2026年4月27日月曜日

27- 福島避難者5万人超 原発事故15年 本紙調査国・県発表の倍

 福島避難者5万人超 原発事故15年 本紙調査国・県発表の倍

                       しんぶん赤旗 2026年4月23日

 各自治体の原発避難者特例法に基づく届け出をして帰還していない人数または、自治体として把握している避難者数(2月28日~41日)を電話で聞き取りました。

 東京電力福島第1原発事故から15年を経過した現在も、避難指示が出された福島県の12町村から避難して故郷に帰れていない人が5万人を超えることが各自治体への本紙の取材で分かりました。国や県の発表とは大きな開きがあり、被害の状況の把握が十分でないことが浮き彫りになりました。     (松沼 環)

 

 避難指示が出されたのは、役場ごとほとんどの住民が避難した浪江町、双葉町、大熊町、富岡町、楢葉町、広野町、飯舘村、葛尾村、川内村と、一部に避難指示が出された南相馬市、田村市、川俣町の12市町村。現在も、7市町村の計約3万900ヘクタールが避難指示区域に指定されています。

 同県の発表によれば、同県の避難者数は事故後の2012年5月には県内・外で計16万4865人にのぼりましたが、今年2月1日現在、2万3410入に減少したとしています。内訳は、県外避難者1万8996入、県内避難者4409人、避難先不明者5です。

 しかし、本紙が12市町村に聞き取るなどした避難者の総数は5万1491でした

(図⇒ 下記のURLをクリックしてください。PDF版が表示されます https://drive.google.com/file/d/1CbewdELEJIdIG-h025JMVE-9DtUvkTn-/view?usp=sharing

 県の集計は、復興公営住宅に入居した人や自ら住宅を取得した人を除外し、さらに、帰還の意思があるとした人に限っており、以前から実態を反映していないと指摘されていました。

 

避難者数 国発表とかい離 復興阻む過小評価 実数把握が大前提!!

「原発事故からの復旧・復興を求める会」と「原発をなくすいわき市民の会」は先月、福島県に避難者数の把握し直しを求める要望書を提出しました。「避難者の実人数をきちんと把握せず避難者支援について語ること自体に疑問を感じざるを得ません」と指摘しています。

 復旧・復興を求める会の伊東達也代表は「県の示している避難者数が現実を示していないということが、はっきりしました。被害を小さく見せたいということが根底にあるのではないか。事実と反して、福島の復興・復旧が進んでいるとしたいのでょう」と批判します。

 福島原発事故では瑶巾町村以外の避難指示区域外から避難する人が多くあり、これらの人々を加えれば避難者数はさらに多くなると考えられます。しかし、これらの人々の現状について国・県は発表していません。実際はより多くの人々が、避難を余儀なくされ故郷に帰還できていないとみられます。

 伊東代表は「福島原発事故は公害です。被害者のおかれた立場、被害の実態をできる限り正しく把握することが、被害者の救済、侵害された人権の回復に必要です。それが復興・復旧の前提条件にもなります。数字として拾われないことで被害者が、被害者でないと切り捨てられかねない」と警鐘を鳴らします。