富山県と関西電力は15日、関西電力が県内の水力発電で発電し関西方面に送っている電力の一部を、県内に供給することを目指した包括連携協定を結びました。
関西電力は富山県内で、黒部川水系に12か所、庄川水系に14か所、神通川水系に1か所のあわせて27か所の水力発電所を所有しています。県内全体で149万キロワット余りを発電していて、そのほとんどを関西方面に送っています。
データセンターや半導体工場の誘致競争が全国で激しくなる中、クリーンエネルギーを利用できるかどうかが重視される傾向にあるということです。
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富山県と関西電力 電力供給目指す協定締結 半導体やデータセンター誘致に弾み
KNB北日本放送 2026/5/15
富山県と関西電力はきょう、関西電力が県内の水力発電で発電し関西方面に送っている電力の一部を、県内に供給することを目指した包括連携協定を結びました。
関西電力は富山県内で、黒部川水系に12か所、庄川水系に14か所、神通川水系に1か所のあわせて27か所の水力発電所を所有しています。県内全体で149万キロワット余りを発電していて、そのほとんどを関西方面に送っています。
県はきょう、関西電力とその電力の一部を県内に供給することを目指した包括連携協定を結びました。県では現在、半導体やデータセンターなど電気を大量に消費する産業の誘致に力を入れています。誘致にあたっては近年、環境への配慮からクリーンエネルギーを利用できるかどうかが重視される傾向にあることから、県はこの連携協定の締結を誘致の強みにしたい考えです。
富山県 新田知事
「いま半導体関連の産業も立地してきているところです。今また、お話しているところもたくさんあります」
「再生可能エネルギーの供給というのがポイントになることもあります。そんなことも含めて今回の協定に基づいて、関電さんといろいろな話をできればありがたいなと思っています」
富山県と関西電力が結んだ今回の協定は、富山県の電力をめぐる歴史的な転換点となる可能性があります。
現在、関西電力は富山県内の黒部川・庄川・神通川に多くの発電所を所有していますが、発電した電力のほとんどは関西方面へ送られています。特に黒部ダムの黒部川第四発電所は、戦後の関西圏の電力不足解消を目的に建設され長年、富山にありながら関西の電力需要を支えるものとなってきました。
県がこの図式を変えたいと考えるきっかけとなったのが「新たな電力需要」です。
データセンターや半導体工場の誘致競争が全国で激しくなる中、クリーンエネルギーを利用できるかどうかが重視される傾向にあります。再生可能エネルギーである水力発電を県内で活用できれば、企業誘致の大きな強みになる可能性があります。ただ電気事業法などのルールにより、特定の事業者などに電気を販売することはできないとされていて、これをどうクリアするのかが今後の課題だということです。
関西電力 藤野研一副社長
「最近GX産業の立地の話とか地域未来戦略とか、こういう話でそれぞれの地方なんかが独自の戦略を持ってやることを国が応援するという雰囲気になってきておりますので、今のタイミングで富山県さんと協力することによってその壁を少しでもクリアできるようになればいいなとこういうふうに思っています」
こうした産業面での活用の一方で、県はきのう、黒部宇奈月キャニオンルートのツアー概要も発表しました。電源開発の過酷な歴史を改めて考える機会にもして、地域の振興につなげていく必要があります。
黒四(クロヨン)電力を富山県内に…関西電力と包括協定へ データセンターや半導体工場誘致の起爆剤へ 再生可能エネルギーの “地産地消” めざす
チューリップテレビ 2026/5/16
富山県と関西電力は15日、エネルギーや産業振興に関する包括連携協定を締結しました。県は黒部川第四発電所など、関電が県内で発電し、関西圏に送っている電力を県内に供給する手段を模索していて、半導体やデータセンターなど大量の電気が必要となる産業の誘致を後押ししたい考えです。
富山県庁を訪れたのは県出身で関西電力の藤野研一副社長ら3人で、新田知事と包括連携協定の覚書を交わしました。
県と関電が締結した包括連携協定には、再生可能エネルギーの地産地消を目的とした仕組みの構築や県内の水力発電の活用検討が盛り込まれています。
富山県 新田知事
「今回の協定ですけども、富山県の地域資源を生かした再生可能エネルギーの地産地消を推進すること、GX関連産業の県内誘致や新規事業の創出の支援、地域の環境意識の向上などに取り組むこととしています」
関西電力 藤野研一副社長
「本協定を機に、持てる知見を、技術を総動員して、富山県さまとの取り組みを推進してまいりたい」
■県内供給が実現されれば史上初
現在、関電は黒部川第四発電所など、県内で発電した電力をすべて関西圏に送っていますが、県と関電は協定を機にこの電力を県内に供給する方策について本格的な議論をスタートさせます。
黒部ダムと黒部川第四発電所は戦後の関西圏の電力不足解消を目的に1963年に関電が完成させたもので、県内供給が実現すれば富山の電力史上初めてです。
県は半導体やデータセンターなど大量の電気が必要となる産業の誘致に力を入れていて、こうした施設には水力発電など再生可能エネルギーを供給できるかどうかを重視されるため、県内供給が企業側への大きなアピールポイントになります。
富山県 新田知事
「半導体産業はじめ、GX関連の産業はじめ、新しい企業誘致などに。あるいはさらに今話題のデータセンターなどの誘致にも資することになるんだと期待をしているところです」
電力の県内供給について「技術的な問題はない」とした藤野副社長。しかし、電力自由化に伴い新規参入の事業者に比べて発電設備が豊富な大手電力会社が電力を供給するにはその「優越的地位」が大きなハードルになると言います。
関西電力 藤野研一副社長
「例えば黒部川第四発電所の電気を全部われわれが持ってそれから特定のお客さまに送るとなってしまうといわゆる競争的優位な立場を利用してCO2ゼロの電気をいろんなお客さまに提供するということになりますので、それはまかりならないと」
藤野副社長は県と一緒に知恵をしぼり、今後、県内供給の実現に向けて国への要望も検討するとしています。