブリなど放射能濃度の高い物質を扱うことから、福島県は、周辺地域の安全確保などの要求事項を確実に実施するとともに、燃料デブリを含む放射性廃棄物の安全な処理・処分についての検討を進めて県外搬出の取組みを進めるよう東京電力に求めている。

同日に、福島第一原発が立地する双葉町、大熊町も、建設についての事前了解をしている。
この施設では、3号機で計画される燃料デブリの大規模取出しや、2号機での本格的な取出しで得られた燃料デブリの分析などが行われる計画。
JAEAによると、施設では握りこぶし大の燃料デブリを、最大で年間12回受け入れることができる見通し

14- 大量のクラゲ詰まり原発停止 フランス電力、冷却水ポンプに侵入

 フランス電力(EDF)は11日、グラブリーヌ原発の冷却水ポンプに大量のクラゲが侵入して詰まったため、原子炉の運転を停止したと発表しました。稼働中の4台がすべてクラゲで詰まったということです。EDFは「非常に珍しい」としています。
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大量のクラゲ詰まり原発停止 フランス電力、ポンプに侵入
                        共同通信 2025年08月12日
【パリ共同】フランス電力(EDF)は11日、フランス北部にあるグラブリーヌ原発のポンプに大量のクラゲが侵入して詰まり、原子炉の運転を停止したと発表した。原発の施設と従業員の安全、環境への影響はないとしている。近く再稼働の予定。フランスメディアによるとポンプは原子炉を冷却する海水を取り込むために使われている。
 EDFによると、原子炉6基のうち、10日夜に3基、11日に別の1基が運転を停止した。残りの2基はメンテナンスで停止中だった。

 クラゲの侵入による原発の停止について、EDFは「非常に珍しい」としている。フランスメディアによると、2013年にスウェーデンで3日間停止した事例がある。 

2025年8月11日月曜日

全原協が原発新設へ環境整備要請 安全規制や資金面で、経産相に

 全国原発所在市町村協議会の首長らは8日、経産省を訪れ、電力会社が原発新設に取り組めるよう安全規制や資金調達に関する環境整備を早期に進めるよう武藤容治経産相に要請しました。

 新原発の建設には莫大な費用が掛かることが知られているので、これまで「低い!?」とされてきた原発の発電コストも当然上昇します。
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全原協が原発新設へ環境整備要請 安全規制や資金面で、経産相に
                        共同通信 2025年08月08日
 原発立地自治体などでつくる全国原子力発電所所在市町村協議会の首長らは8日、経済産業省を訪れ、電力会社が原発新設に取り組めるよう安全規制や資金調達に関する環境整備を早期に進めるよう武藤容治経産相に要請した
 面会の冒頭、協議会会長を務める福井県敦賀市の米沢光治市長は、関西電力が美浜原発での新設に向けた地質調査を開始すると発表したことに触れ「建設期間を考えると速やかに具体化していかなければならない」と指摘した。
 武藤氏は「地域産業や雇用の維持発展に寄与し、地域の理解が得られるものに限り具体化を進めていく」と話し、次世代型原発の研究開発やサプライチェーン(供給網)強化に取り組むとした。

泊原発の再稼働反対を要請 北海道知事に市民団体

 泊原発3号機が原子力規制委の審査に合格したことを巡り、北海道の市民団体が8日、審査合格は安全を担保するものではないとして、鈴木直道知事に再稼働に同意しないよう要請しました。

 関連記事
 8月4日)「海底活断層の問題など…まだまだ審議続けるべき」泊原発3号機 安全審査合格に市民団体が抗議文提出
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泊原発の再稼働反対を要請 北海道知事に市民団体
                            共同通信 2025/8/8
 北海道電力泊原発3号機(北海道泊村)が原子力規制委員会の審査に合格したことを巡り、北海道の市民団体が8日、審査合格は安全を担保するものではないとして、鈴木直道知事に再稼働に同意しないよう要請した。
 団体は「泊原発を再稼働させない・核ゴミを持ち込ませない北海道連絡会」。原発沖合に活断層があると想定する調査があるのに北海道電が存在を認めていなかったり、敷地内で同社が活断層かどうかを調査していない箇所があったりするとして、「規制委の審査は科学的知見を十分に踏まえたものとは言えない」と主張している。

「緊張感高め安全管理徹底」 東海第2火災 原電、再発防止へ最終報告

 東海第2原発の中央制御室で2月に発生した火災を踏まえ、原電は8日、茨城県と東海村に再発防止策の方針をまとめた最終報告書を提出しました。県と村は、東海第2原発で2022年9月以降、火災が11件発生したことを問題視。今年2月に原電を厳重注意して安全管理の徹底を求めていました。
 なお2月に中央制御室の制御盤で発生した火災は、大容量のヒューズに交換したことで回路が保護されない状態になり抵抗器に異常発熱が生じたためと分かりました。極めて初歩的なミスです。
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「緊張感高め安全管理徹底」 茨城・東海第2火災 原電、再発防止へ最終報告
                          茨城新聞 2025年8月9日
東海第2原発(茨城県東海村白方)の中央制御室で2月に発生した火災を踏まえ、日本原子力発電(原電)は8日、県と村に再発防止策の方針をまとめた最終報告書を提出した。基本通りに各作業が確実に行われるよう現場の緊張感を高めるなど、早期に取り組む対策として3項目を挙げ、安全管理の徹底を図るとした。
県と村は、東海第2原発で2022年9月以降、火災が11件発生したことを問題視。今年2月に原電を厳重注意して安全管理の徹底を求めていた。
原電は3月に中間報告書を提出し、5月に最終報告書を出す予定だったが、同月30日に原子炉建屋内で12件目となる溶接用ケーブルの火災が発生。6月13日に2回目の報告をしたが、最終報告書は追加の検証をした後に出すとしていた。
最終報告書で、原電は過去2回の報告を踏まえ、安全な組織管理体制の再構築とそれを支える仕組みを作るために25の対策を上げ、このうち三つを早期に取り組むべき重要なものと位置付けた。
現場の緊張感を高める対策では、6月中旬に原電や協力会社のベテラン社員などで「火災撲滅推進チーム」を編成。1班3、4人で現場の安全確認を行いながら確認すべきポイントやノウハウを抽出し、それらを既存の各種安全パトロールの活動にも広げ、生かしていく
経営層による安全最優先の行動原則の浸透については、村松衛社長自らが全社員に対して随時、安全の徹底を呼びかける。リスクマネジメントの改善では初めての作業や久しぶりの作業、従来のやり方を変更する作業があるか、確認する過程を追加した。
最終報告に合わせ、原電は8日、石坂善弘副社長と坂佐井豊東海事業本部長が8月分の役員報酬30%を自主返上し、村松社長が7月に山口嘉温東海・東海第2発電所長を厳重注意したことも明らかにした。


社員操作ミスで異常発熱か 東海第2原発、2月の火災
                        共同通信 2025年08月08日
 日本原子力発電は8日、東海第2原発(茨城県東海村)で2月に中央制御室の制御盤で発生した火災の最終報告を公表した。大容量のヒューズに交換したことで回路が保護されない状態になり、社員の操作ミスで通電状態が続いた結果、抵抗器に異常発熱が生じ、炎と煙が出たと推定した
 原電によると、火災は2月4日に発生。制御盤から現場の弁の動作確認中、こぶし大の炎と煙が出たため、消火器で消した。放射性物質の漏えいはないとしている。
 再発防止対策として、現場経験が豊富な本店や敦賀原発(福井県敦賀市)を含めた社員と協力会社で構成する火災撲滅推進チームを編成し、現場の安全確認をするという

福島の除染土処分、月内に工程表 政府、県外候補地具体化へ

 就任後初めて福島第1原発を訪れた林芳正官房長官は10日、福島第1原発事故に伴い福島県に残る除染土の県外処分に向け、工程表を今月中に策定すると明らかにしました。政府は、中間貯蔵施設からの搬出に必要な施設の検討や候補地選定の条件などの具体化を進めることになります。

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福島の除染土処分、月内に工程表 政府、県外候補地具体化へ
                       共同通信 2025年08月10日
 林芳正官房長官は10日、東京電力福島第1原発事故に伴い福島県に残る除染土の県外処分に向け、ロードマップ(工程表)を今月中に策定すると明らかにした。同県大熊町で記者団の取材に答えた。政府は今後5年で取り組む課題を盛り込んだ工程表をまとめ、候補地選定条件の具体化に入る。
 林氏は10日、福島第1原発を就任後初めて訪れ、廃炉に向けた取り組みを視察した。東電の小早川智明社長らとの意見交換会も行い「安全かつ着実な廃炉、福島の復興は政権の最重要課題だ。安全確保を最優先し、廃炉作業を一歩一歩進めてほしい」と求めた。小早川氏は「廃炉と復興の両立に全力で取り組む」と述べた。林氏は、除染土を保管する中間貯蔵施設も訪れた
 1原発周辺では、除染で出た土や廃棄物計約1410万立方メートルを保管。法律は2045年3月までに県外で最終処分すると明記している。政府は、中間貯蔵施設からの搬出に必要な施設の検討や候補地選定の条件などの具体化を進める。

原子炉格納容器の「新・真空逃がし装置」、国内製品を12月に運用開始へ

 九州電力は7日、原子力規制委の審査会合で川内原発1号機の原子炉格納容器内の新たな「真空逃がし装置」の運用を12月に始める計画を示しました。従来は海外製の装置でしたがこれを国内製に変更するというもので、昨年12月に認可を受けまし

真空逃がし装置」と聞きなれない言葉ですが、検索すると「原子炉格納容器内の圧力が異常に上昇した場合に、圧力を下げて格納容器の破損を防ぐための設備」であり、通常の安全弁と同じ機能を持つものです
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原発に重要な「新・真空逃がし装置」、海外製から国内製に変更 九州電力、12月に運用開始へ
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 九州電力は7日、原子力規制委の審査会合で、川内原発(鹿児島県薩摩川内市)1号機の原子炉格納容器内の新たな「真空逃がし装置」の運用を12月に始める計画を示した。2号機は2026年3月を予定している。
 容器内圧の急激な変化による破損を防ぐ装置で、建設時から設置している。取り換え工事は10月に始める予定。
 九電によると、消耗部品の製造中止や技術指導員の高齢化に対応するため、海外製の装置を国内製に変更する。変更は24年4月に申請し、12月に認可を受けた。

11- 例会のおしらせ

  下記により「原発をなくす湯沢の会」月の例会を行います。

 どうぞお出でください。

   と き  12日(火) 19:00~21:00
   ところ  湯沢公民館 1階 研修室1
          (場所は事務室前の表示板でご確認ください)

 学習会のテキストは下記です。

 「新潟から問いかける原発問題ー福島事故の検証と柏崎刈羽原発の再稼働」
             池内了  明石書房 (24.4.20 2400円+消費税) 

2025年8月7日木曜日

客観性と信頼性のある県民意識調査を 原発再稼働巡って市民団体が県に要望

 新潟県が今月始める柏崎刈羽原発の再稼働に関する県民意識調査を巡り、市民団体が5日、質問の設定や調査方法について客観性や信頼性を担保するよう求める要望書を県に提出しました。

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客観性と信頼性のある県民意識調査を 原発再稼働巡って市民団体が県に要望、独自の調査も実施へ
                             新潟日報 2025/8/6
 県が今月始める東京電力柏崎刈羽原発の再稼働に関する県民意識調査を巡り、市民団体が5日、質問の設定や調査方法について客観性や信頼性を担保するよう求める要望書を県に提出した
 県は今月中旬にも意識調査を始め、9月末には結果を公表する予定。調査対象は県内全域で3000人以上、さらに原発から30キロ圏内で6000人以上とし、計9000人以上としている。
 要望書では原発周辺の地域で対象者を多くした根拠などを示すことや、調査の委託先を野村総合研究所に決めた経緯について説明を求めた。今後、市民団体は県の調査とは別に独自で意識調査を実施するという。
 5日に県庁で記者会見を開いた新潟国際情報大の佐々木寛教授は...
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原発に「ドローン」 空からの侵入対策強めよ (西日本新聞 社説)

 7月26日夜、玄海原発上空に三つドローン様の飛行体が約2時間にわたり侵入したことを受けて、西日本新聞が掲題の社説を出しました。
 ウクライナ戦争では爆弾を積んだドローンが攻撃用武器として使われているので、現行の対策を検証し上空の防護策を強固にする必要があると指摘し、電力会社だけでは限界があるので、国や警察と連携し実効性の高い対策を検討してもらいたいと述べています。
 国は早急に検討すべきです。
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【社説】原発に「ドローン」 空からの侵入対策強めよ
                           西日本新聞 2025/8/7
 原発への不法侵入を許せば重大な事態につながる恐れがある。電力会社と国は、上空の警戒態勢や侵入対策を強化すべきだ
 九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)で7月26日夜、上空に浮かぶ三つの光を警備員が確認した。独立して発光し、モーター音が聞こえたため、九電は3機のドローンだったとの見方を強めている。
 少なくとも2時間近く、周辺を飛行した可能性がある。原発と周辺地域の上空でドローンを飛ばすことは法律で禁止されており、佐賀県警が捜査している。
 原発がテロや攻撃を受けると、電力供給に支障が出るほか、放射性物質が漏れる危険性もある。原子力規制委員会は電力会社に原発構内への侵入や破壊行為を防ぐ対策を課している。
 今回の事案で再認識させられたのは、上空からの侵入に対する防護の難しさだ。
 国内で販売されているドローンの多くは、原発を含む飛行制限区域を飛べないように設定されている。それでも内蔵されたプログラムを書き換えたり、飛行制限を設定していない機体を使ったりすれば侵入は可能だ。
 玄海原発には佐賀県警の原発特別警備部隊が、ドローンを捕獲する資機材を備えて常駐している。とはいえ、広い敷地の上空にまで監視の目を広げるのは容易でない。夜間はより困難だろう
 原発は有事の際に攻撃対象になるため、防護策は国際的な課題である。ロシアがウクライナに侵攻し、ザポリージャ原発を占拠したのは象徴的だ。原発へのドローン侵入はフランスや米国などでも起こっている。
 電力会社はテロや攻撃の対策として、航空機が衝突しても安全を維持するための施設を整備している。海外でドローンが軍事作戦に使われている現状を考えると、現行の対策を検証し、上空の防護策を強固にする必要がある
 玄海原発の関係自治体などでつくる佐賀県原子力環境安全連絡協議会では、上空も見張れるように監視カメラの改善を求める意見が出た。
 電力会社だけでは限界がある。国や警察と連携し、実効性の高い対策を検討してもらいたい
 情報提供でも改善点が浮き彫りになった。九電は正体不明の光を確認すると、原発の運転に影響を及ぼす可能性があるとみて原子力規制庁に通報した。玄海原発から半径30キロ圏の自治体には自動音声電話などで連絡した。規定に沿った対応だった。
 しかし自治体から住民への周知は不十分だった。翌朝の報道を見て、初めて原発への侵入を知った人もいた。
 原子力規制委はホームページで公開した九電の通報内容を2度にわたり訂正した。
 原発上空への侵入に多数の人が不安を抱いただろう。正確な情報が速やかに共有できる仕組みが欠かせない。


急がれる「空からの攻撃への備え」玄海原発に“謎の物体”飛来【佐賀県】
                           サガテレビ 2025/8/4
7月26日の夜、玄海町の玄海原発で“ドローンと思われる3つの光”とされる不審な飛行物体が目撃されました。原発の安全は確認されたものの、正体や飛来の目的はわかっておらず専門家は空の警備を強化するよう警鐘を鳴らします。
【玄海町民】
「ドローンらしきものということで何の目的でそういうことをするのかなと」
「えたいがしれないから怖い」
7月26日、玄海町の玄海原発に突如現れた“ドローンと思われる3つの光”。
【玄海町防災安全課 日高大助課長】
「核物質防護事案が発生しましたということで連絡が入った。何が起きたんだろうというのが第一印象」
九州電力は「原子力施設の運転に影響を及ぼすおそれがある」として「核物質防護情報」の通報を初めて行なう異例の事態となりました。

「ドローンと思われる3つの光は最初あちらの正門付近で確認されたということです」
午後9時ごろ警備員4人が目撃し、その後常駐している警察の部隊も確認。
少なくとも2時間は原発の構内などを飛行していたとみられ、発電所の南側で確認されたのを最後に行方がわからなくなったということです。
ドローンを取り扱う事業者は「謎の光」についてこう分析します。
【アイテムドローン事業部 山本祐也部長】
「ドローンの場合は灯火がついている場合がほとんど。あとはモーター音がした、そういった話から察するに、ドローンの可能性は非常に高いんじゃないかなと」
2時間とされる飛行時間についてはー。
【アイテムドローン事業部 山本祐也部長】
「一般的に流通しているものでも大体最大50分〜1時間未満ぐらいの機体の方が多いので、一般人が買えるようなドローンではないのは事実かなと思う」
さらに、原発は国が法律で飛行を禁止しているエリア。
一般に広く流通している大手メーカーのものであればメーカーが制限をかけ飛ばせない仕組みになっています。
しかし今回飛行していることなどを踏まえると、謎の光がドローンだとしたら自作や規制外のものである可能性もあるといいます。
【アイテムドローン事業部 山本祐也部長】
「今回はかなり法に触れている感じはする。非常に多くの航空法違反の可能性というのはあるかなと」
全容は明らかになっていないものの、設備に異常はなく安全性に問題はないとする九州電力。
立地する玄海町は原発構内に落下物や不審物はなかったことに安堵する一方で、今回の事態に危機感を覚えています。
【玄海町防災安全課 日高大助課長】
陸上からの侵入は厳重に警戒されているが、上空からの飛来という対策が不足しているのかなと感じている。電力事業者・国など、そういうふうな対策もしっかり考えていただきたいなと思っているところ」
光る物体の飛来による被害は今のところ確認されていませんが、危機管理に詳しい専門家は今後、同様の事態が起こる可能性はあるとして、重要施設における“空の警備”の強化が喫緊の課題だと指摘します。
【日本大学危機管理学部 福田充教授】
「ドローンなどを監視したり撃ち落としたり捕まえるというような措置ができる体制は、まだ日本では整っていない。今回の事例がドローンであったかどうかは別にしても、空からの脅威に対して日本の危機管理を構築していくことは重要
玄海原発への“ドローンと思われる3つの光”の飛来で露呈した「空からの攻撃に対する脆弱さ」。
財政面や法整備などさまざまな壁はありますが、電力会社だけでなく国や自治体なども巻き込んだ対策への早急な着手が求められます。