経産省は2040年代までに原子力発電所を2~5基(120万キロワット/基)建て替える目標案を示しました。1基当たりの設備容量を大型炉に相当する120万キロワットと仮定し、約220万―550万キロワット(稼働率9割?)をまかなうことになります。
既設の原発は40年以降に供給力が大幅に低下するので、50年代までには、9基を追加して11―14基としています(1270万―1600万キロワット分)。
小型軽水炉(SMR)の設備容量を1基当たり30万キロワットと算出した場合、大型炉と同等の設備容量を確保するには4基必要になります。
建設費は従来は100万キロワット1基約5000億円でしたが、その後の諸外国での実績や、安全対策仕様アップや工事費の大幅アップ等を考慮すると120万キロワット原発1基の建設費は軽く2兆円を超えると思われます(小型軽水炉ではさらに割高に)。
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原発最大5基建て替え…経産省、エネルギー安全保障確保へ目標案
ニュースイッチ 2026/6/9
経済産業省は2040年代までに原子力発電所を2―5基建て替える目標案を示した。1基当たりの設備容量を大型炉に相当する120万キロワットと仮定し、約220万―550万キロワットをまかなうことを想定する。既設の原発を活用するだけでは40年以降に供給力が大幅に低下する見込みで、建て替えの必要性が高まる。地政学リスクも踏まえ、原発をエネルギー安全保障の確保に生かす。
総合資源エネルギー調査会(経済産業相の諮問機関)の原子力小委員会で、必要な建て替えに関する試算を示した。50年代までには、9基を追加して11―14基とした。約1270万―1600万キロワット分に当たる。
原発の発電電力量として、1兆1000万―1兆2000万キロワット時の2割相当が40―50年代にわたって見込まれると仮定して試算した。次世代革新炉の一つである小型軽水炉(SMR)の設備容量を1基当たり30万キロワットと算出した場合、大型炉と同等の設備容量を確保するには4基必要になる。
経産省が建て替えの基数を試算した背景には、原発による供給力が喪失することへの危機感がある。運転期間が最長60年と定められており、廃炉が進めば40年以降に供給力が大幅に低下する。しかも、開発・設置には10―20年かかる。再稼働とともに建て替えの推進は課題だ。
今回示した方向性により、原発サプライチェーン(供給網)の維持や原子力人材の確保に向け、投資の予見性を高められる可能性がある。経産省は機器や部素材の供給途絶対策や事業承継の支援など、産業基盤を維持する施策を進める方針だ。中東情勢などを踏まえ、エネルギーの脱炭素化だけでなくエネルギー安保の観点からも原発の有効活用を目指す。
経産省の原発の建て替え目標案、立地多い福井県の思い 募る期待感と残る課題
福井新聞 2026/6/7
原発の建て替え(リプレース)を巡り、経済産業省が6月5日、2040年代までに2~5基との目標案を示し、福井県内では今後、関西電力が美浜原発周辺で進める建て替え検討に向けた現地調査や日本原電敦賀原発3、4号機増設計画の行方が焦点となる。人口減少が進む嶺南の立地市町には建て替えを望む声は多いが、実現への道のりは見通せない。
政府は25年改定のエネルギー基本計画で原発の活用方針を明確にしたが、県は50年以降を見据えた将来像の明示を国に求めてきた。経産省の目標案は50年代までに必要な建て替えの規模も示され、県の要望に一定程度応えた形だ。県幹部は「まだ案が示された段階で今後確認していく」と述べるにとどめた。
関電は昨年11月、美浜原発周辺で次世代型への建て替え検討に向けた現地調査に着手した。27年3月まで二つのエリアで概略調査を行い、その後一つのエリアに絞り29、30年ごろまで詳細調査を実施する予定だ。
関電は経産省の目標案について「今後の原子力政策に関する重要な方向性が整理されたと受け止めている」とコメントした。ただ、美浜原発での建て替えに関しては「事業成立性の検討を進めているところ」とし、巨額投資となる建設費などの課題を背景に慎重な姿勢を崩していない。
美浜町の戸嶋秀樹町長は5日の定例会見で、経産省の目標案に関し「エネルギー安全保障の観点で原発が果たす役割の規模が示されることは非常に重要」と受け止めつつ、建て替えに関して「(関電の)調査結果を踏まえ、安全確保や地域振興などを多角的に判断する」と述べた。
一方、原電の敦賀3、4号機増設計画は11年の東京電力福島第1原発事故の影響で“凍結状態”となっている。原電は「地元から大きな期待を寄せられ、実現に向けた取り組みを継続していく」とするが、原子力規制委員会から再稼働を認めない不許可処分を受けた敦賀2号機の審査再申請に注力し、進展は見えない。
原発建設にかかるリードタイム(稼働までの期間)は約20年とされ、その間に立地地域の衰退を懸念する声もある。関電大飯、高浜原発が立地する大飯郡選出の田中宏典県議は「人口減少が加速度的に進む中、原発を含め地域の産業を今後どう支えていくのか」と語り、原子力人材の育成・維持が課題だと強調した。