2021年6月3日木曜日

核燃料工場の工事計画認可

 原子力規制委1日、三菱原子燃料(茨城県)の核燃料製造工場の安全対策工事計画を認可しました。今年11月ごろに製造を再開する方針です。

 同社を含む国内3社の核燃料工場は、新規制基準対応などのため18年以来、全て製造を停止しています
 川内1号機は今年11月ごろ、2号機は来年3月ごろに燃料交換時期を迎え、新燃料の在庫はほぼゼロとなります。玄海3、4号機もそれぞれ224月と7月に在庫がほとんどなくなります
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核燃料工場の工事計画認可 製造再開へ九電向け急ぐ
                             佐賀新聞 2021/6/2
 原子力規制委員会は1日、三菱原子燃料(茨城県)の核燃料製造工場の安全対策工事計画を認可した。同社を含む国内3社の核燃料工場は、新規制基準対応などのため2018年以来、全て製造を停止している。三菱原燃は今年11月ごろに製造を再開する方針で、再開すれば国内初。茨城県によると、再開前の地元同意は不要という。
 三菱原燃は、加圧水型原発(PWR)向けの燃料を製造。東京電力福島第1原発事故後、新規制基準に適合して再稼働した関西、四国、九州各電力の5原発9基は、いずれもPWR。特に九電の川内(鹿児島県)、玄海(佐賀県玄海町)両原発で燃料の在庫が少なくなるなど、稼働に影響しかねない状況になっていた。
 九電の運転計画によると、川内1号機は今年11月ごろ、2号機は来年3月ごろに燃料交換時期を迎え、新燃料の在庫はほぼゼロとなる。玄海3、4号機もそれぞれ22年4月と7月に在庫がほとんどなくなる
 九電は、その後の搬入計画は未定としているが、三菱原燃は九電向けの製造を急ぐとみられる。工事では地震や竜巻などへの備えを強化する。
 他の2社は原子燃料工業(神奈川県)とグローバル・ニュークリア・フュエル・ジャパン(同)。原燃工のPWR用燃料工場も工事計画の審査が終盤を迎えている。(共同)

03- 韓国でトリチウム放出阻止へ一斉抗議 反対運動団体が集会

韓国で処理水放出阻止へ一斉抗議 団体が集会、他国に共闘を要請
                             共同通信 2021/6/2
 【ソウル共同】東京電力福島第1原発処理水の海洋放出の阻止を目指す韓国の団体が2日、同国各地で一斉に日本政府への抗議集会を開いた。2日を放出に反対する「国際共同行動の日」と位置付け、8日の「世界海洋デー」に向けても他国の市民に共闘を呼び掛けた。
 ソウルの日本大使館周辺では、団体メンバーら数十人が建物を取り囲むように並び「日本政府は海洋放出の計画を撤回しろ」などと連呼。相星孝一駐韓大使宛ての書面も日本大使館に送り、処理水の長期保管などの代案を探すよう求めた。

 韓国では5月、計約60の環境団体や市民団体が海洋放出に反対する活動グループを発足させた 

2021年6月2日水曜日

ノンフィクション小説 原発が嘘を告白し懺悔 の著者に聞く

 日刊ゲンダイが「注目の人 直撃インタビュー」で、NNNドキュメントディレクターで、ノンフィクション小説ごめんなさい、ずっと嘘をついてきました。福島第一原発 ほか原発一同』の著者である加藤就一さんにインタビューしました。
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注目の人 直撃インタビュー
原発が嘘を告白し懺悔 ノンフィクション小説の著者に聞く
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加藤就一さん(NNNドキュメントディレクター)
 世界最悪レベルの福島第1原発事故から10年。世界が脱原発に向かう中、日本は「脱炭素社会の実現」を奇貨として原発推進に突っ走ろうとしている。なぜ、世論はブレーキをかけないのか――。原発を主人公に描いたノンフィクション小説「ごめんなさい、ずっと嘘をついてきました。福島第一原発 ほか原発一同」(書肆侃侃房)で知られざる真実を暴いた著者に聞いた。
     インタビューは【動画 https://moment.nikkan-gendai.com/videos/38344】でも
      ご覧いただけます。

■「アンダーコントロール」はオンエアできず
 ――著書を読むと、政府があの手この手で原発関連の情報を長年コントロールしてきているのがよく分かります。
 僕は鉄腕アトム世代です。超小型原子炉で100万馬力、などと原子力は素晴らしいと刷り込まれた国民でした。福島原発事故が発生し、調べ始めたら、今まで信じていたことが全部嘘だということが分かった。この嘘っぱちをきちんと伝えないといけないと思いました。

 ――安倍首相(当時)は東京五輪を招致した2013年のIOC(国際オリンピック委員会)総会の演説で、福島第1原発について、日本語では「港湾内の0.3平方キロの範囲内で完全にブロック」と表現する一方、英語では「アンダーコントロール」と使い分けました。
「お笑い芸人vs原発事故」という番組を制作している時、演説の英語版を使おうとしたら、英語版はオンエアできないようになっていた。見比べてみたら、驚くことに肝心な部分がごっそり変えられていた。英語版では安倍首相は「私は完全に保証します。状況はアンダーコントロールです。これまでも、これからも(放射能は)どんなダメージも東京に与えません」とスピーチしているのです。

 ――コロナ禍で東京五輪開催が流動的になっています。政府は復興五輪と銘打って招致しました。
 五輪までに復興を成し遂げたことにするため、復興を否定するものは平気で隠してきました。例えば、放射線量を測定するモニタリングポストです。福島県内に設置されている約3000台のうち、8割を五輪前に撤去しようとしたのです。復興したはずの福島にそんなものがたくさんあってはマズいからです。

 ――撤去したのですか。
 地元のお母さんたちが猛抗議して、撤回させました。廃炉作業は続いている。何か起きた時、モニタリングポストがなければ、速やかに察知できませんから。お母さんたちはよく勉強している。原発関連の番組は、まずお母さんたちに分かってもらい、それを子どもたちに伝えてもらおうという意識で作っていました。

 ――菅首相は今年4月、「もうこれ以上は避けて通れない」として、放射性物質トリチウムを含んだ「汚染水」の海洋放出を決定。2023年にも開始されるとみられています。
 安易な決定です。トリチウムを取り除く技術があるのかないのかが吟味されていない。例えば、近畿大学で低コストで除去する技術を開発しています。また、120年経つと、トリチウムの濃度は1000分の1になるのですが、石油の備蓄タンクが12個あれば保管できる量です。原発施設の外側の地下にダムを造って、地下水を出さない方式もある。コストはそれほどかからない。海洋放出を回避する方法はいくらでもあるのです。

メディアは特オチとスポンサーを恐れる
 ――海洋放出を巡る報道をどう見ていますか。日刊ゲンダイで「処理水」ではなく「汚染水」と記したところ、記事配信されたヤフーニュースのコメント欄に「悪意がある記事だ」という書き込みが少なくありませんでした。
 それが政府の狙いですよ。原子力規制委員会の更田豊志委員長は報道各社に「汚染水」ではなく「処理水」を使うように申し入れた。記者クラブ加盟社が規制委トップに逆らえば、1社だけ情報を流してもらえなかったりする。それで新聞社もテレビもトリチウムが残る「処理水」という言い方に統一してしまったのです。ニュースを見た読者や視聴者は「処理水、安全ね」と刷り込まれるわけです。しかし、ALPS(多核種除去設備)ではトリチウムは除去できない。処理できないのだから処理水のはずがない。100%汚染水ですよ。

 ――菅首相は30年度の温室効果ガス削減目標を13年度比で46%削減する方針を表明しました。
 菅政権は原発再稼働を推し進めるというたくらみを持っていますから、「ああ、きたな」という感じです。脱炭素社会実現をうたい、原発の新増設や建て替えを進める自民党の議員連盟の顧問に安倍前首相が就任しました。安倍氏肝いりの原発輸出は全敗しても、このざまです。「原発ゾンビ」と書きましたが、ほんとにしぶとい方々です。

 ――世界はどうですか。
 福島事故を受けて、ドイツは脱原発に舵を切りました。原発大国の米国やフランスも、シェールガスや再生可能エネルギーが原発のコストより安くなる現実を目のあたりにして、風向きが変わりつつあります。途上国もコストとの見合いで判断していくでしょう。海外のシンクタンクは「原発に勝ち目ナシ」「35年には駆逐される」と発信しています。脱炭素に乗っかって、原発推進を加速しようとしているのは日本くらいです。

■原発事故から10年経つと「元通り」に
 ――原発問題は命、健康マター。国民の関心が高いはず。福島事故も体験したのに、また元通りですか。
 原発事故発生からしばらくは、世論もビビッとするのですが、8年、10年と経つと、エネルギー資源に乏しい日本にとっては非常に重要な救世主だと刷り込まれているので、やっぱり元に戻ってしまうんですね。

 ――原発報道の影響が大きい。
 震災直後は割と自由に事実を報道できていましたが、だんだんと時間が経ち、できなくなっていった。

 ――それはなぜですか。
 福島事故直後の東電は、破産状態のようなもので、広告出稿をやめました。その間、メディアは自由に動けた。ところが、東電が少しずつ広告を出すようになると、顔色をうかがう報道姿勢になっていく。東電以外の電力会社についても地方メディアの大スポンサーなのでどこも同じことが起こる。例えば、極細半島に建てられた愛媛の伊方原発は原発より半島の先に住んでいる約5000人の住民が避難できないという致命的な欠陥がある。しかし、地元放送局ではそうした問題を取り上げる番組は作れない。代わりに東京の私が作りました

 ――メディアが電力会社を批判できないから、原発政策が推し進められるのですね。
 政権とメディアの関係も同じ構図です。総務省が東北新社に勤める菅首相の長男と会食を繰り返していた問題がありました。あってはならない接待ですが、安倍政権時代にすごくはやったのが、テレビ各局の社長や報道局長と首相との会食です。総務省の接待問題と何ら構図は変わりない。メディアは本来、権力を監視しなければいけない立場なのに、社長と報道局長が首相とニコニコ食事をして仲良くなる。ひと昔前だったら、首相から会食の誘いを受けても、「お気持ちだけいただきます」と丁重に断るのが報道機関だった。それがなんとなくグジュグジュになってしまった。それではメディアはかみつけませんよね。隠蔽、改ざん、言い換え、ごまかしなど、情報を都合よくコントロールする政権が続き、政府にも電力会社にも斬り込めないメディアという環境ですから、国民は何も知らされないまま、原発推進が再び加速していくのです。根はとても深い。
                      (聞き手=生田修平/日刊ゲンダイ)

加藤就一(かとう・しゅういち) 1957年、愛媛県生まれ。早大政治経済学部卒業後、日本テレビ入社。「アメリカ横断ウルトラクイズ」を総合演出。原発事故以降、10年で原発作品(NNNドキュメント)10本をOA、15の賞を受賞。今月末退社し、フリーに。 

「風評発生は確実」と水産関係団体海洋放出に反対 政府作業部会

 福島原発の汚染水の海洋放出方針を巡り、政府の関係閣僚会議ワーキンググループ(作業部会)は31日、福島県福島市といわき市で県内の農林水産業者らから意見を聞く初めての会合を開きました。

 実害乃至風評被害の発生は確実とする声が大勢を占め、政府方針の一方的な決定への批判も相次ぎました。
 県漁連と県水産加工業連合会は海洋放出への反対姿勢を改めて強調しました。
 菅首相が現地の意向をあなどって強引に海洋放出を決めたことへの反感が、容易に収まることはありません。
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「風評発生は確実」 水産関係団体 海洋放出反対 政府の処理水作業部会
                            福島民報 2021/06/01
 東京電力福島第一原発の処理水の海洋放出方針を巡り、政府の関係閣僚会議ワーキンググループ(作業部会)は三十一日、福島県福島市といわき市で県内の農林水産業者らから意見を聞く初めての会合を開いた。処理水に関する正しい理解が国民に浸透しないまま海洋放出されれば、風評被害の発生は確実とする声が大勢を占め、政府方針の一方的な決定への批判も相次いだ県漁連と県水産加工業連合会は海洋放出への反対姿勢を改めて強調した。
 県や農林業、漁業、観光業など計七団体の代表が出席した。座長の江島潔経済産業副大臣兼原子力災害現地対策本部長らを前に意見を述べた。

 出席者の国への意見や要望は【表(省略)】の通り。県漁連の野崎哲会長は「海洋放出に反対する立場から、国が透明性を持って(対策に)取り組むか注視していく」とした。県水産市場連合会の石本朗会長は「水産物については風評被害でなく、実質被害だ。国と東電はどう解決の道をつくるのか」と問題提起した。県水産加工業連合会の小野利仁代表は処理水の処分方針決定で「風評被害はすでに生じている」との認識を示し、被害者の相談体制の構築を求めた。
 JA福島中央会の菅野孝志会長は海洋放出方針は「十分に対話せずに一方的に決定された」ために国・東電と国民・県民の信頼関係は喪失していると指摘した。
 県商工会議所連合会の渡辺博美会長は「溶融核燃料(デブリ)に触れた処理水だから風評は避けられない」と強調した。風評被害を受ける事業者への支援策や賠償を具体的に示すよう主張した。
 県旅行業協会の鈴木常雄副会長は「中小事業者にとって風評被害の発生を証明するのは能力的にも費用的にも極めて困難。処理水処分と被害が関係ないと東電が証明できなければ、賠償される制度を考えるべき」と提案した。

 鈴木正晃副知事は処理水の問題は日本全体の問題だとし、「県民が積み重ねてきた努力を後退させることのないよう国が前面に立ち、万全な対策を講じるべき」と訴えた。東電の相次ぐ不祥事に懸念を示し、県民目線に立った東電への指導・監督を国に求めた。
 江島経産副大臣は今後、隣県の宮城県や茨城県でも、処理水の海洋放出方針に関する意見聴取を行う考えを示した。作業部会は意見や要望を処分までの準備期間や処分開始後の具体的な施策をまとめる行動計画に反映させる方針。夏ごろまでに意見を集約し、計画の中間まとめを行うとしている。

※政府の処理水処分に関する基本方針
 東京電力福島第一原発で増え続ける放射性物質トリチウムを含んだ処理水について政府は4月、国内で処分の実績があり、トリチウム濃度の検知が確実だと判断して海洋放出を正式決定した。トリチウム濃度を国の放出基準値の40分の1未満まで水で薄め、2年後をめどに福島第一原発敷地内から放出する。2041~51年ごろとする廃炉完了目標までに放出を終える方針。風評被害は東電に損害賠償させる。


【官製風評 処理水海洋放出】幅広い意見反映を 地元要望に回答示せ
                            福島民報 2021/06/01
 東京電力福島第一原発の処理水海洋放出方針の風評対策を巡り、政府が漁業や農業など関係団体の意見を聞くワーキンググループ(作業部会)の初会合が開かれた三十一日、福島県内の生産者らからは作業部会で出された各団体の要望に対し、政府側が十分な回答を示すよう求める声が上がった。政府は今後、宮城、茨城両県でも作業部会を開く方針を示したが、県内での追加開催は未定となっている。生産者らは、より幅広く、きめ細かに意見を吸い上げるよう訴える。
 政府は(関係団体が求めた)地元の要望をしっかりと受け止め、風評が起きないよう施策案に反映すべきだ」。喜多方市の熱塩温泉山形屋の瓜生泰弘社長(65)は声を上げる。新型コロナウイルス感染拡大で県内の観光や宿泊業界への影響は長期化。処理水に伴う風評が追い打ちにならないか不安は尽きない。

 三十一日の作業部会では、県旅行業協会の代表が処理水の海洋放出に伴う打撃は水産業や農林業にとどまらないと指摘。徹底した風評対策や観光誘客への支援策を、中間取りまとめ前に早期に示すよう求めた。背景には政府が地元との対話を深めないまま強行的に海洋放出方針を決定したことへの不信感がある。
 方針の説明そのものも県内の自治体や議会にとどまる。瓜生社長は「国民が不要な不安を抱かないよう正確な情報を適切に発信してほしい」と求めた。
 相馬市の松川浦漁港に三十一日、漁を終えた船が次々と入港し、新鮮な魚介類を水揚げした。漁業者たちは十年間風評と向き合い、試験操業から一歩脱却した移行操業に光を見いだしたばかりだ。相馬双葉漁協の立谷寛治組合長(69)は「今の漁業や風評の実態がどうなっているのか、しっかりと認識するためにも幅広く声を聞いてほしい」と訴える。

 海洋放出方針の正式決定から約二週間後の四月二十八日、相馬市で国の担当者を迎えた漁業者向けの説明会が開かれた。同漁協の所属する相双地区の漁業者は約八百人に上るが、出席できたのは新型コロナ感染対策などを踏まえ約二百人にとどまった。説明会の追加開催は決まっていない。
 漁師が取った魚を食べる消費者の考えにも広く耳を傾けるべきだと考える。「そうでなければ、実のある風評対策につなげられるとは思えない」と話した。
 桑折町伊達崎(だんざき)でモモを栽培する農家南友祐さん(74)もきめ細かな意見を吸い上げるよう求める。
 高品質で、皇室にもモモを献上してきた。四月の降霜では栽培するモモ全体の九割ほどが被害を受けた。原発事故による風評が残る中、二年後に海洋放出となれば、風評が上乗せされると危機感を抱く。南さんは農業の担い手の将来を憂う。「(海洋放出と風評について)これからの『フルーツ王国福島』を支える若手農家がどう感じ、何を望んでいるかを知ってほしい」

裁判官が初めて原発の敷地内視察へ 東京地裁 株主訴訟で

 東京電力の株主50人余りが、福島第一原発の事故をめぐって、旧経営陣5人に対し、会社に賠償するよう求めている裁判では、株主側が裁判官に現地視察を求めていましたが、東京地裁は10月に裁判官による現地敷地内の視察を行うことを決めました

 裁判官による周辺地域の視察はたびたび行われていますが、敷地内への立ち入りは今度が初めてになります。
 株主側の海渡雄一弁護士は「判決にプラスに働くと確信している」と話しています。
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裁判官が初めて原発の敷地内視察へ 福島第一原発事故の裁判
                      NHK NEWS WEB 2021年6月1日
福島第一原発の事故の責任をめぐる裁判で、東京地方裁判所は、ことし10月に裁判官による現地視察を行うことを決めました。裁判官が原発の敷地内を視察するのは初めてになります。
東京電力の株主50人余りが、福島第一原発の事故をめぐって、旧経営陣5人に対し、会社に賠償するよう求めている裁判では、株主側が裁判官に現地視察を求めていました。
これについて1日、東京地方裁判所で開かれた非公開の協議で、裁判官が双方に対し、ことし10月に原発を訪れ、敷地内を視察すると伝えました。
東京電力によりますと、裁判官が原発の敷地内を視察するのは初めてになります。
株主側の弁護団によりますと、裁判長は「原発の立地状況を現地で見て、事故の責任について判断したい」と述べたということです。
これまで、原発事故の慰謝料をめぐる民事裁判で、裁判官による周辺地域の視察はたびたび行われていますが、敷地内への立ち入りはありませんでした
また、東京電力の旧経営陣3人が強制的に起訴された刑事裁判の1審では、検察官役の指定弁護士が裁判官の現場検証を求めましたが、行われませんでした。
株主側の海渡雄一弁護士は「裁判所の現地視察には非常に意味がある。判決にプラスに働くと確信している」と話しています。


東京地裁、福島第1を初視察へ 原発事故株主訴訟で裁判長ら
                           共同通信 2021/6/1
 福島第1原発事故を巡る東京電力の株主代表訴訟で、東京地裁は1日、裁判長らが原発の敷地内を視察すると決めた。原告側によると、視察は10月を予定している。事故の責任が争われた刑事、民事の裁判で裁判官が敷地内に入るのは初めて。
 原告側は訴訟で、福島第1原発の原子炉が海岸に近く、標高も低い場所にあり、立地条件に問題があったと主張。海水を防ぐ水密化の構造にも欠陥があったとして、現地視察を求めていた。被告の東電経営陣側は、必要ないと反論していた。
 原告側は記者会見で「百聞は一見にしかずだ。立地状況や構造的欠陥を直接体感してもらうことは、非常に意味がある」と話した。


東電経営陣巡る訴訟、裁判官が福島第一原発視察へ
                          読売新聞 2021年6月1日
 東京電力福島第一原発事故を巡り、東電の個人株主が勝俣恒久元会長ら旧経営陣5人を相手取り、同社に22兆円を支払うよう求めた株主代表訴訟の進行協議が1日、東京地裁であり、朝倉佳秀裁判長らが10月にも同原発の敷地内を視察することが決まった。進行協議後に東京都内で記者会見した原告側が明らかにした。東電によると、事故の責任が問われた一連の訴訟で、裁判官が原発の敷地内に入るのは初めて。
 この日の手続きは非公開で行われた。原告側の弁護団によると、朝倉裁判長らは、原子炉建屋に核燃料などを運び込む「大物搬入口」を中心に確認する意向を示したという。
 訴訟では、旧経営陣が巨大津波の襲来を予測し、事前に原子炉の浸水対策を講じるべきだったかどうかが争われている。

帰還困難区域の展望描けず 住民ら焦燥

 福島原発事故による福島県の帰還困難区域を巡り、事故から10年がたちますが、帰還困難区域92拠点外区域)については解除方針白紙で、除染や家屋解体の見通しも立っていません。

 浪江、双葉、大熊、富岡、葛尾の5町村でつくる協議会は今年2月、拠点外区域の具体的方針を6月までに示すよう国に要望書を提出しました。協議会は「解除時期は無理でも、除染の方向性までは示してくれるのではないか」と期待していますが、6月中の回答は無理のようです。
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朽ち果てる古里に住民ら焦燥 帰還困難区域の展望描けず
                         河北新報 2021年05月31日
 東京電力福島第1原発事故による避難指示が継続する福島県の帰還困難区域を巡り、将来の展望を描けない状況が続いている。地元は6月までに具体的方向性を示すよう求めるが、国は解除時期の明示にはなお慎重で、除染の実現性が目下の焦点となりそうだ。原発事故から10年がたち、住民の帰還意欲は低下し、焦りを募らせる関係町村は政府に本格検討を再度迫る方針を固めた。
 原則立ち入りが禁止されている帰還困難区域は、福島県内7市町村の337平方キロに及ぶ。8%に当たる27平方キロは優先的に避難解除を目指す特定復興再生拠点区域(復興拠点)として国が認定。残る92%は解除方針が白紙で、除染や家屋解体の見通しすらない
 浪江、双葉、大熊、富岡、葛尾の5町村でつくる協議会は今年2月、拠点外区域の具体的方針を6月までに示すよう国に要望書を提出。初めて期限を区切り、時間軸の明示や復興拠点拡大、家屋解体を求めた。

 拠点内の避難解除は双葉、大熊、葛尾の3町村で来春を予定し、7月にも住民説明会が始まる。協議会会長の吉田数博浪江町長は「拠点外を含む帰還困難区域全体の説明を求める声は強く、早く方針を示してもらわなければ困る」と言う。
 しかしまだ国の動きは鈍い。原子力災害現地対策本部の担当者は「何ができるか検討している」と言葉少な。与党の復興加速化本部が7月にも第10次提言をまとめる方向で調整しており、慣例では政府方針はその後になる
 提言に先立ち自民、公明両党の加速化本部は4月に帰還困難区域を2日間ずつ視察した。自民党の額賀福志郎本部長は「与党として方向性を打ち出さなければいけない」と述べたが、同行した複数の首長は「その後の政府・与党に動きはない」と明かす。

 10年で住民の帰還意欲は低下した。第1原発周辺4町村と国、県による昨年の意向調査で「戻らない」と回答した住民は5~6割と8年前から増加、避難先への定着が進んでいる。
 菅義偉首相は帰還困難区域の避難解除を「時間をかけてもやり遂げたい」とする一方、政府内には「除染には多額の税金がかかる。国民が納得できる効果があるかが重要だ」(関係者)との見方もある。
 政府は昨年12月、居住を前提にしない土地に限り、除染なしで避難解除できる仕組みを整えた。あくまで要望があった場合の例外的措置だが、地元には例外の拡大に不安が広がる。
 「解除時期は無理でも、除染の方向性までは示してくれるのではないか」。双葉郡のある首長は最低限度の期待を口にした。
 協議会は近く、煮え切らない態度の政府に再要望書を提出する。昨年12月まで会長を務めた篠木弘葛尾村長は「古里が朽ち果てていくのを見るのはつらく、このままでは住民は死んでも死に切れない」と話す。

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