関西電力が福井県内での設置を目指す使用済み核燃料の貯蔵施設を巡り、「2035年末までに県外搬出できない場合には使用済み核燃料を燃料プールに戻す」との方針に立地町などから懸念の声が上がっています。
24日の県議会予算決算特別委員会では議員が「内容の変更を求めるべきではないか」と質したのに対して杉本知事は「関電が“覚悟を示す”という考え方のもとに示したものなので、その中身について説明するのも、ほかの考え方に持っていくのも関西電力がしっかりと取り組んでいくべきもの」と答え、県が変更を求めるものではないとの認識を示しました。理由を関西電力に説明させれば済むことと思われますが…
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使用済み核燃料の県外搬出、期限内にできなければ「プールに戻す」批判上がる関西電力の方針 福井県は「関電が取り組むべきもの」変更求めず
福井テレビ 2025/9/24
関西電力が福井県内での設置を目指す使用済み核燃料の貯蔵施設を巡り「2035年末までに県外搬出できない場合には使用済み核燃料を燃料プールに戻す」との方針に立地町などから懸念の声が上がっていることに対し、県は、関電が自ら出した案であって、県が変更を求めるものではないとの認識を示しました。
関西電力は、県内の原発の敷地内に使用済み核燃料を一時的に保管する乾式貯蔵施設の設置を目指し、県に「事前了解願い」を提出しています。
その中で関電は、乾式貯蔵施設に移した使用済み核燃料を2035年末までに県外の中間貯蔵施設への搬出を開始できない場合には、使用済み核燃料を燃料プールに戻すとの考えを示しています。
この関電の対応方針について、22日に行われた県原子力環境安全管理専門委員会では立地町の町長らから安全性を懸念する声が相次ぎました。
また、24日の県議会予算決算特別委員会では議員が「内容の変更を求めるべきではないか」と質しました。
これに対し杉本知事は「関電が“覚悟を示す”という考え方のもとに示したものなので、その中身について説明するのも、ほかの考え方に持っていくのも関西電力がしっかりと取り組んでいくべきもの」と答え、関電が自ら考えて表明したことについて、県が違う案を求めるものではないとの認識を示しました。
「何でわざわざ戻すのか」関西電力の乾式貯蔵施設巡る対応を立地住民が疑問視 美浜町の原子力安全監視委員会
福井テレビ 2025/9/24
関西電力は、使用済み核燃料の乾式貯蔵施設について、自ら定めた期限内に県外へ搬出できなかった場合の対応について、24日、初めて美浜町の住民に説明しましたが、住民からは疑問視する声が上がりました。
美浜町の原子力環境安全監視委員会には、原発周辺の区長や漁家組合、観光協会から約20人が参加しました。
関西電力は、2035年末までに乾式貯蔵施設から県外の中間貯蔵施設へ使用済み核燃料の搬出を開始できない場合、元の燃料プールに戻すという対応を説明しました。
これに対し地元住民は「乾式貯蔵施設に貯蔵するときは搬出しやすいように横型にするのに、わざわざ戻すのは何でだ」といった疑問の声が上がりました。
また関西電力は、美浜原発の新しい原発の建設に向けた地質調査について、調査開始の11月ごろまでに町内の全世帯への説明を終えるとしました。