特重施設は航空機衝突などのテロ攻撃に備えて遠隔で原子炉を冷やす機能を持つ施設で、テロにより大惨事が起きることを防止するという考えかたに基づいています。
この特重施設は、発電所本体施設の計画認可時から5年以内に設置すると決められていましたが、これまでその期限に間に合ったのは1基のみでした。
そこで規制委は設置期限の起点を営業運転開始時に昨年変更しました。これにより柏崎刈羽原発6号機は31年4月まで運転が認められましたが、期限を過ぎた7号機は対象外で、施重施設完成まで運転できません。
ところで期間算定の起点を「計画認可時」から「営業運転開始時」に変更すれば、「最大5年間は特重施設が未完成でも原発を運転できる」ということになります。その間にテロによって制御室が破壊されれば、遠隔で原子炉の暴走を防ぐ手段がない状態での運転になるわけで、あまりにも無責任な考えというしかありません。
避難路の改善等が完成しないうちに原発を稼働させることは、原発事故で住民が被曝しても構わないという考え方に他なりません。
どちらも「その間は原発の重大事故は起きない」という安全神話が考え方の基本になっていて、「事故時も住民の安全は確保する」という考え方ではありません。
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テロ対策施設、間に合わず 規制緩和で、運転期間延長か 東電柏崎原発
時事通信 2026/4/17
約14年ぶりに営業運転を開始した東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)では、新規制基準で設置が義務付けられているテロ対策施設「特定重大事故等対処施設」(特重施設)の完成が遅れている。
6号機では2029年9月の設置期限に間に合わない恐れがあったが、原子力規制委員会が今月、特重施設の設置期限延長を決定。運転可能期間が延びる見通しとなった。
柏崎6、7号機は17年12月、規制委の審査に合格した。東電は最新の7号機から再稼働させる方針を示し、24年春には核燃料を搬入。地元同意手続きが済み次第、再稼働できるよう準備を進めていた。
ところが、工事の人手不足などを理由に昨年2月、7号機特重施設の設置期限内の完成を断念し、29年8月に延期した。6号機も同様に31年9月に遅らせたが、本体工事計画の認可から5年以内という設置期限まで時間的余裕があったことから、東電は6号機を先行させる方針に転換。昨年12月に地元同意手続きを完了させ、今年1月の再稼働にこぎ着けた。
特重施設は航空機衝突などのテロ攻撃に備え、遠隔で原子炉を冷やす機能を持つ施設。設置期限を過ぎた原発の運転は認められないが、これまでに完成した全国の原発12基のうち、期限に間に合ったのは1基のみだった。
そこで、規制委は今月、設置期限の起点を本体工事の計画認可時から営業運転開始時に変更する方針を了承。年内にも関連規則が施行される見通しとなった。
これにより6号機は31年4月まで運転が認められる。一方、期限を過ぎた7号機は対象外で、施設完成まで運転できない。