2018年3月4日日曜日

「雇用支援機構」が住宅からの立ち退き要求の訴訟

 時事通信が、昨年3月末無償提供が打ち切られ、「雇用支援機構』から立ち退きを要求されながら立ち退かずに闘っている、原発事故被災者の武田さんを取り上げました
 武田さんは「原因は国と東電にあるから支払う必要はない」と主張しています。
 国に、住める環境にないところに住むように強制する権利はない以上、住宅費支援は継続すべきです。
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避難者退去求め訴訟も 住宅無償提供打ち切り 山形・東日本大震災7年
時事通信 2018年3月3日
 東京電力福島第1原発事故の影響が長期化する中、避難生活をめぐる新たな問題が浮上している。2017年3月末に住宅の無償提供が打ち切られた後、山形県米沢市の雇用促進住宅に家賃を支払わずに住み続ける自主避難者8世帯に対し、住宅を所有する法人側が家賃支払いと立ち退きを求める訴訟が、山形地裁で続いている

 「東電や国に対する気持ちは言葉に表すことができません」。1月12日、提訴された1人、武田徹さん(77)が意見陳述する声が法廷に響いた。避難者側は請求棄却を求め争っている。「国と福島県に、住宅支援を再開するよう求めます」
 福島県郡山市に生まれ、高校の英語教師として働いていた武田さん。結婚を機に福島市に移り住み、40年以上暮らしたが、原発事故直後に避難した。東京や新潟を転々とした後、米沢市の雇用促進住宅に7年近く住む。住民票は「自分の原点」という福島市に置いたままだ。

 昨年3月末、毎年延長されてきた福島県からの無償提供が打ち切られた。住人の多くは家賃を支払う契約に切り替えたが、武田さんらは「原因は国と東電にあるから支払う必要はない」と主張。一方、原告側の独立行政法人「高齢・障害・求職者雇用支援機構」(千葉市)などは「他の居住者との公平・公正性が保てない」としている。
 武田さんは「困っている避難者に『一人一人が声を上げるべきだ』と伝えたかった」として、家賃を支払う経済力はあるが、あえて無償で住み続けることを選んだ。昨年12月と今年2月には、裁判以外での解決や支援の再開を求める計約1万7000人分の署名を国と福島県に提出している。
 機構によると、同様の訴訟は埼玉県や山梨県でもあり、立ち退きを命じる判決が確定した。福島県は昨年12月、仮設や借り上げ住宅を無償で利用し続ける自主避難者3世帯を提訴したほか、8世帯について提訴や調停の申し立てを予定している。