2024年11月13日水曜日

浜岡原発事故に備え 水素爆発防止へ、中部電力が新設備導入検討

 核燃料は直径10ミリ程度のジルコニウム製の管内に収められています。
 原発事故で核燃料が溶融すると超高温水がジルコニウムと反応して酸化ジルコニウムに変わる際に、水の組成である水素が遊離し水素ガスとなって上部に貯まるため、福島第1原発では大規模な水素爆発を起こしました。
 中部電力は、この水素爆発を防ぐ「水素濃度制御設備」の導入を検討しているということです。関係者によると、それは「触媒で水素と酸素を反応させて再び水にするもの」で、格納容器内水素濃度を低減させる装置だということです。それ自体は結構なことですが。
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浜岡原発事故に備え 水素爆発防止へ、中部電力が新設備導入検討
                           静岡新聞 2024/11/13
 再稼働を目指す中部電力浜岡原発3、4号機(御前崎市佐倉)の安全性向上対策で、中電が炉心溶融(メルトダウン)に備えて、格納容器から漏れ出た水素を酸素と結合させて水素爆発を防ぐ「水素濃度制御設備」の導入を検討していることが12日までに、関係者への取材で分かった。林欣吾社長が、13日に開かれる原子力規制委員会との意見交換の場で、原発敷地前面の防潮堤を現在の海抜22メートルから28メートルにかさ上げすることと合わせて表明する方針。
 関係者によると、同設備は触媒で水素と酸素を反応させて水にすることで、格納容器内の水素濃度を低減させる装置。電源や起動操作が不要で水素処理ができる。再稼働した東北電力女川原発2号機などでも導入されている。
 東京電力福島第1原発事故では、地震と津波で原子炉の冷却機能が失われ核燃料が溶融する過程で、燃料棒を覆っている金属の管(被覆管)が水や水蒸気と化学反応して水素ガスが発生し、原子炉建屋内に充満して爆発事故を招いた。福島第1事故の教訓を踏まえた新規制基準は、炉心が激しく損傷した場合でも、放射性物質が外部に放出されないように原子炉建屋が壊れない対策を求めている。
 中電の広報担当者は「意見交換会の準備を進めていて、回答は差し控える」としている。