2018年3月31日土曜日

高浜原発差し止め却下 ミサイル攻撃の具体的危険はないと大阪地裁

 運転中の関電高浜原発3、4号機が、北朝鮮のミサイル攻撃を受ける恐れがあるとして、関電を相手に運転差し止めを求めた仮処分申請で、大阪地裁は30日、申し立てを却下しました。
 却下の理由は、「ミサイル攻撃具体的危険があるとは言えない」とか、「北朝鮮がミサイル攻撃するか、高浜原発を狙うか、狙った場合に着弾するかは明らかでない」というものですが、一体、仮に北朝鮮に高浜原発攻撃の意図があったとしても、そんなことを公にするものでしょうか。

 またいつなん時突如として朝鮮半島で戦端が開かれるかも知れず、事態は全く予断を許しません。
 現実に安倍政権はミサイル攻撃のおそれがあるとして避難要領の周知を図り、地域によっては避難訓練までさせている中で、逆に、高浜原発だけはその目標から除外されるという根拠があるというのでしょうか。危険が迫ってから原発を停止させればよいというのは救いがたい認識不足です。。
 大阪地裁の論拠に従えば、ミサイル攻撃への防御策を講じていない原発でも問題はなく、攻撃される可能性は常に除外されることになります。
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高浜原発差し止め却下 ミサイル攻撃「具体的危険ない」 大阪地裁
時事通信 2018年3月30日
 運転中の関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)は北朝鮮のミサイル攻撃を受ける恐れがあるとして、大阪府内の女性が関電を相手に運転差し止めを求めた仮処分申請で、大阪地裁は30日、申し立てを却下した。森純子裁判長は「具体的危険があるとは言えない」と判断した。
 森裁判長は決定で、政府が武力攻撃事態などの認定をしておらず、北朝鮮が近い将来、日本をミサイル攻撃するかどうか明らかでないと指摘。自衛隊に迎撃態勢を取らせる破壊措置命令を常時発令していることも、「武力攻撃の具体的危険や高浜原発に飛来する恐れを前提にしていない」とした。

 差し止めを申し立てた水戸喜世子さん(82)は「私の疑問に答えていない」と決定を批判。関電は「今後も立地地域をはじめ社会の理解を賜りながら、運転保全に万全を期していく」とした。


高浜原発、運転差し止め認めず ミサイル巡り大阪地裁
日経新聞 2018年3月30日
 稼働中の関西電力高浜原子力発電所3、4号機(福井県高浜町)を巡り、北朝鮮からミサイルで攻撃されると広域で被害が出るとして、運転差し止めを求めた大阪府高槻市の住民による仮処分申請で、大阪地裁(森純子裁判長)は30日、申し立てを却下する決定をした。

 森裁判長は決定理由で「北朝鮮がミサイル攻撃するか、高浜原発を狙うか、狙った場合に着弾するかは明らかでない」と指摘。国が自衛隊法に基づく破壊措置命令を発令しているとしても、「直ちに具体的な危険があるとはいえない」と結論づけた。

 審尋で住民側は「原発が攻撃されれば放射性物質が大量に放出され、関西圏を含む広い範囲に被害が出る」と主張。関電側は「原発の運転を止めるほどミサイル攻撃の現実的な危険が切迫しているとはいえない」と反論していた。
 3、4号機は大津地裁が2016年3月に運転差し止めを認め、一時運転できない状態が続いた。即時抗告審で大阪高裁が覆して再び運転が認められ、17年5~6月に再稼働した。