原子力規制委は18日、東通原発1号機(青森県)の審査会合で、敷地に降り積もる火山灰の厚さを30センチとする東北電の想定をおおむね了承しました。
火山灰は微粒の土などとは異なリ、ガラス粉や鉱物の結晶片などで硬いため、セントヘレンズ火山での実績では、降灰が僅か0.6~1.3cmに達しただけで自動車のエンジンが故障しました。3cmを超えると電車が脱線するので、所員の原発へのアクセスが困難になります。また火山灰は濡れると通電性を帯びるので、柱上変圧器などがショートして火災を起こします。
こうした火山灰の危険な性状を関係者が正確に認識していることが重要です。
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東通原発、火山灰30センチ想定 原子力規制委員会が了承
共同通信 2025/7/18
原子力規制委員会は18日、東北電力が再稼働を目指す東通原発1号機(青森県)の審査会合で、敷地に降り積もる火山灰の厚さを30センチとする東北電の想定をおおむね了承した。
東北電は、原発から半径160キロ圏にある47の火山のうち、将来噴火する可能性がある24の火山を抽出。原発の運用期間中に、火砕流や溶岩流などが到達する可能性は十分小さいと評価した。火山灰の厚さは73キロ離れた北八甲田火山群の噴火を想定した。
火山灰の除去設備や吸気口のフィルターを設置して対応する方針で、規制委は適切かどうかを確認する。
東北電は2014年6月に審査を申請。同社は再稼働の目標時期を示していない。