2023年7月12日水曜日

12- 福島県漁連、重ねて海洋放出に反対 「理解なく放出しない約束」

 福島原発の放射性物質トリチウムを含んだアルプス処理水の海洋放出を所管する西村経産相は11日、いわき市で開かれた福島県漁連の拡大理事会に出席し、海洋放出への理解を直接求めました。
 会合は冒頭を除き非公開で、県漁連の野崎哲会長は反対の姿勢を改めて強調し、終了後に「漁業者として海で操業する観点、関係者の合意なしには海洋放出しないと約束した観点から容認する立ち位置には立てない」と表明しました。
 新たな風評を懸念する漁業者の理解を十分に得られるかは依然として不透明です
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福島県漁連、重ねて反対 「理解なく放出しない約束」 経産相、処理水報告書説明
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 東京電力福島第1原発の放射性物質トリチウムを含んだ処理水の海洋放出を所管する西村康稔経済産業相は11日、福島県いわき市で開かれた県漁連の拡大理事会に出席し、国際原子力機関(IAEA)による処理水の安全性に関する包括報告書を基に海洋放出への理解を直接求めた。県漁連の野崎哲会長は反対の姿勢を改めて強調し、終了後に「漁業者として海で操業する観点、関係者の合意なしには海洋放出しないと約束した観点から容認する立ち位置には立てない」と表明した。政府が夏ごろとする放出開始が迫る中、新たな風評を懸念する漁業者の理解を十分に得られるかは依然として不透明だ。

 会合は冒頭を除き非公開だった。西村氏はあいさつで「廃炉と福島の復興を進めるためには処理水の処分は避けて通れない」とした上で、「IAEAの包括報告書や原子力規制委員会の使用前検査を通じ、放出前の安全性が確認された」と説明した。野崎氏は「基本的に処理水の海洋放出には反対の立ち位置だ」と述べた。
 出席した漁業関係者によると、西村氏の説明に一部で理解を示す声もあり「(人体に)影響がなく、理解も得て放出するなら仕方がない」との意見も出た。処理水を保管するタンクの状況や、廃炉作業への不安の声も上がったという。
 会合後、西村氏は報道陣の取材に対し、出席者からIAEAによる監視やモニタリングなどを評価する意見があった一方、漁業継続や販路開拓に向けた国の支援を望む声が寄せられたと明らかにした。漁業者らの声を「大きな不安」と受け止め、「しっかりと寄り添い、丁寧な説明を重ねて信頼関係を深めていきたい」と繰り返した。

■経産相、説明継続の意向
 政府と東電は2015(平成27)年、県漁連に「関係者の理解なしには(処理水の)いかなる処分もしない」と約束している。野崎氏は会合後、「この約束を守ってほしいという気持ちは変わらない」と主張。原発事故発生後に操業自粛、試験操業を余儀なくされた経緯を振り返り、「心配だ」と述べた。西村氏は「(約束を)順守する」と明言し、「今日の意見交換で終わりにすることはない」として説明を継続する意向を示した。

 東京電力福島第1原発の放射性物質トリチウムを含んだ処理水の海洋放出を所管する西村康稔経済産業相は11日、福島県いわき市で開かれた県漁連の拡大理事会に出席し、国際原子力機関(IAEA)による処理水の安全性に関する包括報告書を基に海洋放出への理解を直接求めた県漁連の野崎哲会長は反対の姿勢を改めて強調し、終了後に「漁業者として海で操業する観点、関係者の合意なしには海洋放出しないと約束した観点から容認する立ち位置には立てない」と表明した。政府が夏ごろとする放出開始が迫る中、新たな風評を懸念する漁業者の理解を十分に得られるかは依然として不透明だ。

 会合は冒頭を除き非公開だった。西村氏はあいさつで「廃炉と福島の復興を進めるためには処理水の処分は避けて通れない」とした上で、「IAEAの包括報告書や原子力規制委員会の使用前検査を通じ、放出前の安全性が確認された」と説明した。野崎氏は「基本的に処理水の海洋放出には反対の立ち位置だ」と述べた。
 出席した漁業関係者によると、西村氏の説明に一部で理解を示す声もあり「(人体に)影響がなく、理解も得て放出するなら仕方がない」との意見も出た。処理水を保管するタンクの状況や、廃炉作業への不安の声も上がったという。
 会合後、西村氏は報道陣の取材に対し、出席者からIAEAによる監視やモニタリングなどを評価する意見があった一方、漁業継続や販路開拓に向けた国の支援を望む声が寄せられたと明らかにした。漁業者らの声を「大きな不安」と受け止め、「しっかりと寄り添い、丁寧な説明を重ねて信頼関係を深めていきたい」と繰り返した。

■経産相、説明継続の意向

 政府と東電は2015(平成27)年、県漁連に「関係者の理解なしには(処理水の)いかなる処分もしない」と約束している。野崎氏は会合後、「この約束を守ってほしいという気持ちは変わらない」と主張。原発事故発生後に操業自粛、試験操業を余儀なくされた経緯を振り返り、「心配だ」と述べた。西村氏は「(約束を)順守する」と明言し、「今日の意見交換で終わりにすることはない」として説明を継続する意向を示した。