中部電力は25日、浜岡原発(静岡県)で廃炉作業中の1、2号機をめぐる工事資料の不適切な書き換えについて、新たに4件が判明し、計18件になったと発表しました。計8件で不正に費用請求していた可能性があるということです。
「計画通りでないと信用性を失い、費用の支払いをうけることが困難になる」との考えがあったほか、書き換えを指示した役職者に対し「逆らえない空気感」もあったということです。
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中部電の浜岡廃炉、不正書き換え18件に 上司に「逆らえない空気」
朝日新聞 2026/9/25
中部電力は25日、浜岡原発(静岡県)で廃炉作業中の1、2号機をめぐる工事資料の不適切な書き換えについて、新たに4件が判明し、計18件になったと発表した。計画通りに工事が進んでいると見せかけるため、実績と異なる報告をするなどしていた。費用がどの程度、過大に請求されていたかは調査を続ける。
廃炉をめぐる不適切な手続きは8月下旬に発覚した。経済産業省が事実関係や原因などの調査を求め、中部電力がこの日、報告した。
報告によると、書き換えがあったのは、中部電が2024年度に廃炉費用の証拠として「使用済燃料再処理・廃炉推進機構」(NuRO)に提出した工事報告書18件。書き換えてはいないが、中部電内のデータと合わない書類もあり、計8件で不正に費用請求していた可能性があるという。
中部電によると、書き換えにかかわった担当は6人。記入がなかった印影を加えるなどしたほか、工事が計画通りに進んでいると見せるために実績とは異なる内容を報告していた。計画の策定段階でNuROから多くの指摘を受け、「計画通りでないと信用性を失い、費用の支払いをうけることが困難になる」との考えがあった。書き換えを指示した役職者に対し「逆らえない空気感」もあったという。
浜岡原発の廃炉費用不正、中部電の体質に批判 静岡・御前崎市議会
朝日新聞 2026/9/26
【静岡】浜岡原発の廃炉工事費用をめぐる不適切事案について、中部電力は25日、御前崎市議会の原子力対策特別委員会に中間報告した。議員からは「安全を重視すべき組織なのに、そんなことでいいのか」などと相次ぐ不祥事に改めて企業体質を問う声があがった。
同社の説明では、「使用済燃料再処理・廃炉推進機構」に対して報告した2024年度の工事のうち、解体物量などを書き換える不正が8月公表の14件から18件に増え、8件で費用請求への影響があり得るとした。担当課長が書き換えを指示しており、動機について「計画通り報告しなければ費用が支払われなくなると考えた」と話しているという。
取材に応じた特別委の河原崎恵士委員長は「原子力を扱う事業者としての自覚や心構えが足りない。自覚があればこのようなことは起こらないはずだ」と批判した。(長橋亮文)
中部電力、浜岡原発の「再稼働申請」取り下げ…1・2号機の工事報告書の書き換えは4件増え「18件」に
読売新聞 2026/9/25
中部電力は25日、浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)3、4号機の再稼働審査について、原子力規制委員会への申請を取り下げたと発表した。また、廃炉作業中の1、2号機で判明した不適切な費用請求に関し、工事報告書の書き換え件数が、今年8月公表時から新たに4件増え、18件に上ることも明らかにした。
申請の取り下げにより、浜岡原発で2014年に始まった審査は白紙に戻り、再稼働への見通しはいっそう不透明となった。不祥事による再稼働審査の取り下げは初めてで、中部電は「信頼性に重大な疑義が生じている状況において、申請を維持することは適切ではない」などとするコメントを発表した。
浜岡原発を巡っては中部電が4号機は14年に、3号機は15年に再稼働に向けた審査を申請していた。ただ、今年1月に耐震設計の目安となる「基準地震動」のデータを不正に操作していたことが発覚。外部弁護士でつくる調査委員会の今月11日の報告を受け、再稼働申請に関する資料の信頼性に重大な疑義が生じたとして、14日の臨時取締役会で申請取り下げを決めていた。
一方、中部電は25日、8月に発表した浜岡原発1、2号機の廃炉作業に関する24年度分の不適切な費用請求に関し、報告書の内容が実際の工事状況と食い違っていたものが計18件に上ると発表した。中部電は報告書を基に、資金を管理する「使用済燃料再処理・廃炉推進機構」(青森市)に費用の請求を行っており、不正に受け取った金額の確定作業を進める方針だ。書き換えは原子力部門の担当者6人で行っていたという。
名古屋市で記者会見を開いた中部電の大塚温久・原子力部長は、不正の背景に、担当者の間に機構に提出した計画と実績を一致させなければならないとの認識があったとし、「(担当者に)自分を縛ってしまう発想があった」と述べた。