2023年4月24日月曜日

敦賀原発3・4号機建設話が浮上(FNNプライムオンライン)

 22年12月、国新たな方針「次世代革新炉の開発・建設」を取りまとめました。岸田首相による驚天動地の原発回帰路線です。

 いま全国で原発を新設する計画がある町は、青森県の大間原発と山口県の上関原発の2カ所で、これらは福島原発事故以前から動いているものですが、敦賀1号機の廃炉決定に続いて、2号機も敷地内の活断層の疑いが晴れず再稼働が難航している敦賀原発で、何と3号機、4号機の建設話が持ち上がっているということです。
 日本原電は目下は2号機の再稼働申請書類の修正作業に全力を集中していてそれどころではないのですが、こちらも19年前に国に許可を求めていたということです。
 この問題についてはフジTV系が23年1月24日に放送しましたが、FNNプライムが22日に改めて記事を出しました。
 残念なことに敦賀市長をはじめ地元の人たちから反対の声は殆ど聞かれずに、新設工事に期待している感じが伝わってきます。
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震災で原発の新設「封印」のはずが…国が新たな方針転換 関西から近い場所に“新しい原発” 地元市長は期待も…反対派市議の懸念【大阪発】
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東日本大震災以来、国はいったんすべての原発を止めて、再び動かすための厳しい基準を設けた。原発を新しく造ることについては、「封印」していた。
     【画像】“新しい原発”賛成? 反対? 地元民に聞く
  
ところが、最近、原発について大きな動きがあった。
2022年12月、国が新たな方針「次世代革新炉の開発・建設」を取りまとめた。つまり新しいかたちの原発を造っていこうという、大きな方針転換だ
実は、新たに原発を造りたいと、19年も前から国に許可を求めている場所が、関西のすぐ近くにある。建設の可能性がじわじわと高まってきそうな、地元の様子を取材した。

関西から近い場所に…“新しい原発”敦賀3・4号機 地元市長は期待
滋賀県のすぐ隣にある福井県敦賀市。2024年3月には北陸新幹線がやって来る。市街地から車で30分ほど行った場所に、敦賀原発がある。
運営する日本原子力発電、通称「原電(げんでん)」は、原発でつくった電気を電力会社に売る専門の会社だ。
原発は全て止まっているものの維持費はかかるため、関西電力を含めた電力会社から、昨年度、およそ850億円を受け取っている。
寿命を迎えた1号機は廃炉、2号機は再稼働のための審査を受けている。

鈴木祐輔記者 リポート敦賀原発です。私の後ろにありますのが1・2号機です。実は、あちらの山の向こうに新たに3・4号機を造る計画があるんです

敦賀原発3・4号機は、東日本大震災前の2004年、国に設置の許可を求める申請書を提出していいた。それから19年、予定地の造成工事を終え、進展を待っている。
国の方針転換に、敦賀市の市長は大きな期待を寄せている。
敦賀市 渕上隆信市長非常に一番うれしいことですね。建設が始まるとたくさんの方が建設工事に来ますので、にぎやかになってくるんだと思います。その後は運転に入りますんで、点検を含めて、そういうにぎやかさが続いていくだろうと

Q原発の安全性に不安は?
敦賀市 渕上隆信市長安全性はもう過分なぐらい安全なものができると思っています。ただやはり古い炉の延長というよりも、新しい方がさらに安全性は高まるのではないかと思っていますので、安全性という意味では、「新しい炉」がいいのではないかと思っています

では、造ろうとしている「新しい原発」とは、どんなものなのか…?

運営会社「日本原電」に取材申し込みも… 敦賀市民の声は?
敦賀原発を運営する日本原電に取材を申し込んでいたが…
日本原電の文章回答(1月17日付):当社は現在、敦賀3・4号機の計画に優先して、敦賀2号機の新規制基準適合性審査に全社をあげて対応しているところです。まことに申し訳ございませんが、今回の取材は見送らせていただきたく存じます

実は今、日本原電は敦賀2号機を巡って火だるま状態。再稼働を許可するかを審査している原子力規制委員会からは、前代未聞の厳しい指摘が…
原子力規制委員会 石渡明委員:その審査資料に1300カ所にも上るような誤りが今までにあったということは、審査をする上で非常に障害になります。こういう資料を出される会社は御社だけで、今まで他の会社でこれほどの間違いはございませんでした

原子力規制委員会 山中伸介委員長:深刻な書き換えのような問題が含まれていたということで、非常に深刻な問題だと思っています

大量のミスに、地質データの不適切な書き換えまで発覚し、規制委員会に「技術力は大丈夫なのか」とまでいわれた日本原電。
この会社と長い付き合いをしてきた敦賀市民は、新しい原発の計画について、どう思っているのか。
パート従業員:ずっとここに住んでいるので、リスクもありながらずっと共存しているので、気を付けて進んでいくのであればいいのではと。(Q:どんどん増やしてくれと?)というわけでもない。1つなくなるならば1つ補う感じで…

男子高校生:原発が少し増えることについては何も思わない。慣れですね。ずっと小さい頃からいるのですけど、まだ事故も起きていないし

敦賀原発と取引のある会社社長は、「会社としてはウェルカムですね」と取材に応じてくれた。
取引がある会社社長:100パーセント原子力のユーザーさんで事業を回していたんですけども、震災で原子力発電所が全部止まってしまって。我々の会社としては、ユーザーさんがいったんゼロになってしまってですね、非常に苦労したというような経験をしていまして。止まっているものを再稼働というところの方がもちろん早いと思いますので運転再稼働できるような状況になればいいなあと

地元のタクシー会社も、原発があるのとないのとでは大違いだそうで…。
Q:原発関係の乗客は多い?
タクシー運転手:多いですね。それがなかったらおばあちゃんの敦賀病院の送りぐらいしかない。1000円以下。おかげさまで原発に行ったら6000円近くになるので…敦賀の人間としては、原発反対をあまり言えない

福島原発事故をきっかけに…脱原発を訴える反対派市議
脱原発を訴える、数少ない市議会議員に出会った。無所属の今大地晴美市議、6期24年のベテランだ。
湿地の保全やゴミ処理場問題などに取り組んだが、最初の10年あまりは原発問題に触れられなかったと話す。
今大地 晴美市議:結婚して夫がおでん屋を営んでいて、そこでずっと一緒におでん屋やってきた中で、お客さんに多いんですよ、やっぱり。原発関係の人たちっていうのは、お客さんとしてもやっぱり夜の街を潤していた一面もある。そういうところでやっぱり声を上げられなかった。市議になってからも、ずっと封印していた問題っていうか、存在でしたね

しかし福島の原発事故に衝撃を受け、その年の4期目の選挙(2011年)で初めて「脱原発」を掲げた
今大地 晴美市議:今まで結構、演説していると周りで聞いてくれたり、握手してくれたけど、皆さん後ずさりする。今までは手を振ってくださった人が、カーテン閉めたり、聞いていた人もササササっと奥へ入って行ったり…

脱原発を掲げたことで、3分の1の票を失ったが…原発の敷地にある活断層や、住民の避難の難しさなど、現実のリスクをあげて脱原発を訴えてきた。
乳がんを患い、72歳という年齢もあって、この春で引退。後継者は…
今大地 晴美市議:いないですね。育てられなかったのかとか言われればそれまでなんですけど…なかなか私のような立ち位置で、選挙したり議員をする方がなかなかいらっしゃらないというのがありますね

市民の多くが、敦賀原発の会社を「原電さん」と呼ぶそうだ。その町で今、新しい原発の計画が、動き出すタイミングをうかがっている。

どうなる? 計画は進むのか…まずは「建て替え」から?
今回の取材で、鈴木記者が驚いたことは、脱原発を訴えてきた市議会議員は、今まで嫌がらせを受けたことがなかったそうだ。
鈴木祐輔記者:賛成する市民も「どんどん造れ」というもろ手を挙げての賛成でもないし、反対派だってどこかで原発につながりがある人が多いしで、お互いの気持ちが分かる部分があるのかもしれませんね

国が示した新方針は、まず建設する対象としているのは、「廃炉した原発の建て替え」。
これについて、敦賀市の渕上市長は「1号機が廃炉なので、建て替えの枠に入るのでは」と期待しているが、国の態度はまだ示されていない。「新設」となるとその後の検討になる。
「原発」の新設について神崎博デスクは…。
神崎博デスク:実際には難しいと思います。現在、全国で、原発を新設する計画がある町は、青森県・大間原発と山口県・上関原発の2カ所です。ただ、この新設をするという計画は、東日本大震災前から動いていました。 (2023年1月24日放送)

処理水海洋放出 「風評被害起きる」93% 政府方針「理解広がっていない」が59%(福島民報)

 福島第1原発の放射性物質トリチウムを含んだ処理水の処分を巡り、福島民報社が実施した県内59市町村長アンケートで、海洋放出した場合に風評被害は起きると思うかを聞いたのに対し、55市町村長(93%)が起きるとの見解を示しました。「ほとんど風評被害が起きない」と「全く風評被害が起きない」はゼロでした

 政府方針への理解については35市町村長(56%)があまり広がっていないとし2町村長(3%)が「全く広がっていない」と答えました。
 政府が「春から夏ごろ」とする放出開始を目前に控え、風評対策と理解醸成の取り組みの在り方が問われる結果となりました
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処理水海洋放出 「風評被害起きる」93% 福島県内首長アンケート、問われる政府対応 「理解広がっていない」59%
                             福島民報 2023/4/21
アンケート結果のグラフ 
 https://news.yahoo.co.jp/articles/e8b5d176ede645a58097cc410eda377de14aac37/images/000
 東京電力福島第1原発の放射性物質トリチウムを含んだ処理水の処分を巡り、政府が福島県沖での海洋放出を決定して2年になったのに合わせ、福島民報社が実施した県内59市町村長アンケートで、海洋放出した場合に風評被害は起きると思うかを聞いたのに対し、55市町村長(93%)が起きるとの見解を示した政府方針への理解については35市町村長(59%)が広がっていないとした。政府が「春から夏ごろ」とする放出開始を目前に控え、風評対策と理解醸成の取り組みの在り方が問われる結果となった。

 風評被害に関する回答結果【設問1】の通り。50市町村長(85%)が「ある程度の風評被害が起きる」、4村長(7%)が「大きな風評被害が起きる」と答えた。各市町村長の回答から風評被害を起こさないための対応の重要性が読み取れた。「ある程度の風評被害が起きる」と回答した浪江町の吉田栄光町長は風評防止に向けて「国には行動計画に基づき、万全な対策を講じてほしい」と求めた。全国市長会長を務める相馬市の立谷秀清市長は放射線教育の不足を指摘した。福島市の木幡浩市長は「大なり小なり、必ず風評は生じる」として「大きな風評被害が起きる」と「ある程度の風評被害が起きる」の両方を選んだ。
 一方、「ほとんど風評被害が起きない」と「全く風評被害が起きない」はゼロだった。
 政府は処理水の海洋放出に伴う新たな風評を抑制するため、国内だけでなく国際社会の理解醸成が不可欠としている。
 アンケートでは政府方針への理解度も聞いた。回答結果は【設問2】の通り。33市町村長(56%)が「あまり理解が広がっていない」、2町村長(3%)が「全く理解が広がっていない」と答えた。

 福島民報社が昨年4月に実施した前回アンケートでは、44市町村長(75%)が「あまり理解が広がっていない」か「全く理解が広がっていない」を選んだ。その後、一定程度の理解が広がったとみられるが、依然として過半数が理解醸成の乏しさを感じている。
 今回のアンケートで「全く理解が広がっていない」とした泉崎村の箭内憲勝村長は「国民が理解できる形でもっと議論を進めるべきだ」と訴えた。
 一方、福島第1原発が立地する大熊、双葉両町を含む21市町村長(36%)が「少しは理解が広がっている」とした。処理水の安全性を伝える新聞広告やテレビCMなどの政府広報に一定の効果があるとの意見が複数あった。

■設問1 処理水を海洋放出した場合、風評被害は起きると思いますか 
 ▼大きな風評被害が起きる=4  大玉、北塩原、泉崎、鮫川 
▼ある程度の風評被害が起きる=50 
会津若松、白河、須賀川、喜多方、相馬、二本松、 田村、南相馬、伊達、本宮、桑折、国見、川俣、 鏡石、天栄、下郷、檜枝岐、只見、南会津、 西会津、猪苗代、会津坂下、湯川、柳津、三島、 金山、昭和、会津美里、西郷、中島、矢吹、 棚倉、矢祭、塙、石川、玉川、平田、浅川、 古殿、三春、小野、広野、楢葉、富岡、川内、大熊、双葉、浪江、葛尾、新地 
▼ほとんど風評被害が起きない=回答なし 
▼全く風評被害が起きない=回答なし 
▼その他=4福島、郡山、いわき、磐梯 
▼無回答=1  飯舘 
■設問2 処理水を本県沖で海洋放出する政府方針について、県内外での理解は広がっているとお考えですか 
▼かなり理解が広がっている=回答なし(回答なし)
▼少しは理解が広がっている=21(9) 
いわき、須賀川、本宮、鏡石、天栄、檜枝岐、只見、南会津、猪苗代、会津美里、塙、玉川、浅川、広野、楢葉、富岡、川内、大熊、双葉、浪江、葛尾 
▼あまり理解が広がっていない=33(43) 
福島、会津若松、白河、喜多方、二本松、田村、南相馬、伊達、桑折、川俣、大玉、下郷、北塩原、 西会津、磐梯、会津坂下、湯川、柳津、三島、金山、昭和、西郷、中島、矢吹、棚倉、矢祭、鮫川、石川、平田、古殿、三春、小野、新地 
▼全く理解が広がっていない=2(1)  国見、泉崎 
▼その他=2(3) 郡山、相馬 
▼無回答=1(3) 飯舘 
※単位は人。塙町は宮田秀利町長が入院中のため、職務代理者の江田一寛総務課長が回答した。県内外での理解に関する設問のかっこ内は昨年4月に実施したアンケート結果。風評被害の設問は今回新たに聞いた

24- トリチウム水海洋放出用海底トンネル 6月末に完成

 東電は21日、トリチウム水海洋放出用に掘り進めている海底トンネルについて、6月末までの完成を目指していると発表しまし

 海洋放出に向けて地元の漁協の合意が得られたのかについては言及はありませんでした。
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処理水海洋放出、7月以降か 海底トンネル、6月末完成目指す
                          福島民友新聞 2023/4/22
 東京電力福島第1原発で発生する処理水の海洋放出方針を巡り、放出が始まるのは7月以降となる可能性が高まった。東電は21日、放出用に掘り進めている海底トンネルについて、6月末までの完成を目指していると発表した。工事完了後は原子力規制委員会による使用前検査を受ける必要があり、政府が見込む「春から夏ごろ」の放出開始は夏以降になる公算となった。
 東電によると、第1原発の沖合で行われている海底トンネルの本体工事は21日現在、放出口の部分を除く全長約1017キロのうち約1008キロまで掘り進められた。早ければ22日に本体の掘削が終わる見通しだという。
 東電はその後、トンネルの出口に当たり、「ケーソン」と呼ばれる放出口周辺約20メートルの範囲を慎重に掘り進めていく計画だ。トンネルの掘削が完了した後も、使用した重機の引き上げやトンネル内の整備などに一定の時間を要することが見込まれている。

2023年4月22日土曜日

原子炉 経年劣化監視試験片(テストピース)不足 検査方法に課題

 原発用の原子炉などの60年超運転を可能にする改正法案の審議が行われています。テレビ朝日が問題点を報じました。
 伴信彦・規制委は『制度論』ばかりが先行して“60年超え”をどう審査するのかがまだ決まっていないと述べました。石渡明・規制委員は「経年劣化の管理は事業者がやるもの」と述べましたが、方法論を確立する責任は規制委にある筈です。
 電力中央研究所の新井拓研究参事は「60年への運転期間延長申請で2回の試験を行うと、原子炉用のテストピースが足りなくなる」と述べています。要するに40年超に向けてはあと1回分しか残っていないということで、その後の20年間、そしてさらにその先の耐久性をどう確認する積りなのか不明です。
 いずれにしても設備の耐久性について確認する検査方法の見通しが立たないのに、延長が可能なように法制度だけは決めてしまったということです(テストピース1回分がまだ残っていたことも不思議です)。
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『監視試験片』足りないかも…
“心臓部”経年劣化の検査に課題も 原発『60年超』へ
                      テレビ朝日系(ANN) 2023/4/21
原発回帰を鮮明にした岸田政権。60年を超える運転を可能にする改正法案の審議が21日も行われています。
大きな議論になっているのが“老朽原発”の延命策です。新たなルールは、現在の『原則40年・最長でも60年』から停止期間は除外して、その分だけ長く運転できるようにするというものです。しかし、まだ残されたままの問題があります。
原子力規制委員会・伴信彦委員:「『制度論』ばかりが先行してしまって、特に“60年超え”をどう(審査)するのが後回しになってしまって
原子力規制委員会・石渡明委員:「経年劣化の管理は、事業者がやるものでしょ。規制委員会がやるものじゃないですよね」
“寿命が延びた”原発を、原子力規制委員会がどう審査していくのか。その具体的な内容が、まだ決まっていません。原子力規制庁などによりますと、長期運転の課題は大きく2つ。『経年劣化』と『設計の古さ』です

経年劣化をめぐっては、過去に、劣化した配管から高温の蒸気が噴出。作業員5人が死亡する事故が起きています。こうした経年劣化で、最も懸念されるのが“原発の心臓部”圧力容器です。
原発を運転すると、圧力容器の中では、核分裂が起こり、壁の強度が、原子レベルで影響を受けます。
圧力容器の劣化試験は、各電力会社が行いますが、電力中央研究所では、それに関連した研究をしています。
材料の劣化は、長さ5センチの“監視試験片”を使って調べています。圧力容器と同じ材料でできた金属片を、定められた時期に取り出して測定。ハンマーを金属片に振り下ろし、劣化具合を測ることで、現在だけでなく、将来の圧力容器の劣化も予測します。安全性を見るための重要な検査ですが、今後の継続に課題があるといいます。
電力中央研究所・新井拓研究参事(60年への)運転期間延長申請で、2回の追加試験を行うと、(監視試験片の)数が足りなくなる可能性も考える必要がある」
金属片は、どの原発でも数回分しかないため、運転期間が延びると不足する可能性があります。対策として、一度、使った金属片の再利用などが、現在、検討されているという状況です。
そしてもう一つの課題が、数十年前に作られた原発の設計の古さ。規制委員会の更田前委員長が、設計の古さの具体例として挙げるのが、福島第一原発の事故です。中でも、“非常用復水器”は、水蒸気を水に戻して原子炉を冷却する装置。しかし、当時、ほとんど使われていない古いタイプで、本来、必要な訓練の設備もありませんでした。

原子力規制委員会・更田豊志前委員長:「東京電力は、1号機のIC(非常用復水器)がついたシミュレーターは廃止していて、1号機の運転員も2号機、3号機のシミュレーターで訓練していた」
緊急時の訓練が十分でなかったことが、メルトダウンを早めた可能性もあるとみられています。
原子力規制委員会・更田豊志前委員長:「普段使なくて、事故のときにしか使わない装置の、作ったときの“意図”が、運転員に正確に伝わっているか。これも含めて“設計の古さ”」
規制委員会は、こうした古い設計や問題に対して改良を求める『バックフィット』という制度を持っています。しかし、更田氏が強調するのは、問題そのものを“どうやって見つけるか”が重要だということです。

原子力規制委員会・更田豊志前委員長:「40年、50年、60年と長く使う炉に対して、『改善を強制すべき問題だ』と気づく。そこは仕組みがない。それをどうしようかというのが、まさに今の議論
しかし、その議論を始める前に、規制委員会は延長の枠組みだけを承認しました
「スケジュールありき」との批判も出るなか、延長に賛成した委員からも、疑問の声が上がっています。
原子力規制委員会・杉山智之委員:「これ言っちゃっていいのかなというところはあるが、我々これ(60年超運転)を決めるにあたって、外から定められた締め切りを守らなければいけない。急かされて議論をしてきた。そもそも、それは何なんだと」


「原発60年超運転」国民向け資料公表 原子力規制庁、1カ月遅れ
                            毎日新聞 2023/4/19
 国会で審議中の原発の60年超運転を可能にする法改正案に関連し、原子力規制委員会事務局の原子力規制庁は19日、新たな規制制度について国民向けに「わかりやすく説明する」ために作成した資料をホームページ上で公表した。当初は3月中の公表予定だったが、約1カ月遅れとなった。

 資料は表紙を除き13ページ。前半で、原発の安全審査の目的や内容を説明。後半では運転期間が60年を超えて「高経年化」した原発で劣化が進む仕組みや課題などを記載し「これまでの制度の運用実績や経年劣化に関する科学的知見から、60年超の劣化についても、科学的根拠をもとに厳格な審査ができると考える」としている。ただ、具体的な審査項目は規制委で今後検討するため、資料は状況に応じて更新するという。
 規制委は2月、運転期間を原則40年、最長60年とする「40年ルール」を改め、60年超の運転を可能にする新制度を盛り込んだ原子炉等規制法の改正案を多数決で了承。閣議決定後、国会で審議されている。規制委内で意見が割れたことを受け、岸田文雄首相は2月、関係閣僚に「国民の不安を払拭(ふっしょく)するため、国会審議などを通じてしっかりと説明できる準備を進めた上で法案の閣議決定を行うべきだ」と指示していた。
 資料は、規制委ホームページ( https://www.nra.go.jp/NuclearRegulation/discussion_aging_reactor.htmlにPDFファイル「運転開始から長期間経過した発電用原子炉の安全性を確保するための規制制度の全体像について」として掲載されている。【土谷純一】

 

市民団体 川内原発再稼働 分科会の議論不十分 鹿児島県知事に申し入れ

 川内原発12号機の20年の運転延長を巡り、市民団体ストップ川内原発!3・11鹿児島実行委員会が分科会の議論は不十分で議論を継続すべきであると塩田知事に申し入れをしました。
 実行委向原祥隆共同代表は、「委員の中でも賛否両論あるわけで、適正とまとめるのは強引で、県民公開して県民の意見もちゃんと聞いてほしい」と述べました。
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川内原発の運転延長を巡り申し入れ 市民団体「分科会の議論 不十分」鹿児島県
                         KKB鹿児島放送 2023/4/19
 川内原発1、2号機の20年の運転延長を巡り、市民団体が塩田知事に申し入れです。
 申し入れを行ったのはストップ川内原発!3・11鹿児島実行委員会です。
 40年の運転期限が迫る川内原発1、2号機を巡っては九州電力が20年の運転延長を原子力規制委員会に申請していて、運転延長を検証する県の分科会は先週、九電が行った特別点検などは適正とする報告書を取りまとめています
 市民団体は分科会の議論は不十分で継続すべきとし、県民への説明会などを行った上で報告書をまとめることなど3点を知事宛てに申し入れました。
ストップ川内原発!311鹿児島実行委員会 向原 祥隆 共同代表
委員の中でも賛否両論あるわけで、適正とまとめるのは強引にまとめすぎというかね。県民にやっぱり公開して県民の意見もちゃんと聞いてほしいと思います」
 分科会の報告書は上部組織での議論を経て塩田知事に提出されます。

22- 規制委がテロ対策施設の予定地を調査 女川原発 「資料と違っているのでは」

 原子力規制委は女川原発2号機テロ対策施設の予定地を調査しました。
 委員から、資料と現場とで違って見える点があると指摘があったのについて、東北電力は「早急に対応する」と述べました。
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「実際に見たところと資料が食い違っているのでは」
原子力規制委がテロ対策施設の予定地を調査 東北電力・女川原子力発電所
                   tbc東北放送 2023/4/21(金) 19:04配信
東北電力が再稼働を目指す女川原発2号機について、原子力規制委員会はテロ対策施設の予定地を調査しました。その結果、調査した委員から、東北電力が提出した資料と現場とで違って見える点があると指摘があり、東北電力は「早急に対応する」と応じました
原子力規制委員会 石渡明委員「今回は敷地内断層を主に対象として調査に来ている」
20日と21日、女川原発を現地調査したのは、原子力規制委員会の委員ら10人で、テロ対策で設置が義務付けられた「特定重大事故等対処施設」の予定地の地盤を調べました。調査では、東北電力が規制委の審査会合に提出していた資料と現場とで違って見えるものがあったということです。
原子力規制委員会・石渡明委員「東北電力から説明を受けていたことについてだいたいにおいては確認ができました。ただ個々の点については多少実際に見たところと資料が食い違っているところもあった
これに対し東北電力は「早急に検討を行い、資料を修正して審査会合で我々の主張を説明したい」と応じました。「特定重大事故等対処施設」は、機密保持のために建設場所や規模などは明らかにされていませんが、東北電力は2026年12月までの完成を目指しています。調査結果は次回の審査会合で議論されます。


女川原発2号機 原子力規制委が現地調査 来年2月 再稼働〈宮城〉
                            仙台放送 2023/4/20
東北電力が来年2月の再稼働を目指している女川原発2号機について、4月20日、原子力規制委員会が現地調査を行いました。
この現地調査は、東京電力・福島第一原発事故を受け策定された、新規制基準で設置が義務付けられる、「テロ対策施設」を審査するために行われたものです。調査はすべて非公開で行われ、20日は原子力規制委員会のメンバーなど10人が、女川原発を訪れたということです。
東北電力では女川原発2号機について、来年2月の再稼働を目指しています。これに向けて東北電力では3年後の2026年12月までに、テロ対策施設の「特定重大事故等対処施設」の整備を進めていて、調査では敷地内の地盤などを確認したということです。
原子力規制委員会 石渡明 委員
「現実にみたものと資料で説明されたものは一致しない部分がどうしても出てくる。そういう意味で我々は現地調査というものを非常に重視しております」
現地調査は4月21日まで行われます。

2023年4月20日木曜日

20- ドイツは脱原発を完了 日本のトリチウム海洋放出はG7でスッタモンダ

 ドイツは元々2002年に脱原発を法制化していましたが、11年3月に福島第1原発事故が起きると、メルケル首相の主導で22年末までに全ての原発を停止することを決定しました
 去年ロシアによるウクライナ侵攻に伴ってLNG(液化天然ガス)や重油などの価格が急騰する事態が生じたため3ヶ月半遅れましたが、見事に当初の計画を貫徹しました。仮に原発全停止を延期しようと思えばその口実に不自由はしなかった筈ですが、危険な原発は止めるという当初の目的を揺るがせることなく誠実に実行したことは本当に賞賛に値します。
 それに対して3・11原発事故の本家本元の日本では僅か10年あまりで喉元の熱さを忘れ、いまや原発の再稼働のみならず新型(と称する)原発の新設にまで踏み切ろうとしています。ドイツの理性的な生真面目さに比べて何と無様なことでしょうか。
 それだけでなく日本は、G7気候・エネルギー・環境相会合で、当初の声明案では「IAEAの安全基準と国際法と整合し、科学的根拠に基づいた海洋放出への取り組みを含めた廃炉の着実な進展を歓迎する」との文案を準備し、トリチウム水の海洋放出策にG7が賛成していることを演出しようとしました。
 西村経産相は事前の調整もないままでいきなり記者会見でそうした発言をしたところ、同席していたレムケ環境・原子力安全相(ドイツ)が、「原発事故後、東電や日本政府が努力してきたことには敬意を払う。しかし、処理水の放出を歓迎するということはできない」と反対したためにその文案はボツになりました(レムケ氏は西村氏の向かって右側の女性)。
 ドイツ人らしい几帳面さがとそうさせたものと思われます。いずれにしてもG7の威光!? を利用しようとした日本の姑息さはそこで挫折しました。
 日刊ゲンダイの記事を紹介します。
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ドイツは脱原発を完了
首相襲撃でかき消された 原発処理水を巡るG7のスッタモンダ
                          日刊ゲンダイ 2023/04/19
                       (記事集約サイト「阿修羅」より転載)
 大メディアが連日、岸田首相の襲撃事件ばかり報じているために気付いていない国民もいるのではないか。ほとんど黙殺扱いされていると言っていい「ドイツの脱原発完了」のニュースのことだ。
 ドイツは原発の安全性への懸念から、2002年に脱原発を法制化した。
 そして11年に東京電力福島第1原発事故が起きると、22年末までに全ての原発を停止することを決定。段階的な原発廃止を進めてきたのだが、同年2月のロシア軍のウクライナ侵攻で、ロシアからの天然ガスの供給が滞るようになったことから、全基廃止を今月15日まで延長。そして同日夜(日本時間16日朝)、最後に残った原子炉3基が送電網から切り離され、電力供給を停止。初の供給開始から60年超にわたって続いてきた原子力事業についに終止符が打たれたのだ。
「(脱原発は)核の脅威を最小限に抑える正しい選択だ」
「原発のリスク軽視は無責任だ」
「(脱原発は)ドイツをより安全にする」
 先進7カ国(G7)気候・エネルギー・環境相会合に出席するために来日し、原発事故で被災した福島県の自治体や廃炉作業が続く福島原発を視察したドイツのレムケ環境・原子力安全相は、日本メディアの取材に対して、脱原発の目的や意義についてこう答えていたという。

原発事故の教訓を生かす独と何もしない日本
 脱原発に対し、産業界などからはエネルギー危機を懸念する声も出ているドイツ。それでも、ハーベック副首相兼経済・気候保護相は「(原子炉は)遅かれ早かれ解体される」と意に介さず、来年にも廃炉作業を本格化させる見通しという。
 翻って日本はどうかといえば、ドイツとは真逆の動きだ。岸田政権はウクライナ危機に乗じて「原発回帰」の動きを鮮明にし、福島原発事故後に改正された原子炉等規制法で決まった、原発運転期間の「原則40年」「原子力規制委員会の認可で1回に限り最長20年延長」という方針を転換。「60年超」運転を事実上、可能とする仕組みを整備する方針を打ち出した。
 それだけではない。原子力政策の方向性を示す「行動計画案」には、「新たな安全メカニズムを組み込んだ次世代革新炉の開発・建設を進めていく」との文言が盛り込まれ、脱原発どころか原発の新規建設や再稼働にも踏み込んだのだからワケが分からない。
 原発ではどんな小さな損傷も大事故につながる可能性があり、いったん事故が起きれば制御不能になりかねない。日本国国民は福島原発事故で嫌というほど身に染みたはずだ。レムケ環境・原子力安全相が主張していた通り、そうした「原発リスク」に対して政府や電力会社が軽視するような姿勢は極めて無責任であり、倫理的にも決して許されることではない。
 果たして福島原発事故の教訓を真剣に受け止め、後世に向けて生かそうとしているのはドイツと日本の一体どちらなのか。答えは明々白々だろう。
 過去にエネルギー政策にも関わったことがある元参院議員の平野貞夫氏がこう言う。
「福島原発の事故を受け、ドイツは再生エネルギーなどの研究、開発に向けて国家を挙げて取り組んだ。その結果、原発にかわる新エネルギーのメドがついたのでしょう。他方、日本は違う。安全保障の重要性を叫ぶのであれば、本来は武器開発ではなく、新たなエネルギー開発や食料自給率の増加などに注力するべきですが、そうした動きは見えない。日本は目先のことばかりで、先を見ていないのです」

日本がG7から弾き出されるのも時間の問題
 岸田襲撃事件にかき消された重大ニュースはまだある。福島原発処理水の海洋放出を巡るG7共同声明のスッタモンダだ。
 政府や東電は、福島原発から出る放射性物質トリチウムを含む処理水の放出について、「今年春から夏ごろ」の実施を計画しているものの、中国などが強い懸念を示している。そこで日本政府は、海洋放出の安全性に対する“お墨付き”をG7各国から得たい考えで、当初の声明案では「IAEAの安全基準と国際法と整合し、科学的根拠に基づいた海洋放出への取り組みを含めた廃炉の着実な進展を歓迎する」との文言が盛り込まれる予定だったという。
 ところが各国から明確な賛同は示されず、結局、「着実な廃炉作業とIAEAとの透明性の高い日本の取り組みを歓迎する」との表現に変更されたのだが、当然だろう。
 そもそも政府、東電は18年まで、原発敷地内のタンクに貯蔵されている汚染水の中にはトリチウム以外にも規制基準以上の放射性物質が残っていたことを公表しなかったばかりか、処理水の定義を「トリチウム以外の核種について、環境放出の際の規制基準を満たす水」とコッソリ修正。
 さらに海洋放出を決める際には地元漁協などの理解を得る──とした約束もアッサリと反故にしたわけで、こうした経緯を振り返れば各国の理解が得られるはずがない
 G7会合後、レムケ環境・原子力安全相が「処理水の放出を歓迎することはできない」と断じていたのも当たり前だ。

議長国なのに化石燃料の延命策を打ち出す愚
 G7の共同声明で日本が“お墨付き”を得られなかったことは他にもある。地球温暖化を防ぐための石炭火力発電の廃止などをめぐる対策についてだ。16日に採択した共同声明では、二酸化炭素(CO2)排出削減の対策を講じていない化石燃料を「段階的に廃止する」方針が盛り込まれたのだが、焦点の石炭火力では、再生可能エネルギー導入で先行するドイツや英国が「30年までの段階的な廃止」を要求。これに対し、日本は30年度も電源の19%を石炭火力に依存しつつ、水素やアンモニアを化石燃料と混焼し、CO2の排出を減らす技術への理解を求めたのだが、化石燃料の延命につながる、として賛同を得られなかった
 化石燃料の全面廃止をリードするべき立場の議長国である日本が腰が引けた「延命策」を打ち出すトンチンカン。唖然呆然としてしまうが、ある意味、それも無理はないだろう。もともと本気で化石燃料を廃止する姿勢が感じられないからだ。
 日本は昨年11月にエジプトで開かれたCOP27(国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議)でも、環境団体の「気候行動ネットワーク」(CAN)から、地球温暖化対策に消極的な国として「化石賞」を贈られていたが、日本はこの賞の“常連”。これでは、どんなに目先を変えたゴマカシ策を打ち出したところで、各国が「OK」と言うはずがないのだ。
 大メディアは岸田政権の支持率が7カ月ぶりに上昇した、などと大ハシャギで報じているが、G7声明を巡る日本政府のドタバタや、原発再稼働に向けて勝手に突き進む岸田暴政のおかしさを伝えないでいて、支持率もへったくれもないだろう。
 政治評論家の本澤二郎氏がこう言う。
原発回帰に専守防衛の逸脱、唱えるだけの少子化対策……。メディアが健全であり、問題意識を持って、伝えるべきことを伝えるという当たり前の作業、役割を果たしていれば、今の岸田政権はとっくに消えている。支持率回復など本来はあり得ない話なのです。つまり、政権支持率の上昇が示している意味とは、メディアが劣化しているという裏返しと言っていいでしょう」
 日本がG7などと浮かれているのも今だけ。弾き出されるのも時間の問題だ。