2023年7月15日土曜日

処理水放出「政府全体で安全発信」 35カ所のモニタリング公開

 環境省は22年6月から福島第1原発周辺の海域35カ所で放射性物質のモニタリングを実施し、ウェブサイト「ALPS処理水に係る海域モニタリング情報」で公開しています。福島県内6カ所の海水浴場も含まれ、担当者は「放出前後で科学的根拠に基づいたデータを公表することが重要だ」と強調しています

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処理水放出「政府全体で安全発信」 35カ所のモニタリング公開
                            毎日新聞 2023/7/14
 東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出を巡っては、今月に国際原子力機関(IAEA)が「国際的な安全基準に合致する」とした包括報告書を公表し、原子力規制委員会も放出設備の使用前検査の「終了証」を東電に交付している。
   【福島第1原発】汚染水処理の流れ
 処理水は、汚染水を多核種除去設備「ALPS(アルプス)」などで処理してほとんどの放射性物質の濃度を国の基準値未満に下げた水。除去が難しい放射性物質のトリチウムも海水で薄め、濃度を国の基準の40分の1未満にしてから放出する計画にしている。
 政府は2021年に海洋放出方針を決定後、22年度から本格的に海水浴場の風評対策に取り組んでいる。
 環境省は22年6月から第1原発周辺の海域35カ所で放射性物質のモニタリングを実施し、ウェブサイト「ALPS処理水に係る海域モニタリング情報」で公開。福島県内6カ所の海水浴場も含まれ、担当者は「放出前後で科学的根拠に基づいたデータを公表することが重要だ」と強調する

 観光庁は処理水の風評対策の一環で、22年度から海の魅力を発信する「ブルーツーリズム推進支援事業」を始めた。岩手、宮城、福島、茨城4県の市町村や観光協会の事業が対象で、老朽化した海の家の改修や国際認証「ブルーフラッグ」の取得支援などについて事業費の10分の8を補助する。22、23年度は年2億7000万円の予算を組んで計28件の事業が採択された。
 観光庁の担当者は「政府全体で安全性の発信に取り組んでいるが、海に来てもらうための魅力を高めることも風評対策の一つだ」とする。【安藤いく子】